フィジーの魚のシガテラ毒 [2017年02月09日(Thu)]
マーシャルにいた2003年〜2009年頃、フィジーの魚といえばシガテラ毒を持つ場合があり、注意が必要というのが常識で、魚を釣るときには現地の人に大丈夫か聞いた方が良いといわれていました。また大きな魚はシガテラ毒が蓄積している可能性があるので食べないとも言われていました。
しかし、自分がフィジーに赴任していた2012年〜2015年の間、幸運にも全くシガテラ毒にあたることもなく、自分の周りにもそのような話はありませんでした。 マーシャルはシガテラ毒を持つ魚があまり見つからないようで、フィジーから来ていた友人たちはマーシャルの魚は安全で良いと言っていたものですが、確か2004年頃、ジャルートかウォッジェの男子高校生がシガテラ毒で亡くなった事故がありました。普段食べている魚を食べたのに毒に当たったということでした。 マーシャル国内で食べられる魚の種類が異なる場合があり、たとえばアジの仲間(カスミアジかシマアジだったか)は全国的に食べられますが、ジャルートだかウォッジェでは毒があるとして食べないと聞いたことがあります。 何種類かの南太平洋の魚がシガテラ毒を持つようになるのは、浅い海底の堆積物がサイクロンなどで撹拌されるためであると、現地でよく言われていました。 一年ほど前、フィジーでは南半球最大のサイクロン・ウィンストンが直撃しましたが、そのフィジーで、20種類の魚がシガテラ毒を持つとして、食べることを3年間避けるようにとの通達が政府水産局から出されました。 「Toxic fish for 3 years」(2017年2月4日付フィジータイムズ) http://www.fijitimes.com/story.aspx?id=387924 「20 poisonous fish species to lookout for」(2017年2月7日付フィジータイムズ) http://www.fijitimes.com/story.aspx?id=388343 関連記事を検索していただければ20種類の魚の写真が出てくると思いますが、種類は多岐にわたります。 数種類のグル―パー。 (これは現地でよく食べていた赤いグル―パーです。ひれやカマの塩焼きとか皮がおいしい。刺身も、たて塩して、昆布〆にすると、最高においしい。) (スバの市場で。鮮度が落ちる。。。) バラクーダ。 (スバの市場で。鮮度が、、、。) 他にもブリーム(タイのような魚)、ホワイトスナッパーやレッドスナッパー(タイのような魚)、フグの仲間、ウツボなどいろいろな魚が対象となっています。 この件で、一つ思い出しました。フィジーで働いていた時のことです。 あるとき、職場の日本人医師が「シガテラ毒で死ぬことはほとんどないから心配することはない」と言い、自分はマーシャルで高校生が亡くなった事例をもとに「いやいや、実際に亡くなることがあるのだから、その言い方はおかしい」などと食ってかかったことがありました(上の方なのですが)。そのほかにも「デング熱は死亡率が低いから心配することはない。ただ蚊に刺されないように。」、(世界的にジカ熱がはやる数か月前)「ジカ熱も死ぬことはないし、心配することはない。蚊に刺されないよう。」などと話すことがあり、その都度自分は食ってっかかっていたように思います(上の方なのですが)。 おそらく根本的な考え方の違いが背景にあり、自分は基本的に最悪の状況を想定する癖があるので、その医師のあまりの楽観的な言いぶりに、本人はそうでないでしょうが自分は無責任に感じた、怒りが高まってしまったという状況でした。 そして、フィジーのシガテラ毒のニュースを再び。 「Fish poisoning kills 4」(2017年1月6日付フィジータイムズ) http://www.fijitimes.com/story.aspx?id=384476 1か月前のニュースです。スバの東約60キロに位置するガウ島の村で、村人がシガテラ毒にあたり、4名が死亡、6名が回復中というものです。 やはりシガテラ毒で亡くなる場合があるじゃないですか。 我々が現地を訪問する場合には、20種類の魚の写真を確認し、疑わしいものは食べない、信頼できる現地の人と買い物をしたり食べる、できるだけ魚を食べない、などで対応した方が良いかもしれません。 多くの場合、死に至ることはないと思いますが、それでも症状は厳しいと聞きます。自分の身は自分で守りましょう。 |