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パラオ [2019年04月26日(Fri)]

先週、目黒川沿いから恵比寿、渋谷、代官山を走り、週末には早朝LAのジムで走り、昨日はパラオで走り込みました。
ふと我に返ると、始点と終点は、食べないで運動しない場合と、変わらないんじゃないかと思ったりしますが、何か意味があるんでしょう。

というわけで、パラオにいます。

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NYグリニッジビレッジで買ったノート。メモを取らないと言いつつ、取ってたりします。


このブログは、こっそりと続けているものなのですが、最近の太平洋島嶼国への関心が以前より広がっていることや、日本語の現地情報が限られていることもあり、目にされる方が少し増えているようです。

書いている自分自身についてですが、事務方の一人として、政府外交を経験させていただいたこともあり、笑いながら足を踏んだり刺すような経験があるので、あまのじゃくなところがあります。

例えば、一般に公開しているここでは、自分が得ている話を100とすると、フェイクというわけではありませんが、40とか70とか、ABCとかで書いたりしています。本当に必要性のある方からは、直接連絡をいただいたりしています。


さて、パラオでは、長くナカムラ元大統領とトリビオン元大統領のライバル関係があると言われていました。両者とも大統領になる遥か以前からの関係です。

これは自分が初めてパラオで仕事をした頃、10年近く前のこと。「パラオのような小さな国が生き残るためには、開発を進め、知恵を使って経済的に自立しなければならない」と、ナカムラ元大統領に直接伝えられたことがあります。とても現実的で、開発派という印象でした。現地にはナカムラ大統領待望論がまだまだあった頃です。

一方、トリビオン元大統領支持者(大統領になる前ですが)は、どちらかというと、環境保護派が多かった印象があります。

レメンゲサウ大統領は、大きく言えば、ナカムラ元大統領の路線を引き継いでいると言えますが、開発を重視しつつも、環境保護・保全に対する高い意識をあらゆる場面で示しています。

そのレメンゲサウ大統領が最初の2期を終えた2009年1月、前年の選挙で後継者とされていたカムセック・チン副大統領が敗れ、トリビオン大統領が就任しました。

何が起こったかというと、パラオ政府には一般事務職を中心に正規雇用されている職員と専門性の高い要職に就く契約職員がいますが、まず縁故関係などによる契約職員が能力や実績に関わらず政府から離れ、あらたな人材がポストに就きました。また正規職員も異動になったりしました。新大統領は1年かけて、前政権の取り組みを精査し見直しを行いました。

パラオでは閣僚は、大統領が一般から選び、議会の承認を得て、正式に就任することになります。大臣の役割は実務者と言えるほど実務に直接関わることができ、権限も有しますが、議会の厳しいスクリーニングがあるものの、単なる論功行賞のような場合もあります。

環境重視で、インテリで、スピーチもうまいトリビオン大統領は、国内ではかなり期待されていたように思います。

しかし行政経験が少なく、内閣もいろいろあり、2年もすると、開発パートナーとの関係がスムーズでなくなり、道路、電力、通信などインフラのメンテナンスも弱くなっていきました。日本との関係は親密さがなくなりました。

2012年の選挙では、レメンゲサウ大統領が立候補し、2期目に挑んだ現職のトリビオン大統領が大差で敗れました。

その後、レメンゲサウ大統領の手腕により、日本を含む開発パートナーとの関係が回復し、インフラも安定しはじめ、経済も活性化しました。国際社会におけるプレゼンスも高まりました。


次回パラオ大統領選は、3名以上が立候補する場合、来年9月に予備選、11月に上位2名による決選投票となります。

現状、オイロー副大統領が現政権の路線を継続するとして大統領選に立候補し、副大統領には現職大臣の兄妹で現職女性議員が立候補しています。

仮に、2016年の前回同様、さらに強力な候補者が大統領選に立ち、勝利すると、行政経験が少ないこともありますが、トリビオン政権誕生時の状況が発生する可能性もあると思います。うまく閣僚を選べれば、混乱は軽減されるとは思います。

こちらでは、すでに選挙キャンペーンが静かに始まっており、路線が継承されようがされまいが、現政権はあと1年という空気感ができつつあります。

専門職のような契約職員は、仮に政権の路線が変わると、職を追われます。それをさけるための、彼らのサバイバルのための候補者に対するロビー活動も始まりつつあります。正規職員もポジションを確保するために、空気を読みはじめています。

いろいろな方が読んでいるので、そんなことは知ってるよという方もいらっしゃるでしょうが、何を言いたいかというと、路線の継承有無に関わらず、あと1年超でパラオの大統領は代わるということです。何か現状の路線で決め事をするならば、1年しかないという空気感ができつつあります。

新政権誕生後、路線の継承の場合は、比較的容易ですが、路線を継承しない政権となった場合、最初の1年程度は、何を進めるにしても、一から丁寧に積み上げていかなければなりません。

現地の政治には深入りしないので、何となく耳に入ってきた声から、そんな空気を感じます。
ソロモン諸島の政治 [2019年04月26日(Fri)]

水曜日、ソロモン諸島で、ソガバレ元首相が新首相に選ばれました。4度目になります。
リック・ホウ首相が繋いで、政権の継続という結果になりました。

しかし、ソガバレ首相の勝利宣言後、ホニアラ市内で暴動が発生したそうです。


外側にいるので、内情はわかりませんが、片目を失った若者がいるなど、厳しさがうかがえます。

どういうことなのか、住民にはどういった不満が背景にあるのでしょうか。経済か不公平感か。

ソガバレ首相は、前回任期途中で不信任案が可決され、一度おりましたが、改めて、選挙を経て、議員の互選により首相の座に返り咲きました。

誰が誰をおして、資金がどう動いているのかなど関心はあります。が、ソロモンに限らず、現地の政治には深入りしたくないので、自然に何かが耳に入るのを待とうかと思います。耳に入らない場合は、そういうものだということで。
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