ソロモンリポートの最後として、ソロモンの人に聞いた話等を書きたいと思います。ちなみにソロモンのプラグ形式はO型、電圧220〜240V、1ソロモンドルは日本円×12程度です(・・・今、荷物を整理していたら、手帳から1500ソロモンドルが。。。とほほ)。
1.8月4日の総選挙を控えた町の状況
8月4日に国会議員選出選挙が実施されますが、各地でキャンペーンが繰り広げられているそうです。現職議員が再選出される割合が半分ほどではないかという話もあり、その行方は現地でも読めないようです。2006年の暴動勃発の時には、総選挙の2週間ほど後に国会で実施された首班指名の結果を受け、住民の暴動に発展したとのこと。今回も総選挙そのものではなく、その2週間ほど後に実施される予定の首班指名の時期すなわち8月20日前後に特に注意を要するそうです(NZは総選挙延期を求めていたようです)。
選挙にあわせ豪州・NZを含む太平洋諸島フォーラム加盟国によるソロモン諸島地域ミッション(RAMSI)にNZ兵が30数名が追加派遣されました。またUNDP(国連開発計画)が世界各国から選挙監視団を投入しています。
2006年に多くの中国人経営店舗が焼き討ちにあった市街地には、現在50メートルに1〜2人の間隔で警官が配置されています。
↓市街地
2.民族紛争(エスニック・テンション)1998〜2003年
FFAのドライバー・リンドンの話では、商売のためにガダルカナルに移住してきた対岸のマライタ島住民がガダルカナルの土地を占拠し始めたことがきっかけで、マライタとガダルカナルの対立だったそうです。リンドンは父がガダルカナル出身、母がマライタ出身、奥さんがマライタ出身ですが、対立当時、ガダルカナルでタクシードライバーをしていたそうです。
あるときタクシーで客を送ったところ、途中でマライタ島武装グループの検問にあい、ナイフで2度切りつけられたそうです。眉間にそのときの傷がありました。いくつも銃口が向けられていましたが、そのグループのリーダーがマライタでの幼馴染だったため、解放されたとのことですが、話から受けた緊張感は、映画「ホテル・ルワンダ」を思い起こさせました。
対立が続いたことにより政府の職員への給与支払いが滞るなど国内経済も輸入食料の流通も停滞したそうです。紛争勃発から数年後、住民は生活の悪化に疲れ、特に多くの紛争に直接関係しない住民の間で早く対立を終わらせて欲しいという要望が増し、最終的にソロモン政府が豪州に治安維持部隊派遣を要請したことを受け、PIF加盟国によるRAMSIが2003年に派遣され現在に至るそうです。
↓RAMSI基地
町には何もすることもない若者が見られ、何らかのきっかけを待っていると見る向きもあります。そのことを考えると現時点でRAMSIなしには国の安定が望めないことが現実的な見立てだと思います。
3.ワニ
現地の人、数人に聞いたところ、ソロモンにはクロコダイルもアリゲーターも多くいて、毎年犠牲者がいるそうです。
↓アリゲーター・クリーク(汽水域)
ザンビア時代、現地の漁師が“まじない”を使ってワニの群れの中で漁をしている話を聞いたことがあったので、まさかと思い聞いてみたところ、ソロモンでもワニと川の中でじゃれあう人々がいるそうです。ワニも空腹でなければ人は襲わないという見方をしていました(しかし、空港近くの川では特定の大きな人食いワニが子供を標的に毎年5人以上を襲っているとのこと)。
4.空港
写真は太平洋戦争ガダルカナルの戦いで重要な意味を持っていたヘンダーソン・フィールドです。現在は国際空港となり、国内便、国際便(ブリスベン、ポートモレスビー、ポートビラ、ナンディ間)が発着しています。
5.海
ホニアラの海はいつも凪いでいるのが印象的でした。
ガダルカナル東岸の海はソロモン諸島に囲まれていることが理由のようです。マーシャル諸島のパトロールボートのハイネ船長によれば、オーストラリアに船のメンテナンスのために航海する際、マーシャルから4日ほどの地点であるホニアラで給油をし、さらに3日ほどかけてケアンズに向かうとのことでした。それでこの海域に入るといつも凪いでいるとのことでした。その代わり地震が多く、津波が発生すると恐ろしいそうです。
今回パラオ、ミクロネシア、マーシャルから会議に出席を依頼しましたが、それぞれ多忙で(ミクロネシアのピウス長官は8月2日まで1ヶ月以上出張が続いているそうです)、次のルートの航空券を手配しました。
・パラオ:コロール〜グアム〜ナンディ〜ホニアラ〜ナンディ〜グアム〜コロール
・ミクロ:ポンペイ〜(チューク)〜グアム〜ケアンズ〜ブリスベン〜ホニアラ〜ナンディ〜グアム〜(コロール)〜(グアム)〜(チューク)〜ポンペイ
・マーシャル:マジュロ〜ホノルル〜ナンディ〜ホニアラ〜ナンディ〜ホノルル〜マジュロ
それぞれ発着時間が深夜や早朝であることが多く、皆さんの体調面が心配だったのですが、ホニアラでは皆さん元気で、会食の際も大声で笑っていました。
一番笑えたのがハイネ氏の話です。全てエコノミークラスなのですが、ナンディ〜ホニアラのソロモン航空だけがビジネスのみしか取れず、そのように手配しました。朝のフライトだったので朝食を摂らずに乗り、しかもビジネスと知り両腕でガッツポーズをしていましたが、食事は後部座席から配られ、ビジネスクラスは最後でがっくりしたと言っていました(トイレも後ろにしかなかったそうで、、、)。しかもマジュロ〜ホノルル間のC航空便は、アルコールもヘッドフォンも有料でしかも現金を扱わずカードのみということで、一般的にクレジットカードを持たないマーシャルの人にとっては最悪だと言っていました。
他にもいろいろ面白い話を聞いたのですが、また別の機会に。
ソロモンにはリリックに関係なく、やっぱりこれ。Bob Marley“
Buffalo Soldier”。