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新著の結論@ [2013年05月01日(Wed)]


2年がかりで新著を書いています。この連休はかんずめ状況でかいおりました。ようやく最終章まできました。すこしかいつまんで紹介します。

新著その@

 人間は自分と自分たちが幸せになるために組織をつくります。そして、善意で結ばれる社会を形成していき、国家をつくります。

 ところが他方において組織は、自らをつくった人間を逆に支配しようとする法則性をもっています。これは組織として発生した瞬間から組織の論理が働き自己保存の本能を発揮してしまうからです。最高の組織である国家も同じように人々に幸せを提供するより不幸を撒き散らすことがあります。

 しかし、私たち人間は組織を必要とし、国家なるものを持たざるを得ないわけです。したがって、私たちは組織と社会と国家のコントロールを上手にしなければならないのですが、組織や国家を構成する一人一人の人間が「他者を考えない利己主義」におちいることが多く、その上に嫉妬や怨念などにさいなまれ、人の足を引っ張り、悪口をいって平気な面を持つのです。
 
 こうしたことは簡単には変わらないですから、それを前提として社会と個人をどのように向けていけばよいのでしょうか。まずは、少数でいいですから、社会のさまざまな分野において目標について一致できる人をつくることです。そして、その少数の人たちが影響力をもっている組織をこの目標にむけてだんだんと合流させていき、社会を変える力にしていくのです。

 では、目標とすべき社会のあり方とはどういうものでしょうか。まずは社会システムです。人間を大切にする社会システムの最低の条件は、すべての人が社会に参画できるようになっていることです。この仕組みについて人類は「民主主義」以上のシステムを開発していません。かつての奴隷制では社会に参加できるのは王様ただ一人で、あとは全員が発言権はなく、命令にしたがっていなければなりませんでした。つぎの寡頭制ではトップにちかい数十人だけに自由があり、他の人々には意見を言うさえありませんでした。

 これに比較して、民主主義は多くの人に投票権や被選挙権を与えていきました。当初は税金を沢山納めている人、男性だけなどの制約がありましたが、社会に参加できる人をだんだんと増やしていき、いま世界で民主主義国家といわれる国では国民全員に投票権と被選挙権があります。このことは最低限必要なことですが、人類がここまでくるには、一七八九年のフランス革命、一八六五年のアメリカ大統領リンカーンによる奴隷制廃止、南北戦争で血を流しながらの連邦憲法一三条の修正を必要な三分の二の票をわずか二票差で通すなどの苦労をした上で勝ち取ったものです(注◎ アメリカ合衆国憲法修正第13条は、公式に奴隷制を廃止し、奴隷制の禁止を継続すること、および制限のある例外(犯罪を犯した者)付きで、自発的ではない隷属を禁じたアメリカ合衆国憲法の修正条項の一つである。その批准の前は、デラウェア州とケンタッキー州でのみ奴隷制は合法のままであった。他の全ての州では州の行動および連邦政府の奴隷解放宣言によって奴隷は解放されていた。奴隷解放宣言を発したエイブラハム・リンカーン達は、奴隷解放宣言が一時的な戦争の手段と見なされるかもしれないことを心配し、奴隷制がまだ合法である2州の奴隷を解放することに加えて、永久的な奴隷制度廃止を保障するための手段としてこの修正条項を指示した。この修正に続いて、修正第14条(元奴隷の市民権の保護)と修正第15条(選挙権に関する人種による制限の禁止)が追加された。修正第13条から第15条の3つを合わせて「レコンストラクション修正」と呼ぶ。)。
≪いま、映画を上映しているようですね≫

 また、日本においては第二次世界大戦前の普通選挙は男性だけに与えられ、女性には参政権がないという不十分なものでしたが、第二次世界大戦の敗戦、自国民だけで四〇〇万人もの人々の生命をなくしたうえで、女性を含む普通選挙権を確保することになるのです。
 ただし、成年後見のサービスを受けている人に投票権がなかったのはなんと二〇一三年まで続くのです。
Posted by 田中尚輝 at 12:13
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