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島サミット大成功でしょう! [2018年05月19日(Sat)]

外務省HPにPALM8首脳宣言が掲載されました!
英語版


過去のぼんやりしたものではなく、だいぶソリッドな内容になっていると思います。

以前は何やかんやいって、実際には日本と太平洋島嶼国の距離感があり、特に日本側の太平洋島嶼国に対する理解があまりなく、島嶼国側もしょうがないなあ、(いい意味で)日本だからいいだろう、というところがありました。

おそらく大きな変化はPIFの枠組みと事務局をどこまで信頼するかということだったと思います。

事務局自体は財政が厳しい状態が続き、不安定な感が増していましたが、仏領の加盟で息を吹き返したかもしれません。

デイム・メグ・テイラー事務局長はPNG出身の元駐米大使、世銀グループでも活躍されていました。フィジーがPIDFを設立した頃に事務局長に就任し、スレイド前事務局長とは異なり、市民や地域社会ともよく対話する人です。自分は就任当初挨拶しただけですが、人の話を丁寧に聞く人でした。

クリステル・プラット次長はアジア系NZ人で、以前、現在はSPCの一部門のSOPAC(応用地球科学をやるところ)のディレクターだったと思います。自然科学系の人。事務局長の前か後か忘れましたが、やはり就任後に何度か話す機会があり、とてもオープンで、PIF事務局の硬いイメージを変えていきました。PIDFサミットにも出てプレゼンをしていたことがあります。

そしてローレン法律顧問。豪州の人だったか、かつてPIFのルールのことで何度も協議をした事があります。

PIF事務局自体はまだ改革途上ですが、この女性3人は、メンバー国にとってかなりタフだったようです。

それでも、最後はまとめ上げました。

PIFの文書もこの2〜3年でだいぶ中身重視で具体的なものに変わってきたように思いますが、今回の首脳宣言もかなり練られたものになっています。

PIFの中心的役割が島嶼国にあると豪州とNZが認めたことも大きな進歩だと思います。

内容は海洋関係は当然ながら、持続可能な開発をただ持続可能な開発とせず、実現するための具体的な話まで深掘りされています。

貿易、投資、観光など経済についてよく書かれています。

SPTOは、中国がメンバーになっているので、反対に日本が関与することが重要だと思います。

あとは対話。対話の重要性を日本政府も明確に認識したことは非常に大きい。

ほかにもまだまだありますが、このくらいにしておきます。

これが新しい時代の日本と太平洋島嶼国関係の始まりとなるでしょう。


自由で開かれたインド太平洋戦略については、法の支配やインフラの質の向上など中身は受け入れ可能な物だと思いますが、最初に偏った見方が打ち込まれたことで、まだ慎重に中身を説明していく必要があります。

二国間首脳会談の概要を見ると、豪州、NZ、フランス領(これらは首脳ではないが)、パラオは支持をしています。他の国の反応はそれぞれ読んでみると面白いと思います。
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