小規模多機能自治という考え方 〜応用編〜(地域毎の人口分布のグラフJ) [2017年12月05日(Tue)]
こんにちは、スタッフの武内です。
多賀城を地域毎に分類して作成した人口分布グラフをお届けしている本シリーズ。 今回は八幡地区、町前地区の結果をお届けします(グラフは今回で全地区掲載完了です)。 【グラフの内容について】 ◆18歳未満同居世帯率と高齢者率の分布で、若い世代と高齢者の対比を示しています。 ◆データは2000年〜2015年までの国勢調査の結果を使用しているので5年毎になります。 ◆地域分類は国勢調査の結果を使用しているため、多賀城市の47行政区ではなく住所ベースです。例えば『多賀城市○○1丁目』といった分け方になっています。ご了承ください。 ●八幡地区(参考:2015年の人口→3,796人) 【八幡一丁目(参考:2015年の人口→341人)】 八幡一丁目のグラフです。傾向としては18歳未満同居世帯率の低下と、高齢者率の増加を示す左上から右下に向かう形になっています。詳しく見てみると 18歳未満同居世帯率は2000年で38.5%でした。その後、低下の傾向がやや顕著で2010年は24.8%です。ただ、2015年では低下の割合がかなり緩やかとなり23.2%(2010年から1.6%の低下)となっています。 続いて、高齢者率については2000年時点で5.2%と一桁台でした。そこから上昇傾向を示し2005年に12.2%と二桁台となり、2010年は15.8%、2015年では20.8%と15年間で約15%上昇したことになります。 次に、八幡一丁目の2015年時点の値を同年の多賀城市全体平均(18歳未満同居世帯率:26.6%、高齢者率:22.0%)と比較してみると、18歳未満同居世帯率はやや低く、高齢者率でもやや低いことが分かります。 【八幡二丁目(参考:2015年の人口→1,693人)】 八幡地区の中で最も人口が多い八幡二丁目のグラフです。ご覧の通りほぼ横方向に推移しています。詳しく見てみますと 横方向の変化ですので、18歳未満同居世帯率はほぼ変化がありません。2000年は30.4%。その後の2005年と2010年はそれぞれ28.6%、28.3%です。2015年でも27.7%と大きな変化見られません。あえて上げるとすれば、変化の幅は小さいながらも減少傾向になっているといえます。 次に高齢者率ですが、こちらは明らかに変化を見せています。まず、2000年の14.0%からはじまります。次の2005年では15.9%と大きな変化は見られません。また2010年でも18.7%で10%台です。しかし、2015年には23.9%になっています。これは2000〜2010年の10年間の変化量(+4.7%)より2010〜2015年の5年間の変化量(+5.2%)が上回っています。 なお、2015年時点の八幡二丁目の値と多賀城市全体の平均を比べてみると、18歳未満同居世帯率と高齢者率ともに若干高くなっています。 【八幡三丁目(参考:2015年の人口→831人)】 八幡三丁目のグラフです。形としては左上から右下へ向かうものになっています。またグラフ自体も小さくまとまっています。詳しく見ていきますと 18歳未満同居世帯率は2000年で22.4%です。その後2010年まで低下傾向を示し16.7%となりました。しかし、2015年はわずかに上昇し18.2%となっています。 次に高齢者率ですが、こちらも大きく変化は見られません。2000年では16.6%でした。それから2010年まで上昇し21.4%となります。ところが上昇はそこで止まり、2015年では20.6%まで低下しています。 以上の結果を2015年時点の多賀城市全体の平均を比べてみると、18歳未満同居世帯率は低くなっています。ただし高齢者率でもやや低くなっています。 【八幡四丁目(参考:2015年の人口→520人)】 八幡四丁目のグラフです。傾向としては横方向への変化が伺えます。詳しく見て行きましょう。 18歳未満同居世帯率は2000年で22.6%でした。次の2005年では22.0%とほとんど変化は見られません。しかし2010年には18.5%と減少に向けた変化が確認できます。ところが2015年に19.5%とわずかではありますが上昇傾向に変化しています。 次に高齢者率ですが、こちら変化はハッキリと出ています。2000年の11.5%から2005年は12.8%、2010年に14.7%と上昇傾向を続けています。その上昇幅は10年で+3.2%です。更に2015年では19.2%になっていて、上昇幅は2010からの5年間で+4.5%になっています。これは2000〜2010年の10年間の上昇幅よりも大きいことがわかります。 なお、2015年時点の八幡四丁目の値と多賀城市全体の平均を比べてみると、18歳未満同居世帯率は低く、高齢者率でも若干低くなっています。 【八幡字西脇(参考:2015年の人口→411人)】 八幡字西脇のグラフです。形はやや特異ではありますが、全体的に横方向へ変化していること、またグラフの左側に位置しているように見えます。 18歳未満同居世帯率は2000年で31.1%です。その後は2005年34.3%、2010年31.9%、2015年29.0%と減少の傾向がやや見受けられますが、高い水準での変化です。 次に高齢者率ですが、2000年は1.6%と極めて低い値です。ただ2005年に4.2%へ上昇します。ところが2010年では3.8%とわずかですが低下します。そして2015年は8.0%と2010から4.2%増加し、その変化量がやや大きくなっています。 なお、2015年時点の八幡二丁目の値と多賀城市全体の平均を比べてみると、18歳未満同居世帯率は高く、高齢者率ではかなり低くなっています。 【八幡地区の人口分布グラフ】 八幡の各地区を1つのグラフにまとめたものです。 全体的に見ると、一丁目のグラフを中心に左上から傾斜が緩やかに右下に向かう傾向が伺えます。 高齢者率が他地区に比べかなり低い字西脇。また、18歳未満同居世帯率でも字西脇は高い水準ですが、同様に二丁目も他地区に比べると高い値で推移していることが分かります。 ただ、二丁目は高齢者でも他地区と比べ高い値で推移していて、2015年時点では八幡の地区の中で最も高い値であることが分かります。 ●町前地区(参考:2015年の人口→1,004人) 【町前一丁目(参考:2015年の人口→35人)】 町前一丁目のグラフです。形が非常に特徴的で変化も激しいですが、その要因として人口の少なさ(35人)が考えられます。グラフを詳しく見てみますと 18歳未満同居世帯率は2000年で6.3%でした。ところが2005年に急上昇し40.0%になります。そして2010年には急落して19.0%となります。その後2015年では9.5%になっています。 高齢者率については、2000年時点で6.1%となっています。その後は2010年まで上昇を続け20.9%となります。しかし2015年にはやや低下し17.1%になっています。 以上の結果を2015年時点の値を同年の多賀城市全体平均(18歳未満同居世帯率:26.6%、高齢者率:22.0%)と比較してみると、18歳未満同居世帯率と高齢者率の両方で市の平均より低く、18歳未満同居世帯率については、かなり低いことが分かります。 【町前二丁目(参考:2015年の人口→371人)】 町前二丁目のグラフです。グラフを見てみると、とても横に長いという印象を受けます。詳しく見てみると 18歳未満同居世帯率は2000年で30.1%でした。2005年ではやや上昇し33.6%になります。その後は下降傾向を示し、2010年は27.0%、そして2015年には25.2%となっています。 高齢者率については、グラフの形状から変化が大きいことが予測されます。2000年時点で3.5%とかなり低い値から始まり、2005年でも上昇こそしますが7.0%と一桁台で推移しています。ところが2010年では19.5%と急上昇(5年間で12.5%増)します。更に2015年も29.1%とかなりの上昇幅(5年間で約10%増)になっています。 次に、町前二丁目の2015年時点の値を同年の多賀城市全体平均と比較してみると、18歳未満同居世帯率はごくわずかながら低い程度ですが、高齢者率ではかなり高いことが分かります。 【町前三丁目(参考:2015年の人口→598人)】 町前三丁目のグラフです。横方向への変化する傾向ですが、一・二丁目のグラフに比べれば三丁目はあまり大きな変化をしていないように見えます。その内容を見ていきます。 18歳未満同居世帯率は2000年で28.9%でした。2005年もほぼ変わらず28.4%です。そして2010年には32.3%と上昇傾向を見せます。しかし2015年は低下して29.8%でした。ただ2015年時点の値でも2000年や2005年の値より高くなっています。 高齢者率については、2000年時点で6.8%でした。その後、上昇傾向となりますが2010年時点で13.1%とその上昇幅は緩やかです。また2015年の値は13.2%と2010年時点とほぼ同じになっています。 これらの結果から、町前三丁目の2015年時点の値を同年の多賀城市全体平均と比較してみると、18歳未満同居世帯率は高く、高齢者率ではかなり低いことが分かります。 【町前地区の人口分布グラフ】 町前地区は一丁目から四丁目がありますが、人口のデータ(国勢調査結果)では四丁目の値がありません。そのため、まとめのグラフは一〜三丁目の結果を並べています。 一丁目と二丁目のグラフがとても特徴的であるためかなり目を引きますが、町前一〜三丁目の人口合計は1,004人です。その内、三丁目は6割近い598人です。また二丁目の人口も371人と残りの4割近い人口を占めていますので、町前地区のグラフの傾向としては二丁目や三丁目のような横方向に変化する傾向になると考えられます。 今回は八幡地区と町前区の分布グラフをお届けしました。 多賀城の地区は、今回ご紹介した分ですべてになります。 ちなみに繰り返しではありますが、これまでの人口分布グラフは国勢調査の結果から住所を元にしたデータで作成しているため、多賀城市の行政区ごとの結果ではありません。 なお、行政区の人口や高齢化率などのデータにつきましては、多賀城市地域福祉計画(第三期)の資料として公開されています。 下記にそのリンク先URLをお示ししますので、興味がある方はぜひご覧ください。 ●地域福祉計画(第3期)紹介HP(多賀城市HP内) →http://www.city.tagajo.miyagi.jp/fukushi/shise/shisaku/kekaku/chiiki/kekaku.html ●多賀城市地域福祉計画(全文:pdfファイル) →http://www.city.tagajo.miyagi.jp/fukushi/shise/shisaku/kekaku/chiiki/documents/zenbun.pdf ●多賀城市地域福祉計画より 資料:地域福祉に関する現状(地域のデータなど:pdfファイル) →http://www.city.tagajo.miyagi.jp/fukushi/shise/shisaku/kekaku/chiiki/documents/siryougenjou.pdf こうしたデータなどをきっかけにして、地域のことについて興味・関心を持っていただければ幸いです。 ※掲載しているグラフはIIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]発行の『ソシオ・マネジメントvol.3〜小規模多機能自治−総働で、人「交」密度を高める〜』に掲載の「地域の状況を定量的・相対的に共有するための6枚のスライド」内の高齢者率と18歳未満同居世帯率の分布グラフを元に作成しています。 ※お願い※ 本ブログの掲載データに関するお問い合せは、多賀城市市民活動サポートセンターにご連絡ください。 ・TEL:022-368-7745 ・eメール:tagajo@sapo-sen.jp |