第33回子ども・子育て会議 [2018年01月05日(Fri)]
第33回子ども・子育て会議(平成29年12月15日開催)
《主な議題》「公定価格について」等 http://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/meeting/kodomo_kosodate/k_33/index.html ◎(資料1) 公定価格に関する議論の整理(案) ○運営実態を踏まえた公定価格設定の適正化 (主な意見)→法人単位でのスケールメリットに応じた見直しを考えるべきではないか。保育士不足が深刻になっているので、人材確保に費用がかかるので予 備費等を確保しておかないと職員雇用もままならない (今後の方向性)↓ ・公定価格の個々の経費の設定と実際の運営コストとの比較による公定価格の検証・分析を踏まえた設定 ・公定価格の基本単価部分の加算化・減算化の検討 ・複数施設を設置している法人に係る調整措置についての具体的な検討 ○教育・保育の質の向上 (主な意見)→処遇改善等加算IIの要件となる研修について、文科省、厚労省からそれぞれ通知等が出されているが、自治体が混乱しないように、認定こども園の取り扱いも含め、三府省で早急に通知の発出をしてほしい。無償化の財源の話が出ているが、約束いただいている0.3 兆円超の質の向上も早期に行うべき。各園で教育・保育課程や指導計画の編成・見直しを行うことが重要であり、そのための人員配置や保護者等への見える化が必要。 (今後の方向性)↓ ・29年度の人事院勧告を踏まえた給与改善が適切に反映された公定価格の設定 ・処遇改善等加算などの職員給与への反映状況に関する実態把握と検証・分析 ・子ども・保護者のための保育の質の「見える化」のための具体的方策の促進の検討 ・0.3 兆円超の質の向上の実現に向けた必要な財源の確保 ○経営実態調査を含めた今後の実態把握のための課題 (主な意見)→調査結果の信頼性を高めるため、各種団体や専門家も入れて調査設計をするべきではないか。 (今後の方向性) ・調査の設計・方法等に関する検討 ・経営実態調査以外の公定価格の検証方法の検討 ・有効回答を確保するための経営実態調査の記入者負担の軽減方法の検討(ICTの活用を含) ・経営実態調査の実施時期を含めた公定価格の見直し周期の検討 ◎(資料2) 新しい経済政策パッケージ(2017/12/9閣議決定) 第1章はじめに→少子高齢化という最大の壁に立ち向うため、生産性革命と人づくり革命を車の両輪として、2020年に向けて取り組んでいく。 第2章人づくり革命→人づくりこそが次なる時代を切り拓く原動力。これまでの画一的な発想にとらわれない人づくり革命を断行し、日本を誰にでもチャンスがあふれる国へと変えていく。その際、様々な理由でスタートラインにすら立てない方に対して温かな手を差し伸べることが必要である。 1.幼児教育の無償化 (幼児教育・保育の役割)→幼児教育が、将来の所得の向上や生活保護受給率の低下等の効果をもたらすことを示す世界レベルの著名な研究結果もあり、諸外国においても、3歳〜5歳児の幼児教育について、所得制限を設けずに無償化が進められているところ。 (具体的内容)→来年夏までに結論を出す。待機児童を解消するため、「子育て安心プラン」を前倒しし、2020年度までに32万人分の保育の受け皿整備を着実に進め、0歳〜2歳児についても、当面、住民税非課税世帯を対象として無償化を進めることとし、現在は、住民税非課税世帯の第2子以降が無償とされているところ、この範囲を全ての子供に拡大する。なお、0歳〜1歳児は、ワークライフバランスを確保するため、短時間勤務など多様な働き方に向けた環境整備、企業による職場復帰の確保など男性を含め育児休業を取りやすくする取組、育児休業明けの保育の円滑な確保、病児保育の普及等を進める (実施時期)→2020年4月から全面的に実施。就学前の障害児の発達支援(いわゆる障害児通園施設)についても、併せて無償化を進めていく。さらに、人工呼吸器等の管理が必要な医療的ケア児4に対して、現在、看護師の配置・派遣によって受入れを支援するモデル事業を進めている。 2.待機児童の解消 (待機児童の解消)→2018年度から2022年度末までの5年間で、女性就業率80%に対応できる32万人分の保育の受け皿を整備する「子育て安心プラン」を策定したところ。保育士の確保や他産業との賃金格差を踏まえた処遇改善に更に取り組むこととし、今年度の人事院勧告に伴う賃金引上げに加え、2019年4月から更に1%(月3000円相当)の賃金引上げを行う。 (放課後子ども総合プラン) 3.高等教育の無償化 (これまでの取組と基本的考え方)→貧困の連鎖を断ち切り、格差の固定化を防ぐため、どんなに貧しい家庭に育っても、意欲さえあれば専修学校、大学に進学できる社会へと改革する。所得が低い家庭の子供たち、真に必要な子供たちに限って高等教育の無償化を実現する (具体的内容)→支援措置の対象は、低所得世帯に限定。第一に、授業料の減免措置については、大学、短期大学、高等専門学校及び専門学校(以下「大学等」という。)に交付する。第二に、給付型奨学金については、学生個人に対して支払う。 (支援対象者の要件)→高校在学時の成績だけで判断せず、本人の学習意欲を確認する。他方、大学等への進学後については、その学習状況について一定の要件を課し、これに満たない場合には支援を打ち切る (支援措置の対象となる大学等の要件)→@実務経験のある教員による科目の配置及びA外部人材の理事への任命が一定割合を超えていること、B成績評価基準を定めるなど厳格な成績管理を実施・公表していること、C法令に則り財務・経営情報を開示していることを、支援措置の対象となる大学等が満たすべき要件とし、関係者の参加の下での検討の場での審議を経て、上記を踏まえたガイドラインを策定する。 (実施時期)→2020年4月から実施。 (生活困窮世帯等の子どもの学習支援)→子どもの学習支援事業を高校中退者を含む高校生世代等において強化するとともに、社会的養護を必要とする子どもや生活保護世帯の子どもの大学進学を後押しする。 4.私立高等学校の授業料の実質無償化→年収590万円未満世帯を対象とした私立高等学校授業料の実質無償化(現行の高等学校等就学支援金の拡充)については、消費税使途変更による、現行制度・予算の見直しにより活用が可能となる財源をまず確保する。(具体的には、平成29年度予算ベースで、@住民税非課税世帯については、実質無償化、A年収約350万円未満12の世帯については、最大35万円の支給、B年収約590万円未満13の世帯については、最大25万円の支給ができる財源を確保する。) 5.介護人材の処遇改善 (具体的内容)→介護人材を確保するため、2017年度予算においては、介護職員について、経験などに応じて昇給する仕組みを創り、月額平均1万円相当の処遇改善を行うなど、これまで自公政権で月額4万7000円の改善を実現。勤続年数10年以上の介護福祉士について月額平均8万円相当の処遇改善を行うことを算定根拠に、公費1000億円程度を投じ、処遇改善を行う。また、障害福祉人材についても、介護人材と同様の処遇改善を行う。2019年10月から実施。 6.これらの施策を実現するための安定財源→消費税率の2%の引上げにより5兆円強の税収となるが、この増収分を教育負担の軽減・子育て層支援・介護人材の確保等14と、財政再建15とに、それぞれ概ね半分ずつ充当する。前者について、新たに生まれる1.7兆円程度を、本経済政策パッケージの幼児教育の無償化、「子育て安心プラン」の前倒しによる待機児童の解消、保育士の処遇改善、高等教育の無償化、介護人材の処遇改善に充てる。 7.財政健全化との関連→2020年度のプライマリーバランス黒字化目標の達成は困難。ただし、財政健全化の旗は決して降ろさず、不断の歳入・歳出改革努力を徹底し、プライマリーバランスの黒字化を目指すという目標自体はしっかり堅持する。 8.来年夏に向けての検討継続事項 (1)リカレント教育→人生100年時代においては、高齢者もひとり親家庭の方も義務教育を受けることができなかった方、自らの意志で高等学校や大学に進学しなかった方も、出産・育児等で離職した方も、フリーター・ニート・ひきこもりの方も、病気など生活上のハンディを抱える方も、誰にとっても「いつでも学び直し・やり直しができる社会」を作るため、幾つになっても、誰にでも学び直しと新しいチャレンジの機会を確保する。 (2)HECS等諸外国の事例を参考とした検討→オーストラリアのHECS等諸外国の事例も参考としつつ、中間所得層におけるアクセスの機会均等について検討を継続する。 (HECSとは、在学中は授業料の支払いを要せず、卒業後、支払い能力に応じて所得の一定割合を返納する、オーストラリアの仕組み) (3)全世代型社会保障の更なる実現→少子化対策として更に必要な施策を検討する一方、その財源についても、「社会全体で負担する」との理念の下、財政の効率化、税、新たな社会保険方式の活用、企業負担のあるべき姿を含め併せて検討> 9.規制制度改革等 (1)規制改革推進会議の答申を受けた規制制度改革→規制改革推進会議第2次答申(平成29年11月29日決定)を受け、待機児童数が隣接する市区町村間で偏りがあることを踏まえ、都道府県が市区町村を越えた保育施設の利用を調整する法的仕組みを強化する等の待機児童解消に向けた制度改革を行う。 (2)介護分野における外国人人材→アジア健康構想の下、介護分野における技能実習や留学中の資格外活動による3年以上の実務経験に加え、実務者研修を受講し、介護福祉士の国家試験に合格した外国人に在留資格(介護)を認めることや、海外における日本語習得環境の整備を通じ、介護分野での外国人人材の受入れに向けた国内外の環境整備を図る。 次回は、(資料2) 新しい経済政策パッケージの続き「第3章生産性革命」からです。 |