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笹川平和財団 安全保障事業グループ
太平洋島嶼国事業 主任研究員塩澤のブログです。太平洋島嶼国の話題を中心にお伝えします。@hide_fjz
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1/26セミナーでの話、地域機関と中国・台湾の話。[2019年02月15日(Fri)]
当財団ウェブサイトで、1/26に都内で開催された一般財団法人平和・安全保障研究による公開セミナー「太平洋島嶼国の地域秩序の変容と日本の役割」の記事がアップされましたので紹介します。

https://www.spf.org/spfnews/information/20190214.html

上記記事は当財団の研究員として自分の発言にフォーカスが当たっていますが、当日のセミナーでは、同研究所西原正理事長、安藤俊英外務省アジア大洋州局参事官の興味深いご挨拶、太平洋諸島学会会長・大阪学院大学教授の小林泉先生の基調講演がありました。またパネルディスカッション第1部では、モデレーターを務められた近畿大学教授の畝川憲之先生、パネリストとして富山大学教授のサイモン・ピーター・バハウ先生、第2部では、モデレーターの太平洋諸島学会監事・元在ソロモン日本大使の岩撫明先生、桜美林大学教授の加藤朗先生、東海大学講師の黒崎岳大先生も多くの興味深い議論をされていました。これらの点を付け加えさせていただきます。

さて、上記セミナーでも話しましたが、自分がフィジー駐在から帰国し、当財団に入った2015年11月以降、表にはあまり出していませんが、日本でも注目されている中国の太平洋島嶼地域への進出について、その巧みさについて、情報を共有してきました。

個人的な観点になりますが、できるだけ単純化すると、中国の地域進出のターゲットは、1.台湾承認国数(現在6カ国)を削減すること、2.地域機関への影響力を拡大すること、3.地域拠点の確保(現在は経済活動や在留中国人の保護)だと考えられます。

2.の地域機関への影響力拡大については、古くは2000年代前半に、地域観光機関の南太平洋観光機構(SPTO)が、EUの支援カットに伴う財政難に見舞われ、域外国に対して加盟を進めたところ、2002年頃豪州・NZは断り、2004年に中国・台湾は加盟の意思を表明、しかし2005年10月、PNGでのPIF総会前の観光閣僚会合(議長国はPNG)において、ADS(Accredited Destination Status)という中国国内の団体観光客訪問先を左右するリストへの登録などをカードとした中国のロビー活動の結果(当時の新聞記事に基づく情報)、台湾の加盟が却下され、中国のみが域外国として唯一の加盟国となりました。独自にマーケティングできるパラオは、太平洋島嶼国で唯一SPTOに加盟していません。

現在もSPTOの理事会に加盟国中国から代表が入っており、話によると中国へのインバウンドが対象となっているようですが、地域観光政策に正式に関与しています。

例えば、自分がフィジーにいた2015年頃、フィジーの現地紙Fiji SunでSPTOによる中国観光客増大による経済的メリットのみを称賛する記事が出ていました。(下記の記事です。見つけました。)

https://fijisun.com.fj/2015/07/25/analysis-fiji-leads-pacific-with-highest-visitor-arrivals/

当時、自分はパラオ・ルートで、経済メリットは確かにあるが、社会・自然環境に悪影響が出ており、一般市民は困っているものの、パラオ国内有力者は正当な経済活動で利益を得ているため、難しい状況にあるとの情報を得ていました。

そのため、当時自分は日本政府の一等書記官でしたが、SPTOの事務局長(CEO)(当時はフィジーの方)に面会を申し込み、SPTO本部で柔らかく真意を尋ねたことがあります(自分のこの行動には、当時のフィジーと日本の関係はまだ回復途上であり、フィジーはより中国と親しかった、という背景もあります)。その際に、パラオでは、中国人観光客が増加していることで大きな経済成長をもたらしたものの、社会と自然環境にも大きな問題が発生しており、良い面だけに焦点を当てるのはおかしいのではないか、という話もした記憶があります。

このことがあり、自分はSPTOと接触を持ち、当財団に移ってからは、その後任のCEOであるトンガ人のコッカーさんと、意見交換ができる関係を構築しました。自分は決して中国人観光客による経済的メリットを否定しているわけではなく、持続可能な観光の実現と、さまざまな意味でのバランスが大事だと主張しています。


さて、地域機関の本丸である太平洋諸島フォーラム(PIF)についてですが、現在のメンバーは14太平洋島嶼国島嶼国、ニューカレドニア、仏領ポリネシア、豪州、NZの18カ国・地域。2017年にニューカレドニアと仏領ポリネシアは準加盟国から昇格しました。

現在、トケラウ(NZ)が準加盟国、米領サモア、北マリアナ、グアム、東ティモール、ウォリス・フツナ(仏)がオブザーバー国・地域です。

また日本、中国、米国、英国、フランス、カナダ、ドイツ、イタリア、スペイン、EU、トルコ、インド、インドネシア、マレーシア、フィリピン、韓国、タイ、キューバは域外対話パートナーとして登録されています。

(ちなみに、ACP(アフリカ・カリブ・パシフィック)、ADB、コモンウェルス事務局、IOM、国連事務局、WCPFC(中西部太平洋まぐろ類委員会)、世銀がオブザーバー機関として登録されています。)

1980年代には米国に加え、日本や中国などが開発パートナーとしてPIF事務局との対話を求めるようになり、徐々に域外対話国が増え、1989年ツバル・タラワでのPIF総会で、PIF総会後の域外国対話(ポストフォーラム対話ともいう)というPIF加盟国首脳と域外国代表団による正式会合の場が、同じPIF総会の機会に設置されるようになりました。当時は日、米、英、カナダ、EC。その後、次第に域外対話国が増加し、現在は上記の18か国・地域が認められています。

台湾は、現地の主要漁業国としても経済面でも重要でもあり、1991年のPIF総会(ミクロネシア連邦パリキール)で台湾承認国首脳と台湾代表団が対話できる特別な枠組みの検討を開始、1992年ソロモン諸島ホニアラでのPIF総会で、「台湾(ROC)−フォーラム島嶼国(FICs)対話」が設置されました。

以降、台湾代表団は、PIF総会の正式な域外国対話には参加できずとも、PIF総会、域外国対話と同じ機会に、台湾承認国6カ国とは正式会合が可能になっています。

またPIF事務局が開催する開発パートナー会合(事務レベル)では、加盟国、準加盟国、オブザーバー国・地域に加え、上記オブザーバー機関、域外対話パートナー、そして台湾が参加できます。

昨日ここで紹介した中国のロビー活動については、この台湾と承認国の対話、PIF事務局による開発パートナー会合への台湾の参加も認めないものとなります。

域外対話パートナーや台湾は、PIF事務局を通じた地域への支援として、毎年拠出金を提供しています。目的は貿易投資・観光促進に関連するプログラム、女性の地位向上、気候変動、奨学金など多岐にわたりますが、中国は毎年1億〜2億円、台湾は7000万円〜1億5千万円、日本は1,300万円程拠出しています。

中国のロビー活動のカードとしては、中国市場や観光客市場、中国から地域への投資拡大、PIF事務局への拠出金増額などが考えられます。

もう一つ、PIF事務局はあくまでもPIF加盟国首脳の決定事項を実施する立場にあります。またそのPIF首脳会合、閣僚会合での決定は多数決ではなく、コンセンサスによります。しかしながら、PIF枠組みの勢力としては、現在、豪州・NZを除くPIF加盟国・地域は、台湾承認国6に対し、中国と国交のある国・地域10と、2017年以前の6対8から差が広がってしまいました。

台湾は、最近揺れている、ソロモン諸島、キリバス、パラオが台湾から中国にシフトしないようにしつつ、さらに地域機関PIFへの関与(すなわち拠出金支出)を拡大させる必要があるかもしれません。
中国が太平洋諸島フォーラムで台湾排除に向けたロビー活動というニュース[2019年02月14日(Thu)]
ちょっと気になります。

https://www.abc.net.au/news/2019-02-14/beijing-lobbying-pacific-nations-to-recognise-one-china-policy/10809412

前職で、PIF事務局での開発パートナー会合に参加したことがありますが、当時議長国はクックかサモアか。2013年頃だったと思います。その際、会議サマリーにTaiwanと記載されていたことが発端となり、中国代表団と台湾代表団と議長の間で激しいやり取りがあったことがあります。他の出席者(開発パートナーや太平洋島嶼国各国代表ら)はうんざりしていたり、少し呆れていたりというところでしたが、一方、中国側はそこまで台湾を排除するような雰囲気はありませんでした。

昨年のナウルでのPIF年次総会の際の中国代表団の振る舞いもそうでしたが、かえって余裕がないように見えます。

これだけ現地に認められているのに、、、というか、認められているから、ここで本気でつぶしにかかったということなのかもしれません。

太平洋島嶼地域では、中国を重要な開発パートナーと認識している国が増えているし、IMFの資料などを見ても、中国の資金が地域の経済成長に貢献していることが認識されていたりします。ただし、太平洋島嶼国側は、自由と民主主義が基盤にある点は、頭に入れておいた方が良いように思います。
パラオのネット環境と新たな問題[2019年02月14日(Thu)]
パラオのネット環境は、2年前に比べて格段に良くなっています。今の若い人には分からないと思いますが、2年前はWifiの繋がる場所を探し、繋がってもその先がダイヤルアップレベルでした。

仕事で100kBを超えるファイルが添付されたメールが送られると、全ての新しいメールを読み込むのに時間がかかり、例えばメールを読んで、返すという作業、たった4通に、2時間も3時間もかかったりしていました。

今は海底光ケーブルが繋がり、場所によってはNetflixを見ることができるくらいのスピードがあるそうです。そのため、基本的に以前よりもサクサク仕事ができます。

今回の滞在先では、利用者が多い影響で、かなり不安定な状況が続きましたが、それでも2年前よりは格段に良くなっています。

そのため、今日はパラオでいくつか会議をしながら、空き時間を使い、フィジー、ナウル、東京などと仕事を進めることができました。

そのパラオで、今、ネット環境が改善されたことで社会問題が発生しています。それは、若者がおそらく彼らの性的動画や画像をアップしたり、拡散したりすることで、社会のモラルが悪化しているというもののようです。リベンジポルノも含まれているのではないでしょうか。

今月は大統領、閣僚、事務次官クラスが、各州を訪問し、住民との対話を行っていますが、その中で、住民から大統領に対し、性的画像や動画ブロックできないのかと、質問があるようですが、今のところ技術的に難しいとの回答だったそうです。

確か4、5年前、ナウルのネット環境が改善されたのち、やはり若者による同様の問題が発生しました。ナウル政府はSNSの使用を禁じる措置を取ったものの、今度は豪州の難民希求者センターの人権問題を隠すための措置ではないかと、海外メディアにナウル政府が叩かれる事態となりました。

いずれも小島嶼社会故に、影響が大きくなります。

名前を書いていいのかわかりませんが、大阪大学の三田先生が、数年前に、ネット環境の発展がもたらす社会問題や良い面も含めた社会の変化への影響の可能性について話してくれたことがありました。今回のパラオの件で、先生が言っていた話を思い出しました。

安全保障の文脈におけるサイバー・セキュリティだけではなく、特に小島嶼国・小島嶼コミュニティにおける、サイバー環境が与える、より人間的な、社会に与える影響についても真剣に考える必要がありそうです。
バヌアツの中国無償資金協力の記事から[2019年02月12日(Tue)]
今日もパラオで会議シリーズ。今回はこの会議のために、50キロを越える荷物を持って来ました。
7割良かったものの、最後に、別件で、相手側の勘違いと現地の関係者間の話し合い不足が原因の問題について、突き上げられた形になりました。
根拠となる数字を一つ一つあげながら、全部で5段階だったかな、ここではこう、ここではこう、ここで数字が違っている、原因はこうじゃない?などと説明し、ある程度理解したようで、一旦持ち帰ってもらいました。彼らの間の問題なのですが、第三者が丁寧に説明しなければならない場面だったのだと思います。ちょっと心が折れそう。

先ほどネットでニュースを検索していたら、バヌアツの話がありました。朝日新聞デジタルの記事です。


中国が無償資金協力で国際会議場を作ってくれたが、電気代も払えない、という内容のようです。

自分は、2013年、14年と現地に入ることが多く、この会議場が計画されていた時期に、事務レベルでその中心にいた人物とも何度か話し合ったことがあります。別件でしたが。

会議場建設予定地は国会脇の草地。ポートビラの中心地にあり、各省庁にも近い。当時から、その必要性、広い草地がなくなること、維持管理コストなどについて国内で真剣な議論があり、2015年ぐらいには止まる話かと思っていましたが、結局作られました。

自分の感覚で、踏み込むのは危険なラインを感じることがあるのですが、これもそのような絡みもあるので、気になるところだけぼんやりと書いてみます。(中国の肩を持つわけではありません)

・バヌアツは「作ってもらった」などと、恵んでもらったような感覚ではない。
ー>「金を出させて、作らせた。」という感じだと思います。
ー>「金を出させるために、何があったのか」というところを調べると良いかもしれません。
ー>表に出ているものとしては、例えば

南シナ海に関する中国とフィリピンの仲裁裁判所の裁定について、バヌアツは中国の立場を明確に支持しました。2016年5月末から検索すると記事が見つかります。

ー>中国を国際社会で支持すれば、無償で施設ができる?などと単純な考えはなかったと思いますが。。果たして。

・バヌアツ内政の問題。自分は当時キルマン首相に会いましたが、1年持たずに不信任案が通り、首相交代というのが2回ほどありました。(キルマン〜カロシル〜ナトゥマン)
   バヌアツでは政党政治が成熟しておらず、各出身島を中心に据えるなどするミニ政党の集まりだったりします。そのため離合集散が激しく、内政が不安定でした。
   キルマン内閣の時にも、ある閣僚には危険な噂があったし、カロシル首相は大規模な国会議員の贈収賄事件に関与したことが明らかとなり、多くの議員とともに、有罪判決を受け、刑務所に入りました。
   2016年から現政権。

外務省の基礎データが詳しいです。


・バヌアツでは、この会議場だけでなく、首相府、スポーツ複合施設など、全体で40億円を超える無償資金協力が中国から、この短期間に行われています。
(*もともとこのようなハコモノは、先進国の援助ではほとんど作られることはありません。会議場については台湾も承認国各国に作っていたりします。)
ー>なぜローンではないのか。ここも深掘りできる方がいれば深掘りしていただくと、いわゆる「Debt Trap(債務の罠)」の先にある話のようなものが見つかるかもしれません。
ー>深掘りしなくとも、お互いに直接関連していないような、民間を含む事象を、テーブルに並べて見れば、何かが見えてくるかもしれません。


キルマン首相時代に、何人もの閣僚に会い、確か教育大臣だったと思いますが、今のサルワイ首相にも会い、話を聞いたり、当時の自分の立場から、自分の当時のボスの下で、外交関連の話もしていたかと思います。

その時の印象からも、彼らは決してナイーブではないし、国を背負っている方々。その中に、危険な匂いがする閣僚がいたし、まあそんな感じです。

最後に、自分が感じたバヌアツに関する驚きは、2017年までの感触ですが、住民と国の為政者の間に大きなギャップがあるということでした。なんというか、例えば酋長だとか国のトップの人がどこかと話を決めると、急に住民が別の土地に移転したり、上から受け入れさせる傾向があることでした。
  多くの太平洋島嶼国では、ボトムアップだとか包摂性が重視され、住民も問題があれば声を上げるものだと思っていましたが、バヌアツでは住民への情報が限られているのか、自分の生活と国は直接繋がらないのか、そのような空気を感じていました。今は分かりません。

先日のルーガンビルでの中国の基地云々という話がありましたが、バヌアツの国内がそのような感じで、トップがパッと住民に計らずに決めてしまう可能性が十分にあり、しかし主権国家の内政に干渉するわけにもいかない時、どうすればいいか。

どこかが外側で危険性を大きく叫ぶ一方で、地域として、透明性などのグッドガバナンスのキャンペーン的な流れを作り、主権国家の誇りを試すというのも一つの方法ではないかと思います。理想主義すぎるかもしれませんが。
トラブル・シューティング[2019年02月11日(Mon)]
パラオに来ています。
仕事をしていると、物事が全てスムーズに進むことは稀で、大抵何かが起こります。

98良いことがあっても、1か2問題があると、全ての印象が悪くなる場合もあります。

あの時のたった一言が、とか、あの時に一歩説明を忘れてしまったとか、つい考えを押し付けてしまったとか、あるいは現地の個々の関係者の不満を聞きすぎてしまったとか、このようなことが後々影響してくることがあります。

今回は、シリアス度で言えばミディアムクラスですが、7つほど、解決しなければならないことがあり、相談したり話し合いをしたりしています。

自分はトラブルシューティングが得意な方ではなく、ついカッとなって本音で話してしまうことが多いのですが、誤魔化すことなく、玉ねぎをむいていくように、一つ一つもとに戻って確認するようにしています。

今日はとりあえず、3つ終了。
バヌアツの三好大使![2019年02月07日(Thu)]
在フィジー日本大使館のフェースブック記事。

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(こういう引用がアウトの場合は、教えてください)

バヌアツの首都ポートビラのバウアフィールド国際空港に、成田空港からのドネーションで、中古ですが化学消防車が引き渡されたそうです。

バウアフィールド国際空港は、確か世銀の30億だったか50億だったかのローンで再整備されていますが、施工業者は中国のCCECだったと思います。

ここに「Narita Airport」と日章旗のついた消防車が常にあることは良いですよね。

自分がフィジーにいた時、業務でバヌアツに行くと、空港の外の国旗ポールに日章旗が無かったり、日章旗が痛んでいたりしたことがあり、バヌアツ側に改善を申し入れたことがありました。現地政府が言うには、旗のストックがない。

現地にJICA事務所はあるものの、大使館がない弱みを痛感したものです。

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(6年前の今日、ポートビラで)


しかし、今や、バヌアツにも日本大使館が開設されています。そして三好大使。

自分がフィジーに赴任した際、特に日本とフィジーの関係が厳しい時期でしたが、本省にいて、本当に大変お世話になった方です。緻密で、戦略的で、粘り強く、丁寧。

自分のように感情的になったり、イライラしたり、声を荒げたりしません(当たり前か…)。

そして、フィジーで、さまざまな状況の中で落ち込んでいた時に、自分のことを守ってくれて、また背中を押してくれる方でした。三好さんのおかげで、自分はここまで突っ走ることができています。


三好大使がいれば、バヌアツと日本の関係は、必ずやより太くなると思います。三好さんに、またいつか、ご指導頂きたいです。
パラオ〜台湾〜日本[2019年02月07日(Thu)]
2月5日付のパラオの現地紙アイランド・タイムズで、台湾のチャイナ・エアラインが、台湾〜日本〜パラオの三角運航にゴーサインを出したという記事がありました。
これが実現すれば、日本〜パラオの直行便が復活する形になります。スカイチームですね。

また2月18日から台湾〜パラオの直行便が現在の週2から週3に増便されるそうです。

フィジーの場合、昨年日本との直行便が再就航したことで、年間渡航者数が5〜6千人から2倍になったそうです。

日本も台湾も年間のパラオ渡航者数は潜在的に4万人を超えますが、昨年は日本が2万人台、台湾が1万人程度。中国が5万人。どんどん追いついていきたいところです。コロールの上下水道インフラが改善されていくタイミングです。
パラオ・マリンサンクチュアリの議論[2019年02月07日(Thu)]
パラオでは、マリンサンクチュアリ法に基づく来年2020年のEEZの80%完全クローズについて、移行期間を延長すべきか否かの議論が昨年来行われています。
記事が見つからないのですが、レメンゲサウ大統領は予定通り2020年とする一方で、上院では5年延期すべきと主張しているとのこと。

まず経済面が背景にあります。

現在パラオはナウル協定に基づく、VDS(vessel day scheme)により、昨年は8.4百万ドルの入漁料収入があった一方で、マリンサンクチュアリ法に基づくPPEF(入国料のようなもの)に基づく、入漁料補填部分は100万米ドル程度とのこと。

法律に書いてあるのですが、PPEFは100ドルですが、その10%程度だったか12.5%かが、補填部分にあたると思います。

入漁料もPPEFの補填部分も、いずれも主に州政府の貴重な財源となっています。

ただ、マリンサンクチュアリ法の施行にあたり、ナウル協定締約国グループでは了解を得ていて、EEZの20%がオープンであることから(といっても外国船がとって輸出するのは認めない)、加盟国間のVDSに基づく日数トレードは継続されると聞いていたので、これが本当はどうなのか調べなければなりません。


またパラオ国内の延期支持派の意見としては、EEZをクローズするよりも、オープンのままにして、入漁を認める一方で、漁業国から海洋監視に対する経済的支援を求めたほうが良いというものがあります。

大統領としては来年Ocean Conferenceを主催するので、世界にバンッと打ち出すことを考えているのかもしれません。


PPEFの内訳にもよりますが、例えば100ドルのうち50ドルが補填に充てられるとすれば、訪問者数が16万人でカバーできます。将来的には150ドルとか200ドルとかという話になっていくのかもしれないですね。
ミクロネシア連邦が中国の海洋調査船歓迎[2019年02月07日(Thu)]
これ、中国の空母の写真を使っているので、勘違いしますよね。。。


内容は、中国の科学調査船がミクロネシア連邦の排他的経済水域に調査のために入り、ミクロネシア連邦が歓迎というようなニュースです。

記事では2023年に切れる、米国コンパクトに基づく米国の経済援助についても触れられています。


確か、国連海洋法条約では、海洋科学調査について、沿岸国は基本的に許可を出す形になっていたと思います(他方、調査データを要求できる)。実際には許可が遅れたり、別の国では隣国との海上境界画定交渉中として許可が出ないケースがありましたが。。。

パプアニューギニアのメディアというのも、ね。何か意図を感じます。


ちなみに、米国コンパクトでは、第三国の軍事関係の船は、無害通航との関係はわかりませんが、米国がコントロールできるようになっているはずです。

ミクロネシア連邦では、コンパクトに基づき、米国の支援などで400百万ドル程度のコンパクト信託基金(運用益を活用するもの)が積まれており、仮にコンパクトが更新されなかったり、廃棄された場合には、米国がそれまで積み上げた原資を引き上げるとか、運用益の管理を米国がするなどの決まりとなっていたと思います。

さらに、コンパクトが終わると、米国でのビザフリー特権と準市民扱いに加え、連邦プログラムの対象からも外れ、お金も減ります。

ミクロネシア3国の国民は、米国領内でそれぞれのパスポートを保持したまま米国市民と同等の権利を認められていますが、これは米国パスポートに切り替えられる意味ではありません。あくまでもそれぞれの国の国民。そのため、例えばミクロネシア連邦のコンパクトが終わると、現在米国領内にいるミクロネシア連邦パスポート保持者は米国のビザを取得しなければならず、取得できない場合は不法滞在になってしまいます。
マーシャル政府、ベネズエラ暫定大統領承認[2019年02月07日(Thu)]
2/5、マーシャル諸島共和国外務貿易省より、同国がベネズエラのフアン・グアイド暫定大統領を承認すると米国政府に伝達したとのプレスリリースが発出されました。
マーシャル諸島共和国憲法前文が引用されています。自由、民主主義、人々の平和と調和など。
体が冷えると体調崩す[2019年02月07日(Thu)]
もうすぐ47か48になりますが、今年に入って、初めて、体が冷えると体調が悪くなることがわかりました。
1/18(金)の夜にパラオから戻ったところ、翌週1/21(月)の午後に職場の温度が低く感じ、くしゃみが止まらず、急に体調が悪くなりました。咳はありません。

寒さアレルギーなんてあるのかわかりませんが、アレルギー反応のようなくしゃみでした。

定時で帰り、銀座でヒートテックを買い(つい夏用のを着ていた)、部屋を温めて、高めの風呂に3回入り(追い炊きがないので)、たくさんご飯を食べて、普段Tシャツとパンツで過ごすところヒートテックと仕方なく長袖を着て寝ました。

翌日以降、熱もなく、咳もないのですが、寒いので、薄手のセーターを着て、使い捨てカイロを使い続けています。

今年は寒いのと乾いているのと、あと自分の脂肪が落ちたことで、何か変なのかもしれません。

とにかく、体は温かく。


先週末からは、悪いものが抜けた感覚があったので、土曜に10キロ、日曜日はおそらく過去10年(もっとか?)で最長の14キロをキロ5〜6分ペースで走り、体温が上がったせいか、体調がさらによくなりました。高校生のように腹が減ります。


最近の密かな喜びは、椅子に座っている時に、太もも(自分の!)に触ること。いつの間にか筋肉がついていて嬉しい。血流も良くなるように思います。

土曜日からは、またかなり寒くなるようなので、とにかく体を冷やさないようにしましょう!
パラオがコソボの国家承認取り消し、セルビア支持。[2019年02月01日(Fri)]
1月21日(月)、パラオのレメンゲサウ大統領がセルビア共和国の首都ベオグラードで、ヴチッチ大統領と首脳会談を行い、2009年に行ったコソボの国家承認を取り消したとの報道がありました。

Radio NZ
https://www.radionz.co.nz/international/pacific-news/380646/palau-drops-kosovo-recognition-in-favour-of-serbia

豪州ABC
https://www.abc.net.au/radio-australia/programs/pacificbeat/palau-third-pacific-nation-to-withdraw-kosovo-recognition/10761630

セルビア テレグラフ
https://www.telegraf.rs/english/3025576-paradise-country-palau-is-the-last-one-which-withdrew-the-recognition-of-kosovo-incredible-sights-from-this-country-will-take-your-breath-away-photo


ちなみに下記が2009年に米国ワシントンでパラオのトリビオン大統領(当時)が、コソボを国家承認したという当時のニュース

バルカン インサイト
http://www.balkaninsight.com/en/article/palau-is-56th-state-to-recognise-kosovo/1615/15
「パラオが56番目のコソボ承認国となった」とあります。


外務省 コソボ基礎データ
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/kosovo/data.html#section1



バルカン半島を巡る国際情勢について全くの素人なのですが、外務省の基礎データと報道から気になることがいくつかあるので、書いてみます。

下記は外務省のコソボ基礎データから。
・2018年1月現在、コソボの独立承認国は107カ国以上。
・コソボは2008年2月に独立宣言を行った。
・日本は2008年3月、コソボを国家承認し,2009年2月25日に外交関係樹立。
・2009年にコソボは世銀、IMFに加盟。他の国際機関加盟を目指す。
・2015年10月、EU・コソボ安定化・連合協定署名、2016年4月発効。

下記は報道から。
・国連加盟国の中では、過半数の100カ国以上がコソボを国家承認している。
・米国、主な欧米諸国はコソボを国家承認。
・国連安全保障常任理事国のロシアと中国はコソボを国家承認しない。
・コソボは国連に加盟できていない。
・これまで太平洋島嶼国は、一致してコソボを国家承認していた。
・過去6カ月の間に、パプアニューギニア、ソロモン諸島、そしてパラオが承認を取り消した。
・コソボ首相は、セルビアが財政支援で小島嶼国を寝返らせたと指摘。
・パラオが、気候変動に関して、国連での支持を求めたことが背景にある。

自分としては下記が気になるところです。
・コソボ対セルビアとした場合、日米欧豪NZはコソボ側、中露はセルビア側。
・セルビアが国連加盟国であり、コソボは未加盟国。
・気候変動問題に対する米豪中露のスタンスの違い。
・観光関連?

特に、セルビアが国連加盟国でコソボが未加盟国というところに、ひっかかるところがありました。

トンガが1998年に台湾の国家承認を取り消し断交、中国と外交関係を結んだ時のこと。当時の報道からですが、その動きには複数の理由があり、その一つが、当時トンガが国連加盟を目指していたことにあります。トンガが国連加盟を目指し、さまざまな支援を求めていた時、台湾は国連加盟国ではない一方で、中国は国連加盟国でしかも安全保障理事会常任理事国。そして1999年9月、トンガは国連加盟を実現しました。

パラオに関しては、民間部門で、東欧周辺国と何らかの繋がりがあるような報道が時々出されることがあります。今回のコソボ承認取り消しの背景が、単純で薄いものなのか、あるいはもっと深い何かがあるのか、気になります。
1/26太平洋島嶼国セミナー(地域秩序関連)(2)[2019年01月27日(Sun)]
1/26のセミナーでの議論について少し、補足したいと思います。

まず中国について。

昨日は大変短い時間で回答しなければならない状況にあり、日本の対応についてはセッション2に任せる必要があるため、中国の進出について誤った理解がなされたかもしれません。

僕が常々話しているのは、要は、「中国の手法は非常に巧みであるため、日本側はこれを冷静に分析し、知恵を使って賢く対応すべき」という考え方です。

例えば、法を犯すだとか腐敗だとか明確な根拠がないのに、「中国の島嶼国における経済援助は『悪い』」と主張し、島嶼国に対して頭ごなしに「中国は悪いから援助を受けるな」と否定するのではなく、何層にも知恵を出して対応すべき、というもの。雑なやり方では、かえって日本の立場を貶めます。

例えば「Debt trap」という言葉に躍らされず、実際の現地の状況を冷静に見極め、trapにさせないためには何をすべきか考え、知恵を使い対処するというもの。

次にイギリスについて。

自分はフィジーにいた時に感じていたことですが、イギリスは大きな支援をしているわけではありませんが、そこに外交プレゼンスがあること、すなわち現地外交使節としてさまざまな場面に大使(高等弁務官)が参加されること、大使館(高等弁務官事務所)があることが重要で影響力があると感じていました。南太平洋では、厳然たる存在感があります。援助額ではありません。そこにいてしっかり見ていることが非常に意味があります(もちろん、特に人材育成など、さまざまな支援をしていますが)。それを踏まえて。

イギリスの太平洋島嶼国への外交プレゼンス強化には、昨年4月のロンドンでのコモンウェルス首脳会議後に出された報道からも、イギリスにとってはBrexit後の、コモンウェルス諸国との関係再強化という側面があるのは確かです。セミナーではそのように話しました。

その文脈で9カ国に高等弁務官事務所(大使館)を開設するとして、うち2カ所が2000年代半ばに閉館したバヌアツとトンガ、1カ所が新たにサモア。いずれも中国のプレゼンスが高い国々です。

昨日は言い切れなかったのですが、報道を読むだけでも、次のことがわかります。(リンクは報道の例)

4/6  チャールズ皇太子  バヌアツ訪問。
(訪問自体は1年前に決定)

4/9  オーストラリアのメディアが「中国がバヌアツの第2の都市ルーガンビルに軍事基地を建設する」と報じる。

4/16-20  ロンドンでコモンウェルス諸国首脳会議開催

4/19  ボリス・ジョンソン英外務・英連邦大臣(当時)発言。

高等弁務官事務所(大使館)設置の理由に繁栄の促進、安全保障問題、自然環境の3つの理由があるとしています。

4/26  オーストラリアの要請で、太平洋への支援拡大
他の報道では明確にボリス・ジョンソン外相(当時)のコメントがありましたが、豪州が英国に要請したとのこと。

12/16〜 ロンドンWilton Parkで、英国、NZ、太平洋諸島フォーラムが、気候変動と強靭化に関するフォーラムを開催

1/21  英国・NZ 共同声明


現地も米豪NZ英もカナダも、ももちろん日本政府も、昨年来、大変活発な取り組みを進めています。特にそれらは、rule based order, maritime order, 経済繁栄(貿易投資、観光)、気候変動に関連したものとなります。

自分は民間側ですが、個人的にはパラオでの活動では、最前線でせめぎ合いの中にいると感じています。

昨日のセミナーでは、自分は、日本の役割についての議論に参加する立場にはなく、残念ながら日本は何もできないような、諦めのような結論が出されていたように感じました。

しかし。いやいや、まだまだ日本が担うべき役割があるし、できることがありますよ!現地を多層的に多角的に分析すれば、より効果的に。

日本の安全保障のためにも、まだまだやれることがあるのに、諦めるという選択肢はありえません。
1/26太平洋島嶼国セミナー(地域秩序関連)(1)[2019年01月27日(Sun)]
昨日1/26、都内で一般財団法人 平和・安全保障研究所主催セミナー「太平洋島嶼国の地域秩序の変容と日本の役割」が開催されました。
「太平洋島嶼国の地域秩序の変容」と「太平洋島嶼国に対する日本の役割」の2部で構成され、僕も声をかけていただき1つ目のセッションにパネリストとして参加させていただきました。

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僕自身は、2003年からこれまで、現地においてさまざまな立場で実務を行い、まさにその変化の中にい続けています。特に2012年以降は、大変強い危機感を持って、仕事に取り組んでいます。

太平洋島嶼国については、住民レベルから、地方自治体、政府職員、政府高官、議員、閣僚、首脳クラスと、地域機関、サブリージョナル機関、国際機関、先進国側開発パートナーとは担当官レベルから、次長、事務局長らと、おそらくこれまで2000回以上、もっと多いかもしれませんが、意見交換や真剣な話し合いを行ってきました。

自分は引いた立場で俯瞰できる学者ではなく、現地のさまざまな動きの中にいたことが多く、文献にまとめられていない一次情報を持っていたり、自分自身がそうであったりするため、セミナーでは毛色が違っていたかもしれません。

自分としては、そもそものタイトルにある「太平洋島嶼国の地域秩序」という言葉がわかりにくい(本来、地域秩序の中に国や未独立地域などがある)ため、「太平洋島嶼地域秩序を構成する多層的枠組みと地域秩序の変化」と題して、現地の状況を紹介しました。図も作りましたが、いずれも何かの文献から引いたものではなく、現地や日本での取り組みで実感しているものを整理したものでした。

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しかし、人との話に基づいた情報では客観性がかけたり、間違いもあります。そのため、実体験や一次情報をベースにしながら、古くはフォスターの「War or Peace」、国連憲章11章、12章、ANZUS条約や米国コンパクト(パラオ、ミクロネシア連邦、マーシャル)などの条約やPIFの1971年から毎年出されるコミュニケ、経済関連協定、地域宣言、現地報道なども読んで、内容を深掘りしたり、精度を高めたつもりです。

また、セミナーでは、近畿大の畝川先生がモデレーターを務められ、東海大の黒崎先生は第2セッションのパネリストで参加されました。

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財団でカッティングエッジ・シリーズという太平洋島嶼国との率直な対話(実際は、「自分が現地でこれまで重ねてきた対話の空気感」を日本で再現して、日本にいる方々に、現地のリアルな状況を認識していただきたいというのが大きな目的の一つ)を続けており、その空気感で話してしまったため、もしかすると場を乱してしまったかもしれません。
パラオ観光客数の変化:日本、台湾の観光客市場シェア回復なるか。。。[2019年01月24日(Thu)]
昨年1年間のパラオ訪問者数が、中国人観光客バブル以前の2012年約12万人のレベルに戻りました(バブル時代最盛期は2015年の17万人弱)。

年毎の全訪問者数と国別の内訳は下記のとおりです(数字は概数)。
(パラオ政府資料)*資料には一桁まで記載されています。

2011年 全体103,903人(*デルタ成田パラオ直行便就航2010年12月下旬)
台湾3.2万、日本3.7万、韓国1.5万、中国1600、北米8400、欧州4300

2012年 全体118,928人(*9月、10月、パラオ-香港直行便(Palau Airways)就航)
台湾4万、日本3.8万、韓国1.8万、中国3700、北米8300、欧州5000

2013年 全体110,823人(*JALチャーター便減便)
台湾2.8万、日本3.6万、韓国1.8万、中国9300、北米8400、欧州5500

2014年 全体125,674人
台湾3.1万、日本3.8万、韓国1.6万、中国2.1万、北米8600、欧州5400

2015年 全体168,764人(4月、天皇皇后両陛下のパラオご訪問)
台湾1.5万、日本3.1万、韓国1.2万、中国9.1万、北米8800、欧州4600

2016年 全体146,629人
台湾1.5万、日本3万、韓国1.2万、中国7万、北米8500、欧州4300

2017年 全体122,050人(*ANAチャーター便就航)
台湾9500、日本2.6万、韓国1.3万、中国5.5万、北米8500、欧州5000

2018年 全体115,964人(*5月デルタ成田パラオ直行便終了)
台湾1.1万、日本2.4万、韓国1.3万、中国5万、北米8400、欧州4500


パラオにとっての観光客市場は、
2005年〜2014年の間は、1位と2位が、日本か台湾で、それぞれ3万前後から4万人前後。韓国が1.5万人。北米8千、欧州5千というところでした。

全体の観光客数も、少しずつ増やしていく話があり(民間経済部門ではなく、環境保護側)、年12万人程度がインフラキャパでも上限と考えられ、下水道整備を整えてから、市場拡大を図るべきという話がありました(例えば、イデオン下院議長、2012当時)。

民間部門は積極的に新しい観光客市場を開拓し、2013年後半から、中国人観光客を新たな市場として、プロモーションを行い、成功し、一気に2014年頃から一気に国別シェアが変化しました。

日本は減少しつつも、何とか踏みとどまってきましたが、台湾が一時期の約4万人というところから、一気に1.5万人と半減し、1万人前後まで落ち込みました。一方で中国が数千人から最大9万人超、昨年も5万人も訪問しています。

2018年は中国が団体観光訪問先リストからパラオを除いたこと、パラオ側がチャーター便を止めたことが影響し、減少したとなっていますが、ほぼ同数の2012年と2018年の内訳を比べてみましょう。
(前者が2012年、後者が2018年の数字)
台湾:4万→1.1万(2.9万減)
日本:3.8万→2.4万(1.4万減)
中国:3700→5万(4.6万増)
韓国:1.8万→1.3万(0.5万減)
北米:8300→8400(横ばい)
欧州:5000→4500(やや減少)

中国だけを見ると、年9.1万人、7万人の2015年〜2016年に大きな環境問題・社会問題が発生していました。また観光客市場で中国がマジョリティを確保する一方で、台湾市場が圧迫され縮小し、日本は伸び悩みました。

現在の中国からの観光客は年5万人程度ですが、それらの観光客の雰囲気や態度が、問題が発生していた時期のものとは異なる良いものに変化しています。おそらく安価な団体旅行が減少し、家族旅行の方々が多いからではないかと現地の方々は分析しています。

もう一度、観光客市場の変化を書くと
(台湾・日本+韓国: 2014)→(中国 日本+台湾・韓国: 2015〜)
となりました。

昨年、全体数が減少しましたが、日本からの直行便が止まったことが響き、シェアの内訳としては2015年以降の傾向が続いています。さらに中国人観光客の雰囲気が良い方に変化しています。

基本にもどれば、台湾も日本も、潜在的観光客数は、4万人前後いるはずであり、全体的に、中国5万、台湾4万、日本4万、韓国1.5万、欧米1.5万、その他1万となれば、年17万人で内訳も安価なグループが少ないものを目指せるはずでした。

実際に台湾が直行便を週2から3に増便するという現地報道や、現地には今年前半にも日本からの直行便再開の噂も流れています。またJALとANAの直行チャーター便が1月から3月は交互に3往復くらいずつ販売されており、いずれもほぼ満席で売れ行きは好調なようです。まずは、台湾と日本の訪問者数の回復と4万人台を目指したいところです。


しかし、実際には、台湾と日本の市場回復が遅れてしまったため、シェア回復のタイミングを逃してしまったかもしれません。


1月31日から香港パラオ直行便を週3往復、マカオ〜パラオ直行便を2週に2往復再開するとの報道がありました。

http://islandtimes.us/papa-to-resume-direct-flights-from-china/?fbclid=IwAR1lXvS4kBWeZhImXwKBJXyqAxKrY8lC4f_m0yIJK946zi-gqYR0hPKP5Cg


昨年の観光客減少は、現地に小休止を与え、環境管理、インフラ整備の時間を与えることとなりましたが、民間部門はこれ以上待てないということなのかもしれません。
トンガの海底ケーブル破損のニュース[2019年01月24日(Thu)]
昨日、トンガの海底ケーブル破損のニュースがありました。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190123-00000049-jij_afp-int
http://www.afpbb.com/articles/-/3207746?cx_part=search

復旧まで2週間ほどかかるそうです。原因が何なのか気になりますが、記事を読んだ限りでは不明です。現地の友人とはしばらく連絡がとれそうにありません。

7〜8年前、トンガではなく、ナウルという島嶼国で、地理的状況は陸の孤島のように見えますが、通信機器の問題が発生したか何かで、1カ月以上、政府ルートでも連絡が取れなくなった時期があったという話を聞いたことがあります(今回のトンガの場合は、衛星通信で、主要な通信は確保できているそうなので、当時のナウルとは異なります)。

この10年、特にこの5年ほどは世銀やADBの投資を通じて、多くの太平洋島嶼国に海底光ケーブルが接続されてきました。これから繋がる地域もあります。海底光ケーブルが繋がることで、情報量が大きく変化し、不利な地理的状況をある程度克服することにもなり、現地の生活の質も飛躍的に変化します。

しかし、今回のニュースは、改めて小島嶼国の脆弱性という弱点を再認識させるものだと思います。

例えば、2017年トンガ、2018年サモア、2018年バヌアツのIMFの4条協議レポートを読んでみると、いずれも公債のGDP比が50%程度ですが、DSA(債務持続可能性分析)は、トンガ、サモアが高リスク、バヌアツが中リスクとなっています。共通のリスク要因として自然災害があげられています。

トンガ・サモアとバヌアツのリスク評価の差は、GDPの差というか、おそらく民間経済部門の差のように思います。

GDPが伸びれば相対的に債務のGDP比は下がり、リスクが低下します。例えばフィジーは、2013年頃から、税制改革などを通じて内需拡大、政府支出拡大をおこなうことでGDPを伸ばし、債務が増えつつも、債務のGDP比は46%程度に安定させています。

バヌアツは確かGDPに占める政府支出は4分の1から3分の1の範囲で、しかも観光部門が強いこと、債務の使用目的が民間経済活性化につながる(バヌアツの場合は実際に結果に表れることが想定される)インフラ投資であることがトンガ・サモアとの違いになっているのかと思います。


さて、今回の海底ケーブル破損がどれだけの経済的損失をもたらすのかは不明ですが、このような通信インフラの脆弱性も、経済リスク要因の1つになるかもしれません。
走ったり出汁について考えたり[2019年01月21日(Mon)]
昨日土曜は、一日中体を休め、今日は溜まっていた仕事に取り掛かりました。
朝7時から、太平洋島嶼地域秩序について考えをまとめ、財団に行き、研究員にとって大変重要な事務作業を行い、帰宅したのが夜の10時前。

財団では、コロラド州議員のブライアン・シオザワさんから丁寧な手書きのメッセージ・カードが届いていました。クリスマスカードありがとうと。デンバーで日本の竹内総領事と会って、良いミーティングだったよと。

2年前にちょっとだけ挨拶しただけでしたが、また繋がれて嬉しい。

帰宅してから、洗濯を2回して、室内に干し、走りに行って帰ってくると0時を回っていました。それでもこんな冬の夜更けに走っている人が結構いて、皆何を目指しているのだろう?

今日は、8日ぶりだったのでかなりきつかった。中目黒〜目黒〜中目黒〜代官山〜恵比寿〜代官山〜中目黒。渋谷をスキップして7.6キロで終了。

先日のパラオ出張で、海に潜る機会がありましたが、自分は真下に潜ることがこれまで出来ませんでした。ところが、鳥羽で海女さんの修行をしている江崎キクさんに一言助言してもらうと、初めて潜ることができました。さすがプロ!

フィジーにいた時に、市場で魚を買ってきて干物を作ったり、市場でカカオの実を買ってきてチョコレートを作ったりしていたのですが、今はせいぜい夕食のチキンスープくらい。しかも粉のダシ。ただ正月にはちゃんと昆布と鰹節から出汁をとって、お雑煮を作り、出汁をとることでスープそのものの価値が高まると気づいた、と話すと、キクさんは、旅館の女将さんでもあるのですが、ちゃんと出汁をとったものでないと苦手だということでした。

毎日は難しいけど、出来るだけ出汁をとることから料理してみようと思います。

昆布と鰹節が、宝物のように思えてきました。

こういう風に思えるようになるのも、地域密着型エコツーリズムの副作用なのかもしれません。
パラオ地域密着型エコツアー2019JAN(3)[2019年01月19日(Sat)]
今回現地で聞いた話では、ストーンパスは300〜500年前ではなく、1700年前に作られたという話がありました。

またアイメリーク州のケズという人工丘は、もともとあった山を削って、平坦な面を作り、農業のために作られたという話のほかに、大蛇の伝説があるケズでは、過去に行われた物理波形調査で、石が螺旋状に積み上げられ、頂上部には祭祀用と考えられる構造があることがわかっているとの話がありました。

いずれも、しっかりとした資料が見つかれば良いのですが…。

ガラロン州には、前にも書いたストーンモノリスがあります。
ツアーに参加していたシニア自然大学の方の助言で、方角を見てみました。

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柱は南北に並んでいて、実はその真ん中あたりのストーンモノリスにはおへそのような出っ張りがあります。南米の遺跡では太陽とされるような形状です。


またそのストーンモノリスでは、あのたまちゃんが元気にしていました。大きくなったね〜。

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ああ、猫飼いたい。


ガードマオ州のタロパッチツアーは、興味がない方には「単なる畑じゃん!」と思われてしまいますが、そこにはパラオの文化とタロイモのつながり、原風景を想像させる田園風景と穏やかな空気を感じることができます。

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このジャイアント・タロは、収穫まで3〜5年、種類によっては8年かかります。収穫できるまで成長してからも、そのまま生やしておくことができます。

一方、クカオという小さいタロ、これは8カ月で収穫され、収穫しないと腐ってしまいます。

ジャイアントタロは黄色っぽく、ホクホクしたもの。クカオはグレーでねっとりしている栗を思わせる味がするもの。育て方が異なり、クカオの方がより水を必要とします。

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クカオは日常生活で、普段からよく食べるもの。ジャイアントタロは成長してからも放置できるので、基本的には冠婚葬祭やイベント用、資金が必要な時の貯金のようなものだそうです。

それにしてもこの風景、自分のパラオの好きな風景の1つです。

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さまざまな緑色が幾重にも重なり、静かに風が吹き、鳥がさえずっています。

このタロパッチがあるガードマオ州は、他の村との戦いを避けてきた歴史があります。他の村から攻められると、お金で解決してきており、その歴史に誇りを持っています。またさまざまな移民を受け入れてきた歴史があります。

ピースフルな土地です。
パラオ地域密着型エコツアー2019JAN(2)[2019年01月19日(Sat)]
昨晩、パラオから戻りました。身体中が筋肉痛です。
今回の出張は、シニア自然大学の皆さんとのツアー参加に加え、日本の海上保安庁モバイルコーポレーションチーム(MCT)による現地海上保安局の訓練と園浦総理補佐官視察(自分は同席のみ)、今後予定している2つの調査に関する現地調整があり、大変濃い5日間の現地滞在となりました。

ツアー参加用の服を着てトレッキングシューズを履いたり、ワイシャツとスーツパンツと皮のブーツを履いたり、短パン一丁と素足で海に出たり。

ツアーでは、前に書いたように、通訳ガイドのような役割を急遽行うことになりました。(早稲田大学博士課程のジェイさんが写真を撮ってくれたので、載せてしまいます)

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アイライ州のストーンパスで。オレンジ色が現地研修員のベルマさん。

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アイライ州のバイで。

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アイメリーク州のバイで。現地研修員のシャーリーンと。

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ガラロン州の古くからの港で、現地研修員のマラさんと。

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ジェイさんも通訳。

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キクさんも通訳。

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徳岡さんも通訳。

各州に日本語を話せる人がおらず、仮に現地で日本語の通訳を雇う場合、少なくとも1日5万円前後の費用がかかること、そもそも人材が少ないことがネックとなります。

そのため、実際にツアーを販売する場合は、英語での実施とする必要があり、参加者にはある程度の英語力(英検3級程度以上)が求められるでしょう。

ツアーは、我々の本来のデザインは、最大4人〜6人のグループを対象に、終日の、可能ならばホームステイと現地食を含む滞在型のものでしたが、今回は6州それぞれが3時間のツアーをデザイン・実施し、ツアー、現地食のランチ、ツアー、現地食の夕食としました。シニア自然大学の皆さんはホームステイとはなりませんでしたが、アイライ州の民家もしくはアパートに滞在し、朝食も含まれていました。

自分たちは、毎日朝8時に宿を出て、夕方5時〜6時までツアーが続き、夕食、夜10時過ぎに宿に戻るという日程となりました。

1日目は終日通訳ガイド役をしていましたが、疲労感がとんでもないくらいありました。2日目はジェイさん、3日目はジェイさんと徳岡さんに助けてもらい何とかもちました。

一方、江崎さんは3日間通訳ガイド役を担い、常にお客さんの雰囲気を盛り上げ、笑顔を絶やさない、プロフェッショナルな姿を教えていただきました。現地研修員の皆さんもたくさん学ぶことがあったと思います。
パラオ地域密着型エコツアー2019JAN(1)[2019年01月17日(Thu)]
先週 14日から16日の3日間、NPO法人 シニア自然大学の田中先生と受講者から厳正な抽選で選ばれた皆さん計19名による地域密着型エコツアー体験ツアーがパラオのバベルダオブ島で行われました。
このツアーはこれまで当財団のプロジェクトで積み上げてきたものを、パラオの地域の皆さんが実践する大切な機会となりました。

ツアーはまだ正式に発売されていませんが、我々のプロジェクトに参加しているガラロン州、ガラード州、ガードマオ州、ガッパン州、アイメリーク州、アイライ州の6州の集約窓口とシニア自然大学事務局さんが直接やりとりをして実現したもので、体験ツアーでしたが、参加者の皆さんは正当な金額を支払い、参加されました。

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パラオ政府からは、レギュレーションサイドの天然資源環境観光省観光局(BOT)とプロモーションサイドの政府観光局(PVA)が全面的にバックアップし、我々の方からは、これまでこのプロジェクトを支援いただいた専門家の方々から鳥羽の海島遊民くらぶ代表の江崎貴久氏、西表島エコツーリズム協会事務局長の徳岡春美氏、当財団の臨時サポーターの早稲田大学博士課程のジェイさん、そして自分も観光客側で参加しました。

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左から江崎さん、徳岡さん、ガードマオ州のマーシーさん、ジェイさん(追加で実施したガードマオ州タロパッチツアー)

我々4人は、参加しつつ、実際には通訳のような役割を担うことになりました。(ヘッドマイク付きスピーカーを持ってきたことは、まあ偶然です)

地域密着型ツーリズムというのは、本来エコツーリズムの一形態とのことですが、特にパラオ現地での「エコツーリズム」の概念を変えるために、我々はあえて、地域密着型エコツーリズムと称しています。これにより、エコツーリズムに地域住民の参画と、自然ばかりでなく文化、現地の日常生活などが明確に含まれることが理解されるようになりました。

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一連のツアー後に現地でインタビューを受けましたが(当初、先方は簡単なインタビューを考えていましたが、かなり踏み込んだ話をしました)、特に今回強調したのは、「地域住民がエコツーリズムにより正当な経済的恩恵を受けること」、伝統社会と密接に繋がる自然環境、食を含む文化、神話・伝承をエコツーリズムを通じて再評価することで「自然・文化が保護・保全されること」(すなわちパラオの人々のアイデンティティを確保すること)でした。
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