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リーダーと嘘 [2010年06月19日(Sat)]
『うそつきの進化論』(ディビッド・リヴィングストン・スミス、三宅砂子、NHK出版) 
を読んだ。

 「私は嘘をついたことがありません。というほどの嘘はない」という言葉を落合惠子さんが6月19日の朝日新聞「その日暮らし」で紹介している。確かにそのとおりだ。

 本書はこの嘘を研修対象にしている。そして、驚くことに嘘は人間特有の「能力」ではなく、動物にも、植物にさえある。動物の擬態はよくある嘘である。これによって、他の動物の危険から逃れたり、油断をさせて捕獲して食べてしまうことはよくある。

 笑ってしまったのは、植物の嘘である。オフリス属のランには花粉をつけて虫をひきつけ受粉するという一般的な形をとらない。「受粉を手伝わすハチに似た花をつけるのだ。」「花の真ん中の青紫色の部分が、静止しているメスにそっくりな形をしている。びっしり生えた長い赤い毛はハチの腹部に生えている毛をまねたものだ。メスバチの触覚はほっそりした黒っぽい上向きの花弁によってみごとに再現されている」。これをオスバチがメスバチと間違え、求愛しているうちに受粉をしていくというのである。

 このランには果たして目があるのだろうか。メスハチに自分の花弁を似せると言うような高等な技をどうして見につけたのだろう。そもそもこうしたことにしていくために何百万年もの時間をかけたのだろう。生物の不思議と言う他にない。

 動物や植物さえこうなのだから、人間はしっかりと嘘をつく。人間の嘘の中で困るのは、当人が嘘を実感していないものだ。「願望的思考」からくるのだろうが、これが習慣化し、もっと進行すると当人の思考を支配する場合さえある。

 私の周辺にもいるのだが、決して「認知症」ではないのだが、嘘と本当との区別がつかない。脳神経がどこかで切断され、奇妙な結合をしてしまったとしか思えない。本人は主観的にはきわめてまじめで正直なのだ。それが、ある頭脳回線に乗ると嘘と現実の区別がつかなくなり、嘘を真実のように主張するのだ。本人が、自分の認識が真実だと思い込んでいるのだから周辺はお手上げである。

 このような極端な事例でなくても「人間世界は騙しあい」のことがあり、これを活用して自らの目的を果たす人がリーダーになれるわけである。

 考えてみればNPOでいうミッションなどというのは嘘だといえる。すべてのイデオロギーは虚構である。現実にはありもしないことを、あたかも実現するように言い、共同幻想を持ち、この幻想を広げる中でミッションを実現してしまおうというのだ。つまり、詐欺師的能力がたくさんなければリーダーにはなれない。それも小さな詐欺ではなく、まるっきり大きな詐欺ほど他者に気づかれることがないのだ。嘘は、嘘と認識されれば効果を発揮できない。

 他方、リーダーには真摯さがなければ信用されない、ということも事実である。このことは論理性ではなく人が持つ雰囲気の中で汲み取ることができる。つまり、リーダーとは真摯な大詐欺師という矛盾した存在をこなせる人がなり得るということなのだ。
Posted by 田中尚輝 at 10:09
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