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君は社会を変えよう、としているのか。 [2010年08月13日(Fri)]
 ここのところ私のブログを見てくれている人がうなぎのぼりに増えていて2倍近くになっている。1つの理由は、NPO法人市民福祉団体全国協議会のホームページを全面リニューアルして専務理事である私のブログをトップページから見に行けるようにしたことだろう。しかし、それだけではない人々の訪問の方が多い。
この暑いさなかに、訪問していただいている皆様に暑中見舞いを申し上げます。

 さて、『楊令伝』(第14巻、北方謙三、集英社)を読んだ。あと1巻で修了とのこと。発刊されると直ぐに買ってしまう本だ。
 この前作の長編『水滸伝』全19巻は原作があったが、それは参考にしているだけで北方『水滸伝』ワールドを見事に作り上げた。高校時代に読んだ吉川英治の『水滸伝』は原作に近いもので、妖怪などが出てきてなんともストンと落ちないものであったが、北方は独自の世界を作り出し、爽快な読後感が残った。

 その中で梁山泊の申し子の「楊令」を主人公にしての歴史ドラマを描いている。今回は原作がなく、北方の作家としての想像力だけで筆を進めていったものだ。

 この本がなぜ人気があるのだろうか。
 1つは、ミッションといえばいいのか『替天行道(たいてんぎょうどう)』という目標(それは書き物になっており本のような形態のものらしい)を梁山泊や楊令のグループは持っていることだ。

 その内容はよくわからないのだが、字のとおりを読めば「天下を変えて道を作る」ということなのであり変革を目指す目標を明示しているものだろう。
 そして、どうも、その目標は金銭価値や名誉欲ではなく、また、単純な国家打倒論ではなく、あるべき社会の形を求めているもののようだ。このような個人のカリスマ性ではなくミッションを共有価値にしたところに物語の厚さを増すことに成功している理由がある。

 現代的に言えば、ミッションなき社会、戦略なき政権にウンザリしている人々の気持ちの中に自然に入っていけるようになっているのだろうか。

 2つは、『水滸伝』にあっては「塩の道」、本書にあっては「自由市場」という経済をしっかりと見つめていることだ。

 「塩の道」は梁山泊を強大な結社として維持し、あるいは宋という国家を経営するための必要不可欠な要素として登場させている。それを発展させた形で本書では自由市場を軸にして登場させている。
 
 次巻で修了のようだが、14巻から読み取れる北方の国家観は、「自由市場」「低い税金」「国家不必要論」というところにたどり着く感じだ。

 北方は団塊の世代であり、全共闘時代の思いを楊令に託しているのかもしれない。どちらにしてもスケールの小さな人間像を見ることが多い今日、スケールの大きな楊令やその仲間たちと会えることは精神生活にはプラスだ。

 私も人生最後の仕事として「梁山泊」を結成して、残せるもの、後をたくせるもの等の整理が必要になっているかもしれない。本書を読みながら、そう考えた。最終巻の刊行が待ち遠しい。

 「君は社会を本当に変えよう、としているのか」というメッセージを北方は楊令を通じてわれわれにおくっているのではないか。
私はこの拳固を書いているときは忘れていたが、北方は大の「ゲバラ」フアンであり、水滸伝はゲバラの革命をイメージして書いた、という。

 ゲバラは、カストロと共にキューバ革命を指導した人物。革命成功後、ボビリアに行き、引き続き革命運動を行うが、政府軍に殺害された。

 ゲバラの言葉に次のものがある。


「革命は語ることではない。≪革命をする≫ことだ。」
Posted by 田中尚輝 at 10:14
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