1万人にひとりを支える1万人になろう! [2013年04月22日(Mon)]
あなたのお子さんは○○という病気です。小児がんの一種です。これからいくつか検査します。手術も必要です。まず入院の手続きをしてください。小児がんは「小児特定慢性疾患」といって治療費がほぼ無料になる制度がありますから、すぐに市役所に行って手続きしてください。入院中は24時間家族の方が付き添ってください。付き添いの方のための簡易ベッドを用意してください、それから… 子どもが小児がんと診断された親は、ある日突然、このような説明と指示の銃弾を浴びます。何から手をつけて良いかわからなくなります。みなさんは、ある日突然、自分の子どもが小児がんだと診断されたら、まず誰にどんな相談をしますか? 小児がんは1万人にひとりの確率で発生します。後天的な影響がある大人のがんと異なり、原因は詳しくはわかってません。乳児に発症する子ども多いそうですが、成人になってからも小児がんと診断される人もいます。誰もが突然、小児がんと診断される可能性があるのです。 でも、「がん対策基本計画」で小児がんが言及されたのはつい最近。小児がんを診る「拠点病院」に全国15施設が選ばれたのは今年の2月です。不慮の事故をのぞくと子どもの死因のトップはがんなのに、これまであまり注目されてきませんでした。 それは、小児がんは不治の病という印象が強かったからかもしれません。しかし最近では7〜8割は治るようになりました。また、抗がん剤の効きが大人よりよく、長い間入院して治療する子ども達も増えており、治療中の就学や成長、社会参画などの新たな課題も出てきています。 チャイルド・ケモ・ハウスは小児がんと闘う子どもと家族のための、日本で初めての専門施設です。2005年に小児がんの子を持つ親と、当時阪大病院で小児がんの治療に当たってきた阪大病院の医師たちで研究会を立ち上げ、理想的な療養環境を模索してきました。 多くの方のご支援で、2013年4月にポートアイランド(神戸市)煮立てものが竣工しました。1日も早い開業に向け、現在、資金の確保や人材の育成、受け入れのためのプログラムの整備に奔走しています。とくにみなさんにお願いしたいのが、資金面でのご協力です。 小児がんの場合、治療や入院費などは自治体が負担し、医療にかかる費用は保険外のものでなければほぼ無料に近い金額で治療を受けることができます。しかし、病院としての規制で、24時間の付き添いを求める病院や、逆に親の付き添いができない病院もあります。大部屋の場合は2畳ほどのスペースで、半年から1年におよぶ治療期間中、さまざまな「がまん」を強いられます。 付き添えるのは母親など大人ひとり。きょうだいの面会も規制され、両親そろっての付き添いもできません。そこでチャイルド・ケモ・ハウスでは、「ハウス」と「クリニック」が併設する建物を建て、家族とともに暮らしながらがんと闘うという新しいコンセプトを編み出しました。 しかし、病院ではないので滞在には費用がかかります。ハウスの利用料を頂くことになりますが、家族に経済的な負担をかけないためには低料金に抑える必要があります。また、理想的な環境には建物などのハードにくわえ、専門性の高いスタッフも必要です。19家族のための施設の運営には、年間1億円程度のコストが必要です。 そこで、小児がんが1万人に一人の確率で発生することにちなんで、1万人から1万人の寄付をお願いし、建設費や運営費に充てることを提案したいと思い、4月24日にFacebookでプロジェクトページを立ち上げました。1週間で800人を越える方から「いいね!」を頂きました! http://www.facebook.com/1manninwo1mannin まだまだ1万人にはほど遠いのですが、多くの方々に小児がんとたたかう子どもと家族の現状を知っていただきたく、これからも1万人を目標に、寄付を呼びかけ続けるつもりです。みなさんにまわりでも、ぜひ呼びかけてください! また、チャイルド・ケモ・ハウスでは、施設運営の他、小児がんに関する相談やクリニックでの寛解した患児のフォローアップ、小児がんへの正しい理解を広めるための啓発イベントの実施など、幅広く小児がんのこと、家族とともに闘う子ども達のことを応援していく予定です。チャイルド・ケモ・ハウスのウエブサイドもぜひ、ご一読ください。 http://www.kemohouse.jp これまでも多くのハードルを乗り越え、ここまでこぎ着けました。まだまだハードルはありますが、8年の歳月をかけて練ったプランですので、あとはみなさまからの経済的なご支援があれば、本当にこれまでになかった理想的な環境を提供し続けることができそうです。 お金のことばかり申し上げて恐縮ですが、いまも小児がんと闘い続けている子どもと家族のために、1人でも多くの方からのご支援をお願いしたく、長文になりましたが改めてお願いの文章を書きました。みなさんの周辺でも、小児がんへの理解や、チャイルド・ケモ・ハウスへのご支援の輪を拡げていただければうれしいです。 よろしくお願いします! 田村 |