一般管理費 2013年05月05日(Sun)
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NPOの見積書の標準スタイル、などというようなものは、いまだ確立されていないわけですが、先日、とある方の話を聞いて、このことを考える機会をいただきました。
私がもともと勤めていた日本総研では、スタッフの工数単価に、そのスタッフが稼働する日数を掛け合わせ、そこに一般管理費として10〜15%ほどを計上して、最終的な見積額を算出する、という方法で、クライアントに対する見積書を作成していました。 ウェブ制作会社やデザイン会社などでも、この一般管理費15%前後、というラインは、比較的違和感のない、標準的なところである、という感じがしています。 過去に、ごくわずかですが、いくつかのNPOの見積書を見させていただいたことがありますが、もとの仕事の感覚からすると、まず、工数単価が極端に安価であることと、一般管理費など組織維持に充当するお金が計上されていないこと、この2点において、これでは、事業を回す人件費を出すことはできても、組織の維持・運営には厳しいのではないか、と思ったことがあります。 一方で、NPOを取り巻く市場環境は、前職の総研のようにはいきません。おそらく、私の前職の工数単価をもとに、企業の皆さんに見積もりを提出したら、おそらく、どれもお話が前に進まない、という状況になっていたでしょう。 そこで、もうしばらく前から、サービスグラントで採用しているのが、国土交通省の単価です。 国交省単価は、建設業や設計事務所などに適用される単価ということで、行政の方や都市計画などの関連の方にはなじみのある単価のようです。この単価は、以前に、ある行政の方から勧められて採用したのですが、前職のだいたい4分の1ぐらいの金額水準です。それでも、企業の方によっては「高い」と言われることもあります。しかし、「自分たちの給料の3倍は稼がないと、組織は維持できない」という総研の頃の感覚からすると、また、実際にNPOの運営をしていく中で、この金額はギリギリのところで、協働パートナー企業の皆さまには、その点ご理解をいただいています。 この国交省単価に工数を掛け合わせ、一般管理費として15%を上乗せさせていただき、見積書を作る。これで、なんとか、今までのところ、組織を運営してきました。 ところで、先日驚いたのが、通常、建設業などでは、国交省単価で人件費を算出した後に、一般管理費として90%〜100%程度の金額を上乗せして見積りを計上するのが業界の通例だ、という話を聞いたのです。 た、確かに、、、冷静に考えれば、建設会社とサービスグラントとが同じ単価を利用しているとしたら、サービスグラントでも立派なオフィス・ビルが建てられてもおかしくない?はずですものね!(笑) でも、現実にはそうなっていない理由が、そこにあったのか〜、と衝撃を受けました。 一般管理費が、人件費の積算の90%〜100%、というその根拠は、、、つまり、建設業界は、稼働率などを考え、建設工事などが行われていない時期も機器の保管・維持・管理なども必要でしょうし、技術者のトレーニングなども必要でしょうし、それらを考えると、実際に工事が行われている時期の人件費とほぼ同額の間接費を見積りに計上しないと、組織が維持できない、ということなのでしょうか、、、いずれにしても、こうした比率の間接費が、業界の慣例として十分浸透し、理解を得られている、ということなのだそうです。(※業界関係者の方、誤解を含んでいたら教えてください!) それにしても、だからといって、我々NPOが、いきなり一般管理費を明日から90%にする、ということはできないと思うわけですが、それにしても、NPOにとって「一般管理費」に相当するものとは何なのか、ということは、真剣に検討するに値するテーマです。 というのも、ちょっと前のブログでも書きましたが、私たちサービスグラントのようなNPOの事業運営においては、協賛や委託などの形で収入が期待できる「収益事業」と、その基盤として社会的成果を生み出すために不可欠な「非収益事業」との両方があります。 「一般管理費」という表現そのものも、曖昧な響きがありますし、この際、一般管理費と呼ぶのではなく、「非収益事業」を維持するために必要なコストをどのように算出し、それをどのように見積りに反映していくのか、ということを表現する新しい経費の概念すらをも考えるべきなのではないか、と思うのです。 その名称はさておき、それが、やはり15%でよい、ということなのか、はたまた40%になるのか、その付近は、まだ細かく計算していないので分かりません。また組織によっても異なるのだと思います。ですが、スタッフの単価の設定と間接経費の計算根拠を、NPOらしい基準で定めることは、持続可能なNPOのビジネスモデルを考える、という点において、きわめて重要テーマなのです。 というわけで、このブログ、お金の話は、まだ当分続きそうです。 |




