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さよならトニーさん [2017年08月22日(Tue)]

先ほどトニー・デブルム元マーシャル諸島外務大臣が亡くなったとのニュースを知りました。
自分がマーシャルの日本大使館に専門調査員としていた頃、特に政権交代が起こった頃、2007年〜2009年、たいへん多くの話を聞きましたし、議論もしました。

政治的な話はここでは書きませんが、トニーさんは米国の大学で教えていた経験があり、たいへん親日的で、政治的な話では厳しいこともありましたが、いつも楽しい話をしてくれました。

例えば、マジュロのアサンプション高校の近くに家があり、あれはJALのチャーター便が始まって4回目くらいの時だったと思いますが、その家の前の通り(1本しかありませんが)を日本人の女性の観光客が2人で歩いていたので、声をかけ、家族でやっていたバーベキューに参加してもらったといっていたことがあります。自分の身分を明かさず、もてなしたそうで、その2人が帰るときに、外務大臣だと教えて驚かせたということでした。それをウインクしながらお茶目に話してくれたことを思い出します。

またある時は、出身のリキエップの話で、小さい頃は、村の人たちで手のひらより大きな石を持って海に出て、皆で潜って石で音を立てて追い込む、イルカの追い込み漁の話をしてくれました。とったイルカの肉は味噌漬けにして保存して食べ、美味しかったんだとも言っていました。

ここ数年は、トニーさんが気候変動問題の闘士であり、有名で忙しく、なかなか話す機会がありませんでしたが、最後に会ったのは2014年ごろ、フィジーでの地域会議の時だったと思います。自分の上司に対し「いい奴を部下にしたな」と言ってくれました(それ以前に別の国であった時も、その時の上司に言ってくれたことが2回ほどありました。

自分はトニーさんの人生の中で、どれだけ力になれたのか、おそらく何の力にもなれなかったかもしれません。

たくさん勉強させてもらいましたし、最後に一度会って話したかった。


コモールタタ、トニーさん。
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