『でっちあげ』 [2010年01月14日(Thu)]
2003年に福岡で起きたこの事件報道はよく覚えています。
<「死に方教えたろうか」と教え子を恫喝した史上最悪の殺人教師> <福岡市西区の市立小学校教諭(46)が、受け持っていた4年生の男児に、人種差別的な発言や暴力を繰り返したとされる問題で、児童は心に深い傷を負った。いじめが始まったという時点から、教諭が担任を外されるまで約40日間。「もっと早く児童を教諭から引き離すべきではなかったか」と指摘する専門家もいる。教諭はいじめを否定し、停職処分を巡って市人事委員会に不服申し立てをしている。> このような文章が確かに新聞や週刊誌などに掲載されていました。 『でっちあげ』はこの事件をその後の裁判を中心に追いかけた本です。 大学院の指導教官が冤罪事件を心理面から研究していたことから 冤罪事件をあつかった本やニュース、ドキュメンタリーは ついつい見入ってしまいます。 この本で描かれている裁判の中でも 加害者と報道された先生が、冤罪を訴えるものの 一度発言した言葉のため圧倒的に有利な裁判も 最終的には一部過失を認める判決になっています。 学校でソーシャルワーカーの仕事をしていて思うのは 常にこのような裁判に訴えられるリスクを背負いながら 先生たちが仕事をしているということ。 (まあその重さに気がついていない先生も いないわけではないですが) とはいえ子どもや保護者と人に関わるわけなので リスクを恐れて守りに入った教育や生徒指導では 学校で出来ることがどんどん減っていくという ジレンマを抱えています。 例えばよく相談をうける保護者との連絡帳のことや 子どもの日記へのコメントも返事をしなければ そのことで訴えられたりすることはなくなりますが 連絡帳や日記のやりとりで元気をもらっている 保護者や子どもにとっては大きなマイナスです。 前回の部活の話も根底は同じなのかもしれません。 |
Posted by
ゆっきー(幸重忠孝)
at 23:05