第15回労働政策審議会労働政策基本部会 [2019年05月11日(Sat)]
第15回労働政策審議会労働政策基本部会(平成31年4月23日)
≪議題≫ 技術革新(AI 等)の動向と労働への影響等について(ヒアリング) https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_04517.html ◎資料4:独立行政法人 労働政策研究・研修機構 調査部次長 新井様提出資料 「AI等の技術革新が雇用・労働に与える影響についてのヒアリング調査」 ○調査期間および実施方法→2019年1〜3月、従業員の業務の一部をデジタル・機械化することで、業務の効率化や省力化に努めている企業等を対象に、具体的な取り組み内容や職場への影響の実態等 について、ヒアリングした。 ○対象→A-F社、G組織。計7団体 ○ヒアリングで明らかになったこと 1.メインの担当部署が人事労務部門と異なる • 総じて経営戦略・業務改革を企画・推進する 部署が担当。さらに、内部業務に精通する キーパーソンの存在も見られた。 2.業務の削減により雇用が減ることはない • ヒアリングした企業においては、人員削減を 目的に新技術の導入を行ったケースはな かった(今はそれ以前に、人手不足のなかで 長時間労働の是正などにも配慮する必要)。 3.RPA導入は内製化する傾向も • 職場単位での小規模なRPAについては、現 場の仕事を良く知る人が短期間の研修を受 けたり、業務の合間にロボットに触れながら 開発するケースが見られた(人材派遣、銀行)。 4.RPA等による業務削減に伴う働き方の変化 ・ 定型業務等を新技術に置換・削減した分、 企業は従業員に「人ならでは」の仕事を求め る。さらに、RPAから一歩進めると、新技術 が従業員の業務をサポートする役割を持つ こともある(銀行、外食、宿泊、職業紹介)。 ○今後の課題 1.新技術の導入によるビジネスモデルの拡大 • 今は現在進行形で新技術の導入を図りつつ、 改善を重ねている状況。 2.雇用問題が発生した時の対応 • どこかのタイミングで一気に業務の置き換え 等が進むことへの懸念(労働組合)。 3.労働者間の格差と人事の関わり方 • 業務の変化で付加される仕事は、職場ごと に異なることも少なくなく、職場での個別対 応を求められる場合が多い。 4.今回、追い切れなかったこと • 企業規模による技術の導入状況の違い • 製造業、建設業の事例 ◎資料5:報告書骨子案 はじめに 1.質の高い労働の実現のための新技術の積極的な活用 (1)AI 等の新技術の積極的な導入の必要性→・人口、とりわけ 2040 年に向けた現役世代の減少 ・人間が主体的に新技術を活用する必要性 ・人材不足対応や過重労働解消のための活用 (2)AI 等の新技術が求められる分野での活用→生産性向上と労働の質の向上が求められる分野への活用 2.AI 等の新技術による仕事の変化とそれへの対応 (1)AI 等の新技術の導入に際して求められる対応→ ・既存の業務の実態把握と新技術の導入に向けた方針の決定 ・職場における労使のコミュニケーション 等 (2)AI 等の新技術の導入に伴う業務の再設計と仕事の変化→・AI 等の新技術の実装に伴い求められる人材とスキル(個々の業務の見直し・再設計を担う人材とスキル、RPA 等の新技術を活用して成果をあげる人材とスキル、人間にしかできないタスクを担う人材とスキル 等) ・個々の人材とスキルに対する適切な評価と報酬 ・AI 等の新技術の進展により拡大する多様で柔軟な働き方(雇用類似の働き方等)への対応 (3)求められるスキルと自らのスキルの「見える化」 (4)AI 等の新技術に対応した人材育成 ・労働者間の格差への対応 3.働く現場で新技術が適切に利活用されるための課題 (1)労働者のプライバシーの保護やセキュリティの確保 (2)AI による判断に関する企業の説明責任 (3)新技術への対応に際しての労使のコミュニケーションの重要性 おわりに 次回は、第15回労働政策審議会「参考1:人間中心の AI 社会原則」からです。 |