コミュニティカフェの新展開 [2012年03月18日(Sun)]
大分大学が「地域でのつながりの再構築をめざして〜コミュニティ、アート、インクルージョン〜」というまちおこしフォーラムを東京市ヶ谷の「アルカディア市ヶ谷」で18日に開催した。
地方の大学が東京でフォーラムを開催すること自体が珍しいが、その中味もなかなかのものだった。私は昨年、大分大学で開催されたこのフォーラムにパネラーとして参加したのが、それは内輪の関係者だけのものだった。その折に、こういう高い水準のものは東京でも開催したら、どうかと発言した。この研究調査・フォーラムの軸になっている椋野美智子教授ももともとそういうことを考えていたとのことで実現した。 椋野教授の「コミュニティカフェ全国調査と運営実験から」という報告は、私たちのコミュニティカフェ全国連絡会が協力したものだ。 フォーラムは、イギリス・オックスフォード大学前教授のテレザ・スミスさんのイギリスでの実践例の報告があった上で豊富な報告があった。 その報告の中には私が紹介したNPO法人亘理いちごっこの馬場さんのコミュニティカフェの報告もあった。そして、今回のフォーラムで注目すべきは「アート」を町おこしに、そして、コミュニティカフェの1つの方式として提起したことだろう。 大阪・釜崎で活躍するNPO法人こえとことばとこころの部屋の上田かなよさん、NPO法人BEPP PROJECTの井出淳也さん、財団法人たんぽぽの家の播磨靖夫さん、南三陸で「アートが被災地でできること」の実験をしている吉川由美さんなどの報告があった。 それぞれ素晴らしいものだったが、播磨さんが障がい者のアートを商品化している報告がユニークだった。ことに男性用のデザイン・パンツが5000円で売れているのは驚いた。播磨さんのよれば、この根付は「女性から男性への贈答価値」だというのだ。 こうしたアートが荒廃した商店街を活性化させ、障がい者のアートや地域参加を促進させる。このためには「場」が必要であり、それがコミュニティカフェなのだ。すでにコミュニティカフェは一人暮らしの高齢者や障がい者、子どもを包摂(ソーシャル インクルージョン)を実践しているが、アートを活用してのコミュニティカフェの豊かな可能性を勉強できたフォーラムだった。 |
Posted by
田中尚輝
at 07:22