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現代人は「石器時代の人間」より優れているか? [2010年07月10日(Sat)]
 羽田から福岡へ来た。飛行機の中で、『石器時代の経済学』(マーシャル・サーリンズ、山内昶訳、法政大学出版局、1984年)を読み終えた。

 石器時代の経済関係がわかる文献が残されているわけでもなく、遺跡がしっかりとあるわけでもない。著者らは、ほぼ石器時代の生活をそのまましていると想定できる現代に生息する原始人の生活を分析する中で、表題にアプローチしている。

 私が前から関心があったのは、どのような生活をし、労働時間はどの程度であり、どのような価値観をもっていたのだろうか、ということであり、本書はそうした問題意識に回答を与えてくれている。

 たとえば、当時の労働時間である。「食物を獲得して、準備するための、一人当たりの平均労働時間は四、五時間にすぎない。それどころか、連続に働くということもしない。生活資料探しはきわめて断続的であり、ちょっと働いて必要なだけ手にいれると、ちょっと休むので、暇な時間がたいへんに多い。他の生産部門とで同様に生活資料部門でも、あきらかに特定の、限定された目的の経済と、われわれはかかわっているわけである。狩猟や採集では、これらの目的は、不規則にしか達成できないのだから、労働パターンもそれに応じて一定しないわけである。」

 以上の文章や実際に原始人の生活の観測を読むと、現代人のわれわれよりもきわめて優雅な生活をしている。狩猟に出かけたあくる日は休む。あるいは採集も長時間はしない。数時間すれば終わりだ。農業などに携わるのは2時間前後でしかない。

 われわれの現代においては、原始時代よりも生産性が高まっているはずにもかかわらず、長時間労働になっている。1日に8時間前後は働いており、ゆとりのない生活をしている。ところが、世界には毎日餓死している子どもたちが大勢いるのに救えていない。

 果たして人間と言うのは成長してきているのであろうか。石器時代の人間よりも現代人のほうが幸せなのだろうか?簡単にイエスとは言えない。

 労働は、自分が食べるため、労働能力の無い人を食べさせるため、社会に必要な価値を作り出すためであろう。だとするならば、現代人のわれわれに欠けているものは生産へすべての人々を参加させる知恵(これがあれば失業者はいないはず)、そして、その労働時間を短くする知恵、かつ、生産物の配分を上手にする知恵が足りないのだ。これは社会システムのあり方であり、政治によって解決する以外に無い。多分、われわれは石器時代の政治よりも、何も進んでいない政治の中にいるのだ。

 最も弱くなっている知恵は、配分の知恵であって、「経済成長」からしか配分を考えられないとしたら、それは人間の退廃ではないのか。原点に立ち返って考えてみよう。
Posted by 田中尚輝 at 16:53
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