政治的思考 [2013年04月06日(Sat)]
『政治的思考』(杉田敦、岩波新書、二〇一三年)
現代の政治に不満を持つ人は多いが、それは現状の政治は誰がリーダーシップを持ってもむつかしいところにいること、また、論評する側が自分を政治と関係ない存在としておいていること(自分が政治の当事者だと言う認識が必要)などを客観的にのべている。 気になったところを拾いだしてみた。 産業化の過程における社会問題とは貧困、都市、労働問題などであり、 資本家を代表する政党 労働者を代表する政党 という形に分かれて社会的な対立もかんたんだった。 ところが、現代では「新しい問題として、環境、生命、医療など」があがってきており、これは単純に階級対立として整理できない。つまり、「複雑・輻輳」した社会になってきており、その利害調整が必要だということ。 「権力をどこか外部にあるものとしてではなく、私たちがその中にあるものとしてとらえるべきだということです。主権的な権力だけではなく、監視の権力も市場の権力も、自分たちが支えている面がある。」 「自由とは完全な意味では決して実現できるものではない。」 「政治を汚いものとして毛嫌いしたり、政治のない世界に逃げ込もうとしたりするのは不毛なことです。実際には、政治はあらゆることに影を落としますし、あらゆるところに浸透する。私たちが政治から逃げたと言って、政治は私たちを逃がしはしない。私たちはいずれにしても政治と向き合うしかないのす。」 「一般的にいって、政治に過度の期待をすることはあまりいいことではありません。過度な期待は絶望と紙一重です。」 |
Posted by
田中尚輝
at 02:11