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「ワガママな障害者」の遺したもの『こんな夜更けにバナナかよ』の世界のご紹介 [2008年03月27日(Thu)]
書籍・パンフレットの紹介

第五回 にいがた自立生活研究会シンポジュウム 報告集




「こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち」(渡辺一史著、北海道新聞社刊)、読みましたか?

 24時間介護を受けて自立生活を全うした、一人の障害者・鹿野さんと、支えてきたボランティアの「日々」と「思い」を綴った、「ドキュメンタリー」です。

 障害者の介護にかかわるものとして、まずそのタイトルに惹かれ、思わず買ってしまいました。

 「バナナ」に関するエピソードは、タイトルを見た瞬間に想像したとおりのもので、思わずニヤリ。

 私自身も「こんな夜更けにタバコかよ」とか「こんな夜更けになってから就寝かよ」とか「こんな夜更けに介護の指示かと思ったら寝言かよ」なんていう経験をつんでいるだけに、これはわかりやすかった。

 同じような経験は、けっこう持っている人、多いと思います。

 でも、面白そうで、ページ数が多いので、「読み出したら寝られへん」と判断し、本書はひとまず「封印」。月日は過ぎていきました。

 それがつい先日、ついに解禁されました。

 きっかけとなったのが、今回紹介しているパンフレットです。

 渡辺氏のお話は、本の内容のダイジェスト版になっていて、読んだことのある人には『まとめ』あるいは『アフターケア』になりますし、私のようにまだ読んでいないものにとっては、「ガイドブック」あるいは『封印を解く鍵」となります(読んでいないのに読んだ振りをしたい人にもお勧めですが、多分これを読んだら結局全部読みたくなると思います)。

 「自立生活の本質は『他人介護』」「ボランティアは自分自身を試される場」『支える側・支える側』という図式に収まらない障害者とボランティアの関係性の不思議さ、面白さ。そんな事が、時にどろどろと、時に温かく、そして赤裸々に、説得力のあるエピソードで浮き彫りにされていきます。

 後半のトークセッションでは、渡辺氏に加え、新潟の障害者代表(?)、介助者代表(?)が登場し、それぞれの思いを出し合っています。

 特に印象的なのは、障害者のSさんの、「こんな夜更けにバナナかよ」への思い。「こんなのどこにでもある話じゃん!」て感じの言い方に、以前、乙武 洋匡氏の『五体不満足』がブレイクしたとき、介護先の障害者が「あいつが言ってる事は、昔からわしらが言うとったことや」とつぶやいた時のことを思い出しました。

 「バリアフリー」「ユニバーサルデザイン」とか、きれいで上手な言葉でみんなが言い出すと、それまで血を吐くような思いで「バスに乗せろ」「電車に乗せろ」と叫んできた者からしたら、「嬉しいけどなんか腹が立つ」というのもなんとなくわかります。ちょっとジェラシーも入ります。
 自分らしく生きるために必要だからやっているボランティアとの生活を、取り立てて立派といわれたり、それが本になって、読んだたくさんの人が感動したりしていると、それはそれで、複雑な心境になるのもうなづけます。

 「当たり前の暮らし」がしたくて、それを実践しているだけなのに、そのこと自体が「当たり前」ではない現実。それは喜ばしい事ではないですから。

 でもそれはそれとして、渡辺氏もその魅力に取り付かれていった障害者の暮らしの面白さは、やはり伝える価値のあるものだということは確かです。

 実は、「ワガママな障害者の遺したもの〜『こんな夜更けにバナナかよ』の世界」というタイトルをみたとき、てっきり、新潟に鹿野さんをしのぐワガママな障害者がいて「こっちのほうがもっとすごいぞ、おもろいぞ」的な勢いを持って話した内容のまとめだと勘違い&期待をして購入しました。

 実際は、紹介したような、渡辺氏の講演とトークセッションの報告集でしたが、なかなか濃い内容でした。

 トークセッションから垣間見られるSさんの生活も、どうやら本にする価値がありそうな匂いがプンプンしています。結婚や子育てのエピソードや、「こんな夜更けにバナナかよ」に匹敵するであろう介護を巡る悲喜こもごも、二階に住んでいる謎の協力者、A神父…。

 ぜひその辺を今後まとめて何らかの形で発表していただきたいと思います。

 ご注文、お問い合わせは発行元の「にいがた自立生活研究会」まで。
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コメント
 圓山さま、コメントありがとうございます。

 こちらこそ、お世話になっています。

 日々の取り組みは大切ですが、「世に問う」ことも大事だと思います。

 それがなかなかできないのですが…。

 貴研究会の報告集はたいへん参考になりました。

 埋もれさせておくには惜しいと思い、せっかくのご縁なのでこんな形で紹介させていただきました。

 今後ともよろしくお願いします。
Posted by: 堺・自立をすすめる障害者連絡会  at 2008年03月28日(Fri) 21:06

こんにちは。
にいがた自立生活研究会の事務局をしております、圓山(まるやま)と申します。

当研究会の報告集をお買い上げいただいたのみならず、
こんなに素敵で的確な紹介をしていただき、誠にありがとうございます。
感謝、感激です!!笑い
宣伝ベタな研究会なもので落ち込み、報告集、たぁ〜くさん、在庫がありますので、この機会に、ぜひ、皆様、お問合せ下さい。

研究会としては、ぼちぼちやっていこうと思っていますので、なかなか機動力のある活動にはなりませんが、継続していくことが大事かな、と思っています。
そんな感じで、細々とやっておりますが、今後とも、どうぞよろしくお願い致します<m(_ _)m>

Posted by: にいがた自立生活研究会  at 2008年03月27日(Thu) 12:09