【ブックレビュー】「福井人」とは何もの [2015年06月30日(Tue)]
こんにちは、スタッフの佐藤(順)です。
今週の火曜日ブログはたがさぽ文庫内で見つけたお薦めの一冊のブックレビューです。 タイトルはCOMMUNITY TRAVEL GUIDE VOL.2 「福井人」。 副題は「福井県嶺北地方 人々に出会う旅」として、福井県内で活躍する人392人を紹介した本です。 編 者 COMMUNITY TRAVEL GUIDE 編集委員会 出版社 英治出版株式会社 (2013年4月15日発刊 B5版135P) 写真のとおり表紙に「福井人」と大書された割にはやや控え目に、福井県名産越前ガニやおろし蕎麦、帽子に木製風車をつけた奇抜ないでたちの指物職人の切り抜き写真が貼りつけられています。 その訳は、本書を開いて数ページ、福井人78人が考える福井人の気質・特徴の1位〜3位が「謙虚」「頑固」「義理人情」の記事を見て納得しました。 よく食べ(焼き鳥やカツ)、よく働き、神社やお寺によく行く人々が仕事や地域活動に夢をもって取り組んでいる姿が、写真と1人分200〜300字の記事にぎゅっとまとめ上げられていました。 「人をしあわせにするカニ剥き日本一の名女将」 「自殺の名所、東尋坊を巡回する『ちょっと待て!』おじさん」 の話などユーモラスな見出しの中に取材して得た深い話が込められていて、思わず引き込まれてしまいます。 さて、お薦めするもう一つの理由は、この本が”地域のために何かしたい”という人たちを募ったプロジェクト方式で刊行されたという点です。 2012年9月に開始され翌年4月に発刊という短い制作期間でしたが、クラウドファンディングで資金を募り、一般公募した参加者による3回のワークショップで情報発掘や記事執筆を精力的に行っています。 その奮闘の様子も巻末に一枚差し込まれています。 本書のコンセプトとして 「史跡、自然、宿、土産物などを見学・消費するだけではなく、地域の人との出会いや交流を楽しむ、新しい旅のスタイルを提案します。」 と掲げてあるとおり、既刊の旅行雑誌に物足りなさを感じていた方にはお薦めの一冊です。 (なおVOL.3として「三陸人」も出版されていますので関心のある方はそちらも併せて手に取ってみてはいかがでしょうか。) |