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【ブックレビュー】感覚過敏と感覚鈍麻の感じ方 カビンくんとドンマちゃん [2024年03月09日(Sat)]

こんにちは。スタッフの浅野です。
毎週土曜日は市民活動のお役立ち情報をお届けします。本日はスタッフによるブックレビューです。


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感覚過敏と感覚鈍麻の感じ方

カビンくんとドンマちゃん


著 者:加藤路瑛
発行所:株式会社ワニブックス

発 行:2023810



〇感覚過敏とは?

著者の加藤路瑛さんは感覚過敏の当事者として活動をしている現役の高校生です。

加藤さんが初めて「感覚過敏」という言葉を知ったのは、中学1年生の夏でした。

休み時間になりクラスが賑やかになると、甲高い声が耳に突き刺さり、頭痛がしてきて保健室に駆け込むことが多くなりました。

先生とつらくなる原因を探るなかで、感覚過敏について調べてみるとその症状の多くが自分に当てはまりました。


感覚過敏とは、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚などの感覚が過敏になり、日常生活が困難になる状態のことです。


加藤さんはこのとき「自分が弱虫なのか神経質なのか」「なぜ人と同じようにできないのだろう」などずっと抱えていた違和感の答えにたどり着いた気がしたそうです。



〇カビンくんとドンマちゃん

本書は、加藤さんをモデルにした感覚過敏の中学生の男の子を主人公とした物語です。感覚過敏とは対照的に寒さや痛みを感じにくい「感覚鈍麻」の女の子も登場します。


感覚過敏なカビンくん感覚鈍麻なドンマちゃんの日常をかいまみることで、これらの人々がどんなことで困り、どんなことに葛藤を抱えて生活しているかを知ることができます。



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まわりの雰囲気に同調できない

まわりとズレているのかもしれない


同じ悩みを抱えていたカビンくんとドンマちゃんはお互いの特性について語り合い、理解を深めていきます。


制服、給食、友だちの声、窓際の席など何でもないことがつらいカビンくん。

寒さ、暑さ、空腹、満腹を感じにくい不思議ちゃんと言われるドンマちゃん。


「感覚」は見た目にはわからないので、まわりと違う言動が目立つと「変わった人」「わがまま」と誤解されてしまうこともあるかもしれません。多くの人にとって何でもないことが、当事者にとってはとてもハードなこともあります。



最近では、感覚過敏の人たちが生活しやすいよう配慮する試みも始まっています。

静かな環境でスポーツ観戦や買い物ができる「センサリールーム」「クワイエットアワー」や建物内の光の明るさや音の大きさなどの情報を示す「センサリーマップ」を公開する施設も増えてきています。



加藤さんは現在感覚過敏研究所を設立し、当事者コミュニティの運営や普及啓発に取り組んでいます。五感にやさしいセレクト商品や自社開発商品の紹介もしています。詳しくはHPをご覧ください。



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感覚過敏研究所HP



【ブックレビュー】僕たちはヒーローになれなかった。 [2024年02月10日(Sat)]

こんにちは。スタッフの浅野です。

毎週土曜日は市民活動のお役立ち情報をお届けします。本日はスタッフによるブックレビューです。



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僕たちはヒーローになれなかった。


著 者:葉田甲太
発行所:株式会社あさ出版

発 行:20191127 


〇一歩踏み出す決心

著者の葉田甲太さんは、子どもの頃から国境なき医師団に憧れ医師を志すようになったそうです。

葉田さんが大学2年生のとき人生に転機が訪れます。「150万あればカンボジアに小学校が建つ」というポスターを見たことがきっかけでカンボジアのコンポントム州に小学校を建設します。そのストーリーを綴ったノンフィクション小説『僕たちは世界を変えることができない』2011年に映画化されています。

大学卒業後、臨床医として日本で多忙な日々を送っていた葉田さんは、支援を続けていたカンボジアで生まれたばかりの赤ちゃんを亡くして悲しむお母さんの姿を目の当たりにします。

やがて「子どもの頃の自分が憧れたヒーローとは何だったのか」と自問自答するようになり、本当にやりたかったことに向けて一歩踏み出す決心をします。



〇メッセージ

本書では、葉田さんとスーダンでNPO活動をしている先輩医師との出会いや現地の人との友好を通して「困っている人を笑顔にしたい」と改めて決意し、カンボジアの僻地に新しい保健センター(病院)を建てるまでの軌跡が綴られています。そして、カンボジアの現状を遠い国の問題ではなく、自分事として当事者に寄り添う気持ちや人前では語りづらいはずの医師としての迷いや無力さなども率直に綴られています。


なかなか変えられない現実と自分の限界を知ってもなお「行動を止めない」という選択をした葉田さんの姿からは「ひとりの力は小さくてもみんなの力を合わせれば世界を変えることができるかもしれない」というメッセージが伝わってきます。



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私たちの周りを見渡してみても「困っている人を助けたい」「自分の夢をかなえる活動をしたい」と考えてNPOを立ち上げる方は年々増えてきていますし、まちづくりや防災といった身近なボランティア活動への関心も高まっています。



この本は、たがさぽ文庫A6ボランティア」のコーナーにあります。春から新しく何かを始めたい人や人生の岐路に立っているという人におすすめの一冊です。ぜひお手に取ってご覧ください。


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【ブックレビュー】PTA をけっこうラクにたのしくする本 [2023年12月09日(Sat)]

こんにちは。スタッフの浅野です。毎週土曜日は市民活動のお役立ち情報をお届けします。本日はスタッフによるブックレビューです。




PTA をけっこうラクにたのしくする本


著 者:大塚玲子
発行所:株式会社太郎次郎社エディタス

発 行:201461日 


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〇PTAは負担?

年末のこの時期になると来年度のPTA役員(委員)の選出が始まる学校も多いのではないでしょうか。私の周辺でも「年内に全員決めたいのに」「希望者が集まらない」など、さまざまな声が聞こえてきます。

最近では子育て世帯も共稼ぎが多数派になってきました。「PTAは負担」というイメージが先行して役員(委員)がなかなか決まらず、くじ引きやじゃんけんで強制的に決められることもめずらしくありません。そうなると“やらされ感”が増し、来年度はよりいっそうなり手が見つかりにくくなる悪循環…。


本書では「もっと子どものことに関わりたい」「教育をサポートしたい」と願っているけれども「今のPTAと関わるのはちょっと…」と感じている保護者に向けて、

PTAを今よりラクに楽しくするための具体的なアイディアが紹介されています。



〇楽しいPTAとは

「PTA」と聞くと役員の押しつけと回避、過大な負担などが思い浮かび、ドンヨリした気分になる方もいるかもしれませんが、こういったことがすべてではありません。「楽しいPTA」の実現を目指し、新しい取り組みを始める保護者たちが全国で増えてきているそうです。


東京都大田区立嶺町小学校の事例では、一般会員がPTA活動をどのように思っているのかアンケート調査を実施しました。保護者たちも「今まで抱えてきた不満や不安をやっと聞いてもらえる」という気持ちだったのか、回収率はとてもよかったとのこと。アンケートからは役員が知らなかったみんなの本音も見えてきて、そこから運営がガラっと変わっていったそうです。


まずは委員会を廃止し、手を挙げた人がボランティアとして活動する方式に変更。

役員会は活動のコーディネーターとしてのボラセン(ボランティア・センター)という呼び方に変えました。さらに、親と子がいっしょに参加できるイベントとして“逃走中(鬼ごっこの一種)”を企画したときはいつもより多くのボランティアが集まったそうです。

このように保護者がボランティア・マインドをもって、応援団のような立場で学校と関わっていくことが無理なくPTA活動を続けていくコツなのかもしれません。




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〇PTAのメリット

PTA活動で保護者が得られるメリットにも目を向けてみると、知り合いが増えていろいろな情報が入ってきやすくなることだと思います。私自身も今年の春に「大丈夫かな」と不安を抱えながら委員になった保護者ですが、やってみると「意外と楽しい経験」でした。


PTA活動を通して知り合いが増えるのは心強いし、知り合いが増えれば、知りたい情報も入ってきやすくなります。時々学校に行くと学校施設や先生、子どもたちの普段の様子がわかりますし、友達の輪の中にいるわが子を見るのも楽しみでした。



これまでのやり方を見直し、時代に合わせて活動内容をラクにすることがPTAの活性化につながります。「うちの学校のPTAってどんなことをしているのかな」とまずは活動を知ることから始めてみてはいかがでしょうか。



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この本はたがさぽ文庫新刊コーナーの棚にあります。ぜひお手に取ってご覧ください。



【ブックレビュー】NPOカタリバがみんなと作った「不登校−親子のための教科書」 [2023年08月19日(Sat)]

こんにちは。スタッフの浅野です。毎週土曜日は市民活動お役立ち情報をお届けします。本日はスタッフによるブックレビューです。


NPOカタリバがみんなと作った


不登校−親子のための教科書


著 者:今村久美       

発 行:ダイヤモンド社

発行日:202327


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子どもが「学校に行きたくない」と言い出したら…?親はどのように子どもと接したらいいのか。誰に相談したらいいのか。

本書は、不登校の子どもを持つ親が感じる悩みや不安に寄り添うために、全国で子どもの教育支援を行う認定NPO法人カタリバが現場スタッフや心の専門家、不登校を乗り越えた親子たちの知恵を集めてつくった本です。



〇ナナメの関係の大切さ

今、不登校の子どもは増加傾向にありますが、学校に行きたいのに行けない子どもたちが頼れる公的支援は十分ではありません。そのような現状を目の当たりした認定NPO法人カタリバ代表理事の今村さんは、子どもの教育を学校と家庭だけに丸投げにする世の中を変えたいと不登校支援を始めました。


カタリバが教育支援を行う中で重視しているのは中高生にとってタテの関係(親や先生など)でもヨコの関係(同世代の友人)でもない、少し年上の先輩などの“ナナメの関係”です。親や友達には話しづらいことでもナナメの関係に人たちには話せるということがあるかもしれません。カタリバはいろいろな背景を持つ子どもたちにナナメの関係で伴走を続けています。

そして不登校支援に「オンライン」という仕組みを取り入れ、近くに不登校の支援施設がなく孤立している親子とつながり、相談を受けています




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〇不登校は、その子のせいではない

不登校の原因は複雑に絡み合っているため、本当の原因は簡単にはわからないことが多いそうです。今村さんも本書の中で「不登校は子ども自身のせいではない」「子どもも保護者も自責の念を感じる必要はない」と述べています。

今村さんがたくさんの子どもたちと保護者を見ている中で気づいたことは、「不登校の子どもたちはもちろん、その子どもを支える保護者も苦しい」ということでした。活動の中で、子どもの不登校を誰にも相談できずに悩んでいた親御さんたちに伴走し、保護者同士が交流できる場を設けたり、ご家族のケアにも力を入れているそうです。



本書では「私はこんなところに困ったよ」「こうしたらうまくいった」という不登校の先輩親子の感想・体験談や親子がいい関係でいるために親が心がけておきたいポイントや注意すべき行動についても詳しく解説されています。

また、「保護者にどう対応しよう?」「どういう支援が必要なんだろう?」と考える教育関係者や子どもたちを地域や社会で支えていきたいと考える方たちにも手に取っていただきたい1冊です。


たがさぽ文庫F1子ども・教育」の棚にありますので、お気軽にスタッフにお問い合せください。


ブックレビュー『あそびの生まれる時 「お客様」時代の地域活動コーディネーション』 [2023年08月12日(Sat)]
みなさん、こんにちは。
スタッフのなかつです。

お盆休みに入られている方もいらっしゃるかと思います。
たがさぽはお盆期間も通常通り開館していますビル
 月〜土曜日 9:00〜21:30
 日曜・祝日 9:00〜17:00
 休館日:毎週水曜日


毎週土曜日は市民活動・地域活動に役立つ情報をお伝えします。


新型コロナウイルスが5類に移行し、今年は、夏祭りをはじめとした地域のさまざまな活動が再開しています。
「やっぱり顔を合わせられるのはいいよね〜」
「やってよかったね〜」
といきいきとした表情で話していただきます。

一方で、自治会・町内会、子ども会、PTAなど、地域で活動する団体のみなさんからよく聞くのは、役員のなり手がいないという担い手不足の悩みです。

市内の自治会・町内会の中には、役員にならなくても部分的に関われる仕組みをつくったり、他の自治会・町内会と協力して実施する、参加した方に運営側へのお誘いの声がけを重ねるなど、いろいろな工夫をしているとのお話もうかがいます。

自治会・町内会、子ども会、PTAなどは本来、人をつなぎ、協力や助け合いを促すはずの組織。
なるべく関わりを少なくしたいと思う人が広がってきた状況は、なぜ生まれているのでしょうか。


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あそびの生まれる時
「お客様」時代の地域活動コーディネーション
著 者 西川正
発 行 ころから
発行日 2023年3月1日


著者の西川正さんが、保育所の保護者会、PTA、自治会、民生委員などで活動した経験から書かれた本書。
西川さんは、たがさぽ10周年記念イベントのゲストにお招きし、お話していただいた方でもあります。
*10周年記念イベントの様子は記念誌『ここから』に収録 →

活動の中で感じる
▲活動が地域の何の役に立っているのかわからない
▲誰かによっていつのまにか決まっていたり、ずっとそうやってきたからという理由で、その通りにやるしかない
▲活動の意義、スケジュールなど、長く活動している人ならわかっていることが、新しく参加した人には知らされないまま
▲やらないと責められるのではないかと一人で抱える孤立感

これらの状況を
◎できた!
◎お役に立てた!
◎仲良くなれた!

という実感が持てるように変えるヒントが、本書にはつまっています。

「みんなで」取り組みましょうという呼びかけや、
地域のことは地域でやるのが当たり前という「正しさ」
ではなく、
今の活動を「楽しく」やれているかどうか?という問いもあります。

「楽しい」には、「自由にやって」でもなく「すべてこの通りにやって」でもない、ちょうどよい工夫の「余地」があることが大切で、それによって自分なりにやってみようという気持ちが生まれ、大変だったとしても「楽しい」と思えることにつながると言います。

本書では、義務を一切廃止し、ボランティアを募って活動をしているPTAや、予算をかけずに持ち寄りで行われる人気のイベント、新しい生活様式の中で生まれた新たな場づくりなどの事例も紹介されています。

コロナ禍を経て、活動を再開する今、地域の組織をちょっと見直してみたい方に、おすすめしたい1冊です。


西川さんのもう1冊の著書『遊びの生まれる場所 「お客様」時代の公共マネージメント』とともに、たがさぽ文庫で読むことができます。


本たがさぽ文庫とは本

市民活動の基礎を学べる本、地域活動に役立つ本など約1,300冊の閲覧・貸し出しを行っている。
貸し出し希望の場合は初回要登録。1人2冊まで2週間借りられる。
詳しくは →
【ブックレビュー】わたしの心の街には おこるちゃんがいる [2023年05月20日(Sat)]
こんにちは たがさぽスタッフおおともです。
今回はたがさぽ文庫(たがさぽの貸し出し図書)の中からおススメの一冊をご紹介いたします。


子ども当事者研究
わたしの心の街には おこるちゃんがいる


著者:子ども・子育て当事者研究ネットワーク
発行:株式会社コトノネ生活業者
発行日:2022年3月11日


この本は大人がこどもたちに対して気を付けなければならないことを教えてくれます。
7歳から14歳までのこどもたちが、自分の困りごとに対する「自分の気持ち」や「家族」のこと、「学校」のこと、「自分の体のこと」に対して当事者研究を行った結果が7例紹介されています。
「当事者研究」とは、こども自身が自分の困りごとに対して、自分の心の中を見つめ、色々な感情があることを見つけていくものです。そして、自分の心の中にはいろんな感じ方を持ったキャラクターが居ることに気がつき、様々な考えを持った人々が住んでいる街のようなイメージで、自分の心の中の感情を感じ取り文字化してゆく作業をしていきます。その結果どうしていくとよいか、対策を講じて実践していく、というものになります。

一例を紹介しますと、研究歴6年7歳の笹渕みどりさんの「お母さんと遊び足りない」の研究では、シングルマザーのお母さんが娘のみどりさんと一緒に、お互いの本心を言葉にして書き、向き合って進めた研究が掲載されています。
大人が今の気持ちを感じ取り文字化するという作業は、実はとても難しくはないでしょうか?この親子はお互いに今どうやったら寄り添えるかを考え、ことばにして真摯に策を講じてゆきます。
結果的にみどりさんは、「研究のもっともっとその後(今)」として、以下のように結んでいます。
  ”今は、当事者研究はしたくないし、嫌い。
  なんかしつこく声をかけられる。
  時間が長いのがつらい。
  短いのなら、いい。”(本書P.37)

大人はつい、「こどもにとっていいだろう」と思い込んでいろいろとやらせてしまうところがあります。こども自身の心地よさや、こどもが本当は嫌だと思っているけれど「嫌だ」を飲み込んで受け入れてくれていることを感じとったり、無意識のうちに相談したり了解も取らずにこどもに強制したりします。でも当事者研究はそういうものではないそうです。
そこでふんばって遊びの世界を守る、こどもたちの鮮やかな発想力、懐の深さを学ばせてもらえる一冊と感じました。

ノート2(開)只今たがさぽでは、入り口側のスペースで「たがさぽ新刊本」のコーナーを設置し、新刊を6冊展示してご紹介しています。ぜひお手に取ってご覧ください。

【ブックレビュー】思春期サバイバル―10代の時って考えることが多くなる気がするわけ。 [2023年04月01日(Sat)]
こんにちは。スタッフの浅野です。春らしく穏やかな気候に心和む季節となりました。毎週土曜日は市民活動お役立ち情報をお届けします。本日はスタッフによるブックレビューです。


思春期サバイバル
―10代の時って考えることが多くなる気がするわけ。

発 行:はるか書房
制作者:ここから探検隊
発行日:2013年9月15日

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「思春期の子育てがつらい」
「あの子が何を考えているのかわからない」
「反抗期の子どもと良好な関係を築くには?」
思春期の子どもとの接し方に思い悩む保護者も多いのではないでしょうか。

子どもにとっては悩み多き10代。友達のSNSをこまめにチェックしなくちゃいけないし、進路についてアレコレ心配は尽きないし、学校の先生や親とのやりとりでムシャクシャしたり・・今時の若者はけっこう大変バッド(下向き矢印)あせあせ(飛び散る汗)

「男らしい、女らしいって何?」
「みんなと仲良くしなきゃいけないの?」
「何が自分らしさや個性なのかわからない!」
この本は、自分でも何だかよくわからないモヤモヤを感じている若者に対して、「こんな風な考えもあるよ!」といろいろな立場の人達でワイワイ話し合う中に、多感な時期を自分らしく生きていくためのヒントが散りばめられているような一冊です。

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思春期だからこそ、親もほどよい距離で子どもの気持ちに寄り添いたい。「宿題終わったの?」「学校どうだった?」と口うるさく言ってしまいそうなのをグッと抑えて、「困ったことがあったらいつでも頼ってね」という気持ちで子どもの成長を温かく見守りたいとこの本を読んで改めて思いました。

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本書は、思春期の若者とさまざまな形で関わりを持っている年齢も職業も違う個性豊かな4人がチームを組んで作りました。セクシャルマイノリティであるかないかに限らず、誰もが「多様性」の中で生きているということを柱に、思春期の若者が抱えるさまざまな思いや疑問などに広がりをもたせたこれまでにない新しい本です。

たがさぽ文庫「F1 子ども」の棚にありますのでぜひお手に取ってご覧ください。
【ブックレビュー】コロナ下のマイノリティ 子ども、生活困窮者、障がい者、外国人 [2023年01月07日(Sat)]
こんにちは。スタッフの浅野です。毎週土曜日は市民活動お役立ち情報をお届けします。

本日はスタッフによるブックレビューを掲載します。


コロナ下のマイノリティ
子ども、生活困窮者、障がい者、外国人

発 行:一般社団法人 市民セクター政策機構<
発 売:株式会社ほんの木
発行日:2020年10月15日

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新型コロナウイルスに関する最初の報道がされたのは2019年の12月。それから早3年が経ちました。世間は自粛ムードに包まれ、旅行や会食、マスクなしでの外出など当たり前にできていたことができなくなりました。
社会全体が大変な状況になると、社会的マイノリティの困難はますます見えにくくなります。本書では、マイノリティがコロナ下でどのような問題に直面しているのか、当事者の声が特集されています。


感染拡大を防ぐための「新しい生活様式」は人との距離を取り、マスクの着用を推奨しています。しかし、視覚障がい者のケースを例にあげると、耳からの情報だけでなく人や物に触ったり、杖を通じて地面を感じたり、身体的な感触を通じて生活していますし、マスクをすると頬に当たる風を感じず方向感覚がわからなくなる方もいるそうです。他にも、公共の交通機関に乗っても誰からも声をかけてもらえなくなった、買物中何か頼みごとがあってもお願いしづらいなど、物理的距離が心理的距離を遠くさせているような困難を感じている方も少なくありません。
当事者の方によると、障がい者を見かけたら何か特別のことをするのではなく、困っていそうな時は声をかけてほしいそうです。

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コロナ下だからこそ、困っている人がいたら声をかけるということが私達一人ひとりに求められています。マイノリティかそうでないかに関わらず、誰もが温かい目で見守られていると感じる社会は、誰にとっても生きやすい社会であるに違いありません。感染拡大防止に気をつけながらも、困った時にはお互い声をかけあったり手を貸し合ったりすることで、心の距離を遠ざけないようにしたいですね。
2023年は誰もが安心して暮らせる希望あふれる年になるように、みんなで協力してこの難局を乗り越えていきたいですね。

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この本はたがさぽ文庫B043 ジェンダー・人権」の棚にあります。ぜひお手に取ってご覧ください。


\たがさぽ文庫に新しい本が入りました!/
*たがさぽ文庫の借り方*
@利用者登録
運転免許証や保険証、学生証などお名前を確認できるものをお持ちの上、登録をお願いします。たったの5分で登録完了!登録料は無料です。

A窓口で貸し出し手続き
借りたい本が見つかったら窓口へ。貸し出し手続きを行います。借りられるのは一度に2冊までで、2週間の期限があります。

B本を読み終わったら、窓口へ返却
たがさぽの開館時間は、月曜〜土曜/9:00〜21:30(水曜は休館日)、日祝/9:00〜17:00です。開館時間中に窓口まで返却ください。
【ブックレビュー】こども六法 [2022年12月17日(Sat)]
街路樹たちが冬将軍の強風で木の葉をすっかり落とされ寒そうですね。
こんにちは、たがさぽスタッフのおおともです。
今回はこども向けの法律書「こども六法」をご紹介します。


こども六法

著者:山崎聡一郎
絵:伊藤ハムスター
発行:弘文社
発行日:2019年8月30日


六法とは、「日本国憲法」「刑法」「刑事訴訟法」「商法」「民法」「民事訴訟法」の6つの法律のことです。この本ではこの6つの法律と「いじめ防止対策推進法」について、こどもたちにもわかるように、身近にある法律が関わる実例にイラストをあわせて紹介しています。

「法律だなんて難しいんでしょ?」と身をかわしたくなる印象ですが、こどもたちの目の高さに映る毎日の出来事を例にお話が綴られていますので、お子さんと保護者さんがご一緒にページをめくると、「え〜〜っ!!これってこういう刑になるのぉ?」「これって実はこんなに重い罪なんだねぇ」「こういうことがこんなに軽い刑でいいの?」と、新たな気づきがたくさんあります。それだけでなく法律は、自分を自由にして安全な生活を守るものにもなるという知識を得ることができます。

今年の冬休みはこの本の「六法を知る旅」を計画してみてはいかがでしょうか?
「こども六法」は「たがさぽ文庫」にもあります。

「たがさぽ文庫」には、ジェンダー、福祉、まちづくり、こども・教育など、みなさんの市民活動を応援するさまざまな本を取り揃えております。
今回はその中の「こども・教育」部門にある本をご紹介させていただきました。
「たがさぽ文庫」には図書館に並ばない専門書が多数揃っております。
本の貸し出しは簡単な手続きでできますので、お気軽にスタッフにお声がけください。

「たがさぽ文庫」の利用登録・貸出は無料です。皆様のご利用をお待ちしております。
【ブックレビュー】関係人口をつくる [2022年10月08日(Sat)]
こんにちは。スタッフの浅野です。
毎週土曜日は市民活動お役立ち情報をお届けします。本日はスタッフによるブックレビューを掲載します❣


関係人口をつくる
定住でも交流でもないローカルイノベーション

著 者:田中輝美
企 画:シーズ総合政策研究所
発 行:株式会社木楽舎
発行日:2017年10月31日

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〇「関係人口」とは?
「関係人口」とは、定住していなくても地域や地域の人と継続的に関わる第3の人口のことを指します。
これまで地域における人口といえば、短期的に訪れる観光客のような「交流人口」か、長期的に暮らす「定住人口」でした。関係人口は、そこに住んでいなくても地域を元気にしたいと定期的に訪問したり、特産品を買ってくれる人のような「交流以上、定住未満」の存在なのだそうです。
著者の田中さんは、人口減少が続く日本社会に「関係人口」という考え方が広まることで、地域が元気になっていくと考えています。

〇よそ者視点
人口減少が続いている地域を元気するためのヒントは「よそ者」に隠されているそうです。
人口がどんどん減って、駅前や商店街がガラーンとしてくると「何もないところ」「つまらないところ」と地域住民がそこに住む意味を見失ってしまう“心の過疎化”が進みます。そのような中によそ者がやってきて「僕、頑張ります!」と地域の課題に向き合う姿を住民に見せると「よそから来た人が頑張ってくれているのだから、地元に住む私も何かしたい」と動き始める人が出てきて、次々と仲間を増やしていく好循環が生まれます。

よそ者はそこに住んでいないからこそ、外側から地域の魅力を発見したり、しがらみのない立場で解決案の提示ができるそうです。

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〇新しい潮流
いま、自分の強みを地域にいかしたいという人や、ふるさとがほしいという人は決して少なくはありません。地域にとっては頭を悩ませる課題でも、関わりたい側にとっては「自分が関わるべきテーマ」になると言うことができます。
関係人口の目的は移住定住ではなく、地方に足りない力を貸してもらうことにあるそうです。離れていても関わりを持ち、仲間であり続けることが目標です。たとえ人口が減っても地域を想い、関わる人材が増えれば地域の活力につながり、大きな希望になると田中さんは述べています。

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この本はたがさぽ文庫「E1まちづくり」の棚にあります。
東京在住者を対象とした島根や地域づくりのことが学べるしまコトアカデミー受講者たちが、地方の関係人口になるまでの実例も紹介されています。地域と関わりたい、何かしたいけどどうしたらいいのかわからない、何かヒントを見つけたいと考えている方におすすめの一冊です。ぜひお手に取ってご覧ください。

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