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ライシャワーの日本史を読む [2013年08月04日(Sun)]
『ライシャワーの日本史』(エドウィン・O・ライシャワー、文藝春秋、一九八六年)

本書は、日本の駐米大使であったライシャワーによる日本史だ。親日家だったライシャワーの日本通史であり、主にアメリカ人むけに日本への理解を深めるためにかかれたものである。だが、ライシャワーという外国人の目で日本を分析している点は日本人も参考になる。

 本書冒頭はつぎのような書き出しで始まっている。「日本は、世界の中でもきわだって特色のある、洗練された文化を長年保ってきた国である。その日本が経済大国に成長し、しかも世界第3位を占めるにいたっている。そして、人類の文明が到達した偉大な進歩のうち、多くの分野で最先端か、もしくはそれに近い位置に立っているのである。この成果がいかに目覚ましいものであるかは、世界地図を広げて日本の地理的な条件を調べ、その天然資源の乏しさを考慮にいれると、いっそうはっきりしてくる。この国がなぜこれほど大きく発展したかは、地理的条件や資源では説明することができない。それはひとえに、国民のすばらしさと特異な歴史的経験の賜物なのである。」

ライシャワーは日本人について高い敬意を払ってくれている。

明治維新のライシャワーの分析は次の通り
「理屈の上でこそ、この変革は、古来からの天皇親政を『復活させる』ものだったが、そんなことが実行されたわけではない。天皇に対しては最大級の敬意を払いながらも、実権を握る旧武士と公卿の、一団とは古くからの慣習であった集団組織として統治をおこなったのである。」

ここにおいて、強固な官僚制が確立されるわけである。

この官僚たちがめざしたのが「王政復古」ではなく、「実際に行われたのは、社会と政治の封建的な構造を打破し、同時に欧米渡来の近代的中央集権制を断片的に採用することであった。」

天皇の意志ではなく、「官僚の意志」によって日本国は形成されるのだ。

戦後改革についてもライシャワーは独特の評価をしている。

「日本の社会は根っからの諸悪に満ちているというアメリカ人の誤解のおかげで、占領軍はさいわいにも精力的に、むしろ過激とさえいえるやり方で改革に打ち込むことになったが、それが成功をおさめたのは、突き詰めてみれば、ほかならぬ日本の社会に備わっていた美徳と、日本人みずからがすでに民主主義と自由主義の実質的な基盤を確立していたおかげである。」

以上のようにライシャワーは日本国家の性格を冷静に分析し、日本人については少しばかりのお世辞を言いつつ、アメリカ的民主主義と自由主義にコントロールしていこうという意志が読み取れる本だ。

だが、外国人から日本と日本人がどのように見えているのかを体系的に明らかにしてくれた良書である。
Posted by 田中尚輝 at 23:02
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