改正介護保険は、どうしてこんなにややこしいのか?その2 [2016年08月29日(Mon)]
改正介護保険をややこしくしている主犯 その2 地域包括ケアという概念が曲者です。それまでの日本の福祉や介護は、行政+行政が指定する事業者がある「サービス期待者」に対して個別に対処するものでした。つまり、福祉・介護の専門家が待機者に対して個別にサービス提供してきたのです。 ところが「地域包括」とは何でしょうか?これは専門家個人がある1人にサービスするというこれまでの仕組みを放棄し、地域にある専門家・素人などの「地域資源」を総動員して個人にあたろうというものです。 地域包括ケアシステムの定義とは、田中滋慶應義塾大学名誉教授が座長をつとめる地域包括ケア研究会において「ニーズに応じた住宅が提供されることを基本とした上で、生活上の安全・安心・健康を確保するために、医療や介護のみならず福祉サービスを含めた様々な生活支援サービスが日常生活の場(日常生活圏域)で適切に提供できるような地域での体制」と定義されています。 つまり、地域包括は住宅から日常生活まですべてを含むもので、介護や福祉はその一部でしかありません。逆にいえば、介護保険制度だけでは地域包括は実行できないのです。 |
Posted by
田中尚輝
at 12:50