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原発と日本人の思考方式 [2012年05月06日(Sun)]
 私が注目する社会学者大澤真幸が「3・11後の哲学」という副題をもった哲学書を発行した。『夢よりも深い覚醒』(岩波新書、264頁、820円、2012年)である。

 現代の哲学書として知的な刺激を受けるが、ここでは原発についての日本人の思考を解析していることだけを取り上げたい。

 大澤は広島と長崎において人類初の原子力爆弾の悲惨な被害を受けた日本と日本人がどうして「原発礼賛」へと大変貌を遂げるのか?という疑問である。原発は原子力爆弾の爆発と同じ原理であり、爆発をゆっくりとさせただけに過ぎないのに、である。

 これを大澤が「アイロニカル(冷笑)な没入」としている。このことを大澤は日本人の思考方法として「Pである、ただしq」として説明する。「原則的にはpである、ただしqは例外である」という原理として説明している。

 日本国憲法は戦力保持を否定しているが自衛隊は例外である、あるいは、自衛隊は「自衛」しかしないから「軍隊でない」という認識で頭の中が収まるのだ。5兆円もの軍事費を使い、米軍を沖縄をはじめとして迎え入れながら「平和国家」と思い込んでいるのだ。

 原発に関しては危険(p)だが、「平和利用」「未来の科学」「尊敬すべきアメリカによる安全性の保証」というqによって原発にのめりこむのだ。このpとqのねじれを大澤は「アイロニカルな没入」と定義している。
 この思考方式が日本人には深く浸透している。何事にも例外はあるだろう。だが、例外はあくまで例外であり、原理を超えてはならないのだ。

 原発は危険なのだ。この危険性の排除を人類は科学として確立していない。危険な放射能の一部は半減期に1万年もかかると言う。こうしたものを生活のための技術として活用すべきではないのだ。日本人は原発を「平和利用」「未来の科学」「尊敬すべきアメリカによる安全性の保証」という『夢』から『覚醒』しなければならないのだ。

 ところで、政治の世界は妥協の世界であり、例外だらけの世界である。だからこそ原理をしっかりと守らなければならない。民主党政権ははやく「アイロニカルな没入」に気づくべきだ。
Posted by 田中尚輝 at 07:22
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