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和辻哲郎の『風土』 [2011年07月31日(Sun)]
名著の誉れ高い『風土 −人間学的考察』(和辻哲郎、岩波文庫、900円、371頁)を読んだ。

 本書は和辻が昭和4年頃に書いたものであるから、古典的分野に区分けされ、最近の人々はあまり読まない。

 ことに家族=天皇制の擁護論があり、リベラルな人や左翼からは嫌悪された。

 私は自分の立場をリベラルであり、左翼であると思っているが、実に内容のある書物である。

 本書は、人類が住んでいる地域をモンスーン地帯(日本も含まれる)と砂漠地帯、そしてヨーロッパと3つに分ける。

 そして、それぞれは地帯の自然環境から基本的に刺激を受け、それが「国民性」になると指摘している。大正末から昭和のはじめにかけて世界を漫遊し、その刺激を受けてまとめたものだ。現在と違うから船で移動する。和辻はインド、エジプトやギリシャで下船するのだが、そこを天才的な観察眼によって、特徴分析をしていくのだ。

 例えば、和辻は次のように言う。
 「我々は砂漠的人間の構造を明らかにした。それは『乾燥』である。乾燥とは人と世界との対抗的・戦闘的関係、従って人間の全体性への個人の絶対的服従の関係である。」

 さて、日本はモンスーン型に含まれる。「豊富な湿気が人間に食物を恵むとともに、同時に暴風や洪水として人間を脅かすというモンスーン的風土の、従って人間の受容的(・・・・)、忍従的(・・・・)な存在の仕方の二重的性格の上に、ここにはさらに熱帯的、寒帯的、季節的、突発的というごとき特殊な二重性格が加わってくるのである」ということになる。

 和辻の論理は、彼の天才的な感性と論理化によるものだが、実際には自然が人間を形成すると同時に「歴史」も社会的人間を作り出し、この2つの流れが織り成しながら個人としての人間と社会的存在としての人間ができていくのである。ここまで纏め上げた分析が出ると素晴らしいのが、それは今後の研究に待たなければならない。

 それにしてもわれわれ日本人の先輩の中には素晴らしい人が居たものだ。
Posted by 田中尚輝 at 07:26
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