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基礎から学ぶ国際会議2 [2012年02月02日(Thu)]
引き続き1月28日(土)に行われた「基礎から学ぶ国際会議」についてです。



質疑応答の内容を一部ご紹介します。

Q.京都議定書の第1約束期間で、各国の成績は?

A.2008年から2012年までの排出量で、京都議定書の目標が達成できたかどうかを
把握する。2012年の排出量を把握できるのは2013年なので、京都議定書の遵守を
最終的に確認するには、約1年半ほどの時間がかかる。


Q.京都議定書の第1約束期間の目標が守れなかったら?

A.京都議定書は義務がある目標なので、義務の達成をチェックする「遵守委員会」
というものがある。達成できていないことが明らかになれば、国連の管理下で
「遵守行動計画」という計画づくりを行う。また、第2約束期間の削減目標に対して
削減量を3割り積み増しするという義務がかかってくる。
日本やカナダのように遵守できないかもしれない国が、第2約束期間の義務を
負わないといったとき、次の目標に3割積み増しができなくなるので、議論が必要になる。



会場に展示した写真(南アフリカの街の様子や
会議場の様子など)を、見ている参加者の方もいました。








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アンケートの結果から参加者の声の一部をご紹介します。(回答者数18/21名)

Q.今日、特に印象的だったことや気づいたこと・学んだことは?

(日本が)京都議定書に参加しないということがとても印象的でした。
国際的な義務がなくなるということで、今後日本が気候変動問題に対して
どのような取り組みをしていくのか、大変興味がわきました。(20代・男性)


世界各国から集まった若者たちが活動している姿が印象的でした。(20代・女性)


気候変動を止めるためには、産業構造の変化、ライフスタイルの転換が必要ということ。
(50代・女性)

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基礎から学ぶ国際会議1 [2012年02月02日(Thu)]
「聞く・話す・知る わたしと世界とオンダンカ〜基礎から学ぶ国際会議〜」を開催しました!

日時:2012年1月28日(土)13:30〜16:00
会場:仙台青葉カルチャーセンター
講師:平田仁子氏(NPO法人気候ネットワーク)
報告者:佐藤剛(ストップ温暖化センターみやぎ運営委員)
     江刺家由美子(ストップ温暖化センターみやぎリーダー)
内容:昨年の11月末から約2週間開催された、地球温暖化に関する
   国際会議「COP17」について、会議の目的や話し合われている内容、
   COP17の結果などを紹介
参加者:21名


はじめにストップ温暖化センターみやぎからCOP17に行った2人より、
現地の様子や他国のNGOの活動について紹介しました。

普段は見る機会の少ない、南アフリカの町並みや人々の様子。
また、若者のパフォーマンスやカナダに対する抗議の様子などの紹介もありました。

「若者の活動している姿を見て衝撃を受けた。
自分がCOP10に参加したときよりも参加している若者が多く感じた。」(20代・女性)















次に、地球温暖化の国際交渉の専門家で、気候ネットワーク東京の事務所長である平田仁子氏から、COPや国際会議の基礎的なお話、COP17の結果や今後の見通し等についてお話をいただいた内容をQ&A形式でご紹介します。





■気候変動問題は今どのような状態?
気温上昇を産業革命前から「2℃」未満に抑えることは各国共有の目標ですが、
各国が示す2020年目標では大きなギャップがあり、このままでは4℃上昇の
破局のシナリオとなってしまいます。「2℃」未満の目標を達成するためには、
各国が示す2020年目標プラス60〜100億トンの削減が必要です。


■COPではどのようなことが話し合われている?
京都議定書をもとに下記の論点で会議が行われています。
 ・先進国の削減義務・・・先進国全体で40%の削減に届く目標に合意すること
 ・途上国の削減行動・・・中国やメキシコ、ブラジルなどの主要な途上国の
               排出抑制を進める方法
 ・森林減少の抑制・・・途上国の森林減少によるCO2排出を止めること
 ・技術開発・技術移転・・・途上国の発展を「低炭素型」の発展に切り替えるため
 ・適応・・・特に影響を大きく受ける低開発国に、すぐに支援できる仕組み
 ・資金メカニズム・・・膨大な資金を捻出する仕組みと「立ち上げ資金」の確保



■COP17(ダーバン会議)で決まったのは?
1.京都議定書第2約束期間の合意
  ・・・法的拘束力ある削減の仕組みである京都議定書を続ける
2.包括的な法的文書(議定書)づくりへのプロセス
  ・・・2015年までに米中を含む新しい議定書(あるいはそれに類するもの)を作り、
    新たな枠組みは2020年からスタート
3.カンクン合意の運用化
  ・・・削減目標を立てたり、報告書を隔年で提出したりはするものの、
    自主的な取り組みを行う


■日本はどのような立場?
日本は京都議定書の義務を負わない「フリーライダー」の仲間入りです。
京都議定書の下で義務を負わず、2020年から新しい議定書が始まるまでは
途上国と同じ「自主的な取り組み」やっていくという方針です。
アメリカ、カナダ、ロシアも同様に、削減義務を拒否した先進国です。


■日本はどうするべき?
・「フリーライダー」となることのリスクを認識する
・原発CDM(クリーン開発メカニズム)の方針の取り下げ
・先進国の責任として国際義務を引き受け、率先行動をとる
・野心的な目標達成へ向けた排出実態の把握と評価への対応


平田さんのお話が始まると、参加者の皆さんは大変熱心に耳を傾けていました。
会場からは笑いが起こることも。


基礎から学ぶ国際会議2に続きます。

カタヌキのじかん [2012年01月30日(Mon)]
「聞く・話す・知る わたしと世界とオンダンカ〜カタヌキのじかん〜」を開催しました!

日時:2012年1月28日(土)10:30〜12:30
会場:仙台青葉カルチャーセンター
講師:阿部眞理子氏(NPO法人国際ボランティアセンター山形)
内容:留学生など仙台在住の外国人の方と一緒に
   お互いのライフスタイルについて楽しく学びあうワークショップ
参加者:22名

この「カタヌキのじかん」は、「カタ」のちからを「ヌキ」ながら、
他の国について知ることを通して自分の国やライフスタイルについて考える時間です。

「地球温暖化とは・・・」といった内容よりも、
他の人々のくらし・・・食べているものや住んでいる家の様子などを
知っていただくこと、私たちはどんな暮らしをしているかな?などを
考えていただくことがメインテーマです。

世界の人口など、様々なデータが数字で出ていますが、
なかなか数字から世界を想像することは難しいですよね。

このワークでは、ロープを使って世界の陸地の面積をあらわしたり、クッキーを使って世界の貧富の差をあらわしたり、100枚の黒いシートを用いて、どの国が二酸化炭素をたくさん出しているかをあらわしたりしました。




参加者の皆さんの様子は・・・
「わー!こんなに差があるの!?」と言った驚きの声や、

「2050年の世界の人口は○○人だと思います!」
と講師の質問に元気に答えている方もいました。







その後はグループワーク。
各グループに1枚の写真が配られ、グループごとに
写真に写っている人々の国を予想しました。
写真には、ひとつの家族とその家族の1週間分の食料が写っています。











グループ内では「これは豆だと思う!」「飲み物が豊富だね。」「家電が全くない!」
「家族の後ろに写っている飾りは、宗教に関係していると思う。」など、様々な意見。


最後に話し合った内容を、発表しあいました。

発表の中には、モンゴル出身の留学生の方から、シャーマニズムという宗教についての紹介もありました。

実際に留学生からお話を聞くとその国がぐっと身近に感じられるし、「日本とは全然ちがう!」というような新鮮な発見もありますね。




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アンケートの結果から参加者の声の一部をご紹介します。(回答者数13/22名)

Q.今日、特に印象的だったことや気づいたこと・学んだことは?

データで知る、見える化することでなんとなくしか知らなかったことがわかって
とても面白かったです。また、問題点が明らかになりました。
アメリカ、日本・・・やばいですね。(40代・女性)


最後に、世界の家庭の一週間分の食料を知り、その差におどろきました。(20代・女性)


いくつかの国の写真を見て、どのような国であるかなどを当てることが
印象的で楽しかった。“幸せ”というのは持っている“モノ”によって決定
されることではないが、ある程度基本的なモノは必要であろう。しかし、
写真を見たら、その“持っているモノ”の差が大きすぎる。資本主義システムの
中では仕方のないことであるが、“持っている者”がそうではない者のために
何かをやらないといけないというのを改めて感じた。(30代・男性)

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COP17派遣報告会を開催いたします [2011年12月20日(Tue)]
仙台でもパラパラと雪のちらつく日が増えてきました。

そんな仙台とは打って変わって、とっても熱いCOP17という会議が
暑い南アフリカ共和国のダーバンで開催されました。

COP17が終了したばかりの今、是非“オンダンカ”について考えてみませんか?

ストップ温暖化センターみやぎでは
環境にちょっぴり興味を持っている方のためのイベントを企画中です!


「聞く・話す・知る わたしと世界とオンダンカ
              〜カタヌキのじかん&基礎から学ぶ国際会議〜」


ワークショップ「カタヌキのじかん」、COP17報告会「基礎から学ぶ国際会議」の2部構成です。
いずれも参加費は無料です。また、どちらか片方の参加も可能です。

日程:2012年1月28日(土)
場所:仙台青葉カルチャーセンター403号室(仙台市青葉区一番町2-3-10カルチャー仙台ビル)

1.カタヌキのじかん (10:30-12:30)

留学生など仙台在住の外国人の方と一緒にお互いのライフスタイルについて
楽しく学びあうワークショップです。

ファシリテーターとしてNPO法人国際ボランティアセンター山形理事の
阿部眞理子氏をお迎えします。

みなさんは「世界が100人の村だったら」というお話はご存知でしょうか?

そのお話のように、ワークショップ参加者が地球の全人口だったら○人はアジア人で、
○人はアフリカ人で・・・というようにロールプレイ方式で世界の現状を体感していただいたり、
いろいろな国の食卓の写真を見て、感じたことをそのままコメントしていただいたりする
ワークショップなので、誰でも気軽に参加可能です。

「ワークショップなんてはじめて」「オンダンカってよくわからない」という方でも大歓迎!




2.基礎から学ぶ国際会議 (13:30-16:00)

ブログでもご報告しておりますが、ストップ温暖化センターみやぎから、
南アフリカ共和国・ダーバンで開催されたCOP17に派遣を行いました。

この報告会では、実際にCOP17に行った2人から、現地の様子や
他国のNGOの活動についてお話します。

また、地球温暖化の国際交渉の専門家で、気候ネットワーク東京の事務所長である
平田仁子氏からは、COPや国際会議の基礎的なお話に始まり、
COP17の結果や今後の見通し等についてお話をいただきます。

COPに行った人と直接お話しする機会は東北地方ではなかなか無い機会です!
奮ってご参加ください。



■お申込み方法:
@氏名/ふりがな
A電話番号
Bワークショップ、報告会のどちらにご参加か、あるいは両方のご参加か
 の3点を電話、FAX、メールのいずれでご連絡ください。

■主催・申込み先:ストップ温暖化センターみやぎ
〒981-0933 仙台市青葉区柏木1-2-45 フォレスト仙台5階
TEL 022-301-9145  FAX 022-219-5710  E-MAIL stop_gw@miyagi.jpn.org


また、来年1月13日(金)17:30-20:30には映画を通して、
世界のエコについて考えることのできるイベントも準備しています。
「エコでつながる世界〜上映会『セヴァンの地球のなおし方』〜」
こちらも是非ご参加ください!
COP17の報告会 [2011年12月20日(Tue)]
COP17では、京都議定書の第二約束期間が2013年に始まることや、
また2015年までに新しい枠組に合意することを含んだ
ダーバンパッケージが採択されました。

会議の決定事項のみを見ると、
なかなか自分とは別世界の出来事・・・と感じがちですが、
先の記事にもあるようにその決定にいたるまでの交渉や議論では、
さまざまな国がそれぞれの立場から時には冷静に、
時には感情を込めて発言し、
まさに地球温暖化が「人類」の問題であることを感じます。
特に途上国や温暖化の影響を受けやすい国々の発言は、
その危機感や会議がなかなか進まないことへの憤りが
会場の巨大なスクリーンを通して切々と伝わってきます。

発言時間は各国3分となっていましたが、
守る人はほとんどおらず、5分以上はざらです。

「議論の進め方に不満があります。
 私はこんな結果じゃ国に帰れない。
 こんな低い目標では受け入れられない、将来の話をしてるのに!」(ベネズエラ)

「たった一つのハリケーンで私たちの国はずたずたになる。
 たった一つでです。
 世界は解決策を欲している?
 欲しいなら議論を進めましょう。
 われわれは遊んでるんじゃない」(グレナダ)

「自主的な削減目標じゃ不十分。
 それでどうなったか、この2年で見てきたでしょう?
 第一約束期間と同じコンセプトで約束を作ってこそ、
 意味があるのです」(ニカラグア)

「昨日の今頃(21:00頃)には、COPは終わっているはずだった。
 はやく議論を進めましょう」(ブラジル)

「(気候変動に対する効果的なアクションを起こすために)
 あとどれぐらいの災害が必要なんですか?」(エルサルバドル)

「アルキメデスは『テコがあれば地球を動かせる』と言った。
 今人類にとって、京都議定書の第2約束期間こそがテコでしょう」(フィリピン)

会議中、新聞やテレビではCOPについてたくさんの報道がされましたが、
会議終了とともに耳にすることも少なくなります。
しかし「人類」の問題である地球温暖化は現実に目の前にある危機であること、
そして一刻も早く少しでも有効なアクションが必要であることは
決して忘れることはできません。

最終日、マシャバネ議長は会議の冒頭で
「人類のためにこの会議を行いましょう。
 国ごとの思惑のためではありません。」
と呼びかけ、その後も
「ベストではない。
 しかし今回の会議で達成したこともたくさんあります。
 歴史を作りましょう。」
と会議の進展への協力を淡々と、力強く訴えました。

現代はまさに歴史的な転機の真っ只中にあり、
ここでどのような道を選ぶかがこの先の長い長い将来を決定付けます。
会議の中でも盛んに出てきた「責任(responsiility)」という言葉。

「個人がやってもそんなに効果はないから企業が…」
「企業より自治体が…」
「自治体より国が…」
「いや、他国が…」
誰かがやってくれるのを待つ余裕はありません。
それぞれの規模で、立場で「責任」を果たすことの重要性を
今改めて認識しなければいけないと感じました。

※2011/1/28(土)にCOP17報告会を開催します。
 詳細は追ってブログに掲載しますので
 是非ご参加下さい!

COPの結果についてはこちらをご覧下さい

気候ネットワーク
WWFジャパン
全国地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA)
外務省









南アフリカの色 [2011年12月20日(Tue)]
その土地のイメージを支配する色彩は、
気候風土、とりわけ、太陽の高さや気温を決める緯度、
そして、大地の湿潤さや緑の生育量を決める
降水量との関係が深いように思います。

アフリカ大陸のの中では比較的、
高い緯度にある南アフリカですが、
それでも、強い日差しは、鮮やかな色彩と深い影をもたらしています。

たとえば、ダーバン市の海沿いの公園にあった
ドラム缶のゴミ箱の鮮やかな色使いは、
なかなか日本ではないもののように思います。










あるいは、COPの会場前で、
陽気な音楽とともに現れたパフォーマーたち(目的は不明です)の姿にも
いかにもアフリカらしい色使いを感じました。









土の色が赤いことは前に書きましたが、
たとえば、こんな感じです。
水溜りの色まで、深い茶色になっています。
日本の黒土とはもちろん異なりますし、
関東ローム層の赤土より、ずっと深い赤のように見えます。

ダーバンについて2日目の夕方、
坂道を登ってくる親子の服の色合いが
とても夕暮れの景色になじんでいて素敵だったことも前に書きました。



そのとき見た服装を思い出そうとして思い出せないのですが、
イメージとしては、COPの会場入口前で売っていた
絵(写真参照)に近いような気がします。

もちろん、親子の服装は、もっと現代的で、
色合いもこの絵とは異なっていましたが、
暮れなずむ澄んだ空気の中で見た鮮やかな印象は
これに近いものがありました。




ダーバンの年間平均気温20.8度は、
鹿児島と沖縄の中間くらいですが、
年間の寒暖の差が小さく、
夏(南半球なので12月〜1月頃)でも
仙台と同程度の暑さのようです。
また、年間降水量1009ミリメートルは仙台よりやや少ない程度です。

我々が滞在している間も、晴れた日の日差しは強いものの、
いつも風が吹いていて、
日陰にはいると仙台の夏よりもしのぎやすいと感じました。

COPの会場であるICCの庭はもちろん、
宿泊先の近くでもたくさんの花々が咲いていました。
その中でも、特に目立っていたのが、
瑞々しい色合いの、この花です。
花の名は聞かないでしまいました。

アフリカらしい深い黒を交えた鮮やかな色彩と
湿潤で穏やかな気候を示す瑞々しい緑、
それが南アフリカの色彩のようです。

【佐藤】
朝までかかったCOP総会−大きな船は少しずつ向きを変えつつある [2011年12月20日(Tue)]
一日延長となったCOP最終日の様子を見るため、
10時頃、会場に着きましたが、
ぜんぜん始まる気配がありません。

会場をぶらついていたり、ラウンジのピアノを聴いたりして過ごしていたところ、
やっと夕方になり、
18時から議長によるインフォーマルな
ストックテイキング・ミィーテングを行うとの表示が出ました。

18時50分頃にストックテイキングミーティングが始まり、
続いて、京都議定書及び条約に関する二つの作業部会が開催されました。

議論がまとまらないまま、インフォーマルな形での
COP(正確にはCOP及びCMPのジョイント会合)の総会がスタートしたのは、
12月11日の午前1時頃でした。

予定より大幅に伸びており、
各国政府代表者の帰国の飛行機の便等を考えると
この夜のうちに会議を終了させなければならないことは明白でした。

これら一連の会議は、「Baobab」という名の
1000人も入れるような大きな会議場で行われました。










参加国だけで100を超える会議で、
いったいどのように議論がなされるか興味がありましたが、
各国の机の上にはボタンのついたマイクが置かれ、
ボタンを押すと議長が分るようになっており、
議長の指名を受けて各国の代表者が意見を述べるという仕組みになっていました。

なお、会議中、ベネズエラの代表は、
何度もボタンを押したのに議長が指名してくれないと
怒ってイスの上に立ち上げるというハプニングもありました。


議長を務めた南アフリカの外務大臣のマシャバネさんは、
冒頭、何としても朝までに会議をまとめようという
気迫に満ちた演説を行いました。

その後、各国の代表者が意見を述べてゆきました。
同時通訳に日本語が含まれず、
かといって、英語のスピーチを充分、理解する力もないので、
断片的に理解できたことと、まわりのNGOたちの拍手などの反応で
議論の大まかな流れを掴むように務めました。

それも難しいときは、
スピーチを行う各国代表者のキャラクターを楽しむこととしました。
それぞれ強烈なキャラクターの持ち主です。
なかでも、インドの環境大臣の
畳み掛けるようなスピーチの迫力に圧倒されました。

理路整然とした(ように思える)EU代表、
淡々としたように見えて情熱を秘めるグラナダ代表、
やや感情的な発言を繰り返すベネズエラ代表などが特に印象に残りました。

それぞれのスピーチによって
議論の方向が少しずつ動いて行くようにも見え、
国際会議というものが無味乾燥なものではなく、
極めて人間くさいものだという印象を持ちました。

また、それぞれの国がまじめに、
あるいは、自国の立場を有利にするため、
巧みな駆け引きをおこなっているようにも見えました。

議論がまとまらないと思えた午前2時40分頃、
議長から10分間時間を下さいと提案があり、
EUやインドの代表など少人数が会場の一角に集まり、
協議を始めました。

もちろん、何が話されているかは分りませんでしたが、
お互いの妥協案を出し、
今回のCOPを実りあるものにする大事な協議の場だったそうです。



会議再開は、3時30分頃に伸びました。
その後も数人のスピーチがあり、
インフォーマルな会議は3時40分頃に終わりました。
その頃には、会場の片隅で寝ている関係者も出始めました。

COP(正確に言えば、COP及びCMP)の総会=全体会合は、
午前4時10分過ぎに始まりました。
部屋は同じBaobabです。

二つの特別作業部会から、それぞれ報告がなされ、
また、それぞれ数人ずつの各国代表者によるスピーチがありました。
いったい、どうやって、決定するのか分らず、
もしかして多数決で決めるのだろうかと思っていたら、
テレビの時代劇のように、
議長が木槌をたたき「これにて決定、一件落着」といった感じの発言で、
午前5時半頃、一切は終了となりました。

そこで決定した事項については、
ここには詳述しませんが、
一時は何も決まらないのではないかと噂されたCOP17において、
京都議定書の第二約束期間への延長、
日本政府が望んでいたことでもある
京都議定書に変わる新たな枠組み(ダーバン・プラットフォーム)を作ることの決定など、
重要ないくつかの合意事項が達成されたのは、すごいことと思っています。

今回の合意事項が地球温暖化を防止するためには
全く不十分だとしても、大きな船がゆっくりと舵をとるように、
真の解決に向けて、ゆっくりと向きを変えたという印象を持っています。

疲れ果て外に出てみたら、清清しい夏の朝が始まっていました。


【佐藤】
国際会議にNGOが参加する意義 [2011年12月20日(Tue)]
サイドイベントの会場とCOPのメイン会場とをつなぐ通路の脇で、
ときどき、世界各地からのNGOたちのパフォーマンスが行われています。

前に紹介したI LOVE KPのTシャツを着た若者たちの
KP(京都議定書)を大事にしようという呼びかけであったり、
バイオマスの材料を名目とした森林破壊の阻止の呼びかけだったり、
GREEN CLIMATE FUND(グリーン気候基金)の設立に関する呼びかけなど様々です。

12月6日には、日本から来た学生グループCYJによる
「原発に頼らない温暖化対策」を呼びかけるパフォーマンスが行われていました。










たいていの場合、パフォーマーは若者たちです。
賛同者にシャツにメッセージを書いてもらうとか、
そうすると可愛い栞をもらえるとか、
なにかしらの工夫があって飽きさせません。
見ている人はそんなに多くはなにのですが、
たいていの場合、テレビなどのマスコミの取材がされるので、
それがパフォーマーたちの励みになっているようです。






会議の終盤の12月9日には、
会場入口付近でやや規模の大きなデモがありました。
最後まで見ていなかったで、いつ終わったのかわかりませんが、
マイクの持ち手を変えながら1時間以上は続いていました。
掲げるメッセージは「Honor KP」、「DON’T KILL AFRICA」、
「STAND STRONG AFRICA」など様々でしたが、
ここでも「I LOVE KP」のTシャツやロゴが目立っていました。

また、NGOからの参加者たちは、会議の傍聴席に座り、
自分たちの意見に賛同する発言には大きな拍手を送り、
そうでない場合にはブーイングするようです
(私自身はブーイングの場面には遭遇しませんでした)。

さて、このようなパフォーマンスやNGOの会議への参加は
どのような意味があるのでしょうか。

WWFジャパン気候変動プロジェクトリーダーの池原氏は、
二つの役割を掲げています(損保ジャパンホームページによる)。

ひとつは、海外のネットワークの仲間と連携して
「国益」でなく「地球益」が優先されるように働きかけを行うこと、
もうひとつは、国際交渉の現状を正しく伝えるということだそうです。

複雑極まりない会議内容について、
一般の報道機関担当者が長い年月に亘って
この問題を追い続けるのは現実的に困難であり、
この分野にあまり精通していない記者の方では
情報ソースが限定されてしまうので、
NGOの方が客観的な立場から状況を伝えることができるとしています。

また、12月11日のBBCのNEWSでは、
若者グループの存在やそのパフォーマンスが、
ともすれば行き詰りがちな、COPの会議にfreshness、
“Yes-we-can”-nessをもたらしたと述べています。

COPの会場にいて私が感じたのは、
会議の進行が冷徹な機械的なものではなく、
人間らしい感情も交えた生き生きとしたものだということです。
NGO、とりわけ若者グループの存在は、
会議の雰囲気に多少なりとも影響を与えたのだろうと思いました。

【佐藤】
ダーバンとその周辺に住む人々 [2011年12月16日(Fri)]
会場内で配られていたNGOのニュースレター「ECO」に、
「THANK YOU SOUTH AFRICA!」と題した
コラムが掲載されていました。

効率的な会場輸送、フレンドリーでテキパキとしたスタッフたち、
充分な数のコンピュータやミーティングルームを備えるとともに
気分をリフレッシュさせるアウトドアスペースがある会場など、
ホスト国である南アフリカの配慮に対する賞賛の記事です。

会議が長引いた8日の夜、
会場とホテル等を巡回するバスの運転手が
私たちの宿泊先のあるBALLITOの町を知らず、
江刺家さんが必死に道案内をするという
信じがたいハプニングがあったものの、概ね賛同できる内容です。

そうした会場のスタッフたちや
街角のボランティアのほとんどは黒人が占めているようでした。

わずか数日、見たことだけで即断することはできませんが、
白人が支配層の主流を占めているという
事前の私の思い込みとは異なり、
少なくとも、ダーバンでは、人口の多くを占める黒人たちにより
都市の運営や街づくりが進められているように思われました。




一方、宿泊先のあるダーバン郊外のBALLITOの町で感じたのは、
現代的な大型ショッピングセンター、
緩やかな起伏のある丘に点在する
緑豊かで広々とした敷地を持つ住宅など、生活の豊かさです。

しかし、日本と異なるのは、敷地のセキュリティの厳重さです。
電気を通した鉄線を張り巡らし、立ち入ることを拒絶しています。
開放的に見える緑の丘も、ところどころに「××Estate」というサインが掲げられ、
ほとんどは大手デベロッパーにより所有されているようです。

ショッピングセンター内のしゃれたカフェでは、
市の中心部では見かけることが少なかった
白人の親子が楽しそうに過ごしていました。
広大な敷地を持つ住宅に住んでいるのは、一握りの富裕層で、
その多くは白人なのかも知れません。


さて、COPの会場となったICCという施設の前に、
Kwa Muhle Museumという博物館があり、
CEDRIC NUNNという写真家による
ダーバン周辺はじめ南アフリカの“現在”
とくに貧困に焦点を当てた写真展が開催されていました。

そこには、我々の短い滞在では目にすることがなかった
貧困地区の住宅などの写真が展示され、
アパルトヘイト終了後も貧富の格差など
社会の矛盾は縮小していないとのキャプションがありました。



この博物館は、かつて、ダーバン市への人口流入を抑制するため、
労働者を選別する施設として使われていたそうです。
現在は、人種差別の歴史に関するアーカイブとしての機能と、
抑圧されてきた人々の誇りを取り戻すことを目的とした
展示等の施設として使われています。

高い失業率や治安の問題など様々な課題を抱えていると知りつつも、
ダーバンの人々について真っ先に思い浮かぶのは、
街角で見かけた、高校生と思しきCOPのボランティアたちの
明るくフレンドリーな笑顔です。

世界中から訪れた多くの政府関係者やマスコミ、NGOのメンバーが、
ダーバンに好印象を抱いたことは間違いありません。
彼ら若者は、それを誇りに思う資格があります。
ダーバンは海水浴を楽しめるビーチと貨物船や旅客船が停泊する
ノスタルジックな古い港を併せ持つ魅力的な町です。

今回はゆっくり見ることはできませんでしたが、
もし、次回、来る機会があるとすれば、彼ら若者の活躍により、
さらに素敵で安全な都市になっていれば良いなと思いました。
会議に貢献する国、しない国 [2011年12月09日(Fri)]
先日の記事にあるように、毎日CAN(Climate Action Network)から
本日の化石賞が発表されています。

この発表は工夫を凝らしユーモアにあふれた授賞式スタイルで、
気軽な雰囲気の中ですが辛辣なことをバシバシ言います。

以下、CAN発表抄訳*****************************

【12/5】

第3位 アメリカ
    交渉が進むのを妨げているから。
    2020年まで削減目標は作らないという提案までしている。
    気候変動についてブッシュ大統領時より
    よい政策はいくつかあるが、
    オバマ大統領は2008年に
    「何をしなければいけないかはわかっている。
     地球の未来は温室効果ガスを減らすための
     国際的な約束ができるかどうかにかかっている。」と
素晴らしいことを言った割に行動が追い付いていない。

第2位 サウジアラビア
    世界が気候変動解決にむけて戦っているのと同じくらい、
石油産出業者のことを重視しているから。

第1位 ロシア、ニュージーランド
    <ロシア>京都議定書の第2約束期間に対する提案が論理的ではないから。
    <ニュージーランド>京都議定書の交渉において、立場が一貫していないから。

【12/6】
第2位、3位はありません。

第1位 カナダ
    カナダの大臣は「温度上昇が2%以上になるのを〜」と発言。
    2%?2℃?
    人々よりも排出者のほうを大事にしていると現実はどうでもいいらしい。
    事実には(どちらでもよく)柔軟なのに、
    京都議定書に対する態度は硬い。

【12/7】
第1位、2位 アメリカ
    1位と2位を占拠するとはアメリカにとって嫌な日だ。
    2位の理由は、資金に関する迅速な対応に否定的だから。
    真剣にアクションを起こすリーダーシップがかけていることを表している。
    
    1位の理由は、これまで進んできた交渉を
    コペンハーゲン(COP15)以前まで後戻りさせようとしているから。
    危機的な時代が始まろうとしていて、
    もっと削減目標を高く持たなければいけないというときに、
    歴史的には世界で一番排出量の多い国が「あと9年の話し合い」?
    あまりに無責任だ。

【12/8】
    今日は受賞国が多く、COP17の「本日の化石賞」授賞式の中で
    一番忙しい日だった。

第3位 ニュージーランド
    京都議定書に対する立場を硬化させているから。

第2位 日本、カナダ、ロシア
    昨日と今日、閣僚級会合でこれらの国々の大臣が
    京都議定書の第2約束期間を拒否するコメントを繰り返したから。
    
    彼らは何のためにダーバンに来たんだろうか?
    「I LOVE KP」のTシャツを着た人を見なかったのだろうか?
    彼らが交渉の進展を妨げるから
    ダーバンでの合意がより難しくなっているのだ。
    彼らは京都議定書をより良いものにではなく、
    悪いものにしようとしている。
    気候変動に対する答えとしても、そして排出量の多い国としても、
    京都議定書をなくすことは無責任だ。

第1位 アメリカ
    まだCOPは(COP17だけでなく)終わっていないが、
    アメリカは、「本日」どころか「21世紀の化石賞」の受賞を
    確実なものにしそうだ。
   
    その理由は最大の排出国であるためだけでも、
    また他の国よりも多く空気のスペースを使っているからだけでもない。
    2020年の削減目標が軽蔑すべきものであるからだけでもない。
    京都議定書を批准しないからだけでもない。
    これらに加えて、工業化以前より気温上昇を2℃以下にしようとする約束を
    葬ろうとしているからだ。

RAY OF THE DAY
幸運なのはアフリカグループがCOP17初の
「RAY OF THE DAY」(化石賞と逆で、もっとも交渉に貢献した国に与えられる)を
受賞したことだ。
削減量のカウントの「抜け穴」を減らそうとしているし、
COP17においてアフリカ諸国は、
一貫して建設的に交渉に臨み、明らかに交渉の進展にとても努力している。

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