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梅原猛を読む [2013年02月16日(Sat)]
 高松の福家さんが紹介してくれた『日本文化論』(梅原猛、講談社学術文庫、82頁、440円、1976年)を読んだ。小さな本だが、内容は大きな本だ。やはり歴史的な観点から今を捉えることが必要だ。

 本書は昭和43年(1968年)に、富山県教育委員会主催、教職員を対象にした講演をまとめたもの。

梅原はイギリスの歴史家トインビーを評価する。その理由はヨーロッパの歴史家はヨーロッパの歴史が世界史と考えていたが、トインビーは世界には複数の歴史があり、ヨーロッパ歴史はそのワン オブ ゼムでしかないということを明言したものだ。

 他の世界の歴史とは(1)西ヨーロッパ文明をその1つとし、(2)東ローマ文明、(3)アラブ文明、(4)ヒンズー文明、(5)中国文明、(6)日本を中心とする極東の文明がある。そして、梅原は「日ヨーロッパ文明」(この場合アメリカを含む)の凋落を指摘し、「20世紀後半からは、おそらく別の歴史がはじまるにちがいない」と予言する。

 ヨーロッパ中心主義はヘーゲルに代表される論理は、「世界の歴史は、自由の意識の発展を通じて、だんだんに発展してゆく。はじめは一人が自由である。これは帝政だ。つぎは数人が自由だ。これは貴族制度の段階だ。最後は万人が自由である。これが近代のデモクラシーである。」こうした考えのもとに、ヨーロッパは近代デモクラシーに達してきているが、アジアではまだ「一人が自由」の段階ではないのかという見方であり、梅原はマルクスもこの考え方であったのではないか、と指摘する。
 この考え方に日本を中心とした極東文明から異なる考えからを対置するべきだ、と梅原は考える。

 そうした流れの中で、日本の教育が異常であることを梅原はつぎのように指摘する。「昭和20年まで教えた日本の道徳というものは修身道徳だった。君に国に忠義を尽くす、国家中心主義の道徳ーー修身という名でもって技術的な教育を補うという役割をはたしてきた。これが日本の精神教育というもので、これは昔から日本に伝わる精神だとされました。しかしこの精神なるものはあまりに狭い精神であるとともに、深く日本的なものではないと思います。それは徳川時代の武士の精神を明治以降の国家主義に無理に合わせて変形したものです。」

 日本・極東の文化の特徴として、キリスト経と仏教の差に梅原は焦点をあわせる。キリストの死は十字架に釘付けされた血の流れる極刑だった。ところが、釈迦の死はできに見取られながら静かな死であった。

 梅原は『ヨーロッパ」は怒りの文明、東洋文明は安らぎの文明、「慈悲の文明」という相違がある。


そして、つぎのように梅原は結論付ける。「いちばんチャンスがあるのは日本ではないか。新しい文明を創造するチャンスは日本は恵まれている。ヨーロッパの科学技術文明のとり入れに成功す、しかも多くの伝統文明の遺産ををもつ日本には、今やっと新しい文明へのチャンスがやってきた。」


 梅原の期待通りに進んでいない。日本はアメリカを含むヨーロッパ文明にひれ伏している。この現状を私たちは変え、梅原の期待にこたえるべきではないか。

 そして、次の梅原の主張もしっかりと理解して行動に移さなければならない。

☆「戦争は悪である」という考え方にたつ=梅原は特に「原発」に注目し、かつ、「正しい戦争がある」というヨーロッパ文明の危険性を指摘する。

☆「国家はむしろ個人以上に悪の可能性を秘めています。にもかかわらず、あらゆる国家に己の国家的エゴイズムを反省する態度はほとんどないではないか。こういう国家のあり方では今後の人類はやっていけない。」

 皆さんに、お読みになること、そして日本のあり方について考えることをお薦めしたい。
Posted by 田中尚輝 at 09:38
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