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『検察の正義』(郷原信郎) [2010年05月26日(Wed)]
『検察の正義』(郷原信郎、ちくま書房、2009年)を読んだ。

 私は著者の郷原さんとはお目にかかったことが無いが、父君とは面識がある。私が創始した社団法人社団法人長寿社会文化協会(WAC)の広島県の組織の中心的なメンバーであったからだ。じつは、堀田力さんがボランティア活動に入ると言う話も郷原さんの父君から聞いた。父君からは「堀田さんのような人とWACが連携できたら、面白いのではないか」という提案を受けた。そして、小さな声で「実は、息子が司法修習所にいっている」とつけくわえていた。これをきっかけとして私は堀田さんと出会うことになり、他方において、その息子さんである郷原がマスコミを通じて発言される内容を注目していた。

 ことに最近の小澤一郎民主党幹事長の「金」問題についての見解の両者の相違には注視していた。堀田氏は自己が有罪を証明した田中角栄の子分である小澤は悪いことをしているという前提での発言だったが、郷原氏は検察の捜査に行きすぎがあることを舌鋒強く指摘していた。

 本書は、郷原氏の考えが良く分かる書であると共に、検察の内部事情を知ることができる。そして、一般論にすれば組織の腐敗の検証素材になる。 

 私は検察OBを何人か知っているが、検察は日本社会の「正義の砦」という自己意識が極めて強く、そして、政府の要職、政治家、大企業の経営者を逮捕し、有罪にすることを何よりもの価値であることを信じきっている。ある意味ではきわめて子どもっぽい人種であり、それは本書からも、それを読み取れる。

 警戒しなければならないのは子どもっぽい自意識が組織を官僚化することにより、自己のシナリオの価値観を何よりも大切にし、結論を無理やりに自己のシナリオに合わせて行くことを「検察の正義」にしてしまうことである。この検察の正義が「日本社会の正義」というように置き換え、勘違いしていくのである。

 現時点で例示するならば、厚生労働省の村木局長の逮捕と長期の拘留をしたにもかかわらず、無罪になることが確定的であるようだ。だが、この間の検察の行動によって有能な官僚の1人の人生を狂わせたことをどのようにしてとりかえそうとするのだろうか。それも、「日本の正義」であり、検察は一切の誤謬無き組織として頑張りとおすのだろうか。このどうしようもない感覚をどうすればよいのだろう。私たちは、日本社会の権力機構の一環として検察を抱えたことを根本から考え直さなければならない時期にきているのかもしれない。

 私はNPOのオルガナイザーの一人として、あらゆる組織の一般的な傾向に関心があり、その視点から検察を見る。そうすると組織の堕落としての官僚化、そして、組織は目的を達成するための手段だが、組織の持つ異常な能力によって「手段の目的化」=組織の維持を目的化する典型をそこに見る。 骨太な書であり、一読を薦める。
Posted by 田中尚輝 at 23:27
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