こんにちは。スタッフの阿部です。
11月17日(金)に当センター開館10周年プレイベント「たがじょうのミライのことをはなそう」を開催しました。本企画は、多賀城のまち・コミュニティ・暮らしにつながるテーマで、ゲストと一緒にあれこれお話をするものです。未来につながる視点やキーワード、知恵、アイディア、ヒントを見出していきます。
今回はvol.1として「世代を超えて集う場を地域でつくるカギ」というテーマで話し合いました。地域の中で安心して暮らしていくために、こどもたちからおじいちゃん・おばあちゃん世代までが集うには、どんなことが大切なのでしょうか?対話を通してその「カギ」を探りました。この日は16名の方にお越しいただきました。
はじめに、ゲストによる事例紹介です。おひとり目は、株式会社season代表取締役社長の渡邊晃さんです。多賀城市で「さくらビレッジ」という、高齢者と子どもたちが暮らす、介護施設と保育園が一つになった施設を運営しています。
多世代で集うコツは何よりも「コミュニケーション」と話す渡邊さん。いろいろな世代が一緒に時間を過ごすことで、沢山のうれしいことが起こっているといいます。
話ができなかった認知症のおばあさんは、ある日子どもに、言葉にならない声で本を読んであげていました。これは、医学的には説明ができないとのことで、とても感動されたそうです。105歳になる男性からは、現役時代のお話を伺い、職員も教わることばかり。介護施設の方と地域の方が交流事業をしたことで、高齢者の方の生活にハリ合いが出てきたといいます。今後は、今以上に地域の方との交流を生んでいきたいと話されていました。
お二人目のゲストは、石井小児科企画室室長/高崎こども食堂らっこ広場副代表の大友みどりさんです。月に2回、地域の方の力を借りながら、こどもが無料で夕食を食べられる「こども食堂」を開いています。
高崎こども食堂らっこ広場には、「こどもたちのために」という思いを持つ、たくさんの方が協力をしてくれています。退職後の学校の先生や、料理上手な近所のお母さん、近くのお店の方や住民さんが食材の寄付もしてくれるとのこと。野菜が苦手なおこさんが、自分が手伝った料理に入った野菜を食べて、お母さんがびっくりするなんてこともあるそうです。
退職後のボランティアさんも、活動の中で自分の役割や居場所を見出しています。違う学年のこども同士で一緒の時間を過ごせることも、こどもたちにとって貴重な時間となっているようです。世代を超えて集うコツは「自分でできることをあえてやらずお願いすること」「得意分野を生かしてもらい、活動を楽しんでもらうこと」と教えていただきました。
お二人から、たくさんの経験談や想いをお伺いしました。
後半は、参加者のみなさんと全員でお話をしました。ここでは、地域の中で今起こっていることや、「こんな場所があったらいいな」と感じていることなど、様々な立場の方からお話を伺いました。
こどもたちの支援活動をしている方からは、最近は、学校に行けないこどもたちが安心して過ごせる場所として活動に参加する方が増えているというお話を伺いました。
また、居場所のない若者の居場所をつくっている方からは、安全・安心な場所を提供するために、相手のことを受け入れ、リラックスしてもらうことを心がけている、というお話もありました。
「多世代」というと「こどもと高齢者」というイメージが強いですが、10代〜30代の若者など「多世代」という言葉から漏れてしまう層もいるかも知れない、などという気付きもありました。
普段ボランティア活動をしている学生さんからは、「自分の自信をつけられる場所は、多いほうがいい」とお話をいただきました。「色々な人がふらっときて集まり、好きなように過ごしたり、自分の得意なことが発揮できる場所があるといいね」という投げかけには、うなずきも多かったように感じました。
最後に全員で、今日のみなさんのお話を通して感じた、世代を超えて集う場を地域でつくる「カギ」を発表していただきました。
参加者のみなさんの感じた 世代を超えて集う場をつくる「カギ」
・「ここにいても良いんだよ」
・「行きたいな」と思った時にいつでも気軽に行ける場所。自分が自分らしく居られる場所
・誰が行っても受け入れてくれる、安心できる場所。たくさんできるといいな。
・みんなが集う場=安心できる場
・ずっとここで笑顔で暮らしたい
・自分自身が楽しめる場所
・自分も楽しく、自分の得意分野で、安心・安全・リラックス
・信頼関係
・広報してもなかなか出てこない方の居場所づくり。教育の場ではないので、リラックスできる場の大切さがわかりました。
・老若男女誰でもOK。好き、楽しいを持ち寄れる。
「自分も楽しく」「安心」「リラックス」など、共通のキーワードが出てきました。今後地域の中で、世代を超えて支え合っていくためのヒントになりそうです。
参加者のみなさんからは、
「それぞれの得意分野を生かして活動できる場、みんなが安心して自分の生き方をいける場をつくっていきたいです。」
「強い熱意を持って取り組むと、色々と助けてくれる人が周りに集まるのだと改めて感じた。」
などの感想が寄せられました。あっという間の2時間半でしたが、みなさんが多賀城で過ごしたり、活動をする中で感じていることを伺い、これからについて考える機会となりました。お集まりいただいたみなさん、本当にありがとうございました。
次回Vol.2は、2018年2月25日(日) 開催です。テーマは、高校生・大学生ゲストと一緒に考える「多賀城をもっとおもしろくするカギ」です。多賀城をもっと知りたい、もっと盛り上げたい方のご参加をお待ちしています。
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