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ユネスコ 持続可能な観光 地域会議(1) [2018年10月01日(Mon)]

朝9時から午後5時過ぎ(日本・パラオとの時差+5時間)まで、ブレイクを2回挟みつつ、持続可能な観光に関するラウンドテーブルが開催されました。主催はユネスコで共催が南太平洋観光機構(SPTO)、サモア観光局(STA)になります。
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右からSPTOメンバー国・地域の旗を見てみると、ツバル、ニューカレドニア、米領サモア、ニウエ、ミクロネシア連邦、東ティモール、ソロモン諸島、パプアニューギニア、バヌアツ、サモア、中国、トンガ、フィジー、仏領ポリネシア、フランス、クック諸島、ナウル、マーシャル諸島、キリバス。これに国連旗があります。中国は正式メンバー国です。

今回の会議から、ユネスコとSPTOが協力協定を結ぶそうです。

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ユネスコのニーシャさんとSPTOのコッカーさん。

本来、メンバー国と国連機関の会議で、金曜まで、オープンとクローズの地域会合があります。

通常地域会合なのでメンバー国から発表者が出るのですが、パラオでの活動を紹介ということで、名札には日本/パラオとあります(プログラムにはThe Sasakawa Peace Foundationとある)。パラオからはコロール州政府のジョリーンさんが参加しました。

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今回、昨年サモア観光局を訪問した時に会えず、よろしくと連絡をくれていたソニア局長に、そういえば!とようやく会うことができました。ソニアさんは文部科学省奨学金で日本留学経験があります。

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今回、ちゃっかり自分が発表者・パネリストとして参加していたので、冒頭、ソニアさんが挨拶をした際に、日本語から始めてくれ、SPTOのコッカーCEOも、同じく挨拶で言及してくれました。

日本はメンバー国ではないですし、自分は政府の人間ではないですが、何かこう、楔を打ち込んだ感じがします。(つづく)
持続可能な観光 地域会合 [2018年09月30日(Sun)]

今、明日開催されるユネスコ「太平洋島嶼国・地域におけるブルー・グリーン(海洋環境・自然環境に密着したという意味)生活のための持続可能な観光構築」地域会議のためにサモアに来ています。
パラオでの地域密着型“エコ”ツーリズムプロジェクトについて紹介する時間をいただけるということで、昨日からプレゼン資料の準備をしていました。

10分の発表ですが、準備時間はその何十倍もあります。音楽だって、演奏時間は3〜4分ですが、そこまでの過程にどれだけの時間がかかっていることか…。料理だってそうですね。

パラオに限って言えば、地域密着型エコツーリズムプロジェクトは、地域住民主導型で、大きなインフラ投資を必要とせず、日常生活や遺跡・神話・自然環境などに価値を見出し、実際の経済まで繋げている点が、過去のプロジェクトと似て非なるものだと思います。

特に小島嶼国においては、経済的恩恵と自然や文化の保護・保全を両立させるための有効なツールで、持続可能な観光の構築に貢献できると思っています。
ニューギニア航空がチュークで… [2018年09月28日(Fri)]

先ほど友人がリンクを送ってくれました。

ミクロネシア連邦のポンペイ州からパプア・ニューギニアのポートモレスビーに向かうB737が途中のミクロネシア連邦チューク州の空港で止まり切れず、ラグーンに着水したようです。

マーシャル在住のマーシャル・アイランズ・ジャーナルのギフ・ジョンソンさんの「墜落」ではなく、着陸したところがラグーンだったとのコメントが載っています。

幸い乗員11名、乗客36名に犠牲者はなく、大怪我もなく、737だけが沈んでいるそうです。

自分がマーシャルにいた頃、パシフィック航空のカーゴだったと思うのですが、ポンペイ空港で止まり切れず頭が着水したということがありました。

滑走路が2キロ前後だったと思いますが、短いため、当時のコンチネンタル航空が着陸するときは、エネルギーを放出する必要があるので、強めにランディングすると誰かが言ってました(強めのランディングは確かでしたが、理由がその通りなのかはわからない)。慣れていないと難しいのかもしれないですねえ


しかし、、、このニューギニア航空のルートは乗客数が安定しないため運休となる場合もあるなど、まだまだこれからというところでした。これからどうなるのか、気になるところです。

太平洋地域には地域機関評議会(CROP)に属するPASO(太平洋航空安全室)があります。ミクロネシア連邦の空港はパラオ、マーシャルと同様に米国連邦航空局(FAA)傘下にあり、今回の事故は、FAAとPASOで調査ということになるでしょうか。


常に危険がある。
チャリティバザー [2018年04月19日(Thu)]

昨日、六本木のANAインターコンチで、毎年4月に開催されるアジア婦人会チャリティバザーがありました。
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太平洋島嶼国からは、パプアニューギニア、サモア、フィジー、ミクロネシア、マーシャルがブースを出していました。

昨年は職場の机用に置物とか物入れなど残るものを中心に購入しましたが、今回は食べ物中心です。

マーシャルはアミモノばかりで何も買えませんでした。サモアではノニジュース。これまで各地でノニジュースを買っては飲み切れなかったので、昨日から同僚に手伝ってもらっています。

フィジーではランチのカレーとロティ。

ミクロネシアはポンペイ(ポナペ)の胡椒が青さが残っていて絶品なのですが、今回は佃煮がありました。

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そして、マイフェバリットは、パプアニューギニアの青いコーヒー。ハイランド地域で育てられたアラビカ豆。これは絶対売れると思う。

太平洋島嶼国産のコーヒーは、このパプアニューギニアの青いやつと、バヌアツのタンナコーヒーですね。

これとキャドバリーのホワイトトップのチョコがあると最高(アポロチョコでも良い、不二家のストロベリーチョコでも良い、チョコパイでも良い)。


そのせいか、昨晩へんな夢を見ました。

フィジーエアウェイズのフライトで、浅く水没してるツバルのフナフティ空港に着陸するもので、トランジット(あるわけない)のはずが間違えて、目が覚めました。

どうでもいいですね。
太平洋島嶼国の債務に関する考え方 [2018年04月04日(Wed)]

太平洋島嶼国について開発援助・経済協力という視点で見ると、ついつい経済の観点を忘れてしまうかもしれません。自分は2012年から15年までフィジーにいましたが、当時、現地準備銀行副総裁やADB事務所長、PIF事務局の友人らと話すことで、専門の方からすれば当たり前じゃないか、と叱られそうですが、債務は投資であるという見方を持つようになりました。

2012年10月、フィジーに赴任しましたが、当時の日本側から得るフィジーの印象は債務過多(GDPの5割弱)で、資金を貸している中国に操られてるんじゃないか、というものでした。しかし中身を見てみると、対外債務は全体の債務の6割程度で、中国からのものはさらにその3割程度で、現実と印象のギャップを感じたものです。

フィジーでは、でも、やはり債務がGDPの5割ということで問題となっており、当時の暫定政府に反対する人々がこれを減らすべきだと主張していました。

いくつかポイントがあるので、1つずつ書いていきます。

1.債務の目的
暫定政権以前の政権が作った対外債務には、政府人件費の赤字補填が大きな割合で含まれていました。暫定政権では、経済成長を促進するための道路、港、空港など経済インフラへの投資が目的でした。

2.GDP比を減らす方法
2012年13年当時、フィジーの反政府側は、債務を減らすべきだと主張していました。一方、政府側は、経済成長を促進するとしました。すなわち債務額が同額でも、GDPがあがれば債務割合は減るという考えです。

例えば、GDPが100で債務が50、年3%の成長とすると、当初の債務はGDPの50%となりますが、5年後にはGDPが116になるのでGDP比は43%に減少します。


現地準備銀副総裁やADB事務所長と話していた時には、やはり投資という観点で資金を投入することで、経済成長が促進され、さらに資金投入も可能になる、健全な資金のフローができていくというイメージができました。

しかし、2012年半ばまでは、フィジーの暫定政権ではまだそのような健全な段階の手前にあったと思います。ある段階から、民政復帰の雰囲気もでき始め、中国以外のドナーも少しずつフィジーとの関与が増えてきた中で、当時のフィジー政府はGDPを上向き基調にするため、いくつかの政策を実施しました。

GDPは支出面からみるとC+G+I+(X-M)であり、フィジー政府はCの消費とX(観光サービス)の拡大を図ることとしました。特にCについては人口の多くを占める中位の所得以下が所得税免税、必需品の付加価値税免除、高校までの授業料免除などで、内需を刺激しました。海外からの投資促進のための税制改革も行いました。また建設部門が継続的に活発です。

2013年、2014年と国内経済が上向きになり、民政復帰により中国以外のドナーからの資金も投入されるようになり、今や、チャレンジではありますが、20年でGDP4倍を目指すというくらいまでに成長してきました(年7%成長の継続を目指す)。フィジーは必要な投資分野やエリアが残っており、健全な投資があるのであれば、まだまだ伸びしろがあるといえるでしょう。

太平洋島嶼国により、現地経済レベルや構造(生産的なのか政府財政依存、財政支援(贈与)依存なのか)が異なるため、各国の債務状況を見る場合には、当然ながら個別の評価が必要かと思います(過去5年で見れば、ナウルやキリバスを含め、各国とも経済成長を続けています)。

例えばナウル協定締約国が導入したVDSという資源国が得る入漁料を増大させる方法により、援助に頼らない大きな財源ができ、国の経済が固着傾向から活性化に向かい、民間の経済活動が活発化し、経済成長傾向に転じ、外部からの投資を得て、さらに経済成長につなげるというモデルができるのかもしれません。一方で、必要になるのは財政マネージメント能力で、SDGs達成にどれだけ近づけるのか、ということになるでしょうか。
フィジー直行便!パラオ光ファイバー!! [2017年12月07日(Thu)]

昨日、ついに2018年7月からのフィジー航空による成田ーナンディ便就航が正式発表されました。

http://www.aviationwire.jp/archives/135803



2009年以来9年ぶりの復活。いろいろありましたが、ついに実現することになりました。1番大きな要因は、日本が2019年にラグビーワールドカップを開催すること?


2012年にフィジーに行き、日本とフィジーの関係が非常に非常に悪化していた時期、直行便の話をすることは憚られていました。日本側からも「需要もないし、小さな国だし、直行便なんてなに言ってんの?」などと言われる状況。2、3年かけ少しずつ両国間の対話が回復していく中で、直行便再開について口に出せる環境が作られて行きました。当時のフィジー政府、フィジー航空幹部らの話では、「現実的な再開の判断は、経済的にメリットがあるのかどうか」ということ。今回の再就航は日本市場への期待もあるのだと思います。


これを機に、民間の経済関係が発展するといいですね!


パラオでは一昨年から言われている海底光ファイバーケーブルの接続の話。


https://www.pacificnote.com/single-post/2017/12/06/Palau-Gets-Ready-For-Fiber-Optic-Connectivity


いよいよ今日から?高速な接続が始まるそうです。これまで添付ファイルが100Kバイトを超えるとメールを読めなかったり、若い人は知らないでしょうが、ダイヤルアップやISDNの間くらいの速度だったので、大きな変化です。


パラオの人々を思うと、大きな社会変化に繋がるかもしれません。観光もより面白いことができるようになると思います。

観光プロモーション・キャッチ [2017年09月18日(Mon)]

フィジーでは
Fiji. Where Happiness Finds You
「幸せが出会うところ」という感じでしょうか。観光客が幸せを見つけるのではなく、フィジーに幸せがあり、そこに観光客が訪れると、幸せがその人を包み込むというイメージかと思います。

パラオでは
Pristine Paradise. Palau
手つかずの楽園。パラオ
環境保全と観光振興のバランスが大切。

ブルーエコノミーだとかグリーンエコノミーだとかの文脈で観光は重要なアイテムになります。

で、その人はツバルの首相にキャッチを話したそうです。

Sinking Paradise. Experience before it dissapears.
沈みゆく楽園。消えてしまう前に…。
アウェアネスの観点から意味はありそうですが、首相にやめてくれと言われたようです。


ナウルの大統領にも伝えたとのこと。
Feel THIN
痩せを感じろ!

これも却下だったそうです。


米国原油輸出解禁と金利と太平洋島嶼国 [2015年12月17日(Thu)]

以前、太平洋島嶼国の動きは、2007年以降、石油価格と穀物価格の高騰による主食を含む輸入品の高騰、リーマンショックによる信託基金の原資割れ(運用損失)などの影響を受け、内政や国際社会への対応の変化に繋がったと書きました。ミクロ三国では第2次米国コンパクトによる財政支援形態・資金の流れの変化も加わりました。
ソーラーパネルなど再生可能エネルギーの導入は、島から見れば、化石燃料依存からの脱却=温室効果ガス削減というよりも、発電コスト削減が大きな目的だったと思います。急増した燃料調達コストが、政府財政を圧迫していたからです。

個人的には、人口3万人程度までの小島嶼で電線が引かれているようなところでは、ソーラーよりもディーゼル発電による電力供給が安定して社会の発展にも寄与するものと考えています。

それはともかく、昨日、米国が40年ぶりに石油輸出解禁と驚きのニュースがありました。すでに市場の石油は供給が上回っているところ、さらに米国から市場に石油(重油成分は少ないらしい)が投入されれば石油価格はさらに下落することになるというのが一般的考えだと思います。

また米国が政策金利を上げるとの憶測が流れていますが、市場の米ドル通貨量が減少すれば、普通はドルの価値が上がる、すなわちドル高というのが教科書的考えだと思います。

翻って太平洋島嶼国。この10年弱で再生可能エネルギーが導入されており(効率化が進んだ)、エネルギーの石油依存が減少すれば、さらにさらに政府財政は改善されると思います。

さらに米国経済がよく世界経済が良ければ、信託基金の運用益が増加し、政府財政が改善されます。

例えば、安倍政権と太平洋島嶼国の間接的な関係では、同政権以降、世界市場は良くなりました。それにより島嶼国各国は信託基金運用益で、年数億円(小さな国では歳入の1割以上にあたります)の歳入増が毎年あることになります。何を言いたいかというと、日本広く間接的な経済援助を行っているようにも見えます。

このように米国の原油輸出解禁と金融政策は太平洋島嶼国経済にとってプラスになるものと思います。