民主主義と福祉 [2015年04月08日(Wed)]
1835年にフランスの政治学者トクヴィルが出版した『アメリカのデモクラシー』(岩文庫、2005年)を読んだ。
まだ、アメリカに24州しかなく、南北戦争も起きていなかった時代だから、牧歌的で創生期のアメリカ民主主義が描かれている。 「合衆国の住民は、人生の禍や悩みと戦うのに自分自身しか頼りにならならぬことを生まちらをせれたときから学ぶ。社会的権威には疑い深い不安げな視線しかやらず、どうしても必要な場合以外その力に訴えない。このことは学校ですでに見てとれる。学校の遊びの中でも、子どもたちは自分たちの決めた規則に従い、自分たちで定めた違反を自分たちで罰している。同様の精神は社会生活のあらゆる行動に見だされる。公道に障害ができ、通行が遮断され、交通が止まったとする。住民はすぐに集まって相談し、この臨時の合議体か執行権ができて、災害を復旧してしまうであろう。関係者が集まる以前から存在するなんらかの機関に頼ること誰かが思いつくのはその後である。」 なんという健全な民主主義をアメリカは持っていたのだろうか。いまのアメリカは、健康保険に入っていなくて困っている人を前において、「君はまじめにはたらかなからこうなるのだ」という人が国民の半数入るのだ(オバマケア)。 日本人も問われている。改正介護保険において、困った人がいたら助けに行くのか、ほおっておくのか、どちらを選択するのだろうか。 民主主義とは、福祉の在り方にもつながる。 |
Posted by
田中尚輝
at 11:00