CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
プロフィール

田中尚輝さんの画像
<< 2019年10月 >>
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
カテゴリアーカイブ
最新記事
最新コメント
Redwing
日本の貧困・格差を「なくす (02/16) 高橋潤
ホンダOBが行く (02/14) 江藤清巳
NPOを応援する人材 (02/06) 高橋潤
NPOリーダーの覚悟 (02/05) ふみみん
コミュニティカフェ2題 (02/02) 高橋潤
上野千鶴子の田中批判についての意見 その2 (01/08) 井上貴至
検察の弱さ その2 (01/04) 藤本泰宏
自己肯定 (12/16) さくら
「橋下」勝利をどう考えるか? (12/09) 高橋潤
人間関係学 (12/03)
リンク集
最新トラックバック
http://blog.canpan.info/tanaka-naoki/index1_0.rdf
http://blog.canpan.info/tanaka-naoki/index2_0.xml
コミュニティ論 [2010年05月20日(Thu)]
広井良典は私が注目する研究者である。最初にお目にかかったのは13,4年前に麻布ああたりのパブだった。当時は丁度NPO法をつくりあげるのに懸命だったころで、辻元清美さんも同席だったと思う。彼は、厚生省の役人として「法制局」へ出向中だった。法制度の観点からいろいろとサジェッションをいただいた。

 広井は大学では社会科学系ではなく、化学系に在籍していたと記憶している。これまでの社会福祉・社会保障学者と異なって新鮮な視点から論じている。これまでで記憶に残っていることで言えば、人生前半での所得保障の必要性(若者に年金を)の提言、日本の社会保障制度が公共事業を通じた所得の配分によって成り立っていた、という分析などは新鮮だった。 その広井が「コミュニティ」に関する総論を書いた。それが『コミュニティを問いなおす ―つながり・都市・日本社会の未来』(広井良典、ちくま新書、2009年)であり、大仏次郎論壇賞を獲得した。

 広井は、[コミュニティ=人間が、それに対して何らかの帰属意識をもち、かつその構成メンバーの間に一定の連帯ないし相互扶助(支えあい)の意識が働いているような集団」と定義する。

 その上で、都市計画(その国際比較=ヨーロッパの都市と日本の城の比較など面白い。西洋の都市は城の中に住民をいれた上に、その外に城壁をつくるが、日本の城における城下町は攻め込まれたときの単なるバリアに過ぎない)やケアとしての科学、哲学などの広範囲な分野からコミュニティにアプローチする。アプローチの手法が刺激的で、これまでのこじんまりとしたコミュニティ論とは様変わりの論陣を張っている。

 他方におけるグローバリズムが進行すればするほど、一方におけるコミュニティの重要性が生まれる。現政権の「新しい公共」の中味もその大半がコミュニティ形成ができるかどうかにかかっている。

 時期や良し。いい時に出版されたのでお勧めする。ただ、本書はあくまで総論であり、コミュニティは総論だけでは終わらずに各論が重要である。そして、この各論は具体的なコミュニティにおいてその形成を通じてのみ形成されるのである。
 
Posted by 田中尚輝 at 11:20
この記事のURL
http://blog.canpan.info/tanaka-naoki/archive/165
トラックバック
※トラックバックの受付は終了しました
 
コメントする
コメント