PacWave11(太平洋津波対策訓練) [2011年11月10日(Thu)]
11月10日(木)
協定世界時(UTC)11月9日13時(日本時間11月9日22時)より本日10日まで、太平洋および太平洋周辺の38か国を対象とした津波対策訓練(シミュレーション実験)、Exercise Pacific Wave 2011(PacWave2011)が実施されています。 http://itic.ioc-unesco.org/index.php?option=com_content&view=article&id=1686&Itemid=2333&lang=en 実施組織はUNESCO(国際連合教育科学文化機関)およびIOC(ユネスコ政府間海洋学委員会)となっています(警報システムなどでは、NOAA(米国海洋大気庁)が全面的に関わっています)。NOAAは基本的に太平洋地域でも米国圏(北部ミクロネシア地域や米領サモアなど)を中心に警報を出していますが、今回は全域を対象としている点が画期的だと思います。 この訓練は、以下のような手順で行われ、各地の警報システムや情報伝達の現状を確認することを目的としているようです。 1)10個の模擬地震をコンピュータ上で順次発生させる。 2)地震によって引き起こされる模擬津波をコンピュータ上で発生させる。 3)各国関係機関に情報を伝達する。 4)各国関係機関が各地関係機関へ情報伝達し、模擬警報等を行う。 訓練では、カムチャッカから反時計回りにアリューシャンまで、以下10個の地震が想定されました(場所、発生時刻(UTC)、緯度、経度)。いずれも深さ20q、マグニチュード9.0。 1)カムチャッカ(クリル−カムチャッカ海溝) 11月9日22時、北緯52.5度、東経159.5度 2)琉球列島(南西諸島海溝=琉球海溝) 11月9日23時、北緯28.0度、東経129.0度 3)フィリピン−南シナ海(マニラ海溝) 11月10日2時、北緯16.2度、東経119.3度 4)フィリピン−太平洋(フィリピン海溝) 11月10日0時、北緯9.5度、東経126.6度 5)バヌアツ(ニューヘブリデス海溝) 11月9日22時、南緯14.3度、東経166.2度 6)トンガ(トンガ海溝) 11月9日21時、南緯23.6度、西経175.5度 7)中央チリ(ペルー−チリ海溝) 11月9日13時、南緯32.3度、西経71.9度 8)エクアドル(コロンビア−エクアドル海溝) 11月9日14時、北緯1.0度、西経81.5度 9)中央アメリカ(中部アメリカ海溝) 11月9日15時、北緯11.5度、西経87.5度 10)アリューシャン列島(アリューシャン海溝) 11月9日18時、北緯53.0度、西経165.0度 この訓練の結果、各地の警報システムや住民レベルへの情報伝達の問題点、改善すべき内容が見えてくると思います。 |