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アンペイドワーク [2011年09月06日(Tue)]
 マルクス主義フェニミズムの大家・上野千鶴子の論点の1つがアンペイドワークである。

アンペイドワークとは、主婦の家事労働、育児、介護ワークについて報酬が支払われていな
いことをさし、この事実が男性の女性支配、家父長制維持のポイントを占めている,と考えるのである。

 『論争 アンペイドワークをめぐって』(上野千鶴子×行岡良治、大田出版、2003年、1600円、319頁)を読んだ。

 本書は、上野が言うように「論争にはなっていない」論争書である。

 争点はアンペイドワークであり、行岡が専務をつとめていたグリーンコープ生協が主導するワーカーズコレクティブ連合において「アンペイドワーク」という言葉を使わないように決議したこと、上野の予定していたワーカーズ主催の講演を断ったことに端を発している。

 上野はアンペイドワークの存在が、社会構造と社会的意識に男性優位社会が貫徹されていると見る。

 それがワーカーズにも反映され、ワーカーズ活動にとっての必須の会議参加がアンペイドワークになっており、時給換算するとワーカーズメンバーが拘束されている時間単価が160円程度にしかならないと指摘する。

 また、このことが生協専従職員は男性支配の場だが、そこでは一般社会の平均的な賃金が支払われており、他方では助成が中心のワーカーズでは時給160円という差は何か、と迫る。

 行岡は、生協の中でアンペイドワークという言葉を流行させると単純反発として「ペイドワーク」を要求するようになる。もともと家事や介護を「労働」という観点からみるのは人間生活を単純化しすぎなのではないか、というわけだ。

 もともと行岡も介護保険のサービス提供を労働と捉えており、その賃金が低いことを認識し、上昇への努力をしている。この点の主張では上野と違わない。だが、男性職員が中心の生協と女性が中心のワーカーズの賃金格差については答えていない。

 私は有償ボランティア論の立場なので、この点ついては、行岡より上野との距離が離れて
いるのかもしれない。ただ、上野もアンペイドワークの全てを賃金換算して支払えと主張しているのではない。

 上野にとっては、介護という「労働」を家庭に、女性に押し付ける社会構造と意識構造を許せないのだ。

 市場で活用できなくなった廃物(老人)の処理を女性に押し付ける構造をそこに見るからだ。

 介護保険制度という「介護の社会化」が現実論になってきて、こうした意見対立が現実的
なものになってきたのだと思う。なかなか注目されにくいアンペイドワークについて、このような論争を機会に多くの人たちが関心を持つようになることは素晴らしいことだ。そういう意味が本書にはある。だが、事情を知っていないと一般には読みにくい本だ。

 さて、私は有償ボランティア論の立場から、上野にどのように反論するかを考えてみたい。
Posted by 田中尚輝 at 09:13
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