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日本の貧困・格差を「なくす [2012年02月15日(Wed)]
 私が専務理事をしているNPO法人市民福祉団体全国協議会は、今年度WAMの助成を受け、「生活困窮者支援」に手をつけている。その最終報告の時期になり、下記の論考を送付した。
 
 生活困窮者問題の本質と改革案
 これまでは特別のNPOしか関与しなかった生活困難者支援に、介護系NPOのNPO法人市民福祉団体全国協議会(市民協)が乗り出した。これまでは、こういう人たちの支援は行政が乗り出すか、特別の対策が必要だと思われてきたのであり、広がった支援にはなっていなかった。


 しかし、こうした考え方でいいのだろうか。現代の貧困者問題の根本は、日本に生まれている社会の分裂、階層間の拡大とその断絶に対してどうするか、ということだろう。このような大きな社会問題であるとするならば、政府やこの問題に取り組んでいるNPOだけに任せて解決できるはずがないだろう。

 日本における相対的貧困率(OECD規定:平均所得の半分以下しか所得の無い人の比率)は、何と世界4位である。ちなみに第1位はメキシコ(18.4%),第2位トルコ(17.5%)、第3位(アメリカ17.1%)、そして日本(14.8%)なのである。アメリカのように人種が多様な国はともかく、メキシコやトルコに続いてわが国が位置していることは何とも不名誉なことであり、日本の政府や人々の能力が問われているといって過言ではないだろう。

 今やわが国は、「1億総中流世帯」といわれ、ほとんどの人が自分は中流だと思っていた1970年代、80年代は遠い過去のこととなった。

 なぜ、こうも貧困者が増えたのか?それはリーマンショックに代表されるように、政界経済の仕組みが「金融賭博社会」といわれるようなマネーゲームに資金が集中し、まともな経済社会にお金が流れず、結果として不況を呼び起こし、賃金の切り下げ、失業者の増大につながり、個人消費を低迷させることになっている。また、政府の無策がこれに追い打ちをかけている。

 では、どうすれば解決できるか?大局的な手の打ち方と個別対策の二方面から対応しなければならないだろう。

 大局的には、東日本大震災にみられるように産業構造の転換を余儀なくされ、他方における急激な人口減から、かつて高度経済成長の再現はありえない。人間を大切にする産業を一つひとつ作り出していく以外にないだろう。こうした社会において、貧困者を減らしていくためにはどうすればよいのか。

 基本的には、政府の介入による所得の再配分により中・高額所得者から課税し、低所得者に配分することだ。これは単にお金を直接的に回すことではない。例えば、生活保障をした上での職業訓練、これも現行の3か月から6か月の職業訓練(就業促進法)ではなく、デンマークのように4年間というような長期でなくても、せめて1年から2年間はじっくり生活の心配をしなくても職業訓練を受けられるようにすべきだろう。

 また、生活保護世帯が急増し206万人を突破し、最高数値を更新し続けている。ところが、この16%は働く能力があるのに就業ができなくて生活保護世帯になっている。約32万人がこうした状況なのだ。この人々に生活保護費を支給し、「そして何もしない方がよい」と思わせるような政策では自立復帰への政策にはならないだろう。

 私どものこの事業の中での報告で福岡県の田川地方においては、小中学校のある学級においては半数以上が生活保護世帯であり、子どもたちの将来の夢が「生活保護成体になる」ことというのには驚いた。そこには生活保護層を抜け出せない、あるいは抜け出そうとしない社会的な階層が形成されている、ということだ。

 このように働く能力を持っている人は、NPOや役所で仕事をさせたら、どうか。そのほうが現実の社会に寄与することになるし、何もしないで家にいるよりも社会復帰のチャンスが多くなるだろう。こうした政策はアメリカやヨーロッパでとられている。こういうことは制度の改定ではなく、簡単なことではないか。

 次に、政府だけではなく、団塊世代を含むシニア層が貧困者救援にもエネルギーを回すべきではないか、ということだ。
人間は他の生物とことなり、生殖年齢を超えても生きることのできる唯一の生物である。それも日本で言えば、大正年間までは平均寿命が40歳をこえたわけだ。文明史的に言って、活きる価値観の模索をしなければならない。

 この最後のフレーズについては、報告書には簡単にしかかいていないので、改めてこのブログに書きたい。


Posted by 田中尚輝 at 19:53
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コメント
非常に本質的な御指摘だと思います。
行き過ぎた自由主義・資本主義は
全体からみれば数%の能力ある人にのみ恩恵があるもので、
多くの人は歯を食いしばって振り落とされないように努力しているわけですが
この流れについてゆけず、あるいは参加する前から諦めて、「負け組」の烙印を押されて
「居ないこと」にされてしまう層が近時増え続けています。
これは何も日本に限った話ではなく、イギリスでもアメリカでもそうなっているのですが
特に日本の場合は救いが無い。自殺者の増加と無縁ではないでしょう。
撤回されたようですがGKB48なんてフレーズと広報では何も解決しません。
先進国でも例の無い少子高齢化が進む日本において
「公的財政状況の緊縮化」「雇用の創出・保護」「ベースライン社会保障」
このあたりは一体化した問題設定のもと、現実的に考えなければなりません。
「負け組」はダメなんだから放っておけばよい、
能力がある人間が報われて何が悪い、といった思考は
長期的にみれば全体としての国力を損ねるものです。
能力がある人には活躍の舞台を、能無き庶民にも食い扶持と居場所を
提供することは双方ともに重要で、まさに前例なき近代社会の中で
「活きる価値観」を実践的ビジョンとして組みあげる必要があるのでしょう。
言うは易し、で恐縮ですがエネルギーのあるシニアの方々には
そういったきっかけづくりをどんどん展開していただけるのを期待しております。
「負け組も悪くないな」という程度に多くの人が活力と居場所を持てる
そんな世の中にしたいですね。

Posted by:Redwing  at 2012年02月16日(Thu) 19:20