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政治の季節がやってくる? [2017年09月17日(Sun)]

今朝早くオークランドをたち、3時間ほどでナンディに到着。
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陸路、東に向かい、午後2時前にスバ到着。

なんと!スバ到着時刻は当初の予定どおりでした。オークランド泊かナンディ泊かの違いだけでした。オークランド泊だとこの季節寒いし、入国に時間かかるのでナンディとしていましたが、結果、問題なし。

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懐かしいフラッグスタッフ周辺

スバの天気はスバらしくなく、晴れ。早速、2年前に帰国前で忙しすぎて最後にできず心残りだったこと、スバのコーストラインのランニングコース往復9キロ超を走りました。復路、午後3時の太陽に向かって走るのはしんどかったけれど、やりきれて良かった。

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今の努力は2週間後に現れる、怠惰の代償も2週間後に現れる。。

自分は現地に居住し、生活しながら仕事をした経験と、今のように、出張ベースで仕事をすることを経験しています。両方とも利点と欠点があることを理解しているつもりです。

例えば現地に居住していると、ネガティブに物事を見がちになる人は珍しくありません。おそらく自然な反応なのだと思います。一方で、しっかりできれば、現地をよく理解するものとして、現地の様々な立場の人たちと同じ土俵で仕事ができます。

出張ベースの良いところは、現地のことを知りすぎなくてすみ(あえて聞かないふりをしたり、忘れたふりをしたり)、引いてものを見ることができること、間を知らないので、変化に気づきやすいことがあげられるかと思います。
(パラオの場合は、自分は現地に住んでいるように思われていたりする。。。)

スバのコーストラインのランニングコースを走ったのは、上記とは別の意味がありました。今日は日曜であるため町の雰囲気がわかりませんが、同コースの途中には、スバ市が整備した公園があり、インド系、先住民系のフィジーの人々がピクニックやのんびりできるようになっています。

正しくは無いかもしれませんが、今日走りながらみた皆さんの様子は、大変平和的だとの印象を受けました。

自分がいた頃、特に2013年から14年9月の選挙までの緊張感とテンションを背景にした人々の雰囲気とは大きく異なって見えます。

スーパーに行ったら、物価は少し上がってるようでしたが。

特に選挙前の半年ほど、インド系住民が先住民系急進派に脅される状況が密かにあり、インド系の人々が2000年のスペイトのクーデター時期の恐怖感を思い出し、不安定な状況が見え始めていました。

この2〜3年で、変わりましたね。今なら生活を楽しめるかもしれないですね。自分はチャレンジすべき状況の方が良いですが。

さてフィジーでは来年9月ごろに現憲法下で2回目の総選挙が行われます。一院制50議席。全国区比例代表制で、過半数をとった第1党の党首が自動的に首相になります(連立の場合は連立内での第1党)。また得票数が総投票数の5%に満たないと足切りになる閾値があります(これで2〜3議席の差が出る)。

主な政党は、
・現与党で民主的先住民系(伝統的権威と政治を分離する)、民主的インド系(ビジネスセクターが多い)、モスリム系インド系、アジア系などが支持しているフィジーファースト党。その取り組みにより、村落部の先住民系、インド系とも支持が高いです(北部のラランバラブ大酋長が強い地域を除く)バイニマラマ首相(元海軍大将)やカイユム大臣。
・先住民系酋長系(フィジー先住民系の伝統を守る保守派)、先住民系エリートの権限を重視するソデルパ党。ケパ大酋長やラランバラブ大酋長、ランブカ元首相(元陸軍大将)
・インド系インテリ層、先住民系穏健派、都市部、民主的でより対話重視のNFP。プラサド博士や元バイニマラマ首相側近のティコンドゥアンドゥア元大臣
・その他、インド系サトウキビ労働者を中心とした労働党、貿易連合を中心としたPDPなどがあります。

フィジーの人口は先住民系6割弱、インド系4割弱、その他1割弱。

ソデルパは先住民系急進派も支持母体にいるので、インド系の支持を得ることが難しく、フィジーファーストは少なくとも先住民系の3割程度の支持を得ています。

そのため単純に考えれば、ソデルパは全体の6割の7割、42%の得票が限界であり、単独過半数を取るには、インド系住民の支持を得る政策を立てるか(これはソデルパ支持層が認めないが)、選挙参加を抑えるしかありません。前回選挙で急進派がインド系住民が投票にいかないように脅した背景にはこのような計算もあったのでしょう。

もう1つの可能性は、フィジーファースト支持層を切り崩すこと。先住民系を見て見ると、実は先住民系の平民出身者は、バイニマラマ政権は出自を問わず、能力重視でフェアに人を登用する取り組みを支持しているため、切り崩しは容易ではないと思われます。それを超える伝統社会の厳しさがあるかもしれませんが…。

もう1つの可能性はフィジーファースト支持層のインド系住民を切り崩すこと。この場合、NFPが受け皿になり得ます。

フィジーファースト政権は、国家改革を経済・外交ともに成功している一方で、強圧的と批判する人々もいます。一方、NFPは知的な穏健派であるので、多少の受け皿になり得そうですが、インテリすぎて鼻に付くというか、人々の生活の実態と剥離があるように見えます。

2014年の総選挙の際、4つのシナリオを作りました。そのうちの1つはフィジーファーストに楽観的すぎて選挙前の最終レポートからは削除しましたが、結果はこの削除したものに大変近いものでした。

しかし、自分は選挙当時から主張しているのですが、フィジーがより強く発展していくためには、ソデルパ支持者も改革の流れに巻き込まなければならないと思います。彼らは改革による果実を享受していますが、信条的にソデルパを切れない人も多いと思います。そのためのソデルパが加わる連立のシナリオもありましたが、そうなるとおそらくフィジーの経済成長は減速していくでしょう。

NFPがキャスティングボードを握るのか、、、。そのためには支持が増えなければならないですが、どうか。

止まらないので、ここまでにしますが、おそらく来年3月ごろから、本格的な政治の季節になりそうです。
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