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秋田の自殺 なぜ減った(朝日新聞)[2008年04月27日(日)]
2008年04月25日23時08分

 12年連続で自殺率が最も高かった秋田県でいま、全国トップレベルの勢いで自殺件数が減っている。借金苦が原因で命が失われることがないように県内で活動をしているグループの効果ともいわれる。その取り組みとは。

    ◇
 「弟の会社がつぶれ、頼まれて金を借りたんです」

 「私の借金はサラ金7社から300万円あります」

 「昨日、過払い金20万円が戻ってきました」

 毎週水曜日の夜、秋田市中心部のビルの1室に、新顔もふくめて約20人ほどの多重債務者がやってくる。夫婦や親子もいる。どうして金を借りたのか、どう返そうとしているのか、順々に語る。

 「秋田なまはげの会」。07年6月、弁護士や司法書士、消費生活相談員ら70人が立ち上げたグループの名前だ。借金を繰り返した多重債務者自身が悩みを共有し、これまでの経験を生かして借金を整理していくのが狙いだ。

 「これで最後というから、明日5万円振り込む約束をしました」と話す女性は、違法な高利を要求するヤミ金融から金を借りていた。「早く縁を切りたいから」と、無理してでも支払おうという気持ちに追い込まれたという。

 「ヤミ金は犯罪者。結局いつまでもつけ込まれるから、絶対返しちゃだめだ」。消費生活相談員の男性が口をはさんだ。「明日朝9時、おにぎり二つ持ってうちの仕事場においで。午後6時になったら一緒に帰ろう。それなら振り込めないでしょ」

 50代の女性は「死なないで良かった」と笑みを浮かべた。90年、心臓病の母親の治療費に銀行から30万円を借りたのが借金の始まりだった。追加の治療費、会社の資金……。借金を重ねるうち、月々の返済は20万円に膨らんだ。「むなしかった。死ぬことばかり考えていた」。そんなとき、新聞の折り込みチラシで会を知り、救われたという。

 整理手続きも終わりかけの女性は、話し出した途端に泣き出した。「ほんとにつらかったから。みんなも頑張って」

 全員が自分のことを話し終えると、それぞれが、過払い金の返還請求や調停に向けた書類の整理などを始める。参加者が、ほかの人の作業を手伝うこともよくある。

 相談に来た人は300人を超え、40人以上が債務を整理するめどがついた。「借金は恥ずかしくて、誰にも話せなかった。ここでみんなに話してから、笑えるようになった」と40代の男性は言った。

 同会の江野栄弁護士は、青白い顔で相談に来た人が、数週間で元気になるのを見てきた。「借金を抱えて心を病んだ人は、いくら病院にいっても、まず借金を整理しなければ治療もうまくいかないだろう」というのが持論だ。

 なまはげの会の取り組みについて「全国クレジット・サラ金問題対策協議会」の代表幹事、木村達也弁護士(大阪弁護士会)は「多重債務を抱えた人自身が語り合う集まりが継続的に行われているのは、全国的にも珍しい。全国で7千〜8千人ともいわれる多重債務による自殺を減らす方向付けをしてくれている」と評価する。

 会設立の中心になった県生活センターの伊藤彬さんは、同じような会のない山形県や青森県で自分たちの活動を地元の弁護士らに紹介し、会を作る準備を手伝っている。「多重債務で苦しんでいる人は日本中にいる。まずは隣の県から始め、いずれは全国へ広げたい」という。
    ◇
 秋田県では、高齢化や過疎化、経済の長年の低迷などと自殺の関連が指摘されている。県警のまとめによると、07年の県内での自殺者は417人。06年と比べて76人減った。多重債務など「経済・生活問題」での自殺者は92人で、58人も減った。

 とくに、なまはげの会の活動が6月にスタートして以降、7〜12月に経済問題で自殺した人は34人。1〜6月と比べて24人も少なかった。

 人口動態統計を基にした内閣府の資料では、07年1月〜11月の全国の自殺者は2万8542人。前年同期より1228人増えた。人口10万人あたりの自殺率では、秋田県の35.4が全国で最も高いままだが、減少率では13.1%と沖縄、山形両県に続き3位。減った人数でみると60人で、全国で一番多かった。
自殺防げ カード切り札(朝日新聞)[2008年03月17日(月)]
2008年03月17日

 坂井市三国町の東尋坊で自殺防止の巡回活動をしているNPO法人「心に響く文集・編集局」(茂幸雄代表)は、自殺予防や心の健康、いじめ、法律問題などで悩みの相談を受け付けている各種団体の連絡先などを紹介したカードを作製し、配布を始めた。ストレスチェックができる機能も備えている。

 カードは縦5.5センチ、横8.5センチの名刺サイズの大きさ。「これからが、あんたの人生や…!」「眠れない、食欲がない、集中できない、気持ちが落ち込む こんな時は休養と気分転換を、そして誰かと悩もう」と呼びかけている。

 裏面に、悩みを抱える人やその家族向けに、各種の相談(心の健康▽いじめ▽法律▽自殺予防▽東尋坊での捜索願▽自殺者の遺族の悩み)を受け付けている団体の6カ所の電話番号を記載している。

 現在のストレスの度合いを測定できる特殊なシートも添付。指を10秒間あてると、ストレス有り▽要注意▽ふつう▽快調の4段階に変色し、現在のメンタル状況を知ることができる。

 代表の茂さん(64)は、自殺防止のためにはメンタル対策の大切さや、悩みを相談できる団体の連絡先を周知する必要があると感じていた。昨年12月に、同編集局事務局長の川越みさ子さん(55)が秋田県で開かれたシンポジウムでこのカードのことを知り、導入を決めた。

 同NPO法人の活動拠点の東尋坊の事務所で、保護した人らに渡したり、講演会の会場で配ったりしている。これまでに講演した福井市、坂井市、永平寺町の中学校にも送付。東尋坊の公衆電話2台にも設置した。茂さんは「相談することで支援も受けられる。一人で悩まず、カードをきっかけに周りの人に相談してほしい」と話している。
いじめ言葉から「学校裏サイト」監視…群大教授ら実証実験へ(読売新聞)[2008年03月07日(金)]
 中高生が使う「学校裏サイト」と呼ばれるネット掲示板を常に検索し、いじめなどにつながる恐れのある書き込みを見つけ出すシステムを群馬大学社会情報学部の下田博次教授(情報メディア論)らが考案、近く実証実験を始める。

 裏サイトでは「ウザイ」(うっとうしい)、「キモイ」(気持ち悪い)「氏ね」(死ね)など35の言葉が掲示板に書かれたのをきっかけに、級友への中傷が始まるパターンが多いことに着目。これらの言葉をコンピューターシステムに検索させ、危険度の高い掲示板を見つける効果を確かめる。

 下田教授は昨年末、生徒が管理人になって運営する群馬県内の学校裏サイト182件の書き込みを、同県のNPO「青少年メディア研究協会」と精査した。その結果、最初から個人攻撃を目的にした書き込みに比べ、一般的な話題で始まりながら、やりとりが続くうちに偶発的に級友に対する中傷に移る例が、圧倒的に多いことがわかった。

 例えば、「うちの学校でかっこいいの誰」という話題で始まった書き込みが、「キモイ」という言葉が書かれたのをきっかけに、「キモイといえば、○×君」などの内容に変わった。下田教授らは、特に35の言葉のどれかがきっかけになっていると考え、これらが掲示板に登場する頻度と文脈を探ることで、書き込みの「危険度」を測れると考えている。実験では、日常生活の中で注目される情報を抽出して整理するコンピューターシステムを3〜4種類使う予定という。トラブルを起こす可能性がある書き込みが見つかった場合、学校に通報。掲示板の危険性を伝え、いじめなどを未然に防ぐ手だてを考えてもらう。

 下田教授は「学校裏サイトは、全国で無尽蔵に増えている。匿名性を高めたサイトも出現した。今のうちに対策を考えないと、学校や親が対応しきれない状況が起きてしまう」と話している。

(2008年3月7日14時33分 読売新聞)
「自殺防げ」首都圏の僧侶15人、宗派超え手紙相談(読売新聞)[2008年03月07日(金)]

届いた手紙を読んで返事を書く藤沢さん(左)、前田さん(中)ら(東京・港区の正山寺で) 自殺者が9年連続で年間3万人を超える中、首都圏の僧侶たちが宗派を超えて団結し、「自死の問い・お坊さんとの往復書簡」と題する手紙相談を始めた。

 何度も手紙をやり取りすることで、悩みを抱えた相談者が本音を吐露し、気持ちの整理をつけ、より良い道を見つけるための手助けをする。胸の内をつづった1通1通に、僧侶たちは丁寧に返事を書いている。

 「往復書簡」を始めたのは、仏教の五つの宗派の僧侶15人で作る「自殺対策に取り組む僧侶の会」。自殺者が急増した1998年以降、自ら命を絶った人を弔う機会も増えた。弔うだけでなく、生きているうちに助けられないか。そう思った僧侶たちが、昨年5月に会を結成。1月から手紙を受け付け始めた。

 会のホームページで呼びかけ、これまでに7人から12通が届いた。家族を自殺で亡くし、自らも病と闘っている人。いじめで傷つき、孤独を抱える人。表情や声はわからないが、何度も書き直した跡や行間から苦しい思いが伝わってくる。

 何人かで手紙を読んで話し合い、代表者がじっくり考えて返事を書く。1通目には「本音」が書かれていないことが多いため、「よろしければ、またお手紙を」と呼びかける。

 電話やメールでなく、手紙にしたのは、「相談者が時間をかけて自分自身と向き合うことができるから」と、会の代表を務める安楽寺(東京都港区、浄土真宗)の藤沢克己・副住職(46)は語る。返信まで1週間ほどかかるが、ゆっくり考えることが大切だと思っている。

 藤沢さんは「東京自殺防止センター」の相談員として月3回、深夜に相談電話を受け、NPO「自殺対策支援センター ライフリンク」でも活動する。心の病や借金の整理の専門家につなぐアドバイスもできるが、活動を通して感じたのは、具体的な解決方法を尋ねる相談者ばかりではないということだった。

 「誰かに聴いてほしいが、周りには打ち明けられる人がいない、という声が多い」と藤沢さん。このため、「説教」は封印し、相手の気持ちを受け止めながら、相談者自身が解決の道に気付くように努めている。文化庁によると、日本には約7万7000の寺があり、約30万8000人の僧侶がいる。「僧侶は昔から地域の相談役でもあった。津々浦々にある寺に、自殺防止の輪を広げられれば」。メンバーはそう願っている。

          ◇

 手紙のあて先は、〒108・0073 東京都港区三田4の8の20正山寺(しょうさんじ)往復書簡事務局。正山寺(曹洞宗)では、前田宥全(ゆうせん)住職(37)が訪問者の相談にも乗っている。

 東京自殺防止センター(電)03・5286・9090(毎日午後8時〜午前6時)

(2008年3月7日03時09分 読売新聞)
相談員養成の受講者募集 栃木、足利いのちの電話(下野新聞)[2008年02月28日(木)]

 自殺予防を目的にボランティアで電話相談を受ける栃木いのちの電話と足利いのちの電話は、二〇〇八年度の相談員養成講座の受講者を募集している。県内の自殺者が十年連続で五百人を超え、予防対策や遺族支援が急務となる中、両事務局は「自殺志向の相談件数も年々増えており、十分な相談態勢を組めるように人材を集めたい」と呼びかけている。

 募集定員は栃木が四十人、足利が二十人。研修期間は二年間で、精神科医や臨床心理士、弁護士らの講義を受ける。受講資格は二十三歳以上。経験や性別は問わない。正式な相談員になるには養成講座修了後の認定審査を受けて資格を取る。

 これまで養成講座の研修費用は栃木が全額自己負担、足利は一部自己負担だった。しかし県は新年度当初予算案に初めて「いのちの電話相談員養成事業費」として百万円を計上しており、県議会で予算案が可決されれば、栃木、足利の受講生に公費が補助され、自己負担が軽減される。

 受講希望者は所定の申込書に必要事項を記入して提出する。申込期限は栃木が三月二十六日、足利が三月十五日。

 問い合わせは栃木いのちの電話事務局、電話028・622・7970、足利いのちの電話事務局、電話0284・44・2200へ。
自殺者遺児の奨学金制度、国民新党が創設へ…月3万円支給(読売新聞)[2008年02月25日(月)]

 国民新党は、自殺者の遺児を対象にした独自の「国民新党奨学金制度」を創設する方針を固めた。27日の党幹部会で決定し、4月から運用を始める。

 給付対象は高校生。10人程度の奨学生に、1人当たり毎月約3万円を支給する。奨学金の返済は不要。党所属国会議員のほか、有志企業などからの寄付で運営する。

 党のホームページなどで5月下旬まで希望者を募集し、6月に綿貫民輔代表らが面接して奨学生を決める。

(2008年2月24日09時29分 読売新聞)
自殺対策費の新年度計上は2市どまり 県内市町で温度差(下野新聞)[2008年02月19日(火)]
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 県内の自殺者(警察統計)が10年連続で500人台に上り、官民挙げての予防対策や遺族支援が急務となる中、新年度当初予算案に自殺対策費を計上する方針を決めた県内の自治体は宇都宮、下野の2市にとどまっていることが、16日までに下野新聞社が全31市町を対象に行ったアンケートで分かった。自殺者を減少させる数値目標を設定した自治体も宇都宮市だけだった。市町の取り組みはまだ緒に就いたばかりだが、温度差も浮き彫りになっている。

 アンケートは一月中旬に三十一市町の首長あてに郵送。「本年度当初予算に自殺対策費をいくら計上したか」「新年度当初予算案にどの程度盛り込む方針か」「自殺率の減少に数値目標を設定したか」など計六問を設け、同月末までに全市町から回答を得た。

 下野市は新年度当初予算案に初めて「自殺予防対策事業費」として七十六万円を計上。同市は「精神科医による月一回の精神保健相談、九月の自殺予防週間に市民対象の講演会や予防啓発のパンフレット配布を実施したい」としている。

 宇都宮市は本年度当初予算案に約百二十万円を計上し、庁内自殺対策連絡会議と関係機関で構成する「市自殺対策ネットワーク会議」を新設、住民対象の意識調査も実施した。新年度は市内在住の五十歳の男性約三千人を対象にしたうつ予防スクリーニング事業を新規に実施、本年度比四倍増の約五百万円を当初予算案に計上した。

 自殺対策費として予算計上していない自治体の中にも、小山市や茂木、都賀町など九市町が別の事業費でうつ予防講演会や産後うつのアンケート、精神疾患の早期発見に向けた医師の健康相談を実施。「新年度から心のチェックシートを全戸配布して自己診断に活用してもらう」(高根沢町)などの自治体もある。

 一方、自殺者数や自殺率の減少を目的に数値目標を設定した自治体は宇都宮市だけ。同市は年間百人強の自殺者を一〇年度までに七十人以下に抑える目標を打ち出している。〇五年の市内の自殺者数が十二人だったさくら市は「三月に策定する健康増進計画の中で一七年度までに自殺者をゼロにする目標を立てたい」としている。

 年間の自殺者が三万人を超える中、国は〇六年六月に自殺対策基本法を制定。政府も〇七年六月に自殺総合対策大綱を閣議決定し、一六年度までに自殺者を20%以上減らす目標を掲げている。
昨年のネット自殺書き込み、警察が本人特定105人(読売新聞)[2008年02月14日(木)]

 昨年1年間にインターネット上に書き込まれた自殺予告のうち、警察が本人を特定できたのは105人で、前年を41人上回ったことが、警察庁のまとめでわかった。

 このうち72人は、警察の説得や救護措置で一命を取りとめた。

 ネット上には依然として多数の自殺サイトが開設されており、警察庁は、危険な書き込みについては、即座に個人情報を開示するよう業界団体に協力を求める。

 同庁によると、全国の警察が、第三者からの通報などをきっかけに、昨年1年間に把握した自殺予告は前年比46件増の121件。この中の16件は、書き込み主がネットカフェや職場のパソコンを利用するなどしていたため、本人を突き止められなかったが、105人はプロバイダーの情報などから特定した。

 うち9人が実際に自殺を図ったものの、警察や家族が救助。自殺予告した女性の自宅を割り出し、首をつったところを警察官が間一髪で助けて、病院に搬送したケースもあった。63人は説得によって自殺を思いとどまり、残る33人はいたずらなどだったため、死者は1人もいなかった。

 予告方法では、掲示板への書き込みが68件で最も多かった。掲示板で集団自殺に参加しようとした人から相談を受け、警察官が待ち合わせ場所に向かい、車の中で七輪を燃やして自殺しようとしていた男女を説得したり、いじめを理由にネット上で自殺予告した子どもを思いとどまらせたりしたケースもあったという。

 警察庁と総務省では2005年8月、電気通信事業者協会などネット関係4団体と運用指針を結び、自殺の日時や場所などが具体的に書かれるなど切迫性がある場合、プロバイダーから書き込んだ人物の個人情報の提供を受けることになった。しかし、この指針は必ずしも徹底されておらず、警察の照会に容易に応じないプロバイダーもあるため、同庁は改善を求める。

(2008年2月14日11時11分 読売新聞)
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