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平成30年版 子供・若者白書(概要版)(PDF版) [2018年08月31日(Fri)]
平成30年版 子供・若者白書(概要版)(PDF版)
http://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h30gaiyou/pdf_indexg.html
第4章 子供・若者の成長のための社会環境の整備
第1節 家庭、学校及び地域の相互の関係の再構築
1 家庭教育支援
→文部科学省は、家庭教育支援チームの組織化などによる保護者への相談対応や学習機会の企画・提供、様々な課題を抱えた家庭に対する訪問型家庭教育支援など、地域における家庭教育支援体制の構築を推進している。

2 地域と学校の連携・協働 (文部科学省)
⑴ 地域と学校が連携・協働する体制の構築→
幅広い地域住民や企業・団体等の参画により、地域と学校が連携・協働して、学びによるまちづくり、地域人材育成、郷土学習、放課後等における学習・体験活動など、地域全体で未来を担う子供たちの成長を支え、地域を創生する「地域学校協働活動」を全国的に推進してい る。
⑵ 保護者や地域住民等の学校運営への参加→コミュニティ・スクールの一層の普及・啓発を図るため、コミュニティ・スクールの未導入地域への支援や導入地域における取組充実への支援、コミュニティ・スクール推進員の派遣といった施策を進めている。平成29(2017)年度には、コミュニティ・スクールと地域学校協働本部などとの一体的推進を目指し、「学校を核とした地域力強化プラン」の事業として、コミュ ニティ・スクールについて、未導入地域での体制づくりへの支援や運営の充実などに係る補助事業 を行った。
⑶ 学校評価と情報提供の推進→各学校や設置者の取組の参考となるような学校評価ガイドラインの策定などにより、地域と共にある学校づくりと学校評価を推進している。

3 地域全体で子供を育む環境づくり
⑴ 放課後子ども総合プランの推進→
平成26(2014)年7月に文部科学省と厚生労働省が連名で「放課後子ども総合プラン」を策定。学校施設(余裕教室や放課後等に一時的に使われていない教室等)を徹底活用して、放課後児 童クラブ及び放課後子供教室の一体型を中心とした取組を推進している。
⑵ 中高生の放課後等の活動の支援→文部科学省では、地域の多様な経験や技能を持つ人材・企業等の協力により、土曜日等の教育活動を行う体制を構築し、地域と学校が連携・協働した取組を支援している。経済的な理由や家庭の事情により、家庭での学習が困難であったり、学習習慣が十分に身についていない中学生、高校生等に対して、地域住民の協力等による原則無料の学習支援(地域未来塾)を推進。厚生労働省では児童館の整備を推進している。

⑶ 地域で展開される多様な活動の推進
(環境学習)
→環境省は、「持続可能な開発のための教育」(ESD:Education for Sustainable Development) の視点を取り入れた環境教育により地域で推進するリーダーとなる人材の育成に努めている。文部科学省は、子供がその発達段階に応じて、環境の保全についての理解と関心を様々な機会に深 めることができるよう、学校教育や社会教育において環境教育を推進している。
(自然体験)→文部科学省は、広く体験活動に対する理解を求めるための家庭や企業に対する普及啓発を推進。独立行政法人国立青少年教育振興機構は、国立青少年教育施設の立地条件や特色を活かした自然体 験活動の機会と場の提供を行っている。林野庁は、森林内での様々な体験活動を通じて、森林と人々の生活や環境との関係についての理解 と関心を深める森林環境教育を推進。 環境省は、国立公園等の優れた自然地域において自然観察会等を開催することにより、子供達に自 然環境の大切さ等を学ぶ機会を提供している。
(警察による社会奉仕活動やスポーツ活動の場の提供)→警察は、少年の社会奉仕活動や生産体験活動といった社会参加活動、警察署の道場を開放した少年柔剣道教室をはじめとするスポーツ活動を行うなど、少年の多様な活動機会の確保と居場所づくりを推進している。
(スポーツへの参加機会の拡充)→文部科学省では、いつまでも健康で活力に満ちた長寿社会を実現するため、スポーツ医・科学等の知見に基づき、ライフステージに応じた運動・スポーツに関するガイドラインの策定・普及に取り 組んでいる。また、スポーツを通じた健康増進に関する施策を持続可能な取組とするため、域内の体制整備及び運動・スポーツに興味・関心を持ち、習慣化につながる取組を支援している。
(文化芸術活動の推進)→文部科学省は、実演芸術に身近に触れることができる機会の提供、伝統文化・生活文化等を体験・修得できる機会を提供する取組に対する支援など、子供の文化芸術体験活動を推進している。
(花育活動の推進)→農林水産省は、花壇作りやフラワーアレンジといった花や緑との触れ合いを通じて子供に優しさや 美しさを感じる気持ちを育む「花育活動」を推進。 (都市と農山漁村の共生・対流の促進)農林水産省、文部科学省、総務省は、子供の学ぶ意欲や自立心、思いやりの心、規範意識を育み、 力強い成長を支える教育活動として、子供の農山漁村での宿泊体験活動に関する取組に支援を行っている。

⑷ 体験・交流活動等の場の整備
(青少年教育施設)
→独立行政法人国立青少年教育振興機構は、国立青少年教育施設を通じて、様々な体験活動などの機 会を提供している。
都市公園)→国土交通省は、自然との触れ合いやスポーツ・レクリエーション、文化芸術活動といった多様な活 動を行う拠点となる都市公園の整備を推進している。
(スポーツ活動の場)→文部科学省は、総合型地域スポーツクラブなどの地域におけるスポーツ環境の充実を図っている。
(自然公園)→環境省は、国立公園等において、歩道、園地、休憩所などの安全で快適な公園利用施設の整備を推 進している。
(水辺空間の整備)→国土交通省、文部科学省、環境省は、地域の身近に存在する川などの水辺空間(「子どもの水辺」)における環境学習・自然体験活動を推進するため、「『子どもの水辺』再発見プロジェクト」を実施 している。
(レクリエーションの森の整備)→林野庁は、自然休養林などの「レクリエーションの森」の活用を推進している。
被災地における学び・交流の場づくり)→文部科学省は、学校・公民館などを活用して、被災した子供たちの放課後や週末などにおける安心 安全な居場所づくりや学習・交流活動を支援している。
(道路、路外駐車場、公園、官庁施設、公共交通機関等のバリアフリー化の推進)→国土交通省は、「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」(平18法91)(以下「バリアフリー法」)に基づき、施設など(旅客施設、車両等、道路、路外駐車場、都市公園、 建築物など)の新設などの際の「移動等円滑化基準」への適合義務、既存の施設などに対する適合努力義務を定めるとともに、「移動等円滑化の促進に関する基本方針」において、平成32(2020) 年度末までの整備目標を定めている。平成29(2017)年度においては、バリアフリー法を取り巻く環境の変化を踏まえ、また、2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会を契機とし て、共生社会の実現を目指し、全国において更にバリアフリー化を進めるため、バリアフリー法の改正案を第196回国会に提出した。
・国土交通省と警察庁は、バリアフリー法における重点整備地区内の主要な生活関連経路を構成する 道路に設置されている信号機などについては、平成32(2020)年度までに、原則として全ての当 該道路において、音響信号機、歩行者感応信号機などの信号機の設置、歩行者用道路であることを表示する道路標識の設置、横断歩道であることを表示する道路標示の設置などのバリアフリー化を実施することを目標としている。
(公園遊具の安全点検)→国土交通省は、遊具の安全確保を図り、安全で楽しい遊び場づくりを推進するため、「都市公園に おける遊具の安全確保に関する指針」の周知徹底に取り組んでいる。


4 子供・若者が犯罪等の被害に遭いにくいまちづくり
⑴ 子供・若者が犯罪等の被害に遭いにくいまちづくり
(通学路やその周辺における子供の安全の確保のための支援)
→警察は、通学路や通学時間帯を考慮したパトロール活動の強化に加え、子供が助けを求めることができる「子供110番の家」の活動に対する支援を行っている。
(道路、公園等の公共施設や共同住宅における防犯施設の整備等の推進)→警察庁は、「安全・安心まちづくり推進要綱」に基づき、防犯に配慮した公共施設などの整備・管理の一層の推進を図っている。
・警察庁、国土交通省、経済産業省と建物部品関連の民間団体からなる「防犯性能の高い建物部品の開発・普及に関する官民合同会議」は、一定の防犯性能を有する「防犯建物部品」の開発とその普及に努めている。
(児童福祉施設や幼稚園などにおける災害対応の推進)→国土交通省は、児童福祉施設や幼稚園等の要配慮者利用施設を保全するため、土砂災害から人命を 守る施設の整備を重点的に実施している。

⑵ 安心して外出や外遊びができる環境の整備
(通学路の交通安全対策)
→文部科学省、国土交通省、警察庁は、通学路における交通安全の確保に向けた取組を推進してい る。
(子供の不慮の事故防止)→消費者庁は、「不慮の事故」が子供の死因の上位を占めている現状を踏まえ、「子どもを事故から守 る!プロジェクト」を推進している。
(生活道路における交通安全対策の推進)→警察庁と国土交通省は、生活道路における子供などの安全な通行を確保するため、車両の速度抑制方策を効果的に組み合わせ、市街地や住宅地における人優先エリアの形成を図っている。
(自転車利用環境の整備)→国土交通省と警察庁は、車道通行を基本とした安全な自転車通行空間を早期に確保するため、「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」(平成28年7月一部改定)の周知を図っている。また、平成29(2017)年5月に施行された「自転車活用推進法」(平28法113)に基づき、自転車の交通ルール遵守の効果的な啓発や、歩行者・自転車・自動車の適切な分離など、安全で快適な自転車利用環境の創出に向けた取組を推進している。

次回は、同じく第4章「第2節 子育て支援等の充実」からです。
平成30年版 子供・若者白書(概要版)(PDF版) [2018年08月30日(Thu)]
平成30年版 子供・若者白書(概要版)(PDF版)
http://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h30gaiyou/pdf_indexg.html
第3章 困難を有する子供・若者やその家族の支援

第3節 子供・若者の被害防止・保護
1 児童虐待防止対策
(図表 17 児童相談所における児童虐待に関する相談対応件数、図表 18 警察が検挙した児童虐待事件)
・児童虐待について→発生予防から自立支援までの一連の対策の更なる強化を図るため、平成29 (2017)年4月に全面施行された「児童福祉法等の一部を改正する法律」(平28法63)では、初めて子供を権利の主体として法律に位置付けるなど児童福祉法の理念を明確化するとともに、子育て 世代包括支援センターの設置、市町村及び児童相談所の体制の強化、里親委託の推進等の所要の措置を講ずることとされた。さらに、平成 29年 5月に成立した「児童福祉法及び児童虐待の防止等に関する法律の一部を改正する法律」(平29法 69)では、虐待を受けている児童等の保護を図るため、家庭裁判所が都道府県等に対して保護者への指導を勧告することができることとする等、児童等の保護についての司法関与を強化する等の措置を講ずることとされた。( 図表 19 児童福祉法等の一部を改正する法律の概要 図表 20 児童福祉法及び児童虐待の防止等に関する法律の一部を改正する法律の概要あり)

(発生予防)→文部科学省は、保護者の子育て不安の軽減や孤立感の解消のため、地域における就学時健診の機会 を活用した子育て講座や、家庭教育に関する学習機会の提供、家庭教育支援チームによる相談対応 等の取組を支援。 ○厚生労働省では、児童福祉法等の一部改正を踏まえ、法定化された子育て世代包括支援センターを 核として、産婦人科・小児科の医療機関等の地域の関係機関と連携しながら、妊娠期から子育て期 までの切れ目ない支援を提供する仕組みの全国展開を図ることとしている。さらに、乳児家庭全戸訪問事業及び養育支援訪問事業を、全ての市町村において実施することを目指している。
(早期発見・早期対応、保護)→文部科学省では、学校へのスクールソーシャルワーカー及びスクールカウンセラーの配置の充実等、児童虐待を早期に発見し迅速かつ的確に対応できる体制の整備を進めている。児童福祉法等の一部改正に伴い、市町村は、子供とその家庭及び妊産婦等を対象に、実情の把握、 子供等に関する相談全般から通所・在宅支援を中心としたより専門的な相談対応や必要な調査、訪問等による継続的なソーシャルワーク業務までを行う機能を担う拠点(市区町村子ども家庭総合支援拠点)の整備に努めなければならないとされたことを踏まえ、当該支援拠点の設置を推進。児童相談所全国共通ダイヤル(189)について、平成28(2016)年4月に、音声ガイダンスの短 縮や、平成30(2018)年2月に携帯電話等からの着信についてコールセンター方式の導入などの改善を進めている。警察では、街頭補導や相談活動、通報、事件捜査・調査を通じて、児童虐待事案の早期発見・被害 児童の早期保護に努めており、関係機関との連携を強化しながら子供の安全の確認及び安全の確保 を最優先とした対応を行っている。法務省の人権擁護機関は、児童虐待事案の情報を認知した場合は、事案に応じて、児童相談所などと連携し、子供を一時保護させたり、加害者に対して説示を行うなど適切な対応をとり、被害を受けた子供の救済に努めている。

(社会的養護の現状と課題)→厚生労働省は、ケア形態の小規模化を図るため、乳児院、児童養護施設、児童心理治療施設、児童自立支援施設を対象とした小規模グループケアの実施や、グループホームの設置を進めている。厚生労働省は、里親支援事業や、児童養護施設と乳児院への里親支援専門相談員の配置により、地方公共団体における里親委託推進に向けた取組を促しているほか、毎年10月を里親月間として定め、里親制度の普及促進に係る集中的な取組が地域の実情に応じてなされるよう要請している。
(施設退所児童等の自立支援策の推進)→厚生労働省は、社会的養護の下で育った子供の自立への支援の充実を図るため、家賃相当額や生活 費の貸付を行う事で安定した生活基盤を築くための「児童養護施設退所者等に対する自立支援資金貸付事業」の創設等を実施。
施設機能の充実)→厚生労働省は、児童養護施設、乳児院、児童心理治療施設、児童自立支援施設、母子生活支援施設 の5つの施設運営指針、里親及びファミリーホーム養育指針、第三者評価の基準により、施設運営の質の向上を図っている。
(被措置児童等に対する虐待の防止)→厚生労働省は、「被措置児童等虐待対応ガイドライン」により、被措置児童等への虐待の防止を図っている。

2 子供・若者の福祉を害する犯罪対策
⑴ 子供・若者の福祉を害する犯罪対策
→警察は、積極的な取締りと被害者の発見保護に努め、検察は、積極的に関係法令を適用し、厳正な科刑の実現に努めている。

(子供の性被害問題) 図表 21 福祉犯の被害に遭った 20 歳未満の者→平成26(2014)年6月、児童買春・児童ポルノ禁止法が一部改正され、平成27(2015)年7月から自己の性的好奇心を満たす目的での所持・保管罪について適用が開始された。政府では、平成29(2017)年4月に犯罪対策閣僚会議において策定された「子供の性被害防止プラン」(児童の性的搾取等に係る対策の基本計画)に基づき、児童買春、児童ポルノの製造等の子供の性被害を許さない国民意識の向上を図るとともに、児童に対する加害行為に使用されるツールに着目した対策などを総合的に推進している。平成28(2016)年度より、関係する民間団体等及び行政機関から構成される「子供の性被害撲滅対策推進協議会」(事務局:警察庁)が開催されている。 内閣府では、平成29(2017)年7月、「青少年の非行・被害防止対策公開シンポジウム」を開催し、「子供の性被害の根絶を目指して」をテーマとして、基調講演やパネルディスカッションを行った。警察は、児童買春・児童ポルノ禁止法による積極的な取締りなどを行っている。
(出会い系サイトやSNSの問題)→警察では、子供が援助交際を求めるなどのインターネット上の不適切な書き込みをサイバーパト ロールによって発見し、書き込みを行った子供と接触して直接注意・助言などを行うサイバー補導を推進している。 図表 22 出会い系サイト及び SNS に起因する事犯の被害に遭った 18 歳未満の者

(子供の犯罪被害の防止)→文部科学省は、「第2次学校安全の推進に関する計画」(平成29年3月閣議決定)に基づき、学校における安全管理を推進している。また、元警察官などからなるスクールガード・リーダーによる学 校の巡回等を行っている。警察庁は、法務省から子供を対象とした暴力的な性犯罪に係る受刑者の出所情報の提供を受け、犯罪の予防や捜査の迅速化への活用を図っている。警察は、子供が被害に遭った事案や、子供に対する犯罪の前兆と思われる声掛けやつきまといの発生に関する情報が、迅速に保護者などに対して提供されるよう、警察署と学校・教育委員会との間 で情報共有体制を整備している。政府では、平成29(2017)年5月、人身取引対策推進会議の第3回会合を開催し、我が国における人身取引による被害の状況や、関係省庁による人身取引対策の取組状況等をまとめた年次報告「人身取引対策に関する取組について」を決定・公表するとともに、引き続き、人身取引の根絶を目指し、「人身取引対策行動計画2014」に基づく取組を着実に進めていくことを確認した。

⑵ 犯罪被害に遭った子供・若者とその家族等への対応→警察は、少年補導職員による指導助言や被害者に対するカウンセリングを継続的に行っており、文部科学省は、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、関係機関とのネットワークを活用するなど多様な支援方法を用いて、被害を受けた子供の心のケアを支援する活動を推進している。

次回は、「第4章 子供・若者の成長のための社会環境の整備」です。
平成30年版 子供・若者白書(概要版)(PDF版) [2018年08月29日(Wed)]
平成30年版 子供・若者白書(概要版)(PDF版)
http://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h30gaiyou/pdf_indexg.html
第3章 困難を有する子供・若者やその家族の支援
第1節子供・若者の抱える課題の複合性・複雑性を踏まえた重層的な支援の充実

3 非行・犯罪に陥った子供・若者の支援等
⑴ 総合的取組
(家庭、学校、地域の連携)
→多様化、深刻化している少年の問題行動の個々の状況に着目し、的確な支援を行うため、学校、警察、児童相談所、保護観察所といった関係機関が「サポートチーム」を構成し、適切な役割分担の下に連携して対処。 ○警察署の管轄区域、市町村の区域等を単位に、全ての都道府県で学校警察連絡協議会が設置されている。また、非行少年、不良行為少年その他の健全育成上問題を有する子供に関する情報を警察・ 学校間で通知する「学校・警察連絡制度」が各地で構築されている。警察は、退職した警察官などをスクールサポーターとして警察署などに配置するとともに、学校からの要請に応じて派遣するなどしている。
・「更生保護サポートセンター」では、保護司が駐在し、様々な関係機関・団体と協力し、保護観察を受けている人の立ち直り支援や、非行防止セミナー、住民からの非行相談等を行っている。
・少年鑑別所は、「法務少年支援センター」として、少年や保護者などの個人からの相談に応じて情報の提供・助言等を行っている。

⑵ 非行防止、相談活動等
(非行少年を生まない社会づくり)
→警察は、少年の規範意識の向上及び社会との絆の強化を図るため、「非行少年を生まない社会づくり」の取組を全国的に推進している。
(非行防止教室)→警察は、職員の学校への派遣や少年警察ボランティアなどの協力により、非行防止教室を開催。法務省は、非行問題に関する豊富な知識や保護観察対象者に対する処遇経験を有する保護司が、直接小・中学校へ赴き、非行問題や薬物問題をテーマにした非行防止教室を開催したり、問題を抱えた子供への指導方法などについて教師と協議することを通じて、小・中学生の犯罪・非行の未然防止と健全育成を図っている。
(相談活動)→青少年センターでは、相談活動や街頭補導、有害環境の適正化に関する活動が行われている。警察では、相談窓口を設け、少年補導職員や警察官などが、必要な指導や助言を行っている。また、電話相談窓口「ヤングテレホンコーナー」を設置、FAXや電子メールによる相談も受け付けるなど、相談者が利用しやすい環境の整備を行っている。 法務省は、人権擁護委員や法務局・地方法務局の職員による相談対応を行っている。また、少年鑑別所でも、「法務少年支援センター」として保護者や学校関係者などからの相談に応じている。「更生保護サポートセンター」でも、保護司が親などからの相談に応じている。 (補導活動)→警察は、全国に設置された少年サポートセンターを中心として、少年警察ボランティアなどと連携し、繁華街や公園といった非行が行われやすい場所に重点を置いて、家出少年などの発見・保護活動及び深夜はいかいなど不良行為少年に対する補導活動を推進し、問題行動を早期に発見して、少年及びその保護者に対する的確な助言・指導を行っている。
(事件の捜査・調査)→警察は、非行少年を発見した場合は、必要な捜査や調査を行い、検察官や家庭裁判所、児童相談所といった関係機関へ送致または通告するほか、その少年の保護者に助言を与えるなど、非行少年に対して適切な指導がなされるよう措置。
・検察官→警察からの送致などを受けて必要な捜査を行い、犯罪の嫌疑があると認めたときは、事件を家庭裁判所に送致する。その際、処遇に関する意見を付している。
(非行集団対策)→警察は、非行集団の実態把握を徹底し、取り締まりによる、非行集団の弱体化と解体、少年の非行 集団及び暴力団への加入阻止や離脱支援、暴走族対策などの取組を推進している。

⑶ 薬物乱用防止 (図表 13 薬物事犯で検挙された 30 歳未満の者)
政府→「第四次薬物乱用防止五か年戦略」(平成25年8月)及び「危険ドラッグの乱用の根絶のための緊急対策」(平成26年7月)に基づき、薬物乱用の根絶に向けた総合的な対策を推進している。
・内閣府→薬物乱用の危険性や正しい知識を 青少年に分かりやすく伝えるため、薬物乱用 対策マンガを作成して内閣府ホームページに掲載したり、相談窓口の周知を図るなどの啓 発活動を推進している。
・警察→薬物密輸・密売組織の実態解明及び その壊滅に向けた取締り、関係機関との連携 による水際対策の強化などにより、薬物供給を遮断するとともに、規制薬物や指定薬物の乱用者の徹底検挙、子供に対する薬物乱用防止教室、 大学生や新社会人に対する薬物乱用防止講習会などを行い、薬物需要の根絶を図っている。
・法務省→少年院において、薬物に対する依存のある者を対象に、薬物非行防止指導を実施。刑事施設では、麻薬や覚醒剤などの薬物に対する依存がある受刑者を対象に、薬物依存離脱指導を実施している。保護観察所では、保護観察に付されている者に対し、自発的意思に基づく簡易薬物検出検査を実施するとともに、一定の条件を満たした者に対して認知行動療法などに基づく薬物再乱用防止プログラムを実施している。
・文部科学省→小学校、中学校、高校において薬物乱用防止教室を開催。また、薬物乱用防止に係る啓発資料を作成し、広く配布している。
・厚生労働省→インターネットを利用した密売事犯や外国人による密売事犯などに対する取締りの強化、危険ドラッグの指定薬物への迅速な指定、検査命令及び販売等停止命令の実施、危険ドラッグのインターネット販売店についてプロバイダなどに対して削除要請、地域における薬物乱用防止・薬物依存症に関する相談体制の充実、医療提供体制の充実等を実施している。

⑷ 少年審判
(受理の状況)→平成29(2017)年における少年保護事件の全国の家庭裁判所での新規受理人員は、73,353人であった。
(処理の状況)→平成29(2017)年における少年保護事件の既済人員は74,441人、終局決定別にみると、審判不開始が38.4%と最も多く、次いで保護処分が22.7%
となっている。

⑸ 加害者に対するしょく罪指導と被害者への配慮
(被害者への情報提供などの様々な制度や取組)
・警察は、捜査状況などに関する情報を可能な限り被害者などに提供するように努めている。
・法務省は、検察庁において、被害者に、事件の処理結果などの情報を提供している。少年院、地方 更生保護委員会、保護観察所において、少年院での処遇状況に関する事項や仮退院審理に関する事 項、保護観察の開始・終了や保護観察中の処遇状況に関する事項を通知している。
(被害者の心情を踏まえた適切な加害者処遇)
・少年院や少年刑務所等では、「被害者の視点を取り入れた教育」が意図的・計画的に実施されるよ う、矯正教育や改善指導の充実に努めている。
・保護観察でも、少年が自らの犯罪と向き合い、犯した罪の大きさや被害者の心情などを認識し、被 害者に対して誠意をもって対応していくことができるようになるための助言指導を行っている。

⑹ 施設内処遇を通じた取組等
(少年鑑別所)
・法務省は、再非行の可能性及び教育上の必要性を定量的に把握する「法務省式ケースアセスメント ツール(MJCA)」を効果的に活用し、再非行防止に資する鑑別の充実に取り組んでいる。 (少年院・少年刑務所等)
・少年院では、少年の特性に応じた矯正教育の目標、内容、期間や実施方法を具体的に定めた個人別 矯正教育計画を作成し、きめ細かく処遇を実施している。
(児童自立支援施設)
・厚生労働省は、児童自立支援施設運営指針などにより、児童自立支援施設の質の確保と向上を図っ ている。

⑺ 社会内処遇を通じた取組等
(少年院からの仮退院、少年刑務所等からの仮釈放)

・保護観察所は、引受人などとの人間関係や出院・出所後の職業などについて調整を行い、受入体制 の整備を図っている。
(保護観察)
・複雑かつ困難な問題を抱えた少年に対しては、保護観察官による直接的関与の程度を強めるなどに より、重点的な働き掛けを行っている。
(処遇全般の充実・多様化)
・法務省は、少年院において処遇ケース検討会を実施することなどにより、保護処分の適正かつ円滑 な執行を図っている。
・「刑法等の一部を改正する法律」(平25法49)により、「更生保護法」に基づく保護観察の特別遵 守事項の類型の一つに、社会貢献活動に関する規定が加えられ、平成27(2015)年6月に施行された。 ⑻ 非行少年に対する就労支援等
・少年院や少年刑務所等は、処遇の一環として、就労に対する心構えを身に付けさせ、就労意欲を喚 起し、各種の資格取得を奨励している。また、ハローワークなどとの連携による就労支援を実施し ている。
・保護観察所は、矯正施設や家族、学校と協力し、出院・出所後の少年の就労先の調整・確保に努め ている。協力雇用主に対する支援の強化として、平成27(2015)年度から「就労・職場定着奨励 金」及び「就労継続奨励金」の支給を実施している。
・ハローワークは、少年院や少年刑務所等、保護観察所と連携して、出院・出所予定者や保護観察に 付された少年を対象とした就労支援を推進している。
・厚生労働省は、施設などを退所した若者に対し、日常生活上の援助や就業支援を行う「自立援助 ホーム」(児童自立生活援助事業)の充実に努めている。

4 子供の貧困問題への対応(図表15 児童のいる世帯の状況、図表16 ひとり親家庭の現状)
・「子どもの貧困対策の推進に関する法律」(平25法64)を踏まえ、政府は、平成26(2014)年8 月に子供の貧困対策に関する基本的な方針をはじめ、子供の貧困に関する指標、指標の改善に向けた当面の重点施策、子供の貧困に関する調査研究等及び施策の推進体制等を定めた「子供の貧困対策に関する大綱」を策定、子供の貧困対策を総合的に推進する。
(教育の支援)→文部科学省では、幼児期から高等教育段階まで切れ目のない形での教育費負担の軽減に取り組んでいる。厚生労働省は、「生活困窮者自立支援法」(平25法105)に基づき、生活保護受給世帯の子供を含 む生活困窮家庭の子供に対する学習支援事業を制度化し、貧困の連鎖の防止のための取組を強化している。また、平成30(2018)年度より、高校を中退した人、中学卒業後進学していない人などを含む「高校生世代」や小学生等に対する支援の拡充に取り組んでいる。

(生活の支援)→厚生労働省では、平成28(2016)年度は、相談窓口に関する分かりやすい情報提供やスマートフォンで検索できる支援情報ポータルサイトの活用等による相談窓口への誘導の強化を行いつつ、ひとり親家庭の相談窓口において、子育て・生活に関する内容から就業に関する内容まで、 ワンストップで寄り添い型支援を行うことができる体制を整備し、総合的・包括的な支援を行う体 制整備を行った。放課後児童クラブ等終了後にひとり親家庭の子供の生活習慣の習得・学習支援や食事の提供等を行うことが可能な居場所づくり、母子父子寡婦福祉資金貸付金による経済的支援、保証人なしの場合に有利子となる資金の利率の引下げを行った。
(保護者に対する就労の支援)→厚生労働省では、平成29(2017)年度、自立支援教育訓練給付金について、雇用保険の受給資格があり、一般教育訓練給付(費用の2割:上限10万円)の支給を受けることができるひとり親に対しても、費用の6割(上限20万円)との差額を上乗せして支給することとした。平成 30(2018)年度においては、高等職業訓練促進給付金の支給を受け、准看護師養成機関を卒業した者が、引き続き、看護師の資格を取得するために、養成機関で修学する場合には、通算3年分の給付金を支給する。
(住宅の支援)→国土交通省は、低廉な家賃での公的賃貸住宅の供給の促進、子育て支援施設等の併設による公的賃 貸住宅団地の福祉拠点化への支援などを推進している。
(経済的支援)→厚生労働省は、児童扶養手当について、平成30(2018)年8月支給分から全部支給に係る所得制限限度額を30万円引き上げるとともに、手当額の算定基礎となる所得額から、公共用地の取得に伴う土地代金等を控除する見直しを行う予定としている。また、支払回数について、現行の年3回 から年6回に増やすための関連法案を提出した。

(官公民の連携した取組)→内閣府、文部科学省、厚生労働省及び独立行政法人福祉医療機構は、官公民の連携・協働プロジェ クトとして「子供の未来応援国民運動」を推進、各種支援情報の発信や支援活動を行う団体とその活動をサポートする企業等とのマッチングの推進、民間資金を活用した「子供の未来応援基金」による草の根で支援を行うNPO等に対する支援等を行っている。本基金については、平成 29(2017)年度末時点で約9億7,300万円の寄付が寄せられ、平成28(2016)年秋の第1回支援に続き、平成30(2018)年1月に第2回支援として、公募に申請のあった352団体から、基金事業審査委員会による審査等を経て、79団体を選定し、同年4月からの活動に支援金を交付することが決定された。
・また、内閣府では、「地域子供の未来応援交付金」により、地方自治体が地域の実情に応じて子供の貧困対策を進めていくため、関係行政機関、企業、NPO等との地域ネットワークを形成するための取組を支援。平成29(2017)年度においては、居場所づくりや相談窓口の設置等子供たちと「支援」を実際に結び付ける事業を実施する過程を通じて、関係行政機関等による連携体 制を深化させる事業の実施を可能とするなど、より効果的な事業となるよう見直しを行った。

5 特に配慮が必要な子供・若者の支援
⑴ 自殺対策
→政府では、「自殺対策基本法」(平18法85)に基づく「自殺総合対策大綱」(平成24年8月閣議決定)について、平成28(2016)年から見直しに向けた検討に着手し、「新たな自殺総合対策大綱の在り方に関する検討会」が開催され、平成29(2017)年5月に報告書が取りまとめられ、ICT も活用した若者へのアウトリーチ策の強化を含め「若者の自殺対策の更なる推進」等が提言された。報告書等を踏まえて、新たな大綱の素案がまとめられ、パブリックコメントを経て、同年7月 25日、自殺総合対策会議において大綱の案が策定され、同日、閣議決定された。新たな大綱では、重点施策の一つとして、「子ども・若者の自殺対策を更に推進する」ことが掲げられた。特に若者は、自発的には相談や支援につながりにくい傾向がある一方で、インターネット やSNS上で自殺をほのめかしたり、自殺の手段等を検索したりする傾向もあると言われ、そのため、ICTを活用した若者へのアウトリーチ策の強化を始め、インターネット(スマートフォン、携帯電話等を含む。)を活用した支援策に係る情報提供の強化などにも取り組んでいくこととなっている。

⑵ 外国人の子供や帰国児童生徒の教育の充実等→文部科学省は、外国人の子供の公立学校への受入れや帰国児童生徒を含む日本語指導が必要な児童生徒の教育の充実に当たって、対象児童生徒の数に応じて教員数を算定できるよう、基礎定数化の実施等を行っている。

⑶ 定住外国人の若者の就職の促進等→ハローワークでは、日系人を中心とした定住外国人の若者の就職を促進するため、就業支援ガイダンスを実施している。

⑷ 性同一性障害者等に対する理解促進→法務省の人権擁護機関では、「性的指向を理由とする偏見や差別をなくそう」などを啓発活動の強調事項として掲げ、各種啓発活動を実施。 文部科学省は、性同一性障害や性的指向・性自認に係る、児童生徒への対応について、子供の心情に十分配慮した教育相談の徹底を関係者に対して依頼している。平成28(2016)年4月に、性同 一性障害や性的指向・性自認に係る、児童生徒に対するきめ細かな対応等の実施についての教職員向け資料を公表し、全国の教育委員会等に周知した。

次回は、第2章「第3節 子供・若者の被害防止・保護」からです。
平成30年版 子供・若者白書(概要版)(PDF版) [2018年08月28日(Tue)]
平成30年版 子供・若者白書(概要版)(PDF版)
http://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h30gaiyou/pdf_indexg.html
第3章 困難を有する子供・若者やその家族の支援
第1節 子供・若者の抱える課題の複合性・複雑性を踏まえた重層的な支援の充実
1 子ども・若者支援地域協議会を通じた縦と横の支援ネットワークの構築
→内閣府は、「子ども・若者育成支援推進法」に基づく「子ども・若者支援地域協議会」の設置及び活用を推進するため、平成29(2017)年度は、都道府県及び市町村を対象とした「子供・若者支援地域ネットワーク強化推進事業」を実施。また、困難を有する子供・若者に対する支援に関する調査研究として、平成29年度は、自治体に対し、子供・若者支援に係るネットワークに関する調査を実施した。
(図表 8 子ども・若者支援地域協議会、図表 9 子ども・若者支援地域協議会設置数の推移)

2 アウトリーチの充実→内閣府は、アウトリーチに携わる人材の養成を目的とした「アウトリーチ(訪問支援)研修」、困難を有する子供・若者に対する相談業務に従事する公的相談機関の職員や、NPO法人等の職員を対象に、適切な支援を行うために必要な知見等の習得を目的とした研修を実施し子供・若者育成支援に関わる幅広い人材の養成に努めている。

第2節 困難な状況ごとの取組
1 若年無業者、ひきこもり、不登校の子供・若者の支援等
(図表 10 若年無業者数、図表 11 不登校の状況)
⑴ 若年無業者等の支援
→厚生労働省は、「地域若者サポートステーション」(「サポステ」)において、地方自治体と協働し、職業的自立に向けた専門的相談支援、就職後の定着・ステップアップ支援、若年無業者等集中訓練プログラムを実施している(15〜39歳対象)。

⑵ ひきこもりの支援→厚生労働省は、関係機関と連携の下でひきこもり専門相談窓口としての機能を担う「ひきこもり地域支援センター」の整備を推進。平成30(2018)年度からは、より住民に身近な市町村でのひきこもり支援の充実・強化のため、ひきこもり支援関係機関へのバックアップ機能の強化等を図る。また、継続的な訪問支援などを行う「ひきこもりサポーター」を都道府県又は市町村が養成し、市町村が家族や本人へサポーターを派遣する事業を行っている。

⑶ 不登校の子供・若者の支援→文部科学省は、平成28(2016)年12月に成立した、「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の確保等に関する法律」(平28法105)を踏まえ、不登校児童生徒等に対する教育機会の確保等に関する施策を総合的に推進するための基本的な指針を、平成29(2017)年3月に定め、不登校児童生徒への支援に係る施策として、平成29年度は学校以外の場における教育機会の確保等に関する調査研究を実施し、平成30(2018)年度においても引き続き同調査研究を実施する。

⑷ 高等学校中途退学者及び進路未決定卒業者の支援→文部科学省は、「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の中で、高校 中退の状況を把握し、公表。厚生労働省は、平成29(2017)年度より、「若年無業者等アウトリーチ支援事業」として、高校等とサポステ等との連携により、高校中退者等のニーズに応じたアウトリーチ(訪問)型等による 切れ目ない就労支援を行っている。

2 障害等のある子供・若者の支援
⑴ 障害のある子供・若者の支援
(特別支援教育の推進)→文部科学省は、↓

・地方公共団体が、就学前から学齢期・社会参加までの切れ目のない支援体制整備、特別支援教育専門家等配置、特別支援教育の体制整備を推進する場合に要する経費の一部補助
・文部科学省の委託事業で得られた実践事例を独立行政法人国立特別支援教育総合研究所の「『合理的配慮』実践事例データベース」上で公表し、障害のある子供への「合理的配慮」の充実に役 立つ情報の発信
(障害のある子供たちへの就学支援)→文部科学省と地方公共団体は、障害のある子供の特別支援学校や小・中学校への就学の特殊事情に鑑み、これらの学校に就学する子供の保護者等の経済的負担を軽減するため、保護者等の経済的負担能力に応じて就学奨励費を支給している。
(障害のある子供と障害のない子供や地域の人々との交流及び共同学習)→文部科学省は、平成29(2017)年3月に公示した新しい学習指導要領においても障害のある子供 と障害のない子供との交流及び共同学習の機会を設けることを規定するとともに、教育委員会が主体となり、学校において、各教科やスポーツ、文化・芸術活動等を通じた交流及び共同学習の機会 を設けることにより、障害者理解の一層の推進を図る取組等を行っている。独立行政法人国立特別支援教育総合研究所は、教職員を対象に「交流及び共同学習推進指導者研究 協議会」を開催し、交流・共同学習の理解促進と具体的な方策の普及を図っている。
(スポーツ活動)→文部科学省では、スポーツ関係者と障害福祉関係者が連携・協働体制を構築し、地域において一体 的に障害者スポーツを推進する取組を支援するとともに、障害児を含めた障害者の日常的なスポー ツ活動を推進するため、特別支援学校等を活用した障害者のスポーツ活動の拠点づくりを推進するための支援を実施している。

⑵ 発達障害のある子供・若者の支援
(「発達障害者支援センター」を核とした地域支援体制の強化)
→厚生労働省は、「発達障害者支援法」(平16法167)に基づき、地域において医療、保健、福祉、 教育及び労働といった分野の関係者と連携し、発達障害者やその家族に対する相談支援を推進している。
(学校における支援体制の整備)→発達障害の可能性のある子供は通常の学級にも在籍しており、文部科学省は、発達障害を含む障害 のある子供への学校における支援体制の整備を推進。独立行政法人国立特別支援教育総合研究所は、発達障害に関する正しい理解や支援に関する様々な 教育情報、研修会等のイベント情報等をインターネットを通じて提供するとともに、「発達障害教 育実践セミナー」を開催している。

⑶ 障害者に対する就労支援等→厚生労働省は、障害者雇用率の達成に向け、ハローワークなどにおいて厳正な達成指導を実施、就職から職場定着まで一貫した支援を行う「チーム支援」、一般就労への移行を支援する「就労移行支援」、一般就労が困難な者に対して働く場を提供する「就労継続支援」等を実施。文部科学省では、特別支援学校高等部や高等学校等において、福祉や労働等の関係機関と連携しながらキャリア教育・就労支援を充実させるための研究に取り組んでいる。

⑷ 障害者に対する文化芸術活動の支援→文部科学省は、全国高等学校総合文化祭において、特別支援学校の生徒による作品の展示や実演芸術の発表の場を提供するとともに、小学校・中学校等に障害のある芸術家等を派遣し、車いすダンスの披露や体験等の機会等を提供。また、障害者の優れた文化芸術活動の国内外での公演・展示の実施、助成対象として採択した映画作品のバリアフリー字幕や音声ガイド制作へ の支援等、障害者の文化芸術活動の充実に向けた支援に取り組んでいる。

⑸ 慢性疾病を抱える児童等や難病患者の支援→小児慢性特定疾病対策及び難病対策については、平成27(2015)年1月から「児童福祉法」(昭 22法164)及び「難病の患者に対する医療等に関する法律」(平26法50)に基づく医療費助成制 度や児童福祉法に基づく小児慢性特定疾病児童等自立支援事業が都道府県等において実施され、さらに、難病対策については平成27年9月に、小児慢性特定疾病対策については同年10月に基本方針が策定され、厚生労働省では、これらの法律及び基本方針に基づき小児慢性特定疾病児童等や難病患者に対して、総合的な対策を推進していくこととしている。

次回は、第3章−第1節「 3 非行・犯罪に陥った子供・若者の支援等」から。
平成30年版 子供・若者白書(概要版)(PDF版) [2018年08月27日(Mon)]
平成30年版 子供・若者白書(概要版)(PDF版)
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第3節 若者の職業的自立、就労等支援
1 職業能力・意欲の習得
⑴ キャリア教育・職業教育の推進
(キャリア教育・職業教育の推進)
→文部科学省、厚生労働省、経済産業省の3省は、学校、地域、産業界が一体となって社会全体でキャリア教育を推進する気運を高めるため、「キャリア教育推進連携シンポジウム」を実施。文部科学省と経済産業省は、学校関係者や地域社会、産業界といった関係者の連携・協働による取組を表彰する「キャリア教育推進連携表彰」を実施。文部科学省は、地元企業等と連携した職場体験やインターンシップ及び地元への愛着を深めるキャリア教育を推進している。厚生労働省→企業で働く者などを講師として中学校や高校に派遣し、職業や産業の実態、働くことの意義、職業生活を子供に理解させ、考えさせる「キャリア探索プログラム」を実施している。経済産業省は、先進的な教育支援活動を行っている企業・団体を表彰する「キャリア教育アワー ド」を実施。また、職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力を「社会人基礎力」として整理し、大学教育を通した育成や評価の取組の普及を図っている。
(インターンシップ(就業体験)の推進)→文部科学省、厚生労働省、経済産業省では、「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」(平成9年文部省、通商産業省、労働省)を平成27(2015)年12月に一部改正し、各大学・産業界に周知を行い、インターンシップの普及・促進に努めている。文部科学省では、「子どもと社会の架け橋となるポータルサイト」などにより、キャリア教育の中 核的な取組の一つとして、学校における職場体験やインターンシップの普及・促進に努めている。経済産業省は、長期インターンシップを推進するため、受入促進に向けたツール・メソッドの整備 や産学をつなぐ専門人材のための活用ガイドを策定してホームページで公開している。
(女性若年層に対する啓発)→内閣府は、女性若年層に対して、女性の進出が遅れている理工系などの分野に関して、ウェブサイト「理工チャレンジ(リコチャレ)」による情報発信や仕事体感イベントの開催等を行っている。厚生労働省では、学生が就職先を選択する際に各企業の女性の活躍状況、女性の活躍推進や仕事と育児・介護の両立のための取組も考慮できるよう、「女性の活躍・両立支援総合サイト」を運営。経済産業省は、地域の関係機関と協力しながら、地域事業者の魅力発信や、地域内外の女性・若者・シニア等多様な人材とのマッチングの促進や定着を図る支援イベント等を実施した。

⑵ 能力開発施策の充実
(ハロートレーニング(公的職業訓練))
→厚生労働省は、公共職業能力開発施設のほか、大学を含む多様な民間教育訓練機関なども活用しつつ、公共職業訓練を実施。また、求職者支援制度により、雇用保険を受給できない若者などに対して、職業訓練を実施しつつ、訓練受講を容易にするための給付金を支給し、ハローワーク におけるきめ細かな就職支援を行っている。
(ジョブ・カード、若年技能者の人材育成)→厚生労働省は、平成27(2015)年10月からジョブ・カードを「生涯を通じたキャリア・プラン ニング」及び「職業能力証明」のツールとして活用し、個人のキャリアアップや、多様な人材の円 滑な就職などを促進している。図表 6 ジョブ・カード制度
・若年ものづくり人材の確保・育成を促すため「若年技能者人材育成支援等事業」を実施している。 また、企業内の人材育成に取り組む事業主などに対して訓練経費や賃金の一部等を助成する「人材開発支援助成金」について、「青少年の雇用の促進等に関する法律」(昭45法98)(以下「若者雇用促進法」。)に基づく認定事業主が「特定訓練コース」の対象訓練を実施した場合に助成率 の引き上げを実施し、企業内における若者への技能継承や中核人材の育成を図っている。文部科学省は、大学・専修学校等の教育機関が産業界等と協働し、地域や産業界の人材ニーズに対 応した、社会人等が学びやすい教育プログラムを開発・実証する取組を推進している。

2 就労等支援の充実
⑴ 新卒者等に対する就職支援
(学生に対する就職支援)
→文部科学省は、大学などの就職相談員とハローワークのジョブサポーターとの連携の促進などにより、大学などにおける就職支援体 制を強化。厚生労働省→ ・「新卒応援ハローワーク」を全国に設置し、 広域的な求人情報の提供や、職業紹介、中 小企業とのマッチング、求人開拓、就職支援セミナー・面接会の実施を行っている。 ジョブサポーターによる、就職活動から職場で定着するまでの一貫した担当者制による個別支援や臨床心理士による心理的サポートを行っている。また、大学などへのジョブサポーターの相談窓口設置・出張相談を実施するなど、学校などとも連携を強化。 ・事業主に対して既卒3年以内新卒扱いについて周知を行うとともに、既卒者等の新規学卒枠での応募機会の拡大及び採用・定着の促進を図るため、平成28(2016)年2月より、既卒者及び中退者を対象とした助成金制度を創設し、当該助成金を活用した既卒者等の応募機会の拡大を推進した。
(秩序ある就職・採用活動への取組)→大学生等の就職・採用活動の開始時期については、平成29(2017)年度卒業・修了予定者については、平成28(2016)年度と同様の時期(広報活動開始:3月、採用選考活動開始:6月)が維持された。平成29年度の就職・採用活動においても大きな問題は見られなかったことから、平成 30(2018)年度も同様の時期にすることとなった。約440の経済団体・業界団体を通じて各企業に対し、内閣官房、文部科学省、厚生労働省及び経済産業省から、就職・採用活動開始時期の変更の趣旨に沿った広報活動・採用選考活動を実施する よう要請を行った。

⑵ 職業的自立に向けての支援
(わかものハローワーク等における支援
)→厚生労働省は、フリーター等の正社員就職の推進のため、全国のハローワークでのきめ細やかな職業相談・職業紹介、職業訓練の情報提供・相談などを実施している。
(ジョブカフェにおける支援)→厚生労働省は、都道府県が主体的に設置するジョブカフェ(「若年者のためのワンストップサービ スセンター」)において、企業説明会や各種セミナーを民間団体に委託して実施。
(若者の農林漁業への就業促進)→農林水産省は、若者が安心して農林漁業に就業していけるよう、資金の交付、無利子融資、情報提供、就業相談会を実施するとともに、作業実態や就労条件を理解してもらうためのトライアル雇用、就業の場での研修を進めるための雇い主への助成、教育機関における研修を推進している。

⑶ 非正規雇用対策の推進→厚生労働省は、正社員を希望する人の正社員転換や非正規雇用を選択する人の待遇改善を進めるため、平成28(2016)年1月に策定した「正社員転換・待遇改善実現プラン」等に基づき、各都道府県と連携して、非正規雇用労働者の希望や意欲・能力に応じた正社員転換・待遇改善を強力に推進している。

⑷ 若者雇用促進法の施行による就職支援→平成27(2015)年度に成立した若者雇用促進法に基づく、@新卒者の募集を行う企業による職場情報の提供の仕組み、Aハローワークにおける一定の労働関係法令違反に係る求人者の求人不受理、B若者の雇用管理が優良な中小企業についての認定制度(ユースエール認定制度)等について、積極的な周知を図るとともに、その取組を促進した。

⑸ 若者の「使い捨て」が疑われる企業等への対策の推進→厚生労働省では、若者が安心して働くことができる環境づくりに向けて、過重労働や賃金不払残業など若者の「使い捨て」が疑われる企業等に対する監督指導を行い、労働基準関係法令違反等を確認したため、是正・改善に向けた指導を行った。また、学生アルバイト等の労働条件の確保については、「大学生等に対するアルバイトに関する意識等調査」に続き、「高校生に対するアルバイトに関する意識等調査」を実施し、その結果を踏まえ、平成28(2016)年7月に、文部科学省と連携し、高校生アルバイトが多い業界団体に対し、労働基準関係法令の遵守のほか、シフト設定等の課題への配慮を要請し、平成29(2017)年3月に同内容について再度要請を行った。さらに、厚生労働大臣を本部長とする「長時間労働削減推進本部」において決定した「『過労死等ゼロ』緊急対策」(平成28年12月)に基づき→ ・企業向けの労働時間の把握に関するガイドラインの策定・周知 ・長時間労働等の事案について、企業全体への指導を行う仕組みの整備。 ・企業名公表制度の強化。また、平成30(2018)年4月から、全ての労働基準監督署に、労働時間に関する法制度の周知及び指導を集中的に行うための特別チーム「労働時間改善指導・援助チーム」を編成し、そのチームの業務の一環として、長時間労働の抑制と過重労働による健康障害防止のため、「労働時間改善 特別対策監督官」として任命された労働基準監督官が監督指導を行うこととしている。

3 働き方改革の実現→政府は、若者も高齢者も、女性も男性も、障害や難病のある人も、一度失敗を経験した人も、誰もが活躍できる「一億総活躍社会」の実現を目指し、平成28(2016)年6月には、「ニッポン一億 総活躍プラン」を閣議決定し、関連施策のロードマップを策定。プランでは、働き方改革は一億総活躍社会の実現に向けた最大のチャレンジと位置付けられ、働き方改革の実現を目的とする実行計画の策定等に係る審議に資するため、内閣総理大臣を議長とする「働き方改革実現会議」が平成28(2016)年9月に開催された。同会議 では、時間外労働の上限規制の在り方など長時間労働の是正、同一労働同一賃金の実現などによる 非正規雇用の処遇改善、女性・若者が活躍しやすい環境整備等が議論され、平成29(2017)年3 月に「働き方改革実行計画」が取りまとめられた。本計画では、子供・若者に関して、給付型奨学金の創設など誰にでもチャンスのある教育環境の整備のほか、若者の活躍に向けた支援・環境整備の推進として、高校中退者等に対する就労・自立支援、多様な選考機会の促進、若者の「使い捨て」が疑われる企業等への対応策の強化等が盛り込まれた。引き続き、10年先を見据えたロードマップに沿って、施策を進めていく。


第4節 社会形成への参画支援
1 社会形成に参画する態度を育む教育の推進
(学校教育における取組
)→現行学習指導要領では、例えば、小学校では社会生活を営む上で大切な法やきまりなど、中学校では契約の重要性や、消費者の自立の支援なども含めた消費者行政など、高等学校では消費者に関する問題などについての学習が行われている。平成29(2017)年3月に改訂した新しい小・中学校 の学習指導要領では、例えば、小学校では市町村による公共施設の整備を扱う際の租税の役割や、 売買契約の基礎などについて、中学校では民主政治の推進と公正な世論の形成や選挙など国民の政 治参加や、消費者被害の背景とその対応などについて新たに明記するとともに、平成30(2018) 年3月に改訂した高等学校の新学習指導要領では、「公共」を新設するなど、主権者教育や消費者 教育に関する内容の充実が図られている。
(主権者教育)→総務省と文部科学省で連携して、平成27(2015)年度に作成・配布した政治や選挙等に関する副教材や教員用の指導資料を、平成29(2017)年度においても、副教材を全国の国公私立高等学校等の高校1年生を対象に配布した。
・総務省では、主権者教育の推進に努めている→ ・地方公共団体が策定する主権者教育の長期計画に対する支援。 ・主権者教育アドバイザー制度を創設し、選挙管理委員会及び学校等の教育機関が行う主権者教育の取組を支援。 ・各地の選挙管理委員会と連携し、地域の啓発団体や若者を対象とした研修会等の開催。 ・政治や選挙等に対する理解を深めてもらうよう、若者向けの啓発イベントを開催。
・文部科学省→高等学校における主権者教育の実施状況を調査し公表するとともに優れた取組について共有を図った。さらに、大学等においても、各自治体の選挙管理委員会と連携したキャンパス内における期日前投票や選挙管理委員会におけるインターンシップ等を通じた啓発活動が充実するよう、大学等における先進的な取組を周知している。
(法教育)→法務省は、法教育の普及・発展のため、教材やリーフレットの作成、職員を派遣しての法教育授業を行っている。
(租税教育)→国税庁は、学校からの要請に基づく租税教室への講師派遣、学校の教員を対象とした講習会の開催や、租税教育用副教材の作成・配付、税に関する作文の募集等を実施し、租税教育の充実に向けた 環境整備や支援に努めている。
(金融経済教育)→金融庁は、「金融リテラシー・マップ」の改訂、大学生に対する授業の実施、高校等へ講師の派遣 等により、金融リテラシーの向上を図っている。
(労働者の権利・義務に関する教育)→厚生労働省は、より早い段階から労働法教育を実施するために、高校、大学等での労働法教育プログラムや指導者用資料等を作成し、配布など、高校、大学等における労働法に関する知識のさらなる周知・啓発に取り組んでいる。 (消費者教育)→消費者庁は、消費者教育関連の情報を集約した消費者教育ポータルサイトにおいて、最新教材等の 収集・掲載等の運用などを行っている。文部科学省は、消費者教育の実践事例の報告及び多様な主体との連携・協働による消費者教育を促進する場として「消費者教育フェスタ」を実施。また、地域における消費者教育の推進体制づくり を支援するため、消費者教育アドバイザーの派遣等を行っている。
(社会保障制度についての情報提供・意識啓発)→厚生労働省は、有識者会議「社会保障の教育推進に関する検討会」において作成した高校生向け教材を全国の高等学校に無償配布するとともに、教員向けの研修会を実施するなど、教育現場への普及・啓発活動を行っている。

2 ボランティアなど社会参加活動の推進→学校教育では、総合的な学習の時間や特別活動において、子供の社会性や豊かな人間性を育むため、ボランティア活動をはじめとする社会参加活動が行われている。独立行政法人国立青少年教育振興機構は、「学生ボランティアと支援者が集う全国研究交流集会」 を実施している。

次回は「第3章 困難を有する子供・若者やその家族の支援」からです。
平成30年版 子供・若者白書(概要版)(PDF版) [2018年08月26日(Sun)]
平成30年版 子供・若者白書(概要版)(PDF版)
http://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h30gaiyou/pdf_indexg.html
第2節 子供・若者の健康と安心安全の確保
1 健康教育の推進と健康の確保・増進等
⑴ 健康教育の推進
・学校では、
「学校保健安全法」(昭33法56)に基づき、養護教諭と関係教職員が連携した組織的な保健指導や、地域の医療機関をはじめとする関係機関との連携による救急処置・健康相談・保健指導の充実が図られている。

⑵ 思春期特有の課題への対応
・文部科学省は
、子供が自らの心と体の健康を守ることができるよう、喫煙や飲酒、薬物乱用、感染 症などについて総合的に解説した教材を作成し、小・中・高校などに配布。
・厚生労働省は、シンポジウムやホームページを活用して、喫煙と飲酒による健康に対する影響についての情報提供を行っている。また、10代の人工妊娠中絶実施率や性感染症罹患率、児童・生徒 における痩身傾向児割合の減少を実現することなどを目標とし、正しい知識の普及啓発をはじめとする各種の取組を推進している。

⑶ 妊娠・出産・育児に関する教育
・学習指導要領においては
、学校における性に関する指導として、児童生徒が妊娠、出産などに関する知識を確実に身に付け、適切な行動を取ることができるようにすることを目的、こ れに基づき保健体育科を中心に学校教育活動全体を通して指導が行われている。
・厚生労働省は、専門的知識を有する医師や保健師等による健康教室や講演会の実施等により、妊娠・出産・育児に関する知識の普及啓発を図っている。

⑷ 10代の親への支援
・厚生労働省は
、妊娠・出産・育児について→医師や助産師などから専門的なアドバイスを受ける機会でもある妊婦健診を受けられるよう、必要な妊婦健診の回数、項目に係る費用の全てについて地方財政措置が講じられるよう取り組んでいる。

⑸ 安心で安全な妊娠・出産の確保、小児医療の充実等
(安心で安全な妊娠・出産の確保)
→厚生労働省は、妊娠や出産に係る経済的負担の軽減や、周産期医療体制の整備・救急搬送受入体制の確保、不妊治療への支援、妊娠や出産に関する情報提供や相談支援体制の整備、マタニティマークの普及啓発等に取り組んでいる。
(地域における母子保健の充実)→厚生労働省は、妊産婦と乳幼児の心身の健康保持・増進のため、市町村が行う妊産婦・乳幼児に対する健康診査や保健指導といった母子保健事業を推進している。
(小児医療・予防接種の充実)→厚生労働省は、小児初期救急センター、小児救急医療拠点病院、小児救命救急センターの整備の支援や、小児の保護者等に対し小児科医等が電話で助言等を行う「#8000事業」の支援などにより、小児医療の充実を図っている。

2 子供・若者に関する相談体制の充実
⑴ 相談窓口の広報啓発等
→内閣府では、児童虐待、いじめ、ひきこもり、不登校等の困難を抱えた子供・若者が、適切な機関に相談することができるよう、専門の相談窓口や相談機関に関する情報をホームページに掲載して 周知を図っている。

⑵ 子ども・若者総合相談センターの充
実→内閣府は、子ども・若者総合相談センターとしての機能を担い得る青少年センターをはじめとする公的相談機関の職員などを対象とした研修を実施している。

⑶ 学校における相談体制の充実→
文部科学省は、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置の拡充を図っている。 また、教職員を対象とした研修会などを行っている。 図表 3 スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー参照。

⑷ 地域における相談体制の充実→厚生労働省は、「地域子育て支援拠点」の設置、精神保健福祉センターや保健所、児童相談所における相談の推進、価値観を共有する同世代の仲間による相談・教育活動の普及促進、障害児通所支援を利用する原則全ての保護者に対する障害児相談支援、「子どもの心の診療ネットワーク事業」 の設置等の取組を実施。消費者庁は、全国どこからでも身近な消費生活相談窓口を案内する消費者ホットライン「188」番を運用している。

⑸ いじめ防止対策等
(図表 4 いじめの認知(発生)件数、図表 5 いじめに起因する事件の検挙・補導)参照。
(いじめ防止対策の総合的な推進)→文部科学省は、平成30(2018)年度、引き続き、いじめの問題をはじめとする生徒指導上の諸課題に対する以下の取組を総合的に推進。↓↓
・幅広い外部専門家を活用していじめの問題などの解決に向けて調整、支援する取組促進
・未然防止
・早期発見・早期対応
・教職員定数の加配措置・教員研修の充実
・いじめの未然防止、早期発見・早期対応、事後支援を行うなど、いじめ問題などへの対応に関する実践的な取組の調査研究を実施。
加えて、インターネットや携帯電話を利用したいじめ(インターネット上のいじめ)に対応するため、子供や保護者向けの啓発用リーフレットを、教育委員会などへ配布。また、いじめの 問題に主体的に取り組むリーダーとなる児童生徒を育成するとともに、全国各地での多様な取組の実施を一層推進するため、平成30年1月には「全国いじめ問題子供サミット」を開催した。

・警察は、少年相談活動やスクールサポーターの学校への訪問活動などにより、いじめの早期把握に 努めるとともに、学校などと緊密に連携しながら、的確な対応を推進している。 (いじめの問題に関する相談対応)→文部科学省は、夜間・休日を含め24時間いつでも子供のSOSを受け止めることができるよう、全国統一の電話番号を設定しており、平成28(2016)年度から、より気軽に相談できるよう通話料を無料化(電話番号は0120-0-78310)。また、いじめを含む様々な悩みに関する児童生徒の相談に関して、SNS等を活用する利点・課題等について検討を行うため、平成29(2017)年 7月に有識者会議を開催し、平成30(2018)年3月、「SNS等を活用した相談体制の構築に関する当面の考え方(最終報告)」を取りまとめた。なお、平成30年から地方公共団体に対し、SNS 等を活用した児童生徒向けの相談体制の構築を支援している。
・警察は、少年サポートセンターの警察施設外への設置、少年相談室の整備、少年相談専用電話のフ リーダイヤル化、電子メールによる相談窓口の開設など、いじめを受けた子供が相談しやすい環境の整備を進めている。 法務省の人権擁護機関は、「インターネット人権相談受付窓口(子どもの人権SOS-eメール)」、フリーダイヤルの専用相談電話「子どもの人権110番」(0120-007-110)、全国の小中学生を対象とした「子どもの人権SOSミニレター」(便箋兼封筒)の配布等を行っている。

⑹ 暴力対策等文部科学省は、都道府県・指定都市教育委員会や学校に対して、 ・問題行動が起こったときには、粘り強い指導を行い、なお改善が見られない場合には、出席停止 や懲戒などの措置も含めた毅然とした対応をとること ・犯罪行為の可能性がある場合には、学校だけで抱え込むことなく、直ちに警察に通報し、その協 力を得て対応すること などを求めており、引き続き、都道府県などの関係者を集めた会議や研修会などの場を通じ、周知 徹底を図っていく。警察→校内暴力についても、いじめ同様、スクールサポーターや学校警察連絡協議会などを活用 した情報交換により、早期把握に努め、悪質な事案に対しては厳正に対処するなど、内容に応じた 適切な措置を行うとともに再発の防止に努めている。

3 被害防止のための教育
⑴ 安全教育
(学校における安全教育)
→文部科学省は、学校における学校安全教室(防犯教室、防災教室及び交通安全教室)の講師となる教職員等を対象とした都道府県教育委員会が実施する講習会を支援。平成29(2017)年 度には、防災教育を中心とした新たな安全教育手法の開発等を行うためのモデル事業を行った。
(警察が行う防犯教育・交通安全教育)→警察は、幼稚園や保育所、小学校などにおいて、防犯教室を開催。また、保育所、学校等において、交通安全教育を行っている。
(防災に関する各種取組)→内閣府は、防災推進国民大会、防災ポスターコンクール、防災教育チャレンジプランを実施。消防庁は、ホームページ上に「こどもぼうさいe-ランド」を開設し、幼児から中学生の子供を対象に、地震や風水害などの災害への備えや具体的な対応などを分かりやすく解説している。気象庁は、子供が地震・津波・噴火、大雨などによる自然災害から自らの身を守れるよう、教材・ 資料の公開や避難訓練の支援、教職員向け研修での講義などにより、学校防災教育を支援している。

⑵ メディアの活用能力の向上
(メディアリテラシーの向上
)→総務省は、子供のICTメディアリテラシーを総合的に育成するプログラムの普及や、青少年のイ ンターネットリテラシー等の現状を把握・分析し、「青少年がインターネットを安全に安心して活 用するためのリテラシー指標」として公表する等の取組を行っている。

⑶ 女性に対する暴力の防止→内閣府では、女性に対する暴力の加害者及び被害者になることを防止する観点から、若年層に対する効果的な予防啓発を行うため、若年層に対して教育・啓発の機会を持つ教育機関の教職員、地方公共団体において予防啓発事業を担当している行政職員、予防啓発事業を行っている民間団体等を対象として研修を実施した。いわゆるアダルトビデオ出演強要問題や「JKビジネス」問題等の若年層の女性に対する性的な暴力については、平成29(2017)年3月に設置された「いわゆるアダルトビデオ出演強要問題・『JK ビジネス』問題等に関する関係府省対策会議」において緊急対策を取りまとめ、同対策に基づき同年4月を「AV出演強要・『JKビジネス』等被害防止月間」と位置付け、政府一体となって必要な対策を緊急かつ集中的に実施した。さらに、その実施状況も踏まえ、同年5月、同対策会議において「いわゆるアダルトビデオ出演強要問題・『JKビジネス』問題等に関する今後の対策」を策定し、こうした問題の根絶に向けて取組を推進している。 警察では、防犯教室等において、ストーカーの具体的事例、対応方法等を説明するなどして、被害者にも加害者にもならないための教育啓発を推進している。

次回はこの続き、「第3節 若者の職業的自立、就労等支援」です。

平成30年版 子供・若者白書(概要版)(PDF版) [2018年08月25日(Sat)]
平成30年版 子供・若者白書(概要版)(PDF版)8/25
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第2章 全ての子供・若者の健やかな育成
第1節 自己形成のための支援
1 日常生活能力の習得
⑴ 基本的な生活習慣の形成
(学校教育における取組)

・道徳や特別活動をはじめ学校の教育活動全体を通じて、基本的な生活習慣の形成を図るための指導が行われており、特に小学校低学年において、挨拶などの基本的な生活習慣や社会生活上のきまりを身に付け、善悪を判断し、人としてしてはならないことに関する指導を重視している。
・平成27(2015)年に学習指導要領の一部改正等を行い、平成30(2018)年度から小学校、平成 31(2019)年度から中学校において、「特別の教科 道徳」を全面実施する。
(社会全体で取り組む子供の生活習慣づくり)
・文部科学省は、「早寝早起き朝ごはん」国民運動を推進。平成29(2017)年度より、「早 寝早起き朝ごはん」フォーラム事業や、中学生の基本的な生活習慣の維持・定着・向上を測るための「早寝早起き朝ごはん」推進校事業を実施している。
(食育活動の推進)
・「第3次食育推進基本計画」(平成28年3月18日食育推進会議決定)においては、食育に関する知識、意識、実践について課題が多い若い世代を中心とした食育の推進を重点課題の一つとし、栄養 バランスに配慮した食生活を実践する若い世代を増やす等、若い世代に関する目標も新たに設けて、子供や若者の食育の推進に一層取り組むこととしている。
文部科学省は、全国の公立小中学校等において食に関する指導を行う栄養教諭の配置を促進。厚生労働省は、妊産婦や子育て家庭を対象とした食に関する学習機会や情報の提供を推進。 農林水産省は、「食育ガイド」や「食事バランスガイド」の活用を促進するほか、栄養バランスに 優れた「日本型食生活」の実践や、食や農林水産業への理解を深めるための教育ファームの実施などを推進している。
・内閣府の食品安全委員会は、小学校5・6年生とその保護者を対象とし、食品安全委員会委員との意見交換を通して食の安全について楽しく学び、理解を深めてもらう「ジュニア食品安全委員会」を開催している。

⑵ 規範意識等の育成
・学校教育では、誰に対しても思いやりの心を持つことや広い心で自分と異なる意見や立場を大切にすることに関する指導が行われ、また、伝え合う力の育成を重視し、発表・討論を積極的に取り入れた学習活動が行われている。
・青少年教育施設では、社会性や協調性を育むため、自然体験や集団宿泊体験といった様々な体験活動の機会と場が提供されている。 警察は、職員の学校への派遣や少年警察ボランティアなどの協力により、非行防止教室を開催。総務省は、子供のメディアリテラシー(情報を評価・識別する能力)を向上させるための教材の開発・貸出しや、教員を対象とした授業実践パッケージの提供を行っている。

⑶ 体験活動の推進
・文部科学省は、家庭や企業などへ体験活動に対する理解を求めていくための普及啓発を推進、体験活動の評価・顕彰制度に関する調査研究や体験活動を推進する企業の表彰に取り組んでいる。独立行政法人国立青少年教育振興機構は、社会全体で体験活動を推進する気運を高めるため、青少年団体と連携して、「体験の風をおこそう」運動を推進している。

⑷ 読書活動の推進
・文部科学省は、「子どもの読書活動の推進に関する法律」(平13法154)と第四次「子供の読書活動の推進に関する基本的な計画」(平成30年4月閣議決定)に基づき、子供の読書活動を推進。図書館、公民館、博物館等が住民にとってより身近で利用しやすい施設となるよう、環境整備を推進している。

⑸ 体力の向上
(地域社会での体力向上の取組の推進)

・スポーツ庁は、子供の体力向上に向けた総合的な施策を推進、子供が日常的に運動する習慣の獲得を支援している。
(学校における体育・運動部活動の振興)
・スポーツ庁は、体育・保健体育の授業の充実を図るために、平成29(2017)年度から、現場で抱えている諸課題を解決するプログラムを開発し、普及する取組を実施している。

⑹ 生涯学習への対応
(高等教育機関における学修機会の充実に関する取組)

・独立行政法人日本学生支援機構は、若者の学び直しを支援するため、奨学金制度の弾力的運用を行っている。
(学習した成果の適切な評価)
・中央教育審議会における答申(平成28年5月)では、検定試験について、評価の仕組みの確立や 情報公開の促進による、質の保証・社会的活用の促進について提言されている。 (女性の生涯学習)
・文部科学省は、平成29(2017)年度より、「男女共同参画推進のための女性の学び・キャリア形成支援事業」において、大学等、地方公共団体及び男女共同参画センター等の関係機関が連携し、 実証事業を行っている。

2 学力の向上
⑴ 「確かな学力」の育成
・文部科学省
→現行学習指導要領の円滑かつ着実な実施に向け教職員定数の改善、理科教育設備の整備支援、理数教育や外国語教育その他の各教科や活動の充実を支援。平成30(2018)年度→ ・全国学力・学習状況調査による子供の学力や学習状況の把握・分析。小学校・中学校等における理科の観察・実験活動の充実を図るため、観察実験アシスタントの配置支援や、「理科教育振興法」(昭28法186)に基づいた理科教育設備整備補助。地域の人材・企業などの協力による全ての子供たちの土曜日の教育活動の充実などを行う。
・また、中央教育審議会答申(平成28年12月)を踏まえ、現行学習指導要領の枠組みや教育内容を維持した上で、知識の理解の質の向上を図り、これからの時代に求められる資質・能力を育んでいくことを目指した学習指導要領改訂を行った。平成29(2017)年3月に幼稚園教育要領、小・中 学校学習指導要領を、平成30(2018)年3月に新しい高等学校学習指導要領を公示しており、その理念の実現に向けた施策を着実に進めている。

⑵ 基礎学力の保障等
・文部科学省は、習熟度別少人数指導、ティーム・ティーチング、小学校の専科指導など指導方法の工夫・改善を行う学校や、特別な配慮が必要な学校などに対し、教職員の加配定数を措置してい る。

⑶ 高校教育の質の保証

・文部科学省は、高校教育の質の確保と向上を促すため、学習指導要領の改訂などの多様な施策を実施している。

⑷ 学校教育の情報化の推進
・文部科学省では、新学習指導要領の実施に向けた情報活用能力の育成に関する取組を進め、文部科学省と総務省は連携して、平成29(2017)年度より、教職員が利用する「校務系システム」と、児童生徒も利用する「授業・学習系システム」間を安全かつ効果的・効率的に連携させ、校務 の情報と学習記録データ等を有効につなげて活用することによる、教育の質の向上の実現等に関する実証事業を行っている。総務省では、平成28(2016)年度から「若年層に対するプログラミング教育の普及推進」事業を実施し、平成29(2017)年度には、障害のある児童生徒を対象としたプログラミング教育の実施モデルの実証を行った。更に、平成30(2018)年度は、IoTへの興味・関心を高めた児童生徒が、 放課後に地域で継続的・発展的に学習できる場の管理・運用のためのガイドラインを策定する。

3 大学教育等の充実
⑴ 大学教育の充実
(教育機能の充実)

・文部科学省は、アクティブ・ラーニング、学修成果の可視化、高大接続改革、長期学外学修プログ ラム、卒業時における質保証など新たな教育改革の方向性に合致した先進的な取組を支援する「大学教育再生加速プログラム」事業の実施や情報発信を行っている。
(教育研究の質の維持・向上)
・全ての国公私立大学が文部科学大臣から認証された評価機関による定期的な評価を受ける認証評価制度により、恒常的に大学の教育研究の質の維持・向上を図っている。
(大学院教育の充実)
・文部科学省は、産・学・官の参画を得つつ専門分野の枠を超えて博士課程前期・後期一貫した学位プログラムを構築・展開する「博士課程教育リーディングプログラム」事業を実施し、大学院教育の抜本的改革を支援している。
(学修支援サービス)
・文部科学省は、多様化した学生の学修活動を支援する取組に関する調査の結果を発信することで、 大学の取組を促進している。

⑵ 専修学校教育の充実
・文部科学省は、専修学校教育の振興を図るため→
・より実践的な職業教育の質の確保に組織的に取り組む専修学校の専門課程を文部科学大臣が認定する「職業実践専門課程」制度 。・中長期的な人材育成に向けた産官学の協議体制の構築を進めるとともに、地域や産業界の人材 ニーズに対応した社会人等が学びやすい教育プログラムの開発・実証等を実施する「専修学校による地域産業中核的人材養成事業」

次回は、第2章「第2節 子供・若者の健康と安心安全の確保」からです。
平成30年版 子供・若者白書(概要版)(PDF版) [2018年08月24日(Fri)]
平成30年版 子供・若者白書(概要版)(PDF版)
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第1章 子供・若者育成支援施策の総合的な推進
第1節 青少年育成施策大綱の策定

・青少年の育成に係る政府としての基本理念と中長期的な施策の方向性を明確に示し、保健、福祉、教育、労働、非行対策などの幅広い分野にわたる施策を総合的かつ効果的に推進することを目的、平成15(2003)年12月、青少年育成推進本部において「青少年育成施策大綱」が策定。平成20(2008)年12月に、新たな「青少年育成施策大綱」が策定された。

第2節 「子ども・若者育成支援推進法」の制定と同法に基づく取組(「子ども・若者育成支援推進法」の成立・施行)
・平成21(2009)年の第171回国会に政府提出法案として「青少年総合対策推進法案」を提出。衆議院における修正を経て、同年7月、 ・国における本部の設置、子供・若者育成支援施策の推進を図るための大綱(以下「大綱」とい う。)の作成、地域における子供・若者育成支援についての計画の作成、ワンストップ相談窓口 の整備といった枠組みの整備 ・社会生活を円滑に営む上で困難を有する子供や若者を支援するための地域ネットワークの整備を主な内容とする「子ども・若者育成支援推進法」(平21法71)(以下この節において「法」。)が、全会一致で可決、成立し、平成22(2010)年4月1日に施行された。
・図表 1 「子ども・若者育成支援推進法」の概要参照。

(「子ども・若者育成支援推進法」に基づく大綱の策定)
・内閣府に、法第26条に基づく特別の機関として、内閣総理大臣を長とし全閣僚からなる子ども・若者育成支援推進本部(以下「本部」という。)が設置され、平成22(2010)年7月、法に基づく大綱(「子ども・若者ビジョン」)を本部において決定した。
・平成23(2011)年7月より、有識者からなる子ども・若者育成支援推進点検・評価会議を開催し、平成26(2014)年7月、「子ども・若者育成支援推進大綱(「子ども・若者ビジョン」)の総点検報告書」を、平成27(2015)年11月、「新たな大綱に盛り込むべき事項について(意見の整理)」 を取りまとめた。
・同会議においては、社会的な生活を送る上で困難を有する子供・若者について、生育環境において 様々な問題に直面した経験を有している場合が多く、例えば、貧困、児童虐待、いじめ、不登校、 ニート等の問題が相互に影響し合うなど、様々な問題を複合的に抱え、非常に複雑で多様な状況となっていること等が指摘された。
・同会議における指摘を踏まえ、また、若者の意見も参考として、平成28(2016)年2月、本部において新たな「子供・若者育成支援推進大綱」を決定した。新大綱では、@全ての子供・若者の健やかな育成、A困難を有する子供・若者やその家族の支援、B子供・若者の成長のための社会環境の整備、C子供・若者の成長を支える担い手の養成、D創造的な未来を切り拓く子供・若者の応援、という5つの課題について重点的に取り組むことを基本的な方針としている。図表 2 「子供・若者育成支援推進大綱」の概要参照。

⑶ 学校から離れてしまった若者に対する支援 〜子ども・若者支援地域協議会と連携した群馬県の取組〜
・自らのキャリア形成や、働くことに対する不安解消のために、家族や友人、職場の同僚・上司などの身近な存在にだけでなく、専門的な助言を求めて、学校の先生、就職担当者、キャリアカウンセラーなどに相談する者
は少なくない。しかし、高校の中途退学などにより、学校から離れてしまうと、こうした専門的な助言を受けられる相談相手は失われてしまう。ここでは、学校から離れてしまった者を対象とする支援に多機関と連携して取り組む群馬県の取組を紹介→高校中退者の中には、高卒資格の取得を目指す者、就職を希望する者、大学進学を希望する者、あるいは、そもそも外出も難しいひきこもり状態にある者など、様々な状況の者がいる。群馬県では、それぞれの者が置かれた状況や希望内容に応じて、社会的自立に向けた支援を切れ目なく行うことができるよう、多機関連携の体制づくりを目指した。 具体的には、文部科学省の委託事業である、「学びを通じたステップアップ支援促進事業」を活用し、「子ども・若者育成支援地域協議会」(以下、「協議会」。)と連携して高校中退者に対する再学習支援を行う体制を敷いた。協議会には、子供・若者の様々な相談に対応することができるよう、教育、就労、医療、福祉など多分野の関係機関が構成員として参加していることから、対象となる若者が置かれている状況や希望内容などに応じて、きめ細かな支援を行うことができる。 県内高校の協力により、高校を中途退学する時に、協議会による支援の希望の有無が生徒に確認され、希望がある場合には、その生徒に関する情報が協議会の事務局へ送付される。 協議会の事務局は、本人の希望内容に応じて、就労希望者は地域若者サポートステーション等の就労支援機関へ、高校への編入学や高卒資格取得を目指す者は再学習支援機関へつないでいくこととなる。 また、ひきこもり状態にある者については、まずは専門家による訪問支援等の相談支援を行い、状態に一定の改善がみられた段階で、本人の希望内容に応じて、再学習支援や就労支援へつないでいくこととなる。 群馬県では、高校中退者をいかにこの事業につなげるか、という点がポイントであると考えている。 なるべく多くの方の目に留まるよう、紙、WEB、メルマガ、QRコードなど、様々な広報媒体を活用し、本人用、保護者用、学校の先生用など、それぞれの対象別にメッセージも使い分けながら、こうし た取組を発信している。特に、本人に対しては、置かれた状況や希望内容が様々であることを踏まえ、 どんな目的であっても「若者を応援している」というメッセージが伝わるよう意識している。
 また、平成30(2018)年度からは、市町村教育委員会と連携し、中学校を卒業する際に進学も就職もせず進路が未決定の者を、新たに支援対象としていく。 学校を離れたことにより、若者が自身の将来の展望を描けなくなるようであってはいけない。群馬県 のこうした取組は、既にある地域ネットワークを活用した、伴走型の支援により、高校中退者等のキャリア形成を支えていこうとするものであるといえる。

次回は、「第2章 全ての子供・若者の健やかな育成」からです。
平成30年版 子供・若者白書(概要版)(PDF版) [2018年08月23日(Thu)]
平成30年版 子供・若者白書(概要版)(PDF版)
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◎特集 就労等に関する若者の意識

3 おわりに
・平成29年度調査についてみると
、就労により十分な収入を得られるのか、きちんと仕事ができるのか、仕事と家庭の両立はできるのか、勤務先での人間関係がうまくいくかなどについて、平成23年度の調査より少なくなっているものの、依然として多くの若者が不安を抱えていることが読み取れた。ま た、仕事よりも家庭・プライベート(私生活)を優先したいと考える若者が増えていること、転職を否 定的に捉えている若者がそれほど多くないことや、キャリア教育の効果を感じている若者が多いことなどが読み取れた。 また、人工知能、ロボット、IoTなどのイノベーションの登場により、仕事の内容や働き方などが大きく変わる可能性がある。これに伴い、時間的にも空間的にも、より柔軟なワークスタイルが選択できるようになるのではないかと考えられる。
・こうした状況の中で、若者には、各自の意思や能力、置かれた個々の事情に応じて、多様で柔軟な働き方を選択しながら、より良い将来への展望を持ち、社会で活躍していくことが期待されている。若者 が、子育てや介護との両立、ワーク・ライフ・バランスなども念頭に置きつつ、自身の暮らし方、生き方を検討し選択することができるような、キャリア教育や就労環境の整備が求められているといえるだろう。 そこで、本特集の結びとして、若者を対象に、職業について考えるきっかけを提供したり、キャリア 形成を支援したりしている取組についての事例を紹介。
↓↓
⑴ 学校外で取り組まれているキャリア教育 〜高知県「とさっ子タウン」〜
学校外で子供たちが主役となって、社会の仕組みを学びながら、働くことの意義や様々な職業について考える体験型の取組の一つとして、高知県で実施されている「とさっ子タウン」について紹介。 「とさっ子タウン」→小学4年から中学3年 までの子供たちを対象に、仕事や遊びを楽しく体験しながら、社会の仕組みや地域への関心を高めるきっかけとして、平成21(2009)年度から毎年子供たちの夏休みの二日間を利用して開催されてきた。ドイツのミュンヘン市で行われているこどものまち「ミニ・ミュンヘン」を参考にして始められた「とさっ子タウン」は、毎年400名以上の子供が運営する「まち」であり、熱気あふれる学びの場となっている。 この目的は、地元高知ならではの仕事や文化の体験、子供たち同士のコミュニケー ションのほか、社会の仕組みに関心を持つきっかけづくりにある。 「とさっ子タウン」では、市役所や税務署、新聞社、飲食関係の仕事や創作関係、娯楽関係など約40 種の仕事が用意されているが、子供たちのアイディア次第で新たな仕事を起業するなど、仕事のバリエーションを増やすことも可能だ。子供たちはそれぞれ好きな仕事を選択して、専門家から仕事を教わりながら、「まち」を育て、運営していく。仕事をすることで仮想通貨「tos(トス)」を給料として得て、その中から税金を払ったり、買い物をしたりすることができる。選挙や議会も開催することができ、子供たちが協力しながら自分たちで自分たちの「まち」を変えていくことができる仕組みになって いる。 このように、「とさっ子タウン」を通して子供たちは、社会にはいろいろな仕事があること、その仕事の大切さ、大事さを体験しながら学んでいく。「とさっ子タウン」は、興味を持って社会を真剣に考える最初の重要な機会となっていると言える。 また、「とさっ子タウン」は参加する子供たちのほかに、多くの高校生、大学生等がボランティアとして参加しており、彼らの学びの場ともなっている。

⑵ 高校におけるキャリア教育 〜岡山県立和気閑谷(わけしずたに)高等学校の取組〜
・少子化による地域の衰退を防ぐためには教育の充実が重要という和気町の思いと、特色ある教育活動によって生徒の学力・意欲を伸ばし高校の魅力化を図りたいという和気閑谷高校の思いが一致し、平成25(2013)年度に開始された取組を紹介→和気閑谷高校では、地域課題解決学習(総合的な学習の時間)に町役場、町教育委員会、町商工会、地域おこしに協力する人や企業などが協力・ 協働することを通して、地域の活性化を図るとともに、地域に愛着を持ち地域コミュニティの担い手になる人材を育成し、ひいては高校の魅力を高めることを目指している。 具体的には、和気町役場が地域おこしに協力する人や企業を学習の支援職員として高校に常駐させたり、町教育委員会が主催行事への高校生受入れや高校主催行事への小中学生参加のためのつなぎ役を担ったり、商工会が高校生のインターンシップの受入れ、講師派遣や商品開発の支援などをしたり、駅前商店会が店頭スペースの提供やボランティアの受入れ、講師派遣などをしたりしている。 そのほか、連携・協働する教育関係者、行政、地域、産業界の代表者が集まる連絡会を隔週で行い、 情報共有するとともに、地域が必要としていることや支援職員の活動内容などを確認している。また、 年5回の魅力化推進協議会では2020年に向けて学校と地域の在り方などを協議し、地域社会と高校双方の持続発展を指向した展開を目指している。 また、就職希望者は全員2年次にインターンシップを行うこととしており、役場や商工会が窓口となって受入れ先などを調整しているが、これを探究型インターンシップと位置付け、職業体験に加えて「働くことに関する現代的課題」について仮説を立て、体験やインタビューを通して仮説の検証や課題解決の提言をまとめることとしている。 さらに、小中学校や町教育委員会と連携し、高校生が小中学生の先生役となり、英語や論語の出前授業や理科実験教室を行ったり、放課後学習支援を行ったりもしている。また、English Campでは、小中学生が英語に親しめるメニューを高校生が企画・実践。これらは、高校生が主体となったプログラムであり、高校生の責任感や自己肯定感を醸成することができるとともに、小中学生に身近な ロールモデルを提示することとなっている。また、連絡会の実施や毎年の学校内外の人々へのアンケー ト、生徒の到達度チェックなど計画・活動・評価・見直しのプロセスが確立しており、町ぐるみで生徒のキャリア形成を支援する取組となっている。さらに、「こくさいフォーラム in Wake」の開催や海外の高校(中国2校、韓国2校、台湾1校)との姉妹校協定に基づく交流などを通して、国際理解学習を深め、地球規模の視野で考え、地域視点で行動できる“グローカル人材”育成に取り組んでいる。 このように、和気閑谷高校の取組は、地域にある様々な教育資源を最大限に活用し、町内の小・中・ 高等学校の連携した取組を行政、商工会、地域事業所などが一体となってサポートするものとなっており、学校と町が協働して、多様な機会を子供たちに提供するシステムであるといえる。同時に、高校生の活動をきっかけに地域住民の意識も変容し始めており、町の活性化にもつながっている。

次回は、「第1章 子供・若者育成支援施策の総合的な推進」からになります。

平成30年版 子供・若者白書(概要版)(PDF版) [2018年08月22日(Wed)]
平成30年版 子供・若者白書(概要版)(PDF版)
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特集 就労等に関する若者の意識
第1章 子供・若者育成支援施策の総合的な推進
第2章 全ての子供・若者の健やかな育成
第3章 困難を有する子供・若者やその家族の支援
第4章 子供・若者の成長のための社会環境の整備
第5章 子供・若者の成長を支える担い手の養成
第6章 創造的な未来を切り拓く子供・若者の応援
第7章 施策の推進体制等


◎特集 就労等に関する若者の意識 調査結果のポイント ↓↓
○依然として多くの若者が不安を抱えている
○仕事より家庭・プライベートを優先したい若者が増加
○転職を否定的に捉える若者は少ない


◎特集 就労等に関する若者の意識

1 はじめに
・少子高齢化、生産年齢人口の減少が課題、東京一極集中の傾向が継続、地方において、人口減少や過疎化は特に深刻な状況→政府は、この課題の克服に向けて、家庭で、職場で、地域で、あらゆる場で、誰もが活躍できる全員参加型の社会の実現を目指している。 社会の中で自立し活躍するには、就労を通して経済的な基盤を築くことが大きな要素となるが、就労は、単に収入を得るための手段というだけではなく、その人と社会をつなぎ、自己実現を図るためのものでもあるなど、「働き方」は「暮らし方」そのものと考えられる。
・こうした基本的考え方の下、 ライフスタイルが多様化している現代において、個人の希望や事情により様々な働き方が受け入れられる環境が求められている中で、多様な働き方が可能となるよう働き方改革実行計画が策定され、また、「新しい経済政策パッケージ」(平成29年12月閣議決定)により、人生100年時代を見据えた「人への投資」が進められている。さらに、IoT、ビッグデータ、ロボット、人工知能などのイノベーションの登場は、これからの仕事の内容や働き方を劇的に変えていく可能性がある。 そこで、今回の特集では、平成29(2017)年度に内閣府が行った、就労等に関する若者の意識を調査した「子供・若者の意識に関する調査」(以下「平成29年度調査」という。)の結果をもとに、若者 が、働くことをどう捉え、職業選択に際してどのような事柄を重視しているのか、就職後にも学び続けることを希望しているのか、将来に対してどのような展望を持っているのか、などについて、過去の調査結果とも比較しながら分析した結果を紹介するとともに、若者に対するキャリア形成支援等について 参考となる取組を紹介する。

2 就労等に関する若者の意識調査の結果
⑴ 調査の概要について
ア 調査の対象、時期、方法等
→ 平成29年度調査は、インターネット調査会社に登録してあるリサーチモニターである全国の16歳 から29歳までの男女(有効回答数10,000)を対象に、平成29(2017)年10月27日から同年11 月13日までの間に実施したインターネット調査である。 また、本特集では、平成23(2011)年度に内閣府が実施した「若者の考え方についての調査」1 (以 下「平成23年度調査」という。)における平成29年度調査と比較可能な設問に対する結果についても掲載している。
イ 回答者の属性→回答者の属性は次のとおり(図表 1-1、1-2、1-3)。 なお、平成23年度調査における回答者の属性と大きな違いはない。
⑵ 就業に対する考え方及び初職の状況等について
ア 希望する雇用形態
「最も希望する雇用の形態等」をみると、現在「正規雇用」者の96.0%、現在「学生」の88.4%が「正規雇用」を希望と回答。また、現在「非正規雇用」者の47.1%が「正規雇用」を希望すると回答している一方で、46.9%が「非正規雇用」を希望すると回答。さらに、現在「自営業・自由業」者の60.4%が「自営業・自由業」を希望と回答し、現在「専業主婦(主夫)」の68.9%が「非正規雇用」を希望と回答(図表 2)。
次に、希望する雇用形態別にその雇用形態を希望する最も重要な理由についてみると、「正規雇用」 を希望する者の選択理由として多かった回答は、「安定していて長く続けられるから」、「収入が多いから」でそれぞれ59.0%、26.9%、「非正規雇用」を希望する者の選択理由として多かった回答は、 「自由な時間が多いから」、「子育て、介護等との両立がしやすいから」でそれぞれ33.9%、28.0%、 また、「自営業・自由業」を希望する者の選択理由として多かった回答は、「自由な時間が多いから」、 「特別に指示されずに、自分の責任で決められるから」でそれぞれ28.9%、22.9%であった(図表 3)。

イ 初職の状況→現在就業している者、または、過去に就業したことがある者の初職(学校等を卒業または中途退学した直後の就業)の雇用形態についてみると、全体では、「正規雇用」が57.8%、「非正規雇用」が 34.2%。このうち、「25歳から29歳」では、「正規雇用」が68.3%であり、「非正規雇用」 の26.4%よりも多かったが、「16歳から19歳」では、「正規雇用」が30.6%であり、「非正規雇用」 の53.1%よりも少なかった(図表 4)。
初職の雇用形態ごとに現在の就学・就業の状況→初職が「正規雇用」であった者のうち、現在「正規雇用」の者は72.5%、現在「非正規雇用」の者は13.4%、現在「働いていない」 者は4.0%であった。初職が「非正規雇用」であった者のうち、現在「正規雇用」の者は12.6%、現在「非正規雇用」の者は45.3%、現在「働いていない」者は9.5%であった。また、学校等を卒業または中途退学した直後に「無業」であった者のうち、現在「正規雇用」の者は18.1%、現在「非正規雇用」の者は44.2%、現在「働いていない」者は13.7%であった(図表 5)。
初職の継続状況→全体では、「現在も継続して勤務している」者が41.4%で最も多 く、次いで、「1年以上3年未満で離職した」者が17.6%、「3か月以上1年未満で離職した」者が 16.3%、「1か月以上3か月未満で離職した」者が8.7%であった。年齢階層別にみると、全ての年齢階層で「現在も継続して勤務している」者の割合がおおむね4割であったが、「16歳から19歳」では、「1か月未満で離職した」者が17.3%、「1か月以上3か月未満で離職した」者が15.5%であり、 他の年齢階層よりも比較的短い期間で離職している者が多かった(図表 6)。
初職の離職理由(複数選択可)→「仕事が自分に合わなかったため」が43.4%で最も多く、「人間関係がよくなかったため」が23.7%、「労働時間、休日、休暇の条件がよくなかった ため」が23.4%、「賃金がよくなかったため」が20.7%、「ノルマや責任が重すぎたため」が19.1% と続いている。 初職の離職理由の中で最も重要な理由についても、「仕事が自分に合わなかったため」が23.0%と 最も多く、次いで、「人間関係がよくなかったため」が10.0%であった。なお、「結婚、子育てのため」の8.5%がこれに次いで多い理由であった(図表 7)。

ウ 働いていない理由→現在「働いていない(求職中や家事手伝いの者を含む)」者が働いていない理由(複数回答)についてみると、「希望する業種・職種での採用がなかったから」が26.0%で最も多く、次いで、「健康上の理由のため」が21.8%、「特にやりたいことがないから」が18.5%、「人間関係がうまくいかないから」が17.4%であった。また、項目が異なるため単純な比較は困難であるが、平成23年度の調査時と比べて、「希望する業種・職種での採用がなかったから」、「特にやりたいことがないから」、 「人間関係がうまくいかないから」と回答した者の多さが目立つ。一方、「他にやりたいことがあるか ら」、「どこにも採用されないから」と回答した者も平成23年度の調査時より多かったが、その違い はわずかであった(図表 8)。

⑶ 仕事観について
ア 仕事をする目的
→「収入を得るため」と回答した者が84.6%と突出して多く、「仕事を通して達成感や生きがいを得るため」と回答した者が15.8%、「自分の能力を 発揮するため」と回答した者が15.7%、「働くのがあたりまえだから」と回答した者が14.8%、「人の役に立つため」と回答した者が13.6%であった(図表 9)。
イ 仕事選択に際して重要視する観点→「安定していて長く続けられること」及び「収入が多いこと」に、「とても重要」または「まあ重要」と回答した者は、ともに88.7%で最も多かった。 次いで多かった項目は、「自分のやりたいことができること」の88.5%、「福利厚生が充実している こと」の85.2%、「自由な時間が多いこと」の82.2%であった。一方、「実力主義で偉くなれること」 と「特別に指示されずに、自分の責任で決められること」を「とても重要」または「まあ重要」と回答した者は、それぞれ51.6%、55.8%と比較的少なかった(図表 10)。項目が異なるため単純な比較は困難であるが、平成23年度の調査時においても、「安定していて長く続けられる」、「収入が多 い」、「自分の好きなことができる」といった類似の項目に「とても大切」または「まあ大切」と回答 した者は多かった。

 仕事と家庭・プライベートとのバランス→「仕事よりも家庭・ プライベート(私生活)を優先する」と回答した者は63.7%であり、平成23年度の調査時における 52.9%よりも多かった。 また、男女別に仕事と家庭・プライベート(私生活)のどちらを優先するかについてみると、「仕事よりも家庭・プライベート(私生活)を優先する」と回答した男性は58.3%であり、女性の 69.4%より少ないものの、平成23年度の調査時よりも10ポイント以上多く、半数を超えていた(図 表 11)。

エ 仕事と家庭との関係→「子育てと仕事を両立しにくい職業がある」に、「とてもそう思う」または「まあそう思う」と回答した者が86.2%で最も多く、次いで多かった項目は、「家庭のことを考えると転職や離職が難しくなる」の81.4%、「残業等でパートナーと生活時間帯を合わせるのが大変だ」の76.6%、「結婚すると就労しにくい職業がある」の76.4%であった。平成23年度の 調査時には、「家庭を持つと就労しにくい職業がある」に、「とてもそう思う」または「まあそう思 う」と回答した者が89.0%で最も多く、次いで多かった項目は、「家庭生活のことを考えると転職や 離職が難しくなる」の88.9%、「家庭や子育てと仕事を両立できる企業が少ない」の84.4%であった (図表 12)。平成23年度の調査時とは項目が異なるため単純な比較は困難であるが、類似した項目である「結婚すると就労しにくい職業がある」、「産前産後休業や育児休業を取得すると、職場にいづらくなる」、「家庭のことを考えると転職や離職が難しくなる」に、「とてもそう思う」または「まあそ う思う」と回答した者は、平成23年度の調査時よりも少なかった。

オ 転職に対する意識→「自分の能力や適性に合わない職場であっても、転職は絶対すべきではない」または「自分の能力や適性に合わない職場であっても、転職はできる限りしない方がよい」といった、転職に否定的な項目を選択した者は17.3%であり、2割に満たなかった。 また、男女別に転職に対する意識についてみると、転職に否定的な項目を選択した男性は21.4% であり、転職に否定的な項目を選択した女性の13.2%よりも多かった(図表 13)。
転職する際に重要視すること→「自分の興味ややりたいことが、賃金や労働条件より、とても重要」または「自分の興味ややりたいことが、賃金や労働条件より、どちらかといえば重要」と回答した者は49.4%、「賃金や労働条件が、自分の興味ややりたいことより、とても重要」または「賃金や労働条件が、自分の興味ややりたいことより、どちらかといえば重要」と回答した者は 40.0%であった。 また、男女別に転職する際に重要視することについてみると、「賃金や労働条件が、自分の興味ややりたいことより、とても重要」または「賃金や労働条件が、自分の興味ややりたいことより、どちらかといえば重要」と回答した女性は45.0%であり、男性の35.3%よりも多かった(図表 14)。

カ 学びの継続希望→より良い仕事に就くために就職後も学び続けることを希望しているかどうかについてみると、「条件が整えば、希望する」と回答した者が53.2%で最も多く、「希望する」が24.3%、「希望しない」 が22.5%であった(図表 15)。

⑷ 働くことへの不安と相談状況について
ア 不安の傾向
→「十分な収入が得られるか」に、「とても不安」または「どちらかといえば不安」と回答した者が76.5%で最も多く、次いで多かった項目は、「老後の年金はど うなるか」の75.4%、「きちんと仕事ができるか」の73.5%、「仕事と家庭生活の両立はどうか」の 72.2%、「勤務先での人間関係がうまくいくか」の71.4%であった。平成23年度の調査時と比べて、 「とても不安」または「どちらかといえば不安」と回答した者は、全ての項目において少なかった (図表 16)。
イ 相談相手→「親」と回答した者は52.9%、「周りの友人・知人(中学校、高校、大学時代の友人など。インターネットで知り合った友人を除く)」と回答した者は31.3%、「恋人・配偶者」と回答した者は23.4%であった。また、「悩みはあるが、誰にも相談したことがない」と回答した者は10.8%であった(図表 17)。
ウ 相談効果→「自分の考え方が広がった」と回答した者が58.4%、「就職先を選ぶこと・働き続けることの参考になった」と回答した者が55.5%、「自分の考えや気持ちの整理がついた」と回答した者が 53.7%であった(図表 18)。

⑸ 将来の展望について
・40代の将来像
「親を大切にしている」に、「とてもそう思う」または「まあそう思 う」と回答した者が75.8%で最も多く、次いで多かった項目は、「幸せになっている」の73.0%、「子供を育てている」の67.8%であった。一方、「有名になっている」に、「とてもそう思う」または「ま あそう思う」と回答した者は16.5%、「世界で活躍している」は19.0%、「海外での勤務経験を積んでいる」は19.4%と少なかった。 平成23年度の調査時には、「親を大切にしている」に、「とてもそう思う」または「まあそう思う」 と回答した者が77.3%で最も多く、次いで多かった項目は、「幸せになっている」の72.5%、「子供を育てている」の65.3%であった。一方、「有名になっている」に、「とてもそう思う」または「まあそ う思う」と回答した者は15.8%、「世界で活躍している」は18.3%と少なかった(図表 19)。平成23 年度の調査時から追加・変更した項目があるため、全体としての単純な比較は困難であるが、共通の項目については、平成23年度の調査時と同様の傾向であったと考えられる。

⑹ キャリア教育・職業教育について
ア 教育の効果
→受講経験があると回答した者が、キャリア教育や職業教育を受けた結果、役に立ったと考えている効果についてみると、「働く事の大切さがわかった」が61.7%で最も多く、次いで多かった項目は、「コミュニケーションスキルの重要性がわかった」の61.0%、「自分の考え方が広がった」の58.0%、「ビジネスマナー等がわかった」の51.3%、「就職先を選ぶ参考になった」の50.4%であった(図表 20)。
イ 就労に関して教わりたかったこと→学生時代に教えてほしかったことについてみると、「コミュニケーション能力やビジネスマナーなど、社会人としての基礎的知識」が47.1%で最も多く、次いで多かった回答は、「仕事に直接役立つ専門的知識・技能など」の43.4%、「世の中にある様々な職業の内容」の34.0%であった(図表 21)。

次回は、特集 就労等に関する若者の意識「3 おわりに」です。
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