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NPOの強化策 [2012年03月05日(Mon)]
ブログを休んでいた間もいつもと同じような生活をしている。

 昨日からは、大分で私が専務理事をしているNPO法人市民福祉団体全国協議会の研修会。介護保険法の改正がテーマ。介護保険事業者が沢山参加。なかには要介護者も。

 その前の日は、山梨県甲府市。山梨県主催、公益社団法人長寿社会文化協会(WAC)が実施するコミュニティカフェのシンポジュウム。実際にコミュニティカフェを実施している人、これから始める人が約100に集まった。

 新潟から「うちの実家」主宰の河田珪子さんがかけつけてくれ、参加者は元気一杯に。

 さて、「新しい公共」のために少し古い本を紹介しておこう。

『NPOは公共サービスを担えるか』(後房雄、法律文化社、2500円、205頁、2009年)

 新しい公共の一方における主要な担い手がNPOであることは周知の事実でしょう。そして、NPOが公共サービスの一部を担っていくことも当然のことでしょう。こうしたことを前提として名古屋大学の後教授が「NPOは公共サービスを担えるか」と真正面から切り込んでいるのが本書です。

 この前提になっているのが、現実のNPOのひ弱さであり、年間財政規模が3000万円以上の団体が14.8%、1000万円以上でも35.8%でしかないこと、また、事務局スタッフがゼロの団体が27.3%、1人が19.1%、2人が14.3%(合計60.7%)であり、かつ、常勤スタッフの平均賃金が約166万円であることを指摘しています。

 また、NPO研究者として有名なサラモン教授のNPOの4つの弱点を紹介しています。
 @NPOは社会の要請に十分に対応しうる財源をうみだせない(資源の不足)。
 A特定の集団に関心を集中させる傾向のため、NPOはコミュニティの重要な構成要素を見過ごしてしまったり、利用可能な資源を浪費する可能性がある(傾向)。
 B巨額の寄付によって財源を支配する立場の者が、NPOの活動内容と支援対象についての決定権を握る(父権主義)。
 C問題に素人的手法で対処する(アマチュアリズム)。

 このような問題点を持っているが、現代社会はNPOの活躍を期待しており、それにNPOは対応しなければならない、と後は主張する。

 後はイギリス首相のサッチャーやアメリカ大統領であったレーガンの新自由主義改革を「粗野な自由主義」と規定し、それに対抗する「成熟した新自由主義」が存在すると分析する。つまり、「民間主導の自由主義的改革」(これを進めたのが日本では小泉首相だった)と「市民社会が存在感をもつ自由主義的改革」を置きます。そして、後者の軸にNPOをイメージするのです。

 そして後は、またサラモンを紹介しつつNPOの5つの機能を十分に発揮することによって、NPOの使命を達成すべきだとするのですそれは5つの機能があります。

 @サービス機能
 Aイノベーション機能
 Bアドボカシー・社会変革機能
 C表現・リーダーシップの発展機能
 Dコミュニティ建設・民主化機能

 そして後は、日本のNPOの発展にとっての2点の課題を掲げます。
 @日本のNPOがきわめて分断的な構造になっており、1つのセクターとして連携した発言や行動ができる状況にないことが重大な課題」です。
 A田中弥生が描くNPOの理想像があまりに現実とかけ離れ、NPOを社会的に大きな存在にしていかないのではないか、というのである。

 私(田中尚輝)は後のAの見解には疑問を持っています。田中弥生は市民に支えられたNPOを強調し、それは寄付とボランティアによって図ることができると主張しているわけです。

 『市民社会政策論』(田中弥生)を紹介したブログにおいても述べたが、両者の主張が私には決定的な対立があるとは思えないのです。この判断は読者にお任せします。

 本書は、社会システムの中でNPOがどうした役割を果たさなければならないのか、について真正面から分析したものです。ことに「市民社会が存在感をもつ自由主義的改革」の中に位置づけていることは注目に値します。
Posted by 田中尚輝 at 06:50
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