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惜しい人物 [2011年05月16日(Mon)]
『自壊する帝国』(佐藤優、新潮文庫、2006年、781円、603ページ)を読んだ。

外務省は、そして日本政府はまったく惜しい人物を追い出してしまった。本書の著者佐藤優は自民党の国会議員であった鈴木宗男を追放しようとする<黒い権力>による「国策捜査」に巻き込まれた被害者であり、元外務省の役人だった。

 佐藤が外務省に居れば、日ソ関係が現在のようにこじれていなかったはずだ。特に北方四島返還問題が。

 本書は、佐藤が外交官になりたての若い時期(1987年8月〜95年3月)にモスクワの日本大使館に勤務した時代の「物語」だ。

 この時代とは、89年が東西ドイツを分けていた「ベルリンの壁」が打ち砕かれた年であり、91年8月にソ連共産党守旧派のクーデター、12月にソ連が崩壊する。このような激動の時代に佐藤はモスクワを拠点にして、活動をしていた。

 本書は、その激動を佐藤と交友のあった人間をとおして描いていく。その交友関係は広く、ソ連共産党守旧派、ゴルバチョフ派、エリツィン派、反体制派、ラトビアなどの周辺国のリーダーや活動家などが登場する。

 そして、「ソ連邦」が「ロシア」に変るが、その原因を「自壊」とする。つまり、本書の表題である『自壊する帝国』だ。

 この「自壊」の過程が、そこで政治をする人々の言動と生活態度を通じてよく描かれている。

 私ば、社会的・政治的に反応しやすいので、このような歴史的転換点の現場に居れば、何らかの態度表明・政治的な選択をするはずだが、著者は外交官として自制し、日本国の利益の観点から行動する。そして、歴史の転換を客観的な立場からみている。だが、本書の面白いのは、登場する人物との距離感を佐藤が隠さないことだ。それによって歴史の鼓動が伝わってくる。政治や歴史に関心がる人はぜひ読んでいただきたい本だ。

 なぜ佐藤というような優秀な人物が「国策捜査」の餌食にされてしまうのか?ここがわからない。

 今日は時間があったので、今年の1月27日に開催された「検察の在り方検討会議 第6回会議 議事録」も通して読んだ。1ページ1200字のペーパーが48ページ続く。通常の本で言うと100ページの量だ。

 そこで村木厚子意見陳述者(厚生労働省元局長)は、前田元検事のフロッピーの修正よりも次のことを疑問にしている。


 「たくさんの検事さん、副検事さん、まじめな方もたくさんいらっしゃるはずだろう、そういう人たちがチームでそういう≪ウソの=田中≫たくさんの調書を作ったということの方が、私としては大変恐怖に感じました。」つまり、前田元検事は歯車の1つであって、そこへ追い込んだ要素があるのだ。そこに注目しないで、前田個人の犯罪として小さくしてしまっているのだ。

 こうした「国策捜査」は誰がどこで決定してやるのだろうか。村木さんの場合には、現場の下請け役である検察の勇み足だろう。だが、佐藤の場合には、どす黒い「国家権力」がどこかで動いている。彼の透明な書き振りがその怖さを浮き彫りにしている。
Posted by 田中尚輝 at 00:51
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