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町田洋次のネット・ソフト化経済センター
ソフト経済についての最新のコラムです。
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インソーシング[2007年06月29日(Fri)]
アウトソーシングに対するコンセプト。

研究開発や製品開発で社外の頭脳を求める経営はオープンソース・イノベションであるが、賃金の安い外国に外注するのと区別するために、アメリカでは新しい言葉で「インソーシング」といい始めている。

ネットで解決したい問題を発したとき回答のある国は米国、ロシア、東欧、中国、インドが多い。

そんな頭脳がいるのは、前3カ国は軍事技術が開放されたり、軍需研究の研究者が民間へ移動しているからだろうと思う。

アメリカの経営者がソ連の軍事都市の研究所を訪れ、未解決の研究開発問題を話したところ「それはこの研究所の○○が解いてしまってますよ」という話があった。これなどは軍事研究の頭脳が民間に移動していることを象徴している話である。

中国とインドは賃金の安い国でアウトソーシングの対象国であるが、同時に頭脳の源泉にもなっている。人口の多い国なので低賃金労働力もいるが高頭脳もいるのが面白いところである。

オープンソース・イノベーションでは、社内で解くことができなかった問題について、社外で解いてしまっている人を探したり(意外なことに探すとそういう人材がいる)、解決のためのヒントやアイデイアを得て開発の生産性を上げる。

前回カナダの金鉱山会社ゴールドコープが、探査データを公開し、金のありかを探すコンペをやったことを書いたが、入選した人びと、1位オーストラリア、2位カナダ、3位ロシア、をカナダに呼び、鉱山関係者を集めてセミナーを開いた。

こうして入選者は業界の有名人になり注文が殺到、1位のオーストラリアの若手鉱山研究者はコンサル会社をつくり大もうけした。

こんなことがあるので一山当てたいと思ってる頭脳が応募し、オープンソース・イノベーションは進む。

こんな現象から日本はずいぶん遅れてしまってるが同様なことが起こるはず、またまた混乱が始まるんです。
Posted by mics at 08:43 | この記事のURL
ゴールドコープ[2007年06月27日(Wed)]
この会社はカナダのトロントに本社がある小さな金鉱山だが、オープンソースの手法で、今鉱脈を当て大成功した象徴的な例としてアメリカでは有名な会社である。

オープンソースはコンピュタプログラムを開発するとき使う手法であるが、それを研究開発、新製品開発でも使い、例えばP&Gは製品開発構想の半分近くが社外からの知恵で、「コネクト+ディベロップメント」プログラムとして社内に定着しているようだ。

研究開発や製品開発は最も社内に隠すべき知的資産だが、それを公開し社外から知恵を導入することがアメリカの企業で始まってるのは驚くべきことである。

日本の企業にはないことで、日本でもそうなるのかどうか、経営者が清水寺の舞台から飛び降りるほどの勇気のいるのですぐにそうなるとは思えないが、そんな出来事を象徴するのがゴールドコープである。

ロブ・マキューアンは投資信託の若手マネジャーだったが、衰退の極みにいたこの会社を買収して立て直そうと思った。

まず1000万ドル探査予算をつけて230万u鉱区で地質調査を行い埋蔵金を探した。

9本のボーリングで金があることはわかったが埋蔵量はわからない。社内の地質専門家は金のあり場所と埋蔵量を予測したが、掘ってみなくてはわからないと自信のない回答をしたので掘削は進まなかった。

鉱山会社ならどこにでもある問題で簡単に解ける問題ではない。

マキューアンは悩みに悩んでいるとき、99年MITスローンスクールの1週間の経営者向けプログラムに参加した。そのときリナックスなどのオープンソースの講義があり、聞いているとき「とつぜん閃いた」ことがあった。

会社に帰って地質データを公開、社外の専門家に探査データを分析してもらうアイディアを提案したが、鉱脈情報は極秘に隠すのが鉱山会社の常識だったので賛同が得られない、そこで経営者や地質の専門家を説得し、「ゴールドコープ・チャレンジ」をやってみることにした。

このプログラムは会社のサイトに探査データを公開し、世界中から分析結果を求めるもので、最終審査に残った25人、そこから選ばれた3人に57万ドルの賞金を与えることにした。

2000年のはじめに数週間で熱狂的な反応があり、51カ国の1400人がデータをダウンロードし、15カ国の140人が回答をよせた。

回答は110ヶ所で金が埋蔵されており、半数が会社の専門家が予想していない場所だった。さらに驚いたことに、地質の専門家だけでなく数学、物理、コンサルタント、コンピュータシステム、コンピュータ・グラフィックスの専門家が応募しており、コンピュタグラフィクスの専門家の提案が優勝した。

こうして掘削に投資して金を掘り当て、株価が急上昇しゴールドコープの会社価値は1億ドルから90億ドルとなった。創業者のマキューアンが金融の専門家だったので、株式投資を熱心に呼びかけたからである。

この成功は
・業界の鉱脈情報は隠すという業界常識を破った
・社外のプロが参加しやすい「参加の構造」があった、鉱脈情報が目の前にあるのであとは並べ替えて分析するだけと応募しやすかった
・オープンソースで問題を解決したことを社会に広報し、ジャーナリストや投資家の好奇心を引いた
など、成功した要素はいろいろ混じっている。

こんなわけで、ただオープンソースであれば成功するわけではなく、社外の知恵の集め方、問題の出し方、知恵を集めたあとの社内での加工度合いを高める方法など、経験知のノウハウがなくてはできない。

研究開発や新製品開発をオープンソースでといっても、すぐにできることではなく、やっているうちに自然に方法を発見するたぐいのことで、早くやればノウハウはたまる。

ロンドンの革新的なシンクタンク「デモス」はこうしたやり方を「プロアマ革命」、コンピュータのプロが鉱脈探査のアマチュア領域で成果を出す、と呼んだが、なるほどである。

ネットワーク社会が進化し、企業経営が画期的に変りはじめた事例である。

なお、マキューアンはこの会社で儲けたあとやめて、ユタ州で同じようなことをやって再び当てようとしているそうだ。
Posted by mics at 12:52 | この記事のURL
ウィキペディアがTV、新聞に勝った話[2007年06月25日(Mon)]
05年7月7日朝、ロンドンの地下鉄でテロ爆発が起こったが、爆発18分後ウィキペディアに第一報が投稿され「電圧急上昇が原因と言われてる」と書かれた。

数分後から他のユーザーも参加しその日が終わるまで2500人以上が書き込み記事は14ページを越えた。

これはどのTVや新聞が流した情報よりも詳しく、ウィキペディアの力を示した好例になった。

この話は「ウィキノミックス」(日経BP、ネットワークが経済や経営を画期的に変える実例をたくさん書いた本)に出てくる話である。

ウィキペディアは百科事典だと思ってたが、イギリスではこんな使い方があったのです。百科事典という固定観念があったので予想外の使われ方で驚きましたが、なるほどそういう使い方もあるだろうと納得しました。

日本ではこんな使い方を聞いたことがありませんが、事件が起こるとまずウィキペディアを見るなんてことになるのでしょうか。
Posted by mics at 08:47 | この記事のURL
ブログで人物判定[2007年06月22日(Fri)]
個人情報保護で、どんな人物かを判定するとき、調べたり聞いたりできない時代になってます。

そこでブログを読み、人物判定をやり始めてるらしい、アメリカでは採用のときに人事部がそれをやっているようです。

なるほど、「文は人を現す」ですからブログは人物判定にはいいツールです。

そうなるとブログを書いてない人の判定はできませんが、どんな人物かわからなければ採用しずらい、それだけで不利になります。

この話を聞き、ネットで不特定多数に自分を売り込んでなければ損をする時代になってるんだと思いました。

そこでボランティア活動や趣味の会でもなんでもいいんですが、日々の活動をブログに記述することは必要不可欠なことになってきていることを感じます。

ブログを人物判定に使うなんて予想外のことですが、ありうる話で面白い。
Posted by mics at 09:48 | この記事のURL
ユーチュブ日本語版[2007年06月20日(Wed)]
昨日ユーチュブの日本語版がアップされました。

見てみると、ページが日本語で書かれてるだけでなく、投稿ビデオは日本語製が多く、ビデオの会話が日本語で安心します。

英語版も使い慣れてしまえばいいんですが、子供や高齢者には敷居が高い、その点日本語版だとずっと気楽に扱えます。

携帯電話やデジカメでビデオが撮影できる時代になってきたので、日本語版への投稿は増えるでしょう。

アメリカのユーチュブでおばあさんのエスニック料理(移民前の母国の料理)のビデオが人気になった話がありますが、おばあさんが守っている地方料理なんて話題になるかもしれません。

これでユーチュブを日常自然に使うようになる感じがします。
Posted by mics at 10:41 | この記事のURL
英語圏のネット世界[2007年06月18日(Mon)]
ネット進化論の梅田望夫さんのブログにこんな話があった。

シリコンバレーでアメリカ人と話してるとき、エンジニアをどこから手に入れるかの話題になったとき、「今はリトアニアかハンバリーがいいんじゃないか」と自然にこたえたのをみて、梅田さんはこういう話が自然に出てくる点が日本語圏だけのネットと英語圏のネットの違いだと驚いた話が出てくる。

このあたりのことは日本にないので皮膚感覚では理解できないが、頭では理解できる。

日本だっていつか世界中から頭脳を仕入れる時代が来るだろうが、それがいつごろか見当もつかないぐらい先のことだろうから、英語圏のネット世界はますます先に行ってしまう。

なんとかしなくてはいけない困った事態である。
Posted by mics at 17:32 | この記事のURL
携帯電話を生活に使う:US[2007年06月15日(Fri)]
米AT&Tの調査によると、アメリカで携帯電話をビジネスだけでなく生活に使う傾向が最近増えてきたらしい。

02年では、携帯電話の月間利用時間は男性589分に対し女性は394分、05年にはこれが男性571分に対し女性424分になり、今年は男性458分に対し女性は453分になった。

男性はビジネス用、女性は家族や友人との通話に使ってるので、女性の利用時間が増えたのは携帯が生活に入りこんできたことを物語る。

アメリカではこの5年間携帯電話の成長は女性の需要に支えられて伸びており、しかも用途が生活なのは、日本に追いついてきた。

そうなると生活や遊び用途の携帯コンテンツ開発が進むので、日本のコンテンツを輸出するようなことが起こるのだろうか。

そんな動きはまだ聞かないが、アニメ、マンガにつぎ今度は携帯コンテンツの輸出が話題になりそうな感じがする。
Posted by mics at 09:19 | この記事のURL
ビデオ指紋ツール[2007年06月13日(Wed)]
YouTubeは無断で投稿されたビデオについてコンテンツ保有者の映画会社やテレビ会社から訴訟にあってますが、そこでグーグルは「ビデオ指紋ツール」を開発し、タイムワーナーとディズニーとともに新しいビデオ識別技術をテストするらしい。

これに成功したら年内にすべてのコンテンツ保有者にこの識別ツールを提供し、コンテンツの保有者側から削除できるようにするんでしょうが、これで訴訟問題を解決するつもりです。

画像の自動判別は難しい技術だといわれていたが、グーグルなら開発してしまうのがすごいところです。

コンピュータが著作権侵害の画像を自動削除できれば著作権問題はなくなる、弁護士の力でなく、技術開発力でこれをやってしまうのがグーグルで、さすがです。

この技術で投稿ビデオを自動解読して、広告を自動掲載するなんてことも出来るんでしょうから、YouTubeのページは膨大な広告スペースに変る、そうなると広告で稼ぐというグーグルモデルはますます威力を発揮することになります。

技術力のすごさを見せてくれるのがグーグルで、日本の会社の技術開発といっていることが小さく見えてきます。

現在は「技術開発のコンセプト」が何段階も世代をかえて飛躍を始めたことを感じます。
Posted by mics at 16:36 | この記事のURL
コムスンとライブドアの類似性[2007年06月11日(Mon)]
コムスンの折口氏とライブドアの堀江氏は同じ間違いをしたが、それは収穫逓増原理を信奉し、不正をやってもなにがなんでもシェアトップを目指した経営方針にあったという説がある。

製造業では収益逓減原理が働き、ソフト産業には収益逓増原理が働くのはその通りで、ソフト産業では折口氏や堀江氏のような失敗が起こりやすい。

ブライアン・アーサースタンフォード大教授は、ハーバード・ビジネス・レビューに(97年12月・1月号)に「収穫逓増とビジネスの新世界」を書いた。

このあたりから収穫逓増原理の信奉者が現れ、なにがなんでもシェアトップという経営が流行りだしたのだが、その途中で不正が発覚し、社会から糾弾を受けて、経営が危うくなる事態になってしまった。

アーサー教授は、収穫逓増原理が働くビジネスモデルが完成する途上で、そうした事件が起こりやすいことは指摘してないが、ソフト産業では起こりやすい事件であった。

折口氏はテレビに出て、昨年の介護保険改正で訪問看護では収益はでなくなってるが、それでも事業を続けるのは社会貢献だといっていたが、それならもっと早く社会性を標榜し、経営の中に埋め込んでおけばよかったのにと思う。

ソフト産業では第二の折口、堀江氏のような不祥事はこれからも出てくるだろう。備えるべきことは起こったときのリスクヘッジ策で、やりかたはいろいろあるが、収益逓増産業ではそれは不可欠なものだということを教えてくれてるように思う。
Posted by mics at 11:10 | この記事のURL
内定ブルー[2007年06月08日(Fri)]
新聞に「内定ブルー」が出てましたが、面白いネーミングです。

学生の就職で売り手市場なので早めに内定し、おかげでこんな会社に入ってよかったのかと悩む期間が長くなったり、企業のほうでは他に行きやしないかと心配する期間が長くなる現象をいいます。

新種のブルーです。

就職戦線は10年以上も企業の買い手市場だったのでこんな心配は忘れてましたが、市場は売り手に変わってしまったのでこうなってしまった、悩みはつきません。

昔なら、優秀な内定者を保養所に囲い込む、同窓の先輩をつけて常時ウォッチするなんてやってましたが、現在はネットを使ってつなぎとめることをやっているらしい。

内定者フォローSNSをつくり、内定者と人事部、内定者同士でぺちゃくちゃやるサービスが盛況のようです。

ネットはブルーを直す特効薬になるんでしょうか。

4月に内定すると入社まで1年ありますので、「何事」かできます。「何事」を開発するのは面白いことです。

内定者SNSでなく、社内SNSに入れてあげて、1年前倒しでネット仮社員にしてしまってはどうでしょうか。
Posted by mics at 10:12 | この記事のURL
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