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新型インフルエンザ:緊急討論会を開催しました [2009年09月15日(火)]
国内で新型インフルの感染が急激に拡大していることを受けて、9月14日(月)に日本財団ビルにおいて、新型インフルエンザの緊急シンポジウムを開催いたしました。演者の先生方、ご参加いただいたみなさま、本当にありがとうございました。

前半の講演において、東北大学の押谷仁教授は、各国の流行からの教訓やこれまで明らかになった新型インフルエンザ(H1N1)の特徴などを踏まえたうえで、今後の課題について整理してくださいました。



具体的には、これから冬にかけて日本各地での大規模な感染拡大が起こることは確実であり、被害の軽減に向けて、(1)ワクチン、(2)医療体制、(3)公衆衛生対応、(4)個人防御の4つの対策すべてを効果的に組み合わせた「基本戦略」が必要であるとおっしゃいました。

また、各対策を考えるうえでの課題としては、@ワクチンの接種時期と流行期が重複することに伴う接種体制の問題、Aまんえん期に多くの人が診療に殺到することを想定した特別な外来診療体制(発熱外来や電話相談によるトリアージ(選別)により、本当に治療の必要な人が診療や治療を受けられるシステム)の必要性、B重症例が多発した場合のICUなどの医療体制、C感染爆発を抑えるための公衆衛生面での地域社会での対応(学校閉鎖の開始のタイミング)などがあると、指摘されました。



後半は、国立感染症研究所の谷口清州先生と朝日新聞社論説委員の辻篤子先生を交えて、今後求められる対策や体制などに関して、パネル・ディスカッションと参加者との質疑応答が行なわれ、@現在、厚労省からの通知を基に各地域の対策が進められているが、新型インフルエンザ対策のガイドラインには特にまんえん期に必要な対策も盛り込まれているので、あらためて見直す必要があるのではないか、といったことや、A感染者の出社の是非に関しては、業種などにもよるが、基本的には感染者は自宅待機というコンセンサスを社会全体として形成していくべきではないか、B感染症の危機管理という観点からは、中国や米国といった諸外国に倣って感染研のような専門機関が対策を主導する形が望ましいのではないか、といった点について活発な議論が行なわれました。

詳しくは、講演録を近日中にウェブサイトに掲載できるよう準備しておりますので、そちらをご覧ください(5月20日の緊急講演については、こちらをどうぞ)。

押谷先生によると、日本は医療資源にも恵まれており、「対策がうまくいけば」このパンデミックを乗り切ることができるとのことです。しかし、ほとんどの人は軽症で済むけれども、妊婦さんや基礎疾患を持つ方、そして一部には健康な方でも重症化する可能性がある新型インフルエンザです。まずは、個人や組織で「かからない」、「うつさない」努力をし、少しでも被害を軽減できるようにしていきたいと思います。


(岡本 富美子)
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