CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る

« 太平洋諸島フォーラム(PIF) | Main | メラネシアン・スピアヘッドグループ(MSG)»
プロフィール

塩澤 英之さんの画像
塩澤 英之
プロフィール
ブログ
最新記事
月別アーカイブ
カテゴリアーカイブ
<< 2019年08月 >>
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
RSS取得
http://blog.canpan.info/spinf_shio/index1_0.rdf
http://blog.canpan.info/spinf_shio/index2_0.xml
PIDFの話、追記 [2016年02月15日(Mon)]

昨日の記事でいろいろと書きましたが、正直に言ってわからないことが多いです。

PIDFと中国の関係は、中国はフィジーとの関係から、フィジーの民政復帰前から会議開催の支援をしてきています。民政復帰前のであることから、日米豪NZなど自由と民主主義陣営は支援をしていなかったといえます。

フィジーは、民政復帰後、フィジーが従来の関係国が離れ苦しい時に中国が支援して経済も国の発展も支援したとして強い感謝の気持ちを有する一方で、日米豪NZや他のドナーからの支援、ドナーの多様化を求めているように見えます。

中国についてはいろいろな見方があるので、何とも言えないのですが、太平洋への進出を狙っているときにフィジーに隙間ができたとすれば、プレゼンスを高める絶好の機会できる、、、結果として、実際にフィジーと中国の関係は強くなりました。これは経済分野(投資も含む)も同様。

しかし、PIDFとPIFの関係でいえば、よくわからなくなります。例えばPIDFが強くなり、PIFが弱くなって中国は得をするのか?それはありません。どうもPIFは中国との影響が薄いのではないかとの考えがあるように思えるのですが、PIFでも中国はオブザーバーで、毎年のPIFに対する資金援助は対PIDFの7倍以上、経済分野では中国の影響力は強く、PIF事務局でも中国の影響はところどころで感じられました(しょっちゅう北京では〜、とか中国の投資意欲は〜と耳にしていました)。個人的には、PIF(事務局)の方が中国の影響が強いような。。。

個人的には(しつこいですが)、PIDFに支援した国の基本姿勢は、PIDF設立準備が始まった2013年時点でのフィジー(PIDF設立を進めた)との関係によるようにみえ、支援している国の多くは、PIDFの理念などではなく、フィジーとの政治的関係から支援しているように考えられます。

現在のPIDFそのものは、むしろ環境NGOが影響力強化を進める雰囲気があり、その場合、先進国、新興国は批判のターゲットになりかねないと、こちらに注意すべきなのではないかなと思います。

過去3回、PIDFサミットに出てきましたが、1年目は東ティモール首相、2年目はインドネシア大統領、3年目はタイ副首相とロビンソン国連特使が参加し、中国もロシアも資金援助をし代表団を送ったのに影が薄かった印象です。それよりもPIDFの会合は大変生き生きと島の代表やオブザーバーが発言するもので、PIFの会合にはない新しさを感じたものです。

絶対にこれだ!という考え方はリスクが高いので、柔軟に状況を見ていくことが重要かと思います。
国連がPIDFの設立憲章を登録 [2016年02月14日(Sun)]

PIDFフェースブックによると、今週国連から、昨年9月の第3回PIDFサミットで成立したPIDF憲章を登録したとの通報があったとのことです。そのサミットで就任したフランス系カナダ人でサモア国籍のフランソワ・マルテル初代事務局長によれば、これによりPIDFが地域機関として国連プロセスに正式に関与できるとのこと。
11150974_1179066902109931_5558169312879939700_n.jpg

PIDFは、2009年にPIFから資格停止とされたフィジーが、一部島嶼国と始めた対話プロセス(Engage with the Pacificというような名前のもの)を前身としており、それはPIFと同様な分野を対象とし、明らかに豪、NZを外したPIFに代わる島主導の地域枠組みを目指す取り組みがであったため、現在もPIDFがPIFに代わるものとの印象が残っています。
またPIDF設立に向けたサミットが始まった2013年から昨年のサミットまで、伝統的ドナーである日、米、豪、NZ(フランスはニューカレドニアなどがPIDFメンバーであるためこれには入らない)が代表をオブザーバーとしておくるものの支援は行わない様子見の一方で、中国、中東諸国、ロシアなどが会議開催のためにそれぞれ2000万円程度の支援を行ってきたため、「PIDFは中国の影響が強い」、もしくは「中国が設立したもの」とまで言う人々がいます。

しかし、2013年の設立前の段階からさまざまなレベルと協議し、会合に参加してきた自分としては、2012年のリオ+20を機にIUCNが深く関与し、テーマを持続可能な開発、グリーン/ブルーエコノミーとすることで、その性格が明らかにその前身の枠組みから変化したと理解しています。結果、初の島主導(独立国も地域もNGOも同レベルでメンバーである一方、ドナー国は明確にオブザーバーとする)で、テーマも持続可能な開発・ブルー・グリーン経済などに特化、さらに事務局を小さな事務局として経費を大幅に削減する体制とするユニークな地域機関となりました。


PIFの方は、豪・NZが絶対的に必要な安全保障、貿易・投資、観光などに関する政策機関として、唯一無二の存在として動じないし、島嶼国もPIFの重要性を認識しているようです。

一方国連では豪・NZはアジア・太平洋グループではないことから、PIFの枠組みは使えず、一方でPIDFは国連プロセスに太平洋島嶼国・地域の声を反映するとの目的で設立が進められた背景があります。
昨年6月、9月の第3回PIDFサミットでのPIDF憲章成立を目的として、同憲章案策定のためのワークショップが太平洋島嶼国・地域の政府事務レベルやNGO代表に加え、希望する関係国事務レベルが参加し、フィジーで開催されました。自分はシンジケート2で、キリバス外務省、ミクロネシア連邦のNGO、PIANGO、ニューカレドニア外務省らとチームを作り、事務局長の任期や加盟国・地域・機関の義務などについて議論し、PIDF事務局長案に反映させました。

image-35d7e.jpeg

中国の影響ですが、PIDFの目的やテーマを考えると、例えば気候変動に関して島嶼国による中国批判をかわす目的(これは実際にはありえない)などがなければ、それほどあるとは思えないし、環境関係の投資やプロジェクトもPIDFがあろうがなかろうがバイでやっているし、島嶼国には台湾と外交関係を結んでいる国もあるので、PIDF側は、参加するドナーの多様化を目指しているように見えます。そもそも特定の国の影響があるとすれば、太平洋島嶼国・地域が、外部の影響から自由になるために設立したPIDFの目的と矛盾しますし、それが明らかになったとたんにPIDFは崩壊します。(ただ、昨年のPIDFサミットで財政支援し、PIDF支持を公式に態度を示した中国、ロシア、中東諸国は特別なオブザーバーステイタスを得ているので、この点では従来のドナーとそれらの国々は立場が異なる。しかし、これもドナー国次第でPIFよりは後からオブザーバー資格を得やすい。)

昨年9月のPIDFサミットにはPIF事務局のクリステル・プラット事務次長(元SOPAC)が参加していたことでPIDFとPIFの協力可能性も見えていたし(PIF事務局は環境、防災、観光などプロジェクトやるとしても、SPCやSPTOなどに外注することが多い)、国連からメアリー・ロビンソン特使が参加して国連がフィジー主導の取り組みを支持しているのが明らかでした。フィジーは国連のPKO活動に兵士を積極的に参加させているし、2014年にはG77+中国の議長になるなど、実行ベースで国連から信頼を得てきたように思います。

ちなみに、昨年9月にPIDF憲章に署名した国や機関は以下のとおりです(PIF設立協定が最初に署名されたときよりも多い)。

国:フィジー、キリバス、マーシャル、ミクロネシア連邦、ナウル、ソロモン、トンガ、バヌアツ
機関:PIANGO(太平洋諸島NGO連盟)、PIPSO(太平洋諸島民間部門機構、PIPSOはPIFとの関係が深い)

ちなみに、キリバス、マーシャル、ナウル、ソロモンは、台湾と外交関係があります。

まあ、しかしPIDFはフィジー政府がリリースし、正式に組織化されたのは昨年9月のこと。まだまだよちよち歩きの地域機関で、先進国などは今後しっかりと成長していくのか見守るのが当然の姿勢だと思います。
image-cb378.jpeg