CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る

« ミクロネシア連邦 | Main | バヌアツ»
プロフィール

塩澤 英之さんの画像
塩澤 英之
プロフィール
ブログ
最新記事
月別アーカイブ
カテゴリアーカイブ
<< 2019年08月 >>
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
RSS取得
http://blog.canpan.info/spinf_shio/index1_0.rdf
http://blog.canpan.info/spinf_shio/index2_0.xml
フィジー! [2019年07月11日(Thu)]

パラオとの違いに、戸惑いがありましたが、2日ほどで、フィジーにフィットできました。体が馴染む感じです。
マーシャルに9年ぶりに行った時には、半日で馴染んだので、少し時間がかかりました。

先程、フィジーの外交中枢部に行く機会がありました。

CFDBA314-EED1-456D-8524-0B32DC67AE8E.jpeg

28CC66F1-5710-4C3F-8EE9-6150C94952C4.jpeg

まあ、話題はラグビー・ワールドカップで、妹がチケットを取って日本に行くとか、政府の誰かがいつ日本に行けるかとか、間に国連総会があるので、どうするかとか、だったりします。

そういえば、昨日ニュージーランドからマオリ・オールブラックスが到着し、土曜にフィジー代表と対戦するとのことで、盛り上がっていました。


それで、日本の自由で開かれたインド太平洋ビジョン(FOIP)についてですが、フィジー外交部は大変よく理解していることがわかりました。

先方から、中国の一帯一路構想とはぶつかるものではないし、フィジーの発展にとても有益なので、我々は明確に同ビジョンを支持しているとの話がありました。

自分の方から、ブルーパシフィック・アイデンティティやSDGsとも密接に繋がってると思うんだけれどというと、その通りだと。だからフィジーの政策にも一致し、矛盾しないと。

昨年のPALM8の際の日本との二国間会談で、パラオ、ミクロネシア連邦、マーシャル、PNG、フィジーがFOIPへの支持を表明しました。

その中で、自分が直接確認した範囲では、今のところ、フィジーとパラオがFOIPをしっかり理解し、強く支持しています。フィジーの方が日本よりもFOIPを推進したいかのような印象を受けたほどです。

太平洋島嶼国は、おそらく各国とも、まず具体的に自国の発展にどのように寄与するのか、国の政策や他の開発パートナーとの関係に影響しないかなど、慎重に分析する必要があるのだと思います。

日本、パラオ、フィジーでパートナーシップを組み、地域セミナーを開催していけば(それこそ「タラノア」方式の対話とかで)、地域に理解を広めることができると思います。
フィジーの台湾ファーム [2019年07月09日(Tue)]

フィジーは台湾と国交がありませんが、台湾ICDFが専門家を送り、技術支援を行っています。
あまり目立つことはやりにくいでしょうが、台湾技術ミッション農場(台湾ファーム)では、他の国とは異なる取り組みが行われていました。

020C366E-553C-4759-B5A5-C74D01CC8C4A.jpeg
ドラゴンフルーツの花(閉じている)

8F5C504E-F171-4E52-987E-46E2FA00371F.jpeg
グアバ。ひとつひとつ丁寧に。

そう、フィジーは他の島嶼国に比べて、民間経済がしっかりとあり、国内の市場(いちば)でフィジー在住の方々がよく買い物をしています。

パラオでは、人々の収入はある程度あるので、ガーデニングとかNCD対策・食の改善という視点、観光客が利用するレストランやホテルやジェラート屋さんに卸すという感じ。

マーシャルでは、低環礁島で生活する上での栄養バランスの改善、NCDs対策、養豚と農業を組み合わせたゼロウェイスト、循環型農業を進めています。

フィジーでは、国内のマーケットに、現地の方が、いかに質の良い商品作物を卸して、良い収入を得られるようにするかが、大きな目的となっていました。またフィジーでは冬があり、気温よりも日照時間の変化で、夏にしか収穫できないフルーツもあるそうです。

B20A71FA-DEB5-4F70-9F1B-A45204BCF4F0.jpeg
団長のドミニクさんと。
自分は台湾ICDFフリークか?

現場の専門家の皆さんは、いかにフィジーで良い商品作物を栽培することができるか、さまざまな研究を行っていました。政治に関係なく、本当に現地の人の役に立とうと取り組んでいるその真剣さを実感しました。

ドラゴンフルーツは、自分は20年ほど前に、スペインの南の海岸辺りから(街の名前はCから始まったと思う)、アンダルシアのガダルカナル村に向かう途中、道端で「サボテンの実」と言って売っていたものを買って、ハマって食べ続けたのが初めてでした。色はサボテンで中身はキウイのような色でしたが、おそらくあれはドラゴンフルーツの仲間ではないかと。

フィジーには、一般家屋の敷地内にわずかに生えていたりするようですが、花が咲かず、実もつけないそうです。そこで台湾ファームでドラゴンフルーツ畑を作り、最適な栽培方法を研究し、希望するフィジー人に苗を提供しているとのこと。8か月ほどで、花が咲くくらい成長するらしいです。

また、同農場では、日照時間の問題をクリアするために、冬の今の時期には、日没後に電気をつけているそうです。そして実際に収穫できているとのこと。

B0FFE838-9D99-408C-AE2C-EA699F9A319B.jpeg

ドラゴンフルーツは、夜に一回だけ花が咲くそうですが、その時に、人が刷毛を使って受粉を助けなければなりません。

ただその夜の光景は、サガリバナにも劣らない、一度は見てみたい光景です。

近くのホテルに、ツアーとして売り出せばいいのに。

その村のあちこちに、このようなドラゴンフルーツ畑が広がっていたら、壮観でしょうね。
ギャップ [2019年07月09日(Tue)]

というわけで、フィジーにいます。
140146D2-F241-4629-9D80-609370BBC2AE.jpeg

AEF9040C-8DFB-411A-9E8D-3789B61FEC6C.jpeg

パラオでの感覚が残ったまま、フィジーに来たわけですが、自分のフィジー時代に感じて、忘れていたことを、思い出しました。

パラオでは、普通に阿吽の呼吸というか、すべて言わなくても、相手が察してくれることがあるのですが、フィジーはそういうのが難しい。特にサービス業に関わる素朴な現地の人ほど、そういったことがあります。

簡単に言えば、融通が効かない。おそらく教えられたことだけやる、もしくはただ言う、ということがあります。

フロアが何かのトラブルで濡れていても、何も言わないとか、細かなことが多々あるのですが、パラオの感覚を持ったまま来てしまったので、余計に目についてしまいました。

道を開けないとか、このまま行ったらぶつかると思っているとぶつかるとか。こんな感じがありました。トリッキーなところもあります。

以前、サモアは、社会が固く、民間部門の発展が容易ではないように思うと書いたように思いますが、人の雰囲気で言えばサモアは太っ腹、コラソングランデな良い意味でリアルパシフィックな明るく落ち着いた大きさがあります。

フィジーは民間部門が発展していますが、少し発展速度が速すぎるのかもしれません。

サモアの人の甘えたくなる陽な懐の深さも好きですが、フィジーの人の寡黙な優しさも好きですね。インド系の人も先住民系の人も。

と言いつつ、今日はトンガ人の友人に助けてもらいました。
フィジー内政 [2019年02月19日(Tue)]

現在のフィジー議会の構成(全51議席)は、与党フィジーファースト27議席、議会野党24議席(ソデルパ21議席、NFP3議席)です。

感覚的にですが、先住民系フィジー人(イタウケイ)の1〜2割とインド系の7割以上(モスリムとビジネス系は9割以上)が、フィジーファースト支持、先住民系フィジー人(イタウケイ)の7割〜8割がソデルパ支持、残りのイタウケイとインド系2〜3割(いずれもインテリ系)がNFP支持とみることができます。

昨年11月の選挙では、フィジーファーストを支持するイタウケイが減り、またインド系住民の票もNFPに多く流れたようです。

与党フィジーファーストとしては過半数を確保したものの、3名が議会を休めばタイになってしまうため、過去4年間よりも、活発な議会における議論が期待される状況になりました。議会制民主主義の発展のためには良い状況といえるかもしれません。

そのイタウケイの人々の強い支持を受け躍進したソデルパですが、2014年9月の選挙前には、その性格が先住民系フィジー人、特にエリート層(酋長系)の権利を確保するための政党であり、中には過激なインド系住民排除派も含まれていました。

今回、ランブカ元首相・元陸将がソデルパから出馬することになり、多くの議席を獲得することとなりましたが、一枚岩のフィジーファーストに比べて、既に内部で分裂が生じているのではないかという話があります。

ソデルパ内部は、大きく見ると、ベテラン組のランブカ支持派、若手のインド系住民との融和派、若手の先住民系優先派(やや過激な思考も含む)に分かれているようです。ランブカ氏はどういう立ち位置かというと、かつてはインド系政権を倒すためにクーデターを2度起こしましたが、実際には世界情勢をよく認識しており、インド系住民を含む民主化を支持していると考えられているようです(ただし、先住民系の権利は守れと)。

昨年末ルベニ議長が他界し、先日与党がナイラティカウ前大統領を議長に指名する意向を示したところ、議会野党の集会でランブカ氏は話し合いの結果、これを支持するとしました。しかし、集会に参加していなかった議員はこれに反旗を翻し、別の議長候補を推薦したようです。


議会では、ナイラティカウ議長が就任したことで、雰囲気が変わったという話があります。これはジェンダーの観点から失礼な話かもしれませんが、ルベニ議長の時には女性ということもあり、議員の中には態度が悪く、レベルの低い発言が散見されたそうです。まるで小学校の女性教師と児童のような雰囲気だったという人もいました。

もしかすると、これからの4年が、フィジーの民主主義の発展にとり、重要な時期になるのかもしれません。

ちなみに、ランブカ氏は、中国との関係は近すぎると批判する立場にあるとのことです。
フィジーと中国が連合関係に発展??? [2019年02月19日(Tue)]

昨日の記事を書いたのち、フィジーと中国の関係がCoalition(連合関係)に発展するという現地報道がありました。

http://fijivillage.com/news/Fiji-and-China-agree-to-lift-bilateral-relations-to-a-coalition-featuring-mutual-respect-and-common-development-5sk2r9/

写真にはコンロテ大統領とQian Bo 駐フィジー中国大使が写っています。

他にもあらゆる場面、民間部門の活発な活動を含みますが、中国の姿があちこちに見えるので、「2012年から2015年の間に、準有事体制のような心構えであれだけ工夫して取り組んで、なんとか日本と中国のフィジーにおける位置づけを1対9の負けの状況から引き分け近くに戻してきたのに、また圧倒的に負けているのか。。。」という気持ちがあり、上記記事を目にしたことで、愕然としていました。

しかし、記事をよく読むと、Coalitionというのは、フェスティバルの際の中国大使の発言のようです。


今日(というか火曜)に、フィジー人の友人と世界情勢、日本を取り巻く環境、地域情勢などについて、意見交換をしていたのですが、上記記事の話を含め、「中国の影響力があらゆるところに見える。むしろ高まっている。」と伝えたところ、「いやいや、フィジーはむしろ、近年、豪州、NZとの関係改善を図っており、米国もコーストガードや海軍が当地を訪問するようになった。相対的に中国のプレゼンスは少し弱まったように見える」と話していました。加えて「でも中国は現地との対話を丁寧に行い、ニーズを把握し、適切な支援を行っているように見える。それにはフィジー軍だけではなく警察機構への機材支援も含まれる」

別の現地の友人は、別の観点から興味深いことを教えてくれました。それは中国のフィジーでの活動についてです。「過去3年の中国の対フィジー支援額を見ると、以前よりも下がっている。一方で、民間部門における中国企業の投資活動やその他の経済活動が活発化し、増大している」ということでした。ある意味、国から民間へと、理想的な支援の仕方、と言えるのかもしれません。
ルベニさん、さようなら。(改) [2018年12月22日(Sat)]

今朝、フィジーのチコ・ルベニ議長逝去のニュースがありました。


あれは2012年の終わりごろか、2013年になってからか。

当時は日本とフィジーの関係が非常に悪く、我々の日本大使が着任後半年以上経ってもまだ首相に会うこともできず、現地外交官とフィジー政府事務レベルとの対話も交流もほとんど行われていないような時でした。

自分はその両国の関係が厳しい状態だった2012年10月下旬にフィジーに着任しました。

当時の自分の担当は経済・経済協力。しかし外務省側の視点から経済協力や経済に関する調査・情報収集・分析を進める場合、どう考えても政務に関わる情報は必須です。そのため、自然といろいろな背景情報も耳に入りました。

念のため加えると、フィジーとの関係を改善するというのは、相手におもねるとか、頭を下げるとか、こびを売るとかではなく、しっかりと情報を収集し、対話し、真の姿を見極め、相互理解を進め、双方の立場を確保しながら、率直な話し合い、堂々と意見交換や交渉を行える関係を作るという意味です。

当時の大洋州課長以下、外務省本省の方々は、日本国内で積極的に太平洋島嶼国大使館の方々との交流を進めた結果、現地日本大使館からの情報と日本で得ている感触にズレがあること、日本の専門家の話もあまり新しくないこと(歴史の宝庫ではある)に気づいていたように思われます。

7A154242-5C55-47C4-B274-F979B09CB369.jpeg
ある日のフィジー、スバの空。

そのような状況で、自分は経済協力や経済に関する情報収集のため、あちこちアポ取りをし、相手側と話す機会を増やしました。

それらの情報が、おそらく大洋州課長以下、本省がつかんでいた感触と一致したのでしょう。自分の赴任後、半年〜9カ月経った頃から、空気が変わり始めました。(自分の勝手な思い込みかもしれませんが)


その当時の日本とフィジーの関係が極めて厳しく、交流も率直な意見交換もできない状況にあったときに、日本との関係を大切と考え、面会ができた閣僚や高官が何人かいます。自分の考えでは、関係改善への布石、壁に打ち込む楔でした。

その一人が、当時フィジーの女性・子供・貧困削減大臣だった、Dr. チコ・ルベニ。面会した時に、政治を離れて、本来のフィジーの姿を感じた気がしました。

女性の立場を守る必要性。例えば、災害時に避難施設で女性が危険にさらされる可能性が高いこと、防災とジェンダー問題を連携して考える必要があること、災害が多い日本の経験と知恵を共有することなど、そのような話をしていたと思います。

2014年9月にフィジーが選挙を経て民政復帰し、ルベニさんはフィジー初の女性議長になりました。

ルベニさんの印象は、芯が強く、凛として、それでいて心が広く優しいフィジーの女性でした。

ご冥福をお祈りします。
2018フィジー選挙の暫定結果報道 [2018年11月18日(Sun)]

まだ確定ではないようですが、下記の記事が出ていました。

http://fijivillage.com/news-feature/FijiFirst-to-form-government-with-27-seats-9r25ks/
合計数が合わないので、最後の1-2議席が変わる可能性があるのだと思いますが、与党フィジーファースト27、野党ソデルパ21、NFP3と出ています。

これが最終結果となった場合、FF5議席減、ソデルパ5〜6議席増、ランブカ元首相の出馬で、ソデルパが躍進したと言えるでしょう。

与党27、議会野党23ということで、FFはこれまで以上に、丁寧な議会運営が必要になると思いますし、ランブカ元首相の登場で、強い野党が生まれ、議会での活発な議論が行われることになるでしょう。

この結果わかることは、フィジーの選挙制度は巧みに計算されて設計されたもので、人気のある1人か2人の候補がいるかいないかで結果が大きく左右されること。また、ほぼ直接的に首相を選択する性格のあるものと言えると思います。
フィジー総選挙開票作業続く(2) [2018年11月15日(Thu)]

フィジーファーストというかその政党を名乗る前の2013年から、暫定政府は税制改革を伴う経済政策を進め、バラマキや選挙対策という批判もありましたが、中低所得層の可処分所得を増やし、インフラ投資拡大による建設部門活性化が、GDPの安定成長につながりました。支出面から見たGDPがC+G+I+(X-M)(民間消費、政府支出、投資、経常収支)だったと思いますが、上記でCもGもIも増えました。

さて政党政治を明確にする現憲法では、選挙で過半数を取った党の党首が自動的に首相となります。いずれも過半数を取れない場合は、議会でいずれの党首が首相となるか決めます。

今回第2回目の選挙となったわけですが、前回と異なるのは、ソデルパに強力なカリスマ性を持つランブカ元首相・元陸将が党首として参戦したこと。ソデルパ支持者の間では、少なからずランブカ元首相の危険な感じへの警戒心がありますが、現在のバイニマラマ独走の政治に対抗するには、3大酋長の1人であるケパさんでは対抗できない、ラランバラブさんでも困難、他に選択肢はありませんでした。

他の異なる点は小政党が複数立っていることですが、閾値の影響を受けることとなるでしょう。

しかし、フィジーファーストにはソデルパのようにがっしりとした支持基盤がないため、インド系住民と先住民系住民でソデルパから距離を置く人の選択肢が増えることは、マイナスになるでしょう。直接的には2〜3万票が無くなる可能性があります(閾値の影響で、単純に議席数には反映しないが)。

続々と新しい情報に更新されていますが、例えば下記では、全2170投票所のうち、1552投票所開票時点の途中経過が出ています。

前回もありましたが、無名の候補が多数の票を獲得するマジック。

「アリパテ・ナンガタって誰だ?」

バイニマラマ首相が668番のところ、ナンガタ氏は688番だそうです。
フィジー総選挙2018開票作業続く(1) [2018年11月15日(Thu)]

昨日フィジーで現憲法下、2014年以来2回目の総選挙が行われました。現在開票作業が進められているようです。

現憲法は2013年のものですが、以前の憲法では先住民系、インド系、ロトゥマ(1)など民族別に議席が割り当てられ、さらに議会の上に、貴族院的な伝統的権威によるGreat Council of Chiefs(GCC)が置かれていました。

バイニマラマ首相は2005年、軍司令官として、実はその1年前から「この変動する世界情勢の中で、現在のドナーに頼る政治ではフィジーの繁栄はない」と当時のガラセ首相(現在のソデルパ党)に、「軍は国と国民を守るためにある」とし、政治改革を進めないならクーデターを起こすと警告していました。その1年後、2006年11月、ある複数の関連する出来事をきっかけに無血クーデターを起こしました。

バイニマラマ軍司令官の主張は、当時の民族の違いで国民が分断され、先住民系優遇の政治では、本来潜在力がある経済も伸びず、いつまでもドナーに頼る=国がドナーの意向に左右され続け、繁栄はない。すべての国民が同じ権利を有するフィジー人として団結する国にして、フィジー人の力で国を発展させるという、真の民主化を求めるものでした。

自分はこれをフィジーの多民族・多文化国家改革と名づけていますが、当時も2014年も、上記の内容も、下に書く内容も、日本では中身を理解せず批判する文章ばかりで、結果的に日本とフィジーの関係は、特に信頼していた日本側の外交的に非礼な態度などもあり、フィジーから関係を冷やし、2012年には日本にあるフィジー大使館を閉じ、中国にあるフィジー大使館が日本も担当するという噂が流れるまでに悪化していました。その過程で、2009年3月に経済的理由で日本とフィジーの直行便が停止され、香港〜フィジーの直行便に変わりました。

フィジーは対外的に2009年3月に選挙を行い、民政復帰すると約束していましたが、新憲法なしに選挙を行えば、また先住民系(特にエリート)優遇政治となることが容易に想像できるため、新憲法成立まで選挙をしないとし、民政復帰の約束を守れませんでした。

新憲法はすべての国民は、インド系もアジア系も欧州系も皆フィジー人だ、というものになるはずでしたが、この考え方を国の都市部だけではなく村落部の隅々まで浸透させるには、先進国のように情報が早く伝わるわけではなく、特に当時は過去の政権の影響で、村落・離島部の住民は、放されていたようなもので、固定観念を変えるために非常に長い時間が必要とされていました。

フィジーがある程度状況が落ち着き始めた2011年ごろから、ようやく大きな狙いが、Great Council of Chiefsを廃止することだとわかってきました。

先住民系フィジー人(人口の6割弱)にとっては、フィジーの伝統や文化(生まれた時から村民で共同所有する形となっている土地の所有権を持つなど人々が土地に根ざしている)が他の民族に奪われてしまう、という恐怖感が根深くあります。2013年ごろだったか、バイニマラマ首相に対して否定的なある先住民系の人に、フィジーで、「日本が他の民族系の人に政治を握られたら、日本人はどう思う?日本人なら我々先住民系フィジー人(イタウケイ)の気持ちはわかるだろ?」と言われたことがありました。現在のソデルパ党支持者の多くは、自分たちの伝統的権利を守るというこのような人たちが多いです。

フィジーファースト党は、すべての国民が同じ権利を有するフィジー人として団結する国にして、フィジー人の力で国を発展させるという、真の民主化を求めるものです。

自分の考えは、どっちもわかる。というもので、フィジーファーストの主張する国家改革(真の自立への道)を進めながら、その改革にソデルパが積極的に関与すべき、というものです。

先住民系(全体の6割弱)の人のソデルパ支持は7割から8割、残りの多くはフィジーファースト支持だと思います。

2013年に公布、施行が翌年だったと思いますが、新憲法ではGreat Council of Chiefsが廃止され、議会は政党政治となり、選挙もかつての非常に非常に複雑なものから、これも誰でも選挙に参加できるように非常に単純なものに変わりました。

選挙では各候補者に番号が割り当てられ、投票する際にはその番号に丸をつける形となります。候補者への票は所属政党に積み上げられ、党の中での各候補者の獲得票による順位づけがなされてドット式かどうか忘れましたが、得票数に応じて各党に割り当てられた議席に候補者が当てられていきます。

ポイントは閾値。確かこの閾値がなければ、議席を取れる個人票(1万票とか)を獲得できる候補者がいますが、政党として、確か全投票数の5%(2万5000〜3万くらい)の票が取れなければ、議席が配分されないというものです。

前回選挙では定数50のうち、3〜5議席がこの影響を受けました。

フィジー総選挙 [2018年11月09日(Fri)]

2014年9月17日、自分はフィジー総選挙の多国籍監視団に参加していました。
588DAA0F-20B6-4CCC-99EE-94687BB4FDFC.jpeg

朝から夜遅くまで、担当の投票所を回りましたが、大きな騒動もなく、人々は忍耐強く列を作ってならび、その顔は、ようやく選挙が実現し、正式な政府ができるということに対する期待が現れていました。

フィジーの人口は、先住民系5割強、インド系4割、残りががアジア・欧州系・ロトゥマ・ブラックバードとされた人々の子孫・ランビ島のキリバス系などになります。かつては議会には民族別の議席割り当てがあったそうです。

機微なことは書けませんが、大きく言えば、現在のフィジー・ファーストは経済的にも強いフィジーを作るための多民族・多文化民主国家への改革を進める政党で、先住民系の平民のうち心情的にも支持できる人々(先住民系の2割〜3割)や、インド系の7割、経済界、イスラム系インド人などが支持。

野党第一党のソデルパは先住民系の権利確保、特に先住民系エリートの地位確保が信条としてあり、先住民系の7割〜8割が支持。

第ニ党のNFPは、インド系・先住民系のインテリ層。

(この2党が議会野党を形成)

他には、インド系砂糖農業者などが基盤の労働党、トレード・ユニオンが支持母体のPDP(労働党から分裂)などがありました。


上記の背景を見れば、単純に計算して、インド系の大多数が投票を棄権しない限り、どう頑張ってもソデルパは過半数を取れません。ソデルパが勝つには、多数のインド系住民が投票しない、インド系住民の支持が得られる政党に変える、NFPなどと連携し、連立を組む、ということしかありません。


そしていよいよ今月14日に現憲法下で2度目の総選挙が行われます。全国区比例代表制の政党制で、過半数を占める政党があれば自動的にその政党の党首が首相になります。反対に言えば、党首にならないと首相の道がありません。いずれも過半数割れの場合、連立が組まれ、いずれかの党首が首相に選ばれます。

実は今回の選挙は無風というのが大方の見方でした。ランブカ元陸将・元首相(かつてインド系政権に対し2度クーデターに成功した。ここには詳細を書けませんが現首相の天敵。現首相は元海将)が、議席はないもののソデルパのリーダーになり、先ごろ司法の判断で今回の選挙に出馬できることになり、急速に緊張感が高まって来ています。

注意しなければならないのは、自分の経験上ですが、水面下で何かが動いていても、我々外部の人間からは穏やかな日常に見えていて、急に火がついたように何かが起こるという特性がフィジーにはあることです。

現政権は非常に戦略的に国家改革を進め、経済や外交などで大きな成果を上げてきました。しかしそれが支持者維持・増加につながっているからいなか。

現地では儀式にも嗜好にも重要なカヴァ(胡椒系の木のこと。根を粉末にし、水にエキスを絞り出して飲む。鎮静作用がある。収穫まで3年ほど必要。)の値段が高騰していることが批判されていますが、これは2016年サイクロン・ウィンストンでカヴァ農地が壊滅的被害を受けた影響だそうです。

選挙結果による、万が一の想定がいくつかありますが、ここには書けないので、この辺で。
| 次へ