今年の新機軸、ミッション・ドリブン型プロボノ [2014年01月09日(Thu)]
いつもより長めの冬休みが終わり、新しい年が動き始めた。
この投稿では、ちょうど今日明日あたりからスタートする新しい取り組みを紹介させていただきたい。 日本財団「夢の貯金箱」との協働による「ゆめちょ総選挙」。 夢の貯金箱とは、ドリンク1本につき10円が寄付になる“社会貢献自動販売機”のこと。 その数、日本全国に約2,000台に上る。 この夢の貯金箱に集まる寄付金の使いみちを、自販機の利用者(つまり、寄付者)の投票により決めていこう、というのが、ゆめちょ総選挙という企画だ。 選挙には、社会課題解決に向けた、5つのミッションが候補に並んでいる。いじめ自殺防止では、いじめの現場に出向いて証拠集めなどを手伝う「イジメGメン」を派遣する仕組みをつくったり、災害支援に関しては、市民の支援と被災地のニーズをいち早くつなぐコーディネーターを養成したり。 いずれも、社会的ニーズの半歩ぐらいを先取りしたようなエッジ感ある候補たち。それ自体、なかなかにユニークでチャレンジングだ。 ゆめちょ総選挙では、その中から、2〜3件のミッションが選ばれ、4月以後、ミッション実現に向けたプロジェクトが実行に移される。 プロボノの出番ということでいえば、実はそこからが本番だ。 例えば、発達障害に関連するミッションが選ばれれば、発達障害を持ちながら活躍するアーティストや起業家をプロボノで応援することになるだろうし、ボーダレス・スポーツが選ばれれば、障害者スポーツの普及活動を行う団体をプロボノで応援していくことになるかもしれない。いずれにせよ、何らかの具体的なテーマに沿って、いくつものプロボノプロジェクトが、集中的に立ち上がっていく予定だ。 これまで、サービスグラントは、NPO等からの助成申請を受け、採択基準に従って審査をしたうえで、NPO等に対するプロボノ支援を行ってきた。その際、特定の分野に偏らず、幅広いNPOを対象とする、中立的なプラットフォームとしてのスタンスを取ってきた。こうしたニュートラルなプロボノ支援は、これからも当然継続していくだろう。 これに加えて、今年の新機軸は、ある特定の社会課題に焦点を当て、その社会課題解決を目指すというミッションのもと、その課題解決につながるNPO等の取り組みを集中的にサポートするようなプロボノの進め方だ。いまのところ、これを、「ミッション・ドリブン型」と呼ぶことにしている。 こうした方法を取り入れることによってどんなことが想定されるか。 一つは、活動内容が近いNPOを同時期に集中的にサポートしていくことで、その分野に関わるNPOが抱える共通の課題が見えてくるだろう。 複数のNPOが連携して情報発信する機会も、新たに生まれるかもしれない。 まとまった数のプロボノワーカーが参加することになるが、そのワーカーたちの交流の中から、何らかの社会的提言が出てくることだって、あり得るかもしれない。 もちろん何事も、実際にやってみないとわからないが、力を合わせて一つのテーマに集中していくことによって、今までにはないプロボノの力を発揮できるチャンスが現れるかもしれない。 |