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困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会(第8回) [2019年09月12日(Thu)]
困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会(第8回)(令和元年8月30日)
《議題》 困難な問題を抱える女性への支援のあり方について (「これまでの議論の整理(たたき台)」について)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_06469.html
◎資料1 これまでの議論の整理(たたき台)
1.婦人保護事業の現状と課題 ↓↓
○婦人保護事業
→昭和 31 年制定の売春防止法に基づき、「性行又は環境に照して売春を行うおそれのある女子」(要保護女子)の「保護更生」を図るための事業として始まったが、その後、社会経済状況等の変化を踏まえて、支援ニーズは多様化してきた。
○平成 14 年に配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(平成 13 年法律第 31 号)が施行され、DV被害者を婦人保護事業の対象として法定化され、ストーカー被害者や人身取引被害者、家族関係の破 綻や生活の困窮等、正常な社会生活を営むうえで困難な問題を有する者等についても、婦人保護事業の対象として運用するなど、婦人保護事業は、制定当初の想定を超えて、現に様々な困難に直面している女性の保護・支援に大きな役割を果たしてきた。
○ しかしながら、根拠法である売春防止法の規定は、制定以来、基本的な見直しは行われておらず、 法律が実態にそぐわなくなってきている、また、「婦人」、「保護更生」、「収容保護」といった用語を見直すべきではないかとの問題提起がなされてきた。こうした背景を踏まえ、平成 24 年6月には、厚生労働省の調査研究事業の一環として「婦人保護事業等の 課題に関する検討会」が設置され、同年12 月には、同検討会における議論の整理がとりまとめられた。 当該とりまとめを踏まえ、運用上の改善を図るための対応として、以下の取組が、順次、進められてきた。→・平成 25 年度「婦人相談所ガイドライン」の策定。・平成 26 年度「婦人相談員相談・支援指針」の策定。・平成 28 年度「婦人保護事業研修体系に関する調査・検討」
○ しかしながら、平成 29 年度に厚生労働省が行った「婦人保護事業等における支援実態等に関する調査研究」の結果においては、婦人保護事業における運用面の改善が十分には図られていないことや、売春防止法が 根拠法であることに起因する制度的な課題が存在することが、改めて浮き彫りとなった。更に、近年、婦人保護事業の対象として想定されなかった、AV出演強要、JKビジネス問題、性暴力・性 被害に遭った 10 代の女性への支援といった今日的な新たな支援ニーズへの対応も求められている。こうした婦人保護事業を取り巻く現状や課題を踏まえ、厚生労働省子ども家庭局長が有識者等の参集を求めて平成 30 年7月に設置した「困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会」では、婦人保護事業 の運用面における見直し方針や、婦人保護事業の見直しになどの困難な問題を抱える女性への支援のあり方について、検討を進めてきた。

2.婦人保護事業の運用面における見直し↓↓
○ 第5回検討会で行った中間的な論点整理を踏まえ、厚生労働省は、令和元年6月21日に「婦人保護事業の運用面における見直し方針について」をとりまとめ、公表。具体的な内容は、全体で10項目の見直しを行うこととされている。↓↓

1 他法他施策優先の取扱いの見直し
2 一時保護委託の対象拡大と積極的活用
3 婦人保護施設の周知・理解、利用促進
4 携帯電話等の通信機器の使用制限等の見直し
5 広域的な連携・民間支援団体との連携強化
6 SNSを活用した相談体制の充実
7 一時保護解除後のフォローアップ体制等の拡充
8 児童相談所との連携強化等
9 婦人保護事業実施要領の見直し
10 母子生活支援施設の活用促進
○ 厚生労働省は、これらの運用面における見直しを通じて、すべての過程における支援が、より当事者本位なものとなるよう、速やかに取り組むこととされている。令和元年7月 18 日には、他法他施策優先の見直しや、一時保護委託の対象拡大と積極的な活用等の見直しに関する通知が発出された。また、令和2年度 概算要求や、必要な見直しに向けた調査研究に、今後とも取り組むこととされており、引き続き取組を進めることを求める。

3. 婦人保護事業の見直しに関する新たな制度の基本的な考え方
1 困難を抱える女性を支援する制度の必要性 ↓↓

○ 女性は男性に比べ、性差に起因して社会的に様々な困難に直面する場面が多い。このことによって、心身面及び社会的な面で複合的な課題を抱えることが多い。
○ 女性がこのような状況にあることは、国際的な共通認識であり、各国において、専門的な支援サービスの 提供をはじめとした様々な対応が取られてきている。我が国においても、婦人保護事業が様々な困難に直面している女性の保護・支援に大きな役割を果たしてきた。
○ 人権の擁護と男女平等の実現を図ることの重要性に鑑み、様々な困難に直面する女性を対象とした包括的な支援制度が必要ではないか。
【これまでの検討会での主な意見】→暴力から逃れて待っているのは生活苦、そして子どもの養育と貧困。暴力から逃れた後の支援のシステムがない。女性ゆえに、予期せぬ妊娠、不安定な雇用など様々な大きな問題を抱えている。女性性の困難である。

2 新たな枠組みの必要性 ↓↓
○ 婦人保護事業の根拠法である売春防止法の規定は、制定以来、基本的な見直しは行われておらず、 法律が実態にそぐわなくなってきている。また、女性が抱える困難な問題は、近年、複雑・多様化、かつ、複合的なものとなっており、売春防止法を根拠とした従来の枠組みでの対応は限界が生じている。
○ このような認識のもと、女性を対象として専門的な支援を包括的に提供する制度について、法制度上も売春防止法ではなく新たな枠組みを構築していく必要があるのではないか。 【これまでの検討会での主な意見】→回復支援のサービスを受ける権利主体としてきちんと位置付けられる法制度が必要。損害された人権を確立するための支援法が今、最も求められている。売春防止法の下では、本来の意味での女性支援は成立しない。その課題と限界は明らかになっ ており、私たちは女性の人権の確立を目指す、売春防止法に代わる新たな女性支援の根拠法を急いで作る必要がある。根拠法 は、当事者主体はもちろん、暴力を根絶するためのジェンダー平等法としての機能をきちんと果たすものである必要がある。 ○ 困難な問題を抱える女性への支援ということを考えるときに、売春防止法を根拠法令とすることは、全くそぐわない。売春 をやめさせるとか取り締まるとか、あたかも女性に非があるような視点を感じさせる法令を基にして、女性の支援だっていう ことは、ここをそもそものところで止めることがないと、本当に苦しい思いの人に届くのかと思う。
○ 女性を分断する売春防止法→今日の人権保障の思想にそぐわない、新たな思想に基づく新法構想が必要。性被害を受けた人たちの保護、立ち直り、生活の再建、自立支援等の包括的な対策を進めていくに当たっては、売春防止法の保護更生では性被害からの立ち直りや自立の支援はできない。売春防止法と別に支援の趣旨に合った新しい法律が必要。
○ 規制と保護を同じ法律の中で一緒に行うことが非常に難しい。保護の部分を売春防止法から切り離して、売春防止以外の対 象者も含めた形で、女性の保護や自立支援について包括的に対応するための法律を作っていく必要があるのではないか。その際に、他の福祉法や生活困窮者自立支援法のように、基本理念や対象者を明確化するとともに、関係機関や民間団体との連携、支援体制の整備について規定しつつ、売春防止法から切り離した個々の部分に加えて、国、都道府県、市町村の責務や実施する事業、情報共有、他法他施策との関係といった内容が盛り込まれる構成にしてはどうか。

3 新たな制度の下で提供される支援のあり方 ↓↓
○ 売春防止法に基づく「要保護女子」としてではなく、様々な困難な問題を抱える女性を対象として、相談から保護・自立支援までの専門的な支援を包括的に提供できるようにすることが必要ではないか。
○ 行政・民間団体を通した多機関における連携・協働を通じて、支援が行き届きにくい者も対象とし、早期 かつ、切れ目のない支援を目指すことが必要ではないか。
○ 現行の婦人相談所、婦人相談員及び婦人保護施設については、若年女性への対応、自立後を見据えた支援 を図るなど、時代に即した役割を果たせる仕組みにしていくことが必要ではないか。その際、利用者の実情 に応じた柔軟な運用を図るべきではないか。
○ 多様なニーズに対応し、一人ひとりの意思を尊重しながら、その者の持つ潜在的な力を引き出しつつ、本 人の状況や希望に応じた伴走型支援を目指すことが必要ではないか。
○ 同伴する児童についても、関係機関との連携の下で、支援の対象として位置づける必要があるのではないか。

【これまでの検討会での主な意見】→○ 支援の現場では、要保護女子ということではなく、性的被害を中核として侵害を受けたすべての女性を対象にしている。対象とする女性は、それぞれの法律の項目を挙げる形ではなく、緊急の保護又は自立の援助を必要とする女性及びその者の 監護する児童とし、その時の背景がどのようなことであっても、その時々の保護の必要性や支援の内容に焦点を当てて支援す るという考えでいいのではないか。
○ 包括的な定義は、困難な問題を抱えるすべての女性とし、その人権を擁護し、一人ひとりの問題に関して総合的な社会支援を行うとしてはどうか。
○ 具体的な定義については、あらゆる暴力の被害者、日常生活を営む上での困難な問題を抱える女性を範囲として、生活上の 様々な困難を抱えた女性やその子どもたちの一人ひとりの事情に合わせ、再出発のために社会資源をコーディネートし、問題 解決及び女性の自己決定権を支える等の支援を行うこととしてはどうか。
○ 同伴児童への対応が的確にできていない。特に、同伴児童の心理的ケア、心理判定が不十分。同伴児童についても支援対象 の主体として捉えるべき。 婦人保護事業の従来型の支援のあり方を、もう一度考え直したほうがいい。収容型の施設支援のみの支援のあり方からの脱 却をもう考えないといけない段階にきている。 対象女性が広がれば、ニーズと支援は多様になるのは当然のことであり、保護、収容の程度も多様性がある。どこか隠れた ところにあるような婦人保護施設ではなく、秋葉原、渋谷、新宿などに、ここに逃げ込んでおいでというようなものがない と、人身取引や性搾取の被害者は行かない。そして、一時的に入ったら、その後の居場所を民間で探すなど受け皿を設け、入口を広く、受け皿を深くという施策とすべき。
○ 20 歳未満の若年女性については、法律の狭間にあることが支援の困難さを増幅させており、通常の婦人相談員の資源やス キルでは対応が困難。若年女性については、抱える問題の内容によって狭間が解消されるような支援のあり方を検討すべき。公的機関の問題として、開所時間や一時保護に至るまでの時間等の問題で、使いたいと思っても利用することを諦めてしま う若年女性が後を絶たないのではないか。もっと手前で、早期の段階で若年女性にアウトリーチしていく必要があり、ハード ルを下げて、間口を広げて出会っていくことが大事。売春防止法の枠の外にいる若年女性たちは、相談窓口があってもたどり着けない。気軽に立ち寄れる居場所づくりが必要。

4 国及び地方公共団体の役割の考え方 ↓
○ 困難を抱える女性に対する必要な支援がどの地域でも受けられるよう、支援の実施に関する国及び地方公 共団体の役割を明確にすることが必要ではないか。その際、困難を抱える女性に対する支援を提供する体制が、基本的な方針のもと地域の実情に応じて計画 的に構築されることが必要ではないか。

【これまでの検討会での主な意見】 →女性のニーズに応じた自立支援の仕組みをつくること。大事なことは、国及び地方公共団体の責務を明確にすること。市町村は住民に近い部門、都道府県は広域的な行政サービスを担っており、自立支援については市町村のほうが様々な選択肢を持ち合わせている。お互いの強みを生かした効率的な役割分担を考えたい。 ○ 国に実態に応じた十分な運営指針がない。支援の地域格差が大変大きい。どこにいても平等な支援が受けられる、ナショ ナルスタンダードがない。一方で、市町村といっても規模や地域の状況は様々で、市によっては一律に法的な位置付けを与えられてもリソースがな いので困るといったところもあり、例えば複数の市町村による連携を単位として考えるなど柔軟な考え方も必要。

5 民間団体との連携・協働のあり方 ↓↓
○ 地方公共団体等が、困難を抱える女性への保護・支援を行うに当たっては、これらの女性に対する相談、 保護・自立支援等の支援を行う民間団体の特色や経験を活かしながら、これらの団体との連携・協働を推進 していくことが必要ではないか。

【これまでの検討会での主な意見】→ ○ 一時保護所については、プライバシーに配慮したユニバーサルな環境を整えていくことが必要。例えば民間団体等の資源が ある地域においては、民間委託による一時保護先の確保に重点をシフトしてはどうか。民間のほうが利用者のニーズに柔軟に 対応できるので、こうしたニーズに対して民間が行政からの委託の受け皿となるよう取り組みを進めることで、行政のスリム 化と民間団体の財政的安定の両方を図ることが可能ではないか。前提として、都道府県の判断に委ねられている入所基準を含 め、ハード、ソフト面にわたるナショナルスタンダードが必要。
○ 自立支援に関しては、民間にも間口を広げて、補助や委託ができるように正式に事業化するなど、民間団体の資源の積極的 な活用と財政的支援をセットで考えていくことが必要。 ○ 様々に広がる支援格差、官民の支援格差と自治体間支援格差、専門機関の間での支援格差も大きく広がっている。そういった意味での支援格差の広がりを、どこでどう解消していくかというのは大きな問題。その格差の中で、特に民間支援団体は財 政的支援が薄弱。緊急一時保護から回復支援までの長いスパンをカバーする事業委託を請けることができれば、支援の専門領 域に応じた様々な財政措置を受けることができるのではないか。
○ 今後、高齢者、若年女性、外国人など、シェルター機能は特化・専門化されていくであろう。そのときに、公的機関が相談 から自立支援までを行うのは難しい面もあるため、支援に特色を持った、スキルや経験のある支援団体に役割を渡すことが重要。

6 教育啓発、調査研究、人材育成等↓↓
○ 国及び地方公共団体は、困難を抱える女性への支援に関する教育及び啓発に努めることが必要ではないか。
○ 国及び地方公共団体は、困難な問題を抱える女性への支援方法等に関する調査研究の推進や、支援等に従 事する人材の養成及び資質の向上に努めることが必要ではないか。
【これまでの検討会での主な意見】→ 新たな枠組みを構築していくに当たっては、人材の養成・研修、実態把握等のための調査、国民に対する普及・啓発が基本的 事項として必ず必要となるため、同様に、盛り込んでいく必要があるのではないか。

7 関連する他制度との連携等のあり方 ↓↓
○ DV防止法、児童福祉法、児童虐待防止法をはじめとする他法に基づく他制度やそれらに基づく支援との連携や調整等を推進していくための仕組みづくりが必要
ではないか。 【これまでの検討会での主な意見】→○ 婦人相談所と母子生活支援施設の関係は、一時保護の委託を請けることは可能だが、それほどつながりがよくない。婦人相談 所だけではなく、児童相談所ともあまりつながらない。なぜなら、母子生活支援施設は市町村事業で、婦人相談所、児童相談所 は都道府県事業。ここがつながらない理由のひとつで、何とかこれをつなげていきたいと思う。関わる切り口、場面が、それぞれの福祉法によって散りばめられ分解されている。そこをどうつなげて、どう情報共有して、 一貫したその女性の支援ができていくかということは非常に大切。 ○ 人に着目した支援をどう展開するかが重要で、婦人相談所、市や福祉事務所、児童相談所のつながりが本当に重要ではないか。そのためには、それぞれがつながるシステムの構築が必要ではないかと考える。例えば、婦人保護施設や母子生活支援施 設、一時保護所の空き状況などが、各機関で見えることができるようになれば、そのときその人にふさわしい場所で支援できるのではないか。
○ 婦人保護事業の支援ネットワーク連携会議の設置が必要。児童相談の分野において要保護児童対策地域協議会があるよう に、婦人保護事業においても関係機関連携会議の設置が望まれる。

次回は、「参考資料1」からです。
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