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本物の政治理論 [2012年12月19日(Wed)]
『正義論』(ジョン・ロールズ、紀伊国屋書店、813頁、7500円、2010年)

 現代政治学の大家ジョン・ロールズの著書。社会契約論の体系、の本だ。重い本である。内容が重いのだが、本自体も重い。1キロくらいあるだろうから、乗り物にのって読んでいると手と腕が疲れる。

 本書は最後のほうに書いた2つの原理を論理的に証明するものだ。三部構成になっており、第一部は理論、第二部は諸制度、第三部諸目的となっている。

 政治学には二大潮流があり、功利主義と社会契約論だ。ロールズは社会契約論側に立つ。功利主義は「最大多数の最大幸福」「常態は戦争状態」を基本とするもので、少数者や貧困者を救う手立てをもたないから理論的な批判は容易だ。

 ところが、実際の社会運営と個人の動きを見るときにこの功利主義は極めて大きな力を持つ。最近で言えば小泉首相の新自由主義は功利主義の立場に立つ政策だ。オバマ大統領が苦労しているのも共和党の功利主義の主張が根強い力を持っているからだ。

 ロールズ自身も、スミソニアン博物館における原爆展示に対して反対の立場から意見を述べたが、結局はそ原発が第二次世界大戦をやめさせた直接的な原因であるとし、それを支持するアメリカ国民が多数はなのだ。


 いま、日本で有目になってきたサンデルはこの政治理論の大家を批判することによってのし上がってきた。社会契約論が難しいのは理論はわかるが実際の社会に当てはめて展開する場合だ。なかなか理論のようにうまくいかず、ロールズはそうした例示をたくさんあげるのだ。

 日本の政治状況は混沌の時代に入る。こういうときにロールズまでさかのぼって思索することが必要なのではないだろうか。

2つの原理を下記に記す。

正義の二原理
第一原理 各人は、平等な基本的諸自由の最も広範な[=手広い生活領域をカバーでき、種類も豊富な]制度枠組みに対する対等な権利を保持すべきである。ただし、最も広範な枠組みといっても[無制限なものではなく]他の人びとの諸自由の同様[に広範]な制度枠組みと両立可能なものでなければならない。

第二原理 社会的・経済的不平等は、次の二条件を充たすように編成されなければならない――(a)そうした不平等が各人の利益になると無理なく予期しうること、(b)全員に開かれている地位や職務に付帯する[ものだけに不平等をとどめるべき]こと。

 大著なので、一度に紹介するのは難しい。順次、解説していくことにする。
Posted by 田中尚輝 at 09:47
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