あれから4年 ―多様化が求められる民間の支援活動― [2015年03月16日(Mon)]
あの日から4年経ちました。もう4年というべきかまだ4年というべきなのでしょうか。
災害公営住宅など住宅再建は地域によっても異なりますが概ね10%台から30%までで、いまだ8万人以上の方が、狭隘で防音・防寒・防暑が不十分な仮設住宅で不自由な生活を余儀なくされています。 被災地内外への避難生活を余儀なくされている方の数は、23万人にも上るといいます。 農地の復旧も宮城県では74%まで進んでいますが、福島では放射能汚染の問題もあり僅か23%程度にしか復旧していないということです。 一方で、このようないわばハード的な復興(たとえ遅々たるものではあっても)が進む中で、被災地、被災者の現状が多様化していることが指摘されています。個別化していると言い換えることができるかもしれません。 災害公益住宅に移った高齢者の方の中には、そのようなある種のマンション暮らしに溶け込めず、介護や見守りも行き届かず引きこもりがよりひどくなる方、一方で新生活にすぐ順応し新しい職場や新しい学校で元気に頑張る人たちといったいわば多様性が出てきているといわれています。 つまり4年経つと、被災者支援活動が初期の様に共通項で括れるものではなく、一人一人の事情が異なり得ることに配慮する必要があります。 行政の支援はもちろん画一的で、ある意味公平なものであるかもしれませんが、多様化したニーズへの個別対応が難しく、そこを埋めるのが現地の市民団体など非営利組織の役割です。 その意味で益々彼らの出番が求められる現状です。 県外からの非営利団体の支援活動や寄附は明らかに減少傾向にありますが、現地では多くの団体が、上に述べたように多様化し、複雑化し、個別化する被災者の支援を、不足する資金源にあえぎつつも黙々と続けています。 弊協会『公益法人』誌3月号掲載の座談会でもその様子がビビッドに語られています。 公益法人・一般法人、そして個人の方々それぞれのお立場から、それぞれ独自のそして専門的見地からの支援活動を今年も続けておられる方も多いとは思いますが、少額でも寄附により支援したいとお考えの方は、弊協会「東日本大震災 草の根支援組織応援基金」を利用されるのも一法かと思います。 この基金は、まさにこのような現地の草の根団体のお役に立つために設けられたものです。 ご自分のご寄附がどの団体のどのような活動に使われたのか「可視化」できる基金です。 復興への道のりはまだまだ時間もかかります。 私たち非営利組織に身を置く人びとも記憶を新たにして、何ができるか考え続けてみたいものです。 |
Posted by
t-ota
at 14:43