CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
プロフィール

田中尚輝さんの画像
<< 2019年01月 >>
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
カテゴリアーカイブ
最新記事
最新コメント
Redwing
日本の貧困・格差を「なくす (02/16) 高橋潤
ホンダOBが行く (02/14) 江藤清巳
NPOを応援する人材 (02/06) 高橋潤
NPOリーダーの覚悟 (02/05) ふみみん
コミュニティカフェ2題 (02/02) 高橋潤
上野千鶴子の田中批判についての意見 その2 (01/08) 井上貴至
検察の弱さ その2 (01/04) 藤本泰宏
自己肯定 (12/16) さくら
「橋下」勝利をどう考えるか? (12/09) 高橋潤
人間関係学 (12/03)
リンク集
最新トラックバック
http://blog.canpan.info/tanaka-naoki/index1_0.rdf
http://blog.canpan.info/tanaka-naoki/index2_0.xml
政治をどうするか [2013年01月14日(Mon)]
 日本の政治の方向を総選挙を終えて考えている。『日本政治の課題』(山口二郎、岩波新書、205頁、650円、1997年)を再読した。

 山口は専攻は行政学であるが現実政治に積極的に発言する北海道大学教授だ。現実政治に積極的に発言する学者はすくない。なぜなら、それは評価や予測がはずれることが多く、後ほど批判されることを学者は恐れるからだ。そうした中で山口は珍しい現実政治にたいする発言の多い学者だ。それだけに議員たちに裏切られ悔しい想いをすることも多いだろう。

 この本の出た97年は、細川内閣による政治改革(小選挙区・並立制)がおこなわれ、新しい制度にもとづく政党の離合集散が行われた時期である。自社さ政権の村山内閣時代とその崩壊の時代に書かれたものだ。この時点から2012年の総選挙を見ると「政党政治は発展していない」というのが読後の感想だ。

 山口の指摘する点をいくつか紹介しよう。

 1つの指摘は「政治改革」において「政治家が陥った第一の病状は、選挙改革の自己目的化症候群である。選挙制度改革がそれ自体で目的となってしまい、新しい選挙制度のもとでどのような軸で政党政治を展開してよいかわからなくなるという症状である。」

 12年末の総選挙でも小選挙区制で勝つためには二大政党構図が必要であり、そのための合唱連合が必要であり、さまざまな対応がとられた。そのほとんどが自公連合の前に敗れ去った。第三局といわれる維新は、そもそも保守思想であり、安倍内閣に近い。第三局がまとまる可能性はきわめてうすい。

 このようなときに問われるのは政策連合であるが、国民の多くが経済問題、景気浮揚に期待をするという意識だから、焦点の当て方がむつかしい。だが、これについては国民に真正面から原発やこれからの循環型社会へむけての選択を政党は問わなければならないのではないか、政党は国民の媚びるだけではだめであって苦しい選択をせまることもしなければならない。つまり、あるべき政治へむけた政策連合が求められているのだ。

 2つは、小選挙区制であるがゆえに「政治家が義理をつくすべき利益団体が増えるわけである。それによって予算の膨張は進む。口先での行政改革を唱えても、どの集団の機嫌も損ねたくないとするあまり、政党は改革を実行できず、一般市民から愛想を尽かされるのである。」


 今回の民主党はこの誤りをおかした。そして、自公政権も同じ誤りを犯すことになる。

 3つは、日本の社会システムにおける官僚制度の異常さである。
 「大蔵省に代表されるように日本の官僚機構の多くは、明治初年以来一〇〇年以上にわたる連続性を誇っている。中央省庁の組織再編が日常茶飯事である欧米諸国と比べて、社会、経済の環境が激変したにもかかわらず省庁組織がこれだけ強い継続性を持つのは日本くらいのものである。」

 ここをなんとかしなければならない。

 4つは、地方における政治構造の変化に注目している。その変化を3点あげている。
 @経済構造の変化
 A住民意識の変化、脱物質的価値観のひろがり
 B情報公開制度を活用した行政監視のひろがり

 5つは、政治に何を求めるか?
 「だが、このままでよいのだろうか。よく考えてみよう。政治が混迷しているのは、ほかならぬわれわれが、真の欲望を見失ったからではないだろうか。新しい政治について、あるいは政治に対して何を求めたいのか、市民自身がわからず意見表明ができないゆえに、政治家や官僚を今までのままでいるように思える。逆に、市民が明確な欲望を持てば、市民と政治や行政をつなぐパイプがどんなに詰まっていても、それは何らかの形で政治や行政に反映されるはずである。」

 この点は、NPOとしてしっかり考えなければならない。

 6つは、この点が肝心な点だが、日本人の満たされない思いの源について。
 「それぞれの個人の安定した生活やそれを支える地域社会がこれかあの維持されるのかどうかという、将来に対する不安があるのではなかろうか。そして、その不安を生み出す原因には、日本社会の高齢化と少子化、地球環境問題など、国全体、地球全体の構造にかかわる大きな問題が横たわっている。不安の根底にある大きな構造的問題にアプローチすることこそ、政治の最大のテーマである。」174頁

 じっくり考えなければならない課題を提起してくれている。
Posted by 田中尚輝 at 06:07
この記事のURL
http://blog.canpan.info/tanaka-naoki/archive/1088
トラックバック
ご利用前に必ずご利用規約(別ウィンドウで開きます)をお読みください。
CanpanBlogにトラックバックした時点で本規約を承諾したものとみなします。
この記事へのトラックバックURL
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
http://blog.canpan.info/tb/792954
 
コメントする
コメント