CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
プロフィール

田中尚輝さんの画像
<< 2019年01月 >>
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
カテゴリアーカイブ
最新記事
最新コメント
Redwing
日本の貧困・格差を「なくす (02/16) 高橋潤
ホンダOBが行く (02/14) 江藤清巳
NPOを応援する人材 (02/06) 高橋潤
NPOリーダーの覚悟 (02/05) ふみみん
コミュニティカフェ2題 (02/02) 高橋潤
上野千鶴子の田中批判についての意見 その2 (01/08) 井上貴至
検察の弱さ その2 (01/04) 藤本泰宏
自己肯定 (12/16) さくら
「橋下」勝利をどう考えるか? (12/09) 高橋潤
人間関係学 (12/03)
リンク集
最新トラックバック
http://blog.canpan.info/tanaka-naoki/index1_0.rdf
http://blog.canpan.info/tanaka-naoki/index2_0.xml
一神教・キリスト教の影響力 [2012年05月11日(Fri)]
 注目すべき社会学者の橋爪大三郎と大澤真幸がキリスト教に焦点を当てて対談している。博学の2人のキリスト教解釈が面白い。2人の対話を通じて深く突っ込まれる展開も興味深い。

『ふしぎなキリスト教』(橋爪大三郎×大澤真幸、講談社現代新書、349頁、840円、2011年)


 キリストはユダヤ教の流れを持ち、その批判からキリスト教をつくりあげることになる。
元は一緒であり旧約聖書と新約聖書の相違は「キリスト」がいるかいなかいかだけだと説明がある。そして、この一神教の流れの中でイスラム教がでてくる。もともと3つの宗教は一緒のルーツだのに、どうして現状のように中が悪いのか?これも本書で探れる。

 日本人の多くはこの一神教ではなく、山にも川にも海にも、そして、狐にさえ神がいる(稲荷神社)と考える多神教だ。この日本人の立場であるからこそ、一神教であるキリスト教の理解を進めなければならない、というのが2人の気鋭の社会学者の考えだ。お二人とも社会学者であるが哲学の造詣が深いので安っぽい上面をなめた社会学とは違う地平をつくりだしている。
 

一神教のキリスト教の場合、神が世界をつくり法則性もつくっているのだが、個々の課題には一切口に出さない。これを人間が天国にいけるように努力して頑張る以外ない。なぜなら、神が天国へいける人と決めている人が自堕落であるはずがないからだ。


 こうしてマックス・ヴェバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』という社会学的な分析に行き着くわけだ。

 また、マルクス主義という近代の思想の1つは一神教・キリスト教の裏返しではないか、と議論している。

 「マルクス主義は、唯物論を標榜し、キリスト教と関係なのないことになっていますが、私からみると神がいないだけで、ほとんどキリスト教と同じ。教会の変わりに共産党がある。共産党はカトリック教会のように、一つでなければならないとしている。それは世界全体が、歴史法則に貫かれているからなんです。やがてくる世界革命は、終末とよく似ている。プロレタリア/ブルジョアジーの二分法も、救済される/されない、の分割線なのです。もう全体がキリスト教の部品装置でできているのですね。」(橋爪)

 このほか、キリスト教が世界で影響力をユダヤ教やイスラム教よりなぜ持っているのかという分析も面白い。
キリスト教は他の2つと違って、人間が勝手に「法律」をつくれたからだというのがその結論だ。


 現代社会の思考にキリスト教が深い影響力を持っていることは事実であり、それと一神教の発想と多神教の発想の違いを押さえておくことは今後の日本社会のあり方を考える上で意味があると考えた。本書の読後感である。
Posted by 田中尚輝 at 08:04
この記事のURL
http://blog.canpan.info/tanaka-naoki/archive/833
トラックバック
ご利用前に必ずご利用規約(別ウィンドウで開きます)をお読みください。
CanpanBlogにトラックバックした時点で本規約を承諾したものとみなします。
この記事へのトラックバックURL
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
http://blog.canpan.info/tb/694967
 
コメントする
コメント